「はじめはすぐ辞めると思ってた」師匠・月亭八方が月亭方正に語る「タレントと噺家との違い」
普段はあまり話す機会のない芸人同士が劇場の合間にご飯を食べながら交流する「劇場合間メシ」。今回は、芸歴35年の月亭方正が師匠の月亭八方を誘い、松阪牛専門のレストラン「松阪牛焼肉『M』難波店」(大阪市中央区)へ。2人だけのランチは初めてという師匠と弟子が真剣トークを繰り広げる。
芸歴55年の八方は、言わずと知れた関西落語界の重鎮であり、今もテレビで活躍する人気タレント。息子の八光はタレントとして人気の落語家だ。そんな八光について「どんな感じなんですか?息子が噺家でテレビ出て」と関係を聞くと、八方は「心配やねん」「だから2人でメシなんかよう食わん」と息子への思いがあふれ出す。「八光には正しい落語家になってほしい」と語り「落語は本籍、テレビは現住所」という。「落語という本籍があって、これによって他のことが出来る」「それは八光だけじゃなしに、あなただってそうやで」の一言に方正も思わずグッとくる。
2008年、40歳で月亭一門に弟子入りし、それまでの山崎邦正から月亭方正に改名し、落語の道を歩み始めた方正。「落語は噺や技術をいただけるから、感謝の気持ちが生まれる」と落語への思いを熱弁する方正は「テレビタレントと噺家の違い」を八方に尋ねる。八方の答えは「牛鍋と豚鍋みたいな違いかな」というもの。そのこころは「笑いという1つの中には入っている」「その鍋に仕切りがあって牛の人はこっちへ、豚の人はこっちへ(という感じ)」なのだとか。また「テレビに出るからタレントじゃない。才能があるからタレント」というコメントには深みがある。
落語を始めて15年、「今後、どう向かえばいいですか?」と真摯に尋ねる方正に師匠はどう答えたのか。八方が方正にこれからの落語との向き合い方について穏やかに諭す、海原やすよ ともこが司会の番組『やすとものいたって真剣です』8月3日放送回は、動画配信サービスTVerで無料配信中。