趣味のジェルネイルから派生して、レジンクラフトもするようになりました。
市販のシリコンモールドもいろいろ試してみたのですが、ドンピシャな好みの形を見つけるのは難しいです。
自分で好きな形のモールドをつくったら楽しいんじゃないかと思い、試してみた手順のメモです。
使ったもの
原型
型取りしたいものの現物です。今回はタイルやピアスパーツ、チェコビーズを用意しました。
すべて、東京・浅草橋のパーツ屋さんで購入してきたものです。
型取りブロック
ほいく粘土
粘土ヘラ
造形村 透明シリコン
デジタルキッチンスケール
0.1gの細かさで測れるものがよいです。
エンボスヒーター
気泡絶対入るので絶対必要。 レジン以外のクラフトでもなかなか出番があるので、ものづくり好きな人は持っててもいいかもと思います。Amazonで安い。種類いろいろあるけど、性能変わらないと思うので、見た目が好きなやつ買ったらいいと思います。思ったより大きいです。
わたしが買ったのはKIYOHARAのもの。
その他消耗品
- 紙コップ
- → シリコンを混ぜる容器として使用
- わりばし
- → 上記同様、シリコンを混ぜる混ぜ棒として
- ゴム手袋
- → 手につくと皮膚が荒れることがあるので
- 敷物など
- → 作業台の汚れ防止。シリコンが垂れた時に拭き取りづらいので、新聞やアルミ製のバットなど捨てられるもの。
手順
水平な作業台の上で作業を行います。水平にしないと、精度の悪いモールドになってしまい、そこからつくるレジンパーツも歪んでしまいます。
枠をつくる
型の枠に並べて原型を配置してシミュレーション。周囲に1cmほど余裕を持たせて配置しました。
枠の下の白い板は、かなり厚手のプラバンを作業用として使っています。
かなり厚めの厚紙や、汚れてもいいプラスチックの下敷きなどを使ってもいいと思います。
原型を埋め込む
原型を埋め込んでいきます。底になる部分に油粘土をできるだけ水平・平坦になるように敷きます。
粘土は〈ほいく粘土〉を使ってます。
ヘラは Amazon で安かったノーブランド品。いろいろな形がセットになっていて、さまざまな用途に使えそう。
底ができたら原型を置き、少しだけ押しつけて1mmほど埋め込ませます。
さらに、押しつけて凹んだ部分がきれいに埋まるように、ヘラでならします。原型の側面と粘土の面が、90度になるようなイメージで。
このアクリルの棒は、縦半分の型が取りたかったので、半分埋めています。
ビーズやタイル
リングやピアスパーツ(ポストの金具は取り外しました)
埋め込み完了です。
シリコンを計量し、硬化剤と混ぜる
造形村の透明シリコン、透明シリコン硬化剤、紙コップ(補強のため二重)、割り箸、デジタルスケールを用意します。
透明シリコンを計量します。さきほどの型に流し込む部分の体積を計算して、3つあるので1つ分としてまず160g程度用意してみることにしました。
かなり粘度が高く、重たい液体です。
スポイトで硬化剤を加えます。主剤と硬化剤は10:1。160gのシリコンに対して硬化剤16g入れました。 硬化剤は水のようにサラサラ。
割り箸で混ぜます。
あとで気づいたんですが、この混ぜる時にあまり気泡を立てないようにやるべきでした。あとで気泡にちょっと困ることになります。
型にシリコンを流し込む
片面取りなので、離型剤は今回は不要です。
大量になみなみに入れる必要はないと思います。1番上の深いパーツから5-8mmの水深保ててれば、モールドの強度的に薄すぎずよいのではと感じました。
▼ 流し込みました。大きな気泡が目立つので、エンボスヒーターで気泡を取ります。
▼ 大きな気泡をだいたい取り終えたところ。
細かい気泡まですべて潰し切るのは無理っぽいので、このまま進めます。 型としての見栄えはよくないですが、複製パーツの仕上がりにあまり影響がなかったので、このままでよしとします。
シリコンモールドが完成した後、UVレジンを流し込む際に、モールドに残った気泡が原因で、モールド内の気泡とレジン液内の気泡を区別することができなくなり、困りました。 モールドに気泡があっても、複製の仕上がりにはほぼ影響がないですが、シリコンの気泡を可能な限り排除することで、モールドを使用する際の見づらさの問題を解消できます。
▼ 全部流し込めました。
固める
説明分には24時間で完全硬化とありますが、18時間ほど経ってみたらかなりカチカチだったので、完成とみて外してみることにしました。
枠を外す
枠を外しました。和菓子のようでちょっときれい。
気泡を取るために必死になり、型取りブロックにエンボスヒーターを近づけすぎてしまい、ブロックのプラスチックが溶けて変形してしまいました。 変形したため、歪んで隙間ができてしまったので、溶けた部分は処分しました。もったいないので、エンボスヒーターを使う時はこうならないように注意が必要です。
粘土を剥がす
ひっくり返し、裏側の粘土を剥がします。ペロンと取れました。
▼ すべて粘土剥がしたところ
モールドとして使いやすいように加工する
ビーズの穴までシリコンがちゃんと流れ込んで、ピロピロが出てるのでこれは切ります(写真の白丸)
シリコンが回り込みすぎて原型を完全に覆ってしまったところもありました。これはカッターで丁寧に切り取って出口をつくり、原型を取り出します。
細かい粘土の汚れをウェットティッシュで拭き取り、型の中はさらにマスキングテープでペタペタするとホコリなどの細かい汚れがとれます。
完成
これにて完成
使ってみる
つくったシリコンモールドから、レジンパーツをつくってみました。
上が原型、下の少し黄ばんでいるものが型取りモールドからつくった複製です。
(黄ばんでいるのは、試作用のちょっと品質の悪くなったレジンを使っているからです)
左のガラス製チェコビーズは、ほんの少し花柄の溝が薄まってしまっていますが、ガラスの細かい凹凸がよく再現できていて、質感はほとんど同じようにつくることができました。
右の三角形のドーム状のパーツは、そっくりそのままきれいに複製することができました。
表面もつるんとしていて満足です。
おしまい
気をつけるポイント
- シリコンを豪快に混ぜるとかなり気泡が入るので、根気強くゆっくりゆっくり繰り返し丁寧に混ぜるのが良いです。
- シリコンはそんなになみなみに厚くしなくていいと思います。底部分の厚さも、5mm以上あれば十分な気がします。厚いと仕上がりが固すぎるし、シリコンがもったいない。
- エンボスヒーターで気泡を取る時、あまりにしつこくやったので、枠が一部溶けたり歪んだりしてしまった
- できるだけ作業台と土台の粘土を水平にするべきで、そうしないと、場所によって厚みの異なるモールドができてしまいます。レジンを流し込んだ際には、重力の影響で多少は均一になるものの、けっこういびつな仕上がりになってしまいます。
シリコンに気泡が入っても大丈夫
- 特に影響がなく、モールドとして普通に使えていました。
- モールドとして使う際、レジンの気泡を飛ばすときに、レジン側の気泡なのかモールド側の気泡なのかよくみないとわからなくなったのでちょっと面倒です。