【週刊オルターブース】子供の頃の夢はロボット博士。テクニカルアーキテクト木村さんインタビュー - Alternative Architecture DOJO

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【週刊オルターブース】子供の頃の夢はロボット博士。テクニカルアーキテクト木村さんインタビュー

こんにちは!オルターブースPRマーケティングのよしざきです。
「今週こそはインタビューを公開するぞ!」と思っていても、ビッグニュースが入ったりしてどちらをとりあげようか非常にもどかしいオルターブースでの毎日です。

そんな中、今週も特大ビッグニュースが。
www.alterbooth.com

「マイクロソフト ジャパン パートナー オブ ザ イヤー 2021」OSS on Azureアワードを受賞!!
これで一昨年から3年連続受賞。計4回の受賞になります。オルターブースメンバー一同喜んでおります。いつも応援してくださっている皆さまありがとうございます。

こちらのアワード受賞についてはまた記念撮影などのエピソードも含めて週刊オルターブースではお届けしたいと思いますので、もう少しお待ちください。
こじま社長は早速ブログを公開しておりましたので、ぜひお読みください。
aadojo.alterbooth.com

というわけで本日の週刊オルターブースは社員インタビューをお届けします!!(どーん)

今回インタビューさせていただいたのは、最近オルターブースのIoT番長に就任したテクニカルアーキテクトの木村さんです。
先週の週刊オルターブースで表紙を飾っていたあのお方です。
なんと2週連続で表紙を飾っちゃいます。
aadojo.alterbooth.com

それではどうぞ!!

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学生時代について

(よしざき)「木村さんは学生時代、どんなことを考えながら、どんな日々を過ごされていましたか?」

(木村さん)「高校の時はひたすら部活(吹奏楽)に打ち込んでいました。家に帰れば中学の時に親が仕事用に買ったPCがあったので、プライベートではプログラムを書きつつDTMで遊ぶ日々でしたね。DTMでは色んな楽譜を打ち込んで演奏させたりちょっとアレンジしたりしていました。小島さんや木本さんと同世代なのですが、みなさんDTMやってたっていわれてますね。」

(よしざき)「木村さんもDTMをされていたのですね!驚きです。まさか社内にDTMerが3人もいたとは!!大学に入ってからはどうでしたか?」

(木村さん)「大学に入る時に入学祝いで自分用のPCを買いました。当初はゲームとDTMがメインでその時期はあまりプログラムを書いてなかった気がします。

大学3年の頃に、友達や学生実験でお世話になった助手の先生の影響でインターネットとFreeBSD(PCで動くUNIX系OSの1つ)にどっぷりハマりました。家からもインターネット接続できるようにしたり、自分のPCでサーバ環境構築したり、そこでプログラム(CやJava)を書くのが楽しくてしょうがなくて、大学4年~修士の3年間は研究の傍らひたすらFreeBSDや研究室のSolaris(商用のUNIX)で遊びながらプログラム書いていましたね。

大学のカリキュラムではコンピュータサイエンスの基礎はみっちりたたき込まれました。学生実験でCPUも作ったし、OSも作った。
この頃の知識と経験が今の僕を支えてるのは間違いないので本当に感謝しています。

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コミュニティ活動の原点となる経験も

(よしざき)「大学院に入ってからはみっちりプログラミング生活だったんですね。」

(木村さん)「はい。ちょうどこの頃、友人や懇意にしてる助手の先生に協力してもらいながらBSD User Group九州(BBQ)を立ち上げて、色んな人と勉強会もはじめました。大学の先生や先輩などコミュニティで凄い人たちと会って色々お話聞くのが凄く楽しかったです。

当時はSNSではなくメーリングリストが主流だったのですが、そこでユーザー会が行われていることを知りました。福岡でもやろうということで始めてみたら、結構人が集まって驚きました。
鹿児島から来ていただいた方もいましたね。そんな感じでユーザー会の活動を3ヵ月に1回はやっていました。
最近は開催できてないけど、またやりたいですね。今となってはあれが私のコミュニティ活動の原点だったと思います。」

学生時代に進路について抱えていた不安や悩み

(よしざき)「木村さんが学生時代、進路について感じていた不安や悩みがあれば教えてください。」

(木村さん)「不安、ということではないんですが、子どもの頃からの夢は「ロボット博士」だったのでロボット関連かコンピュータ関連かどちらに進むかは結構迷いました。

ずっとコンピュータが楽しいと思ってやってはいたのですが、子供の頃からの夢であるロボットを作りたいという思いはずっと持ったままだったんです。 大学は一旦「工学部電気系学科」というざっくりとした括りで入学したので、その中で勉強しながらどちらに進むかはずっと迷っていました。 結構ギリギリまで迷ったんですが、ロボット関係に必要な単位は自分が納得する形で理解ができなかったので、一番自分に向いているのは情報系だと思ってその道を選びました。

そんなこんなで結局コンピュータ方面に進んだのですが、そういうものづくりへの興味は今もあって、それがIoTの活動に繋がっているのだと思います。 大学教員だった父の影響もあり、大学に残って研究職に就きたいと思っていたことやモラトリアムも手伝って「もうちょっと修行したいから博士課程進みます」と早めに研究室の先生に相談していました。修士は友達もほとんど進学だったのもあり、なんとなく行くものだと思っていました。

ただ、修士に入るときに奈良先端科学技術大学院大学(naist)は受験しました。進学先は少し迷ったのですが、結局学部生の頃から在学していた九州大学にしました。

進学することを決めたらあとは特段の準備はなかったので、研究の傍らひたすらプログラムを書いたりサーバのお守りしたりで修行の日々でした。」

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就活について

(よしざき)「就活はどんな感じでしたか? 」

(木村さん)「博士に入ったときに高校の先輩の会社でプログラムを書くバイトをしていて、そこで作ったシステムを当時始まった「未踏ソフトウェア創造事業」に持ち込んだら採択されたので、それを足がかりにして先輩と会社を作りました。

当時の気持ちとしては会社は作ったもののそちらはバイト感覚で、学業をしっかりやるつもりでいました。だけど、仕事が忙しくなってだんだん学校のことをやる時間が無くなってきたんです。ゼミに出て後輩の指導などはしていましたが、自分の研究や論文の執筆に割く時間が無くなってきて、最終的には博士論文を出さずに修了しました。そのままの流れで、オルターブースに転職するまでずっとその会社での仕事をしました。だから、私は就職活動をしたことがありません(笑)」

(よしざき)「珍しい流れですね!当時の木村さんにとっては、大学での研究よりも仕事でプログラムを書く方が楽しかったのでしょうか?」

(木村さん)「私としては仕事も学問も両方楽しいし頑張りたいという気持ちでした。どちらが特別というのはなかったんです。 ただ、工学部出身で、転科して理学部の大学教員をしていた父からの「工学はモノを作ってなんぼ。モノを作って世の中の役に立つことが大切」という教えを受けていたせいか、「技術を世の中に還元したい」という気持ちが強くありました。 そういう部分ではビジネスだとダイレクトに世の中、お客様からフィードバックが得られますからね。

だからオルターブースが掲げている「クラウドの社会実装」というのがすごく腑に落ちたんです。どう世の中を良くできるか、便利にできるか、という思いに共感できました。

ただ、本当に研究職につくつもりだったので、ここが自分の人生で一番想定していなかった流れですね(笑)いつになるかは分からないけれど、博士論文はちゃんと書きたいと思っています。」

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オルターブースに入社したきっかけ

(よしざき)「オルターブースに入社したきっかけを教えてください」

(木村さん)「元々コミュニティ活動で小島さんをはじめ社員の皆さんとは顔なじみで、一緒に仕事をしたこともありました。そんな中で色々と小島さんに相談に乗ってもらったときに「うちに来る?」と誘われたんです。

最初は「まじか、嘘やろ、俺に声かかるわけないやん」と思っていたし、オルターブースの人たちってすごいひとばかりだから自分がそこでやっていけるのかという不安もあってすごく悩みました。そんなに自分が評価されているとも思ってなかったので、小島さんからのオファーには本当に驚きました。

でも、小島さんの話をしっかり聞いて、自分が求められていることが分かりました。当時の自分の立場や責任など諸々の条件を考え、正直かなり悩んだのですが、 いろんな人にも相談して悩み抜いた結果、オルターブースに転職することに決めました。

実際にオルターブースに入社してみて

(よしざき)「実際にオルターブースに入社してみていかがでしたか?」

(木村さん)「外から見ていた以上に皆さん優秀で、毎日一緒に働いていても刺激があって本当に楽しいです。

新しいことをやっているという感覚があります。これだけクラウドの技術をがつっと使えるのは楽しいですね。

「だれもやったことが無いことを積極的にやっていこう!」というのを推奨してもらえるのはすごく嬉しい。皆さんが想像以上にできる方なので、すごいなあと思っています。 」

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社会人になる前に身につけておくと良いこと

(よしざき)「社会人になる前に身につけておくと良いと思うことがあれば教えてください。」

(木村さん)「やっぱり質問力が大事だと思います。コミュニケーション能力の1つですよね。

質問力、詳しく言えば「質問の仕方」「調べごとの仕方」「やったことを人に伝わるようにまとめる力」は身につけておくといいと思います。だからレポートや卒論はちゃんとやろうね!(笑) 卒論を通じて筋道を立てて説明し、質問する力を鍛えることができるんです。
分からなかったとしても、分からないなりに自分が考えたことを道筋として出すことは大切だと思います。

それができるようになると、1人で疑問を抱え込まなくなるので、お互い気持ちよく質問したり答えたりできるので良いと思います。
良質な質問をしている人に、良質な回答が集まる。良質な回答を得られた人は、今度は良質な回答をすることができるようになる。その連鎖です。

「自分が何をやったか」「そこでどう考えたか」「何が分からないのか」ということをちゃんと伝えて質問しないと、答える側も答えにくいし時間ばかりかかります。これをまとめる中で自己解決することもあるし、質問力が高い人には答える側も気持ちよく答えられるので、色々なことを色々な人から吸収できるようになるんです。

まずは「何かよく分からないので教えてほしい」という状態で人に質問するのを極力減らすことですね。ちんぷんかんぷんでも、一生懸命考えていれば、例えそれが的外れであっても「自分はこう考えたんだけど」と自分の考えのプロセスを伝えることができるはずです。

これをうまく引き出しながら教えてくれる人に出会えたらそれは幸運なことなので、教えてもらった結論だけでは無く、その人がどういう風にその結論まで導いてくれたか?何を聞けば答えが返ってきやすかったのか?を身につけていくといいと思いますよ。 」

ここが羨ましい!若者に活用してほしい現代の便利なところ

(よしざき)「今の若者のここが羨ましい!今の若者にはこういうところをもっと活用してほしい!」など当時はなかった現代の便利な部分を教えてください。」

(木村さん)「インターネット上に大量の資料や事例があり、書籍も豊富で、クラウドを使えば資料に書いてあることをすぐに試せるのがまず一番羨ましいです。僕の子どものころは本もゴリゴリの専門書くらいしかないし、人がやってることに触れるのも大変だったし(地方格差もあった)、試そうにもコンピュータに触れることすら敷居が高かった時代です。
何か分からないときにも、多くの資料にすぐに触れられ、しかもすぐに試せる状態はとても贅沢なことなので、上手に使って勉強してほしいですね。

もう一つ、世界の第一線で動いている人達の生の声もオンラインでどこからでも聞けるし、質問もできることが本当に羨ましいと思っています。コミュニティのイベントにもドンドン積極的に参加してほしいですね。

これからの目標やそれに向けて取り組んでいる事

(よしざき)「今目標としていることや、目標に向けて取り組んでいることがあれば教えてください。」

(木村さん)「具体的な目標っていうのは今は・・なんでしょうね。転職したとき、まずは5年はしっかり会社に貢献できるように頑張ろうとは思いました。自分のことはそれからゆっくり考えようかと。まずは娘の良き父でありたいと思いますね。

そして、そろそろ私も自分のことばかりでは無く、人を育てていけたらなとは思っています。まだ自分も至らないところや知らないことばかりで大層なことは言えないのですが、得た知識や経験を世の中にもっと還元していきたいです。自分が学生の頃に憧れた先輩や先生、スーパーエンジニアの人達のように、若い人のロールモデルになれたらなという思いはあります。」

進路に悩んでいる学生へメッセージ

(よしざき)「現在進路に悩んでいる学生に対して、メッセージがあればよろしくお願いいたします!」

(木村さん)「自分も変わっていくし世の中も変わっていくから、10年後20年後にどうなってるかは分かりません。 けれど、そんな中でもどこに行っても変わらず通用する基礎力と教養というのは必ずあります。それを学生のうちにしっかり身につけて欲しいです。それができていれば、少々何があっても、どこにいってもどうにかなると私は思っています。

例えば、プログラムでも特定の言語がすごくできるというのも良いのですが、それだけだと、その言語が使えなくなった時に行き詰ってしまいます。
言語が変わっても大丈夫、フレームワークが変わっても大丈夫と言えるように、根本的な知識を身につけておくことが理想です。
根本的な知識があれば、何かが変わっても対応することができます。

あとは悩んだときは人に相談することですね。親、先生、友達、コミュニティで会った人。相談できる人、ちゃんと話を聞いてくれる人は必ずいます。ひとりで抱え込まない。あなたが思っている以上に世界は広く、色んな立場や考えの人がいて、可能性に溢れています。

私は人とのつながりは財産だと思っていて、とくに学生時代の友人知人は大切にしてほしいと思います。大人になるとどうしても仕事や興味のあることでのつながりが密になりますが、学生時代の友人知人はこれから色々な世界のプロフェッショナルになっていく人たちです。自分が普段触れない世界で活躍している友人というのは支えにも刺激にもなります。そして、あなた自身が進んだ道でプロフェッショナルになれば、友人達への刺激や支えにもなってあげられるはず。

損得勘定抜きでそういう関係を作れる相手というのは、学生時代の友人知人が一番多いと思うんです。交友範囲を広げる事だけに血道を上げるのもあまり良くはないと思いますが、人とのご縁は大切にしてほしいですね。

まとめ

今回はテクニカルアーキテクトの木村さんにインタビューしてきました。
学生時代からの木村さんのコンピュータやプログラミングへの愛が感じられるインタビューになったなあと思っています。学生のころから遊びがDTMとプログラミングってかなり高度ですよね(笑)。人との出会いや人生の学びのきっかけにコンピュータが通じていることが多く、木村さんのこれまでの人生においてコンピュータは非常に密接な存在だったんじゃないかなあと感じました。自分の人生にそういう存在があるってすごく羨ましいです。

今後もオルターブースのIoT番長としての活躍もしっかりお届けしていきますのでお楽しみにお待ちください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回もお楽しみに。

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