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畜糞の有効活用で新たなビジネスを創出。施肥の省力化と環境保全に貢献するペレット堆肥の展望とは

畜糞の有効活用で新たなビジネスを創出。施肥の省力化と環境保全に貢献するペレット堆肥の展望とは

化学肥料原料の高騰が続く昨今、畜糞を有効活用した肥料への転換が国の施策として進められています。同時に、農業従事者の高齢化に伴い、施肥にかかる省力化の課題も。そこで注目されているのが、粉粒体製品の豊富なラインナップを誇る株式会社ダルトンが取り組むペレットの小径化と球形化。ペレット堆肥のメリットや造粒装置導入成功事例について、詳しいお話を伺いました。

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畜糞の有効活用は、国をあげての課題のひとつ


牛・豚・鶏等の家畜の糞、いわゆる畜糞の発生量は年間8,200万tにのぼり、その量は一般生活ごみの2倍といわれています。日々発生する多量の畜糞に対して、堆肥生産につなげるものの廃棄が上回っている現状。畜糞の有効活用は農業関係者の課題のひとつと言えます。
ほぼ100%を輸入に頼っている化成肥料原料の窒素、リン酸、カリウムが高値を示すなか、国内に豊富にある畜糞を余すことなく有機肥料生産に有効活用するといった、食料自給率を高めるための国策が進められています。
加えて、過疎化する農村への対策として新規就農者の誘致をしたり、農業従事者の高齢化や減少といった問題に対して、スマート農業など農作業への負荷を軽減する対策も徐々に導入。さらに将来的な農産物の輸出を見込み、付加価値を向上するために有機肥料の使用を促していくといった動きもあります。そのためには、いかに堆肥を扱いやすいものにできるかが課題となります。

しかしながら、堆肥使用には地域格差があり、畜産農業のある地域は堆肥を取り入れやすく、そうでない地域は運搬が必須でコストがかかります。重ねて「粉状」「嵩張る」「貯蔵場所の確保が必要」など堆肥の特徴から、保管場所の確保が難しく、多額の運搬経費がかかるなどの理由で、広域での流通は容易ではありません。
また、土づくりのために堆肥を積極的に利用したいという農家さんは多いものの、散布は撒きづらく労力がかかる現状があります。省力化や効率化が実現できる、撒きやすく安価なペレットが求められています。
こういった背景を受け、品質が安定した堆肥をどう確保して、どう保管すればいいのかなど、畜産農家、肥料メーカー、JAの共通の課題として浮き彫りになっています。

扱いやすさと安定品質を実現するペレット堆肥。マルメライザーで球形整粒し、より使いやすく

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押出造粒機「ディスクペレッター」

その課題を解決に導くのが、堆肥のペレット化です。株式会社ダルトンの粉体機械事業部では、食品・医薬など様々な業界での粉末や顆粒づくりの豊富な実績をもとに、1970年代からは堆肥のペレット化の課題を解決してきました。
同社のラインナップのなかで、堆肥をペレット化する機械が押出造粒機「ディスクペレッター」です。500㎏~1tの堆肥をわずか1時間でペレット化できる能力があり、1台で、粉砕・混合・圧潰作用を併せ持ち、粉砕・加水・加熱等の前処理がより簡易で済むのが大きな特徴で、多くの肥料メーカー、農業法人、JA 、自治体、試験場等でご使用いただいています。

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粉体機械事業部事業部長の原喜宣さん

「堆肥をペレット化するメリットは、大きく4つあります。1つめは、減容化により圧倒的に取り扱いやすくなること。2つめは、持ち運びやすくなることで流通範囲が広がり地域的な需要ギャップがなくなること。3つめは品質が安定すること。4つめは、ブロードキャスタなど散布機で散布しやすくなることです」

こう話すのは、粉体機械事業部事業部長の原喜宣さん。
堆肥のペレット化のメリットはこれだけにとどまりません。2019年12月に肥料取締法が改正されたことで、化成肥料と有機肥料を混ぜて散布できるようになり、農作物の種類に合わせた配合の混合肥料を販売して流通することも可能です。そのためには形状と大きさを揃えるとさらに効率的。散布機の詰まりを防ぎ、散布距離を調整することで、より作業のスピードアップを図ることができるのだそうです。
 
「現在流通する最小サイズの堆肥ペレットは、4~5ミリ顆粒が主流です。しかし散布しづらいという農家さんの声を多く伺い、試行錯誤するなか3ミリの大きさに行き着きました。ダルトンのディスクペレッターを使うと、他社にはまだ見られない3ミリペレット堆肥の製造を実現できます。さらに省力化が進みドローン散布が一般化する未来を見据えて、ペレットを球形に整えるマルメライザーを堆肥製造工程に組み込みました。小径化、球形化により流動性や充填率を高められると考えています。」(原さん)

「マルメライザー」とは、高速転動方式で顆粒の長さを揃えて球形化する球形整粒機装置です。バッチ式または連続式で直径1〜10ミリ径の球形顆粒を生産できるのが特徴です。整粒時の粉がほとんど発生せず、堆肥を無駄なく活用することができます。

JA菊池様:ペレット堆肥製造施設を建設し、広域連携で安定的な堆肥の販売につなげる

ダルトンの造粒設備を導入して成功している事例を、2箇所紹介します。

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JA菊池様 導入事例

1箇所は、熊本県の北東部にあるJA菊池様。畜産が盛んな地域で総勢321件の畜産農家が在籍しています。堆肥の流通については、ペレット堆肥導入前は農家個別で行なっていました。2007年、飼料や肥料などの価格高騰を受け、助成金の投入を決定。さらにJAが一部を請け負い、3拠点に牛鶏糞混合ペレット堆肥の製造工場を建設しました。堆肥総持込量は11,868t。堆肥生産量は年間6,475tで、そのうちペレットは354t。令和3年度の堆肥売上は4,114万円でした。堆肥の販売先は、県内耕種地帯のJA(大浜、熊本市、八代、阿蘇)と連携することで確保、安定的な堆肥の販売と個別の輸送コスト削減につなげ、管内畜産農家の経営安定に貢献につなげています。ペレット堆肥の評判については、低水分で長期保存可能、減量化されており散布が容易、ブロードキャスタなど既存農機械でも散布できる、広域流通が可能と、使い勝手の良さが評価されています。

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静岡県にある伊豆川飼料様 導入事例

2箇所目は、静岡県にある伊豆川飼料様。堆肥ではなく、水産業が盛んな静岡ならではの資源を活かして、魚粕を原料とした動物性有機質肥料をペレット化して販売しています。
原材料の素材や希望能力に合わせて、ディスクペレッターの仕様をカスタマイズすることが可能です。

導入までに事前テストが可能、導入後のアフターフォロー体制も万全

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粉体機械事業部 開発・技術統括部 技術一部 一課 課長 津張正光さんと斎藤直樹さん

ペレット堆肥製造を検討したい場合について、粉体機械事業部 開発・技術統括部 技術一部 一課 課長 津張正光さんと斎藤直樹さんに導入までのフローを伺いました。

「まず営業担当者が、1時間あたりどのくらいの生産量、何ミリ形が欲しいなど、必要事項をヒアリングします。それからサンプル分をつくる堆肥500kg〜1tを準備いただき、東京と大阪にあるテストセンターで希望する能力が実現可能かどうかをテストします。
テストセンターでは、ペレット堆肥製造の様子も実際に見学していただけます。説明をしながら1〜2時間ほどでサンプルの堆肥ペレットが製造されます。持ち帰っていただき、実際に散布して、化成肥料を使ったものと比較しながら、農作物の生育を見ていただきます。期間は半年から1年間。効果確認後、お見積りするといった流れになります」

希望があれば、導入前の機器の貸し出しにも対応。導入にあたっては、環境や要望に合わせた機器選定や設置方法のサポートを受けられます。導入後は、定期点検や部品供給などアフターフォロー体制も万全です。
事前テストを経てから導入を決められるのは大きなポイント。ぜひ実際にペレット堆肥のサンプルを使って、1シーズン作物の生育を確認してから導入を検討してほしいと、力を込めて話してくださいました。

3ミリの小径ペレットと球形化、将来のドローン散布も視野に

最後に、将来的にどんな使い方を提案していきたいか展望を伺いました。

「堆肥散布は、作物に合わせた配合さえ決めてオペレーションするだけで大幅な省力化が実現できます。よりスマート農業に貢献していくためには、肥料の形状を揃える必要があります。従来の散布機での利用だけでなく、ドローン散布等への汎用性を見据えて『3ミリ』サイズの造粒を提案しています」(原さん)

畜糞有効活用に対し、ペレット堆肥ソリューションの提供をするダルトン。2024年10月9日(水)から3日間、幕張メッセで開催される農業・畜産の展示会「J-AGRI-ジェイアグリ-」に出展します。押出造粒装置ディスクペレッターと球形整粒装置マルメライザーのデモンストレーションを実際に見られるそうです。この機会に、実物を確認しに訪れてみてはいかがでしょうか。

ダルトンのペレット堆肥ソリューション 詳細

株式会社ダルトン
ペレット堆肥ソリューション 特設サイト
詳細はこちら:https://www.dalton.co.jp/mlmg-powder/taihi/

イベント出展情報

J-AGRI-ジェイアグリ
日時:2024年10月9日(水)~10月11日(金)
場所:幕張メッセ
詳細はこちら:https://www.jagri-global.jp/hub/ja-jp.html

【お問い合わせ】
株式会社ダルトン
粉体機械事業部
〒104-0045 東京都中央区築地5丁目6−10
浜離宮パークサイドプレイス
詳細はこちら:https://www.dalton.co.jp/powder/

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