Amy 西北見聞部録:SSブログ
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車の街Stuttgart(シュトゥットガルト) 前半 [旅’20-]

 日本人の知り合いから話は聞いていたけれど、近いようで遠い街、Stuttgart(シュトゥットガルト)へ行ってきました。デュッセルドルフから2時間半。ドイツ人の友人にStuttgartへ行く話をすると「なんで?」という反応がたくさん。その理由は街に到着して納得しました。いわゆるドイツの「産業都市」という感じで、正直街並みがキレイな街という感じではありませんでした。華やかなイメージは無いけれど、利用した全ての公共交通機関ではクーラーがはいっていて、裕福な街ということがよく分かりました。ちなみに私が住むデュッセルドルフは35度になろうが、路面電車はクーラーがはいりません(車内にクーラーの機能がついているのかも分からない)。

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(メルセデス・ベンツ博物館)
 Stuttgartが裕福な理由の一つは、大手車メーカーが2社もあるから。ベンツ、ポルシェの本社はStuttgart。似たような時期に車というものを発明した人、ゴットリープ・ダイムラーとカール・ベンツがそれぞれ会社を19世紀後半に設立して、色々経て、今のベンツ。少し遅れて20世紀に、フェルディナント・ポルシェが会社を設立。

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(Stuttgartの街のカラーは黄色。そのため路面電車も黄色ボディー)
 ベンツ本社がStuttgartにあると言うのは知りませんでしたが、ポルシェが本社ということは街に到着して分かりました。というのも、都市の公共交通機関は大抵、街の紋章やシンボルを元にした色が使われているからです。例えば、デュッセルドルフは赤/白がベースで、赤のライオン、が街の紋章となっています。そのため、街の路面電車の車体には赤がメインに使われています。そしてStuttgartの路面電車は黄色、そして市内で見かける紋章は黄色の背景に黒い馬。もちろん、ポルシェのロゴと色が「馬と黄色」なのは偶然でなく、Stuttgartの会社だから、ということでしょう。

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(赤い円の部分がMerdeces通り)
 ベンツとポルシェ、両社が博物館を展開していて、今回は行ってみたかったベンツの博物館へ。市内中心からバスで20分ほどかかり、割と市外にある博物館だなあと思いましたが、本社からほど遠くないところにある博物館でした。ちなみに博物館前の通り名は、Mercedes通りでした。
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チューリッヒへ 後編 [旅’20-]

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 チューリッヒでは、美術館へ行ってきました。ゴッホ、モネ、マネ、と私が好きな画家の作品が多く展示されている美術館でした。「さすが金持ちの国の美術館だなあ」と呑気な事を考えながら作品を見ていました。

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 が、中盤から、この美術館の収蔵品のほとんどが、とある人のコレクションという説明が。Emil Bührleというスイスの武器商人の(元々の)コレクションだそうです。ハリウッド映画に出てきそうな典型的な「武器商人」という感じでした。第二次世界大戦中には、連合軍側にも、ナチス側にも武器を売り、巨万の富を築く中でコレクションを増やしていったようです。また、コレクションの中にはナチスがユダヤ人から略奪した絵画も含まれていて、現代になって評価が大きく変わってきているコレクションで成り立っているこの美術館。

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(展示停止になった作品の壁。作品をかけるピンが残っている感じが、つい最近の出来事、と再認識させられます)
 私が訪れた時は、このコレクターがどうやって財をなして、コレクションを増やしていったか、といういわゆる、スイスの「汚点」を説明する展示会をやっていました。Provenienzforschung(来歴研究 )という研究分野が最近発展してきているおかげでこの様な展示が開催出来ているのだと思います。私も聞いたことが無い分野でしたが、美術史とか、政治・歴史分野の研究の様で、コレクションや絵画がどういう背景で成り立って、どういう人が売買してきて、売買履歴を明らかにしていく、という研究分野の様です。絵画は必ずしも正式な売買履歴が残っている訳ではないので、色々な史料を地道に辿っていき、文字通り「過去にさかのぼっていく」研究作業。こういった研究のおかげで、このBührleコレクションのいくつかが、実際ナチスから略奪された作品と分かってきたものもあり、つい最近、今年の7月に展示停止になった作品もありました。

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 これまで見てきた美術館で、画家がどういう生い立ちなのか、またはどんな背景/人生のステージで、作品が描かれたのか、という視点から作品を見てきたことは何度もありました。が、作品が完成して何世紀も経って、その絵がどんな人に渡ってきたのか、ということはあまり考えたことはなく、これほど美術館/コレクションの成り立ちに関心を持ち、考えさせられた美術館はありませんでした。全く違う視点で作品を見ることが出来、とても良い展示を見ることが出来ました。
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チューリッヒへ 前編 [旅’20-]

 8月最後の週末は出張でチューリッヒへ。今回は8月下旬の研究発表会(ワークショップ)で訪れたので数日滞在出来ました。ドイツはようやく8月下旬になって、30度超える夏来た、という感じで、チューリッヒもちょうど夏が来ているという感じでした。30度超え、最上階、クーラー無しという場所の研究発表会はなかなか暑かったですが、夏を楽しめた数日でした。

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 なんと言っても楽しかったのは、湖で泳いだこと。私が住むデュッセルドルフ、大きなライン川が流れているけれど、汚いし流れも強いので泳ぐことができません。ドイツ同様海に面していないスイス、夏になると(ジュネーブも)湖か川で泳ぐことになります。今回はしっかり水着を持参して、チューリッヒの湖で泳いできました。チューリッヒ市内だと、市営で「湖浴場」のようなものを作ってあります。湖の水面に、建築の足場を広くしたようなのような作りで、そこにシャワーや更衣室があるという感じです。大人入場料が8フラン(1300円ぐらい)で、「さすがスイスの値段!」という高さでしたが、満足できました。その「足場」の様な場所を越えてから湖に入るので、結構深さがあります。私はもちろん足が付かないし、見た感じ2メートル以上の深さがありました。足が付かない場所で泳ぐのは久々なので、ちょっと怖かったけれど、慣れると大丈夫でした。

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(泳ぎ終わって19時半)
 初日は夕方6時頃行ったので、仕事帰りの人達でたくさんでした。19時半ごろまで同僚と泳いで、その後ビアガーデンの様なところで夕食、と夏を満喫出来ました。あまりに気持ちよかったので、翌々日(土曜日)は早朝(8時ぐらい)に行ってみることに。朝の水泳トレーニングをしているグループは居たけれど、そこまでは混んでおらずのんびり泳げました。ただ、カヌーや小型ボートも同じように湖を使っているので、たまに船で起きる波にはびっくりしましたが。
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Lee Kum Kee [2024年ドイツ]

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 学部生時代、試験前の手抜き料理は麻婆豆腐でした。丸美屋のレトルトを買って、豆腐を投入して作っていました。残念ながらドイツでは手軽に麻婆豆腐のレトルトが手に入らないので、レシピを探して自分で作る様になりました。私が麻婆豆腐をよく食べていることを知った友人が、「アジアンスーパーで、美味しい(手頃な)麻婆豆腐レトルトが売ってるよ」と教えてくれたのが、このLee Kum Keeのレトルト。挽肉、タマネギ、豆腐を入れると簡単にできます。丸美屋より山椒がきいているので、私はこちらのレトルトの方が好きになりました。

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 この赤と黄色のラベル、Lee Kum Kee、見たことがあるような無いようなラベル。でも聞いたことはないブランド。気になったので調べてみると鶏ガラスープ(とオイスタースープ)で有名な李錦記、のアルファベット表記でした。
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6年近いお供とお別れ [2024年ドイツ]

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(6年お供をしてくれた自転車)
 ドイツの滞在も6年を超え、滞在を一緒に過ごしてくれた自転車とお別れすることにしました。度地卯へ来たばかりの時に、ドイツ語も分からないまま、辞書を使いつつE-bay Kleinanzeigen(日本のメルカリみたいなやつ)で購入したのがこの自転車。サイズ28、という、私が乗ると足がギリギリ付く、という大きさの自転車。ハンドルブレーキが片側にしかついていなくて(前輪のブレーキ)、ペダルを逆回転することで(後輪)ブレーキがかかるコースターブレーキという少し変わった自転車でした。ロードバイクだとよくあるブレーキの仕組みみたいですが。この変わった仕組みのブレーキだけでなく、デザインもレトロな感じで私の相棒でした。ただ、私をよく知る友人から「その自転車、相当長く乗っているけど(車検のような)点検受けてる?」と言われました。自動車の様に車検がマスト、というわけではありません。が、やはり車道を走る(バイクレーンが車道にある)ので、点検はしておいた方が良いかと思い、自転車屋に持って行くと、「点検出来るけれど、絶対に修理が必要だし、点検費プラス修理代を考えたら、新品の自転車がほぼほぼ買えるよ」とのこと。

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(新しいお供)
 新品を買うのも悪くないけれど、ドイツの自転車は割と作りがしっかりしていて元々の値段が高いです。また、防犯の点を考えると中古で買った方が良いとの判断をして、再度Ebayへ。今回はShimanoの自転車をゲット。日本では意識して見たことはなかったけれど、有名な自転車メーカーの様です。
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赤ビーツ [2024年ドイツ]

 ドイツの夏も暑い日が続いています。私は特に最上階に住んでいるので、外気温以上に室内が暑くなります。そこで、サラダを食べる日が多く続きます。先日は初めて、赤ビーツを買ってみました。

 赤ビーツは、ボルシチとかに使うので、冬野菜のイメージなのですが、7月下旬8月頃にも市場で出ていました。赤ビーツ、好きだけれど下準備をしないと食べられない料理なので、自分で料理する際は敬遠してきた野菜の一つです。ただ、サラダとして食べたことはある野菜なので、今回赤ビーツを初めて自分で買って調理してみることにしたのでした。

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(茹で終わり直後。スルッと皮がむける)
 「サッと」出来る下準備だと良いのですが、煮込むという下準備がなかなか鬼門でした。普通の鍋で50分ぐらい煮込んでようやく料理として使えるものになるようです。なかなかの長時間なので、私が絶対の信頼を置いている圧力鍋で調理できないものなのか、とやり方を調べてみました。圧力鍋で蒸すと20分、だそうです。切って茹でる、という方法もあるのですが、それだと、この赤ビーツの色素が抜けてしまうので、蒸すのが良いらしいです。写真だと分かりづらいですが、とてもキレイな色の野菜だと思います。

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(サラダにして食べやすいように切る)
 皮もむかず、洗って、そのまま圧力鍋で蒸しました。これで蒸すことができるのか半信半疑でしたが、20分、追加で10分、計30分圧力で下準備してようやく食べられる固さになりました。市場ではもちろん、そのままの形で売っている場合もあるけれど、やはり下準備された状態で(瓶に詰めて)売られている場合もあります。今回自分でやってみて思いましたが、美味しいけれど、やっぱり下準備に時間がかかる!
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A few good men (1992) [映画’21-]

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(映画には全く関係ない写真ですが)
 ドラマ「ホワイトハウス」を見てから、脚本アーロン・ソーキンの作品は割とチェックしています。その中でずっと見ていなかったのがこの作品。彼の舞台作品を元に映画化されたみたいです。30年近く前の作品なので(かつての、そして今の)大スターの若い頃の映画、という感じもしました。走ったり、高いところから飛び降りたりしないトム・クルーズもなかなか新鮮でした。

 ジャンルは、法廷もの、でしょうか。30年近く前のアメリカの海兵隊が舞台となっています。今でも通じる「アメリカ」の感じがあるし、現代の(人間)社会にも通じる、どの、何のルール/秩序を優先させるのか、個人としてどうするのか、という普遍的な問いがされていて、全く「古さ」を感じさせない作品でした。むしろ、国家とか、組織、という枠組みの線がかつてほどはっきりしていない現代だからこそ、考えさせられる映画だった気がします。アーロン・ソーキン作品特有の弾丸スピードのやりとりもあって、「これ、これ」という感じでした。

 見終えて、残った疑問の一つが「結局『A few(少人数)』の良い人達/男達は誰のことを指しているのかなあ」という点。調べてみると、アメリカ海兵隊の募集/リクルートのスローガン「The Few. The Proud(誇り高き少数精鋭)」が由来となったタイトルの様です。A few good menは一見シンプルだけれど、見終えると、海兵隊を舞台としてこのタイトルになったんだ、ということがよく分かる、意味の深いタイトルでした。
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