グリースアップ・マガジン最新号【特集/ロックンロール・シューズ】
2018.08.09
待ちに待った最新号GREASE UP MAGAZINE VOL.15入荷しました。
今回はロックンロール・シューズ特集です。
706 unionでもいくつか執筆、ご紹介いただきましたがp18のBUCK SKIN SHOES。
本文中「ここがパット・ブーンかエルヴィスになるかの分かれ道」の表現にリュウタ編集長が興味を持ってくれ、非常に嬉しく思いその辺りをもう少し書いてみたくなりました。
1956年7月1日The Steve Allen Showからのリハーサル写真。
本番では全身タキシードスーツながら靴のみ「Blue suede shoes!」というオチの打ち合わせ。
リハーサルで履いているのはホワイトバックスですが靴底に注目するとレザーソールなのが判ります。
レザーソールは履いていると擦れなどで色が薄く見えてきます。
これでダンスホールやステージの床を傷つけることなくスムーズに足を運ぶ事が出来ます。
卸したては靴底が滑るので要注意。
無駄な装飾のないホールカット・ドレスシューズは靴底にあまり厚みが無くシャープで美しいシルエットです。
一方パット・ブーンの着こなしを見ると当時のアイビーリーガーに近い爽やかでスポーティーなスタイルを好んでいる様で、ホワイトバックスは赤レンガ色のブリックソール、元々はテニス等のスポーツでも愛用されていた為、時代と共に常に軽く柔軟性にある素材に改良されてくるのでソールを見ると年代も分かりやすい物です。
革底ドレスシューズより厚みのあるラヴァーソールに代表される様な弾力性に富んだ樹脂系にはあまり不良性を感じないというか当時の明るく豊かなアメリカを象徴する靴と思えてきます。
靴の形状はエルヴィスに比べカジュアルな印象の外羽根式プレーントゥ。
ホワイトバックスと云えばやはりこの形が有名でヴィンテージ市場でも多く見かけるのがこのタイプです。
1955-56 米オールデンカタログ
典型的なホワイトバックスが掲載されていますが、この頃の一般的な商品カタログでエルヴィスが履いていたタイプは見た事が無いです。
今回のGREASE UP MAGAZINEを読むと同じ50~60年代でもイギリスでは厚底ラヴァーソールシューズは不良的なのに何故かアメリカでのホワイトバックスを含むクレープソール系に関しては明るく健康的なイメージがあるのは興味深いです。
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