日陰に強い姫高麗芝に庭の芝生を張り替える
2019.05.19/Sun/16:01:00
【芝生の損傷】
我が家はとあるマンションの1Fに位置していて、ベランダの代わりに庭があります。その庭の一部(約8㎡)は坪庭になっていて、入居時からそこには芝生が植えられていました。

(2008年5月の入居当初の状況)
芝の健全な生育には「日当たり」、「水はけ」、「養分」、「手入れ」が必要ですが、この場所「日当たり」に難があり、一部の日照時間が1~2時間となる厳しい条件でした。それでも、何とか育て続け、最盛期はこんなに青々としていました。

(2009年7月の状況)
手入れの意欲と頻度が低下したせいか、その後、だんだんと芝生が衰退していきました。それでも何とか持たせていたのですが、私の失敗で、芝生を壊滅させてしまいました。よく確認せず「除草剤」を全体散布してしまったのです。その結果がこちら。

(2019年1月、芝生壊滅)
【張り替え決意】
何ともみすぼらしくなってしまいました。その後、「復活させよう」と心に決めましたが、当然壊滅した芝生が自発的に復活することはありません。新しく芝生を張り替え、育てなおすしかありません。しかし、芝生の張り替えを行うには、適切な時期があります。それは、芝が生育し始める「春」です。したがって、4月になるまで張り替えのタイミングを待ち、4月中旬に活動を開始しました。
【排水確保】
この坪庭部分の構造は、底面がコンクリートスラブになっていて、水は直接地面にはけていきません。水はスラブ底面を移動し、最終的にはこの排水桝に達して排出されるようになっています。

しかし、次の写真の赤矢印の部分は水の排出口がないことがわかりました(マスの反対側には排出口があります)。このままではこの部分に溜まった水の排出に時間がかかり、水はけが悪くなってしまいます。

したがって、振動ドリルとコンクリート用ビットを用いて、この部分に2ヶ所、穴あけ加工を行いました。

穴開け部分は、土砂でふさがれないよう、小石を敷き詰めることにしました。まずはナイロン製の網を敷き…

小石を敷き詰めます。

【整地】
直前の地面の様子です。かつての芝生の根や地下茎、小石などがびっしり。土質も踏み固められていて、このままの状態で芝生を張るのは好ましくありません。

そこで、手間にはなりますが、この土は一旦掘り起こし、ふるいにかけて再投入することにしました。実はここに投入されている土は二重構造になっています。スラブ底面部の水はけを確保するため、底面付近に白色の礫が敷き詰められ、その上に土が盛られている構造です。

したがって、上層部の土のみ掻き取り、ふるいにかけて再投入する作業としました。用意した道具はこちら。どちらもダイソーで購入した小型の鍬(くわ)とバケツ型ちりとりです。

この写真は、約半分まで整地作業完了した姿。

小型の鍬で土の上層部だけ掻き取る作業は「過酷な作業」でした。残り半分の面積の土を掻き出すだけでも2時間はかかりました。以下は、その作業の様子を「時短」でビデオ化したもの。
(表面の土の掻き出し: 32秒)
ようやく、掻き出しが終わったところ。夕方から始めましたが、すっかり夜になってしまいました。あとは、掻き出した土をふるいにかけて再投入します。その作業は翌日以降にまわします。

芝生ゾーンの右側にはタイル張りのゾーンがあり、このゾーンに振った雨水の多くは、芝のゾーンの右端に流れ込むことになります。そこで、その芝ゾーン右端から10cmはコンクリートスラブの底面に小石を敷き詰め、その部分の水はけを最大限確保しました。

日を改めて作業を行い、ようやく整地作業が完了。

ここまでくれば、あとは芝生を張るだけ。この「整地作業」が最も大変でした。この後の芝生の張り替えは楽しくできました。ただし、土の厚さをだいぶ削った分、「残土」が大量に発生。これを処分するのも手間と費用が掛かりました。

【芝張り】
さて、芝はタイルタイプの「姫高麗」を選択。ホームセンターでは姫高麗は選べず、収穫してから日数が経過しているものしかないため、新鮮な芝を届けてくれる通販業者で購入しました。

ちゃんと緑が残っていて、鮮度があります。

ホームセンターの在庫芝を見ると、こんな感じ。すべてのホームセンターがこうではないと思いますし、これでも芝は死んでいないと思いますが、やはり採りたてを送ってくれる方が良いです。

張り方は、隙間なく敷き詰める「ベタ張り」を選択。一列ごとにタイル半分ずらしながら敷き詰めてゆきます。

芝生をカットせずに敷けるまでの作業が完了。


あとはタイルをハサミでカットしながら隙間を埋めてゆきます。

敷き終わりました。これで、当初の緑の芝生が復活!

今までの作業の苦労が報われた瞬間です。

【目土入れ・散水】
最後の仕上げを行います。タイル芝はベタ張りで敷き詰めても、隣のタイルとの間に溝ができてしまいます。

そこで、その溝を埋めるために目土入れを行います。

今回は全体には被せず、あくまでも溝を埋めるためだけに目土入れを行いました。

目土入れ完了。

あとは、下の土と芝タイルが密着するように足で踏み固めを行いました。

最後に十分に「散水」します。これで、張り替え作業は完全に終了。あとは日々の手入れをしながら生育を待つのみです。

ちなみに、この坪庭は排水経路が、このコンクリート桝だけという特殊な構造。

そのため芝生表面でも水はけが良好になるように、整地の際に多少の傾斜を設けています。


【その後の状況】
芝生を張り替えたのが 2019年4月20日。その後、約一か月経過したので、その状況を写真で紹介します。まずは、約2週間後の5月初め。

問題なく根付いたようで、芝の青さが増しています。

まだタイルの間の目地は残っていますね。

次の写真は約1ヶ月経過した 5月16日。

さらに芝が成長し、見た目でも葉の長さが増しているのがわかりました。

その結果、タイルの継ぎ目の目地はだいぶ目立たなくなりました。

今回の失敗の根源である「除草剤」は今後は当面使いません。狭い坪庭なので、雑草を見つけたら、「手でつまんで取ります」。また、この場所は日照時間が短めであり、光合成を少しでも多く行うには芝の長さは長めに保つ方が良いと考えているため、芝刈りも当分控えます。
これで、再び緑の芝生が復活できました。今後は、原則毎日水やりを行いながら成長を見守ります。
【関連ページ】
芝生育成のための日照時間確保に大型ミラーを利用する
生育期の前に高麗芝のエアレーションを行う
春に向けて、庭の高麗芝を部分的に張り替える
姫高麗芝の冬ごもり準備
リョービ園芸用バリカンの替刃交換
-----
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
我が家はとあるマンションの1Fに位置していて、ベランダの代わりに庭があります。その庭の一部(約8㎡)は坪庭になっていて、入居時からそこには芝生が植えられていました。

(2008年5月の入居当初の状況)
芝の健全な生育には「日当たり」、「水はけ」、「養分」、「手入れ」が必要ですが、この場所「日当たり」に難があり、一部の日照時間が1~2時間となる厳しい条件でした。それでも、何とか育て続け、最盛期はこんなに青々としていました。

(2009年7月の状況)
手入れの意欲と頻度が低下したせいか、その後、だんだんと芝生が衰退していきました。それでも何とか持たせていたのですが、私の失敗で、芝生を壊滅させてしまいました。よく確認せず「除草剤」を全体散布してしまったのです。その結果がこちら。

(2019年1月、芝生壊滅)
【張り替え決意】
何ともみすぼらしくなってしまいました。その後、「復活させよう」と心に決めましたが、当然壊滅した芝生が自発的に復活することはありません。新しく芝生を張り替え、育てなおすしかありません。しかし、芝生の張り替えを行うには、適切な時期があります。それは、芝が生育し始める「春」です。したがって、4月になるまで張り替えのタイミングを待ち、4月中旬に活動を開始しました。
【排水確保】
この坪庭部分の構造は、底面がコンクリートスラブになっていて、水は直接地面にはけていきません。水はスラブ底面を移動し、最終的にはこの排水桝に達して排出されるようになっています。

しかし、次の写真の赤矢印の部分は水の排出口がないことがわかりました(マスの反対側には排出口があります)。このままではこの部分に溜まった水の排出に時間がかかり、水はけが悪くなってしまいます。

したがって、振動ドリルとコンクリート用ビットを用いて、この部分に2ヶ所、穴あけ加工を行いました。

穴開け部分は、土砂でふさがれないよう、小石を敷き詰めることにしました。まずはナイロン製の網を敷き…

小石を敷き詰めます。

【整地】
直前の地面の様子です。かつての芝生の根や地下茎、小石などがびっしり。土質も踏み固められていて、このままの状態で芝生を張るのは好ましくありません。

そこで、手間にはなりますが、この土は一旦掘り起こし、ふるいにかけて再投入することにしました。実はここに投入されている土は二重構造になっています。スラブ底面部の水はけを確保するため、底面付近に白色の礫が敷き詰められ、その上に土が盛られている構造です。

したがって、上層部の土のみ掻き取り、ふるいにかけて再投入する作業としました。用意した道具はこちら。どちらもダイソーで購入した小型の鍬(くわ)とバケツ型ちりとりです。

この写真は、約半分まで整地作業完了した姿。

小型の鍬で土の上層部だけ掻き取る作業は「過酷な作業」でした。残り半分の面積の土を掻き出すだけでも2時間はかかりました。以下は、その作業の様子を「時短」でビデオ化したもの。
(表面の土の掻き出し: 32秒)
ようやく、掻き出しが終わったところ。夕方から始めましたが、すっかり夜になってしまいました。あとは、掻き出した土をふるいにかけて再投入します。その作業は翌日以降にまわします。

芝生ゾーンの右側にはタイル張りのゾーンがあり、このゾーンに振った雨水の多くは、芝のゾーンの右端に流れ込むことになります。そこで、その芝ゾーン右端から10cmはコンクリートスラブの底面に小石を敷き詰め、その部分の水はけを最大限確保しました。

日を改めて作業を行い、ようやく整地作業が完了。

ここまでくれば、あとは芝生を張るだけ。この「整地作業」が最も大変でした。この後の芝生の張り替えは楽しくできました。ただし、土の厚さをだいぶ削った分、「残土」が大量に発生。これを処分するのも手間と費用が掛かりました。

【芝張り】
さて、芝はタイルタイプの「姫高麗」を選択。ホームセンターでは姫高麗は選べず、収穫してから日数が経過しているものしかないため、新鮮な芝を届けてくれる通販業者で購入しました。

ちゃんと緑が残っていて、鮮度があります。

ホームセンターの在庫芝を見ると、こんな感じ。すべてのホームセンターがこうではないと思いますし、これでも芝は死んでいないと思いますが、やはり採りたてを送ってくれる方が良いです。

張り方は、隙間なく敷き詰める「ベタ張り」を選択。一列ごとにタイル半分ずらしながら敷き詰めてゆきます。

芝生をカットせずに敷けるまでの作業が完了。


あとはタイルをハサミでカットしながら隙間を埋めてゆきます。

敷き終わりました。これで、当初の緑の芝生が復活!

今までの作業の苦労が報われた瞬間です。

【目土入れ・散水】
最後の仕上げを行います。タイル芝はベタ張りで敷き詰めても、隣のタイルとの間に溝ができてしまいます。

そこで、その溝を埋めるために目土入れを行います。

今回は全体には被せず、あくまでも溝を埋めるためだけに目土入れを行いました。

目土入れ完了。

あとは、下の土と芝タイルが密着するように足で踏み固めを行いました。

最後に十分に「散水」します。これで、張り替え作業は完全に終了。あとは日々の手入れをしながら生育を待つのみです。

ちなみに、この坪庭は排水経路が、このコンクリート桝だけという特殊な構造。

そのため芝生表面でも水はけが良好になるように、整地の際に多少の傾斜を設けています。


【その後の状況】
芝生を張り替えたのが 2019年4月20日。その後、約一か月経過したので、その状況を写真で紹介します。まずは、約2週間後の5月初め。

問題なく根付いたようで、芝の青さが増しています。

まだタイルの間の目地は残っていますね。

次の写真は約1ヶ月経過した 5月16日。

さらに芝が成長し、見た目でも葉の長さが増しているのがわかりました。

その結果、タイルの継ぎ目の目地はだいぶ目立たなくなりました。

今回の失敗の根源である「除草剤」は今後は当面使いません。狭い坪庭なので、雑草を見つけたら、「手でつまんで取ります」。また、この場所は日照時間が短めであり、光合成を少しでも多く行うには芝の長さは長めに保つ方が良いと考えているため、芝刈りも当分控えます。
これで、再び緑の芝生が復活できました。今後は、原則毎日水やりを行いながら成長を見守ります。
【関連ページ】
芝生育成のための日照時間確保に大型ミラーを利用する
生育期の前に高麗芝のエアレーションを行う
春に向けて、庭の高麗芝を部分的に張り替える
姫高麗芝の冬ごもり準備
リョービ園芸用バリカンの替刃交換
-----
最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
カテゴリ: DIY・便利グッズ
go page top
« ロードバイクのケーブルの全交換
クロスバイクに「かしこいランプ」を取り付ける »
この記事に対するコメント
go page top
トラックバック
承認制としています。無関係なものは承認されない場合があります。
トラックバックURL
→https://ace.reviewmagic.jp/tb.php/783-ec41aa5a
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
トラックバックURL
→https://ace.reviewmagic.jp/tb.php/783-ec41aa5a
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| h o m e |