2024/10/28 - 2024/10/28
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bajicoさん
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ナポリ観光で外せないのが、ヴェスヴィオの噴火で埋まった街、ポンペイです。40年前にも行ったことは、かすかに覚えています。でも悪い印象はないので、相方にも見てもらいたい。30日に行くことにしました。
そして、ポンペイから見つかった多くの美術・工芸品が、ナポリの考古学博物館に移されて、展示されています。こちらは40年前には行ってないので、ぜひ行きたい。という訳で、28日はポンペイの予習も兼ねて、考古学博物館を訪問しました。
博物館一番の目玉、アレクサンダー大王とダレイオス3世の一騎打ちのモザイクは、現在修復中で見られませんでした。でもこの事は、事前にインターネット情報で分かっていました。それに、行ってみると、他の展示品が魅力的で、アレクサンダー大王のモザイクがない事は全く気にならず、行って良かったです。
考古学博物館見学後は少し時間があったので、ナポリの下町、スパッカナポリの一角にあるサンタ・キアーラ教会・修道院でのんびりしてきました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 50万円 - 100万円
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
ホテル最寄りのムニチピオ駅から地下鉄1号線に乗り、乗車時間10分位でムゼオ駅に到着した。ムゼオ駅から考古学博物館はすぐだ。博物館には10時前に入った。
そんなに混んでない気はしたが、念のため、前もってインターネットでチケットを買っておいた。予想通りそんなに混んでなかった。
考古学博物館には「Magna Graecia collection(マグナ・グラエキア・コレクション)」という展示室があり、そこだけは別に時間指定のチケットが必要だった。折角だから入場することにして、受付では、そこのチケットだけ購入した。
館内の案内図は置いてなかった。インターネットで案内図をダウンロードしておいて正解だった。国立考古学博物館 (ナポリ) 博物館・美術館・ギャラリー
-
2階(日本式だと3階)の展示室から順路は始まり、1階、地上階と下りていく。
まず、ローマ以前の先史・原史時代コーナーからスタート
これは屋根の飾りらしい。鬼瓦みたいなものか。
紀元前500~525年頃のもの。ナポリ近郊のカプアで見つかった。
女性の神様が両脇に動物を抱える姿は「Potnia Theron(動物の女王の意味)」と呼ばれ、ギリシャ・ローマ美術の一つのパターンだそうだ。 -
10時30分から「マグナ・グラエキア・コレクション」に入場した。
マグナ・グラエキアとは、古代ギリシャ人が植民した南イタリア一帯を指す言葉らしい。ローマ時代以前の、南イタリアで発掘された美術・工芸品を展示している。
巨大な壺、130cm位ある。紀元前330年頃に作られたとされている。プーリア州で見つかった。何度も壊れて、その度に修復されているみたい。 -
「踊り子の墓」に描かれたフレスコ画
この絵はとても素敵
私は、この絵を見るだけでも、この博物館に来る価値ありと思った。
墓はプーリア州にあり、紀元前5世紀から4世紀頃に作られた言われている。 -
コレクションの展示室の床は見事なタイルに覆われていたが、この後も、フェッラーラやローマですばらしいタイルにたくさん出会った。
これはまだ序の口 -
黄金の首飾り
ナポリ近郊のクマエにある墓から発掘された。紀元前4世紀頃のもの -
これも南イタリアで発掘された墓に描かれていた騎兵のフレスコ画
紀元前4世紀頃の作品
見事な出来栄えだ。絵画において、時間の流れと完成度は全く比例しない。 -
巨大な壺のその2
ペルシャのダレイオス王の絵が描かれている。この絵を描いた無名の職人は「ダレイオスの画家」と呼ばれるが、それはこの絵の主題に由来するという。
紀元前300~340年頃の作品
こうした赤絵式の壺も、この後イタリア各地で見たが、これは大きい部類。迫力がある。 -
マグナ・グラエキア・コレクションで結構時間を食ってしまった。
やっと11時40分頃、ローマ時代のフレスコ画に移動
「ヘレニズム時代の宮廷」の一部分
紀元前60~40年頃
ボスコレアーレの別荘に描かれたフレスコ画だ。描かれている人物には寓意的な意味が込められているようだ。ボスコレアーレもポンペイ近郊の町で、噴火で埋まった。
この絵は、数年前日本で開催されたポンペイ展に出品されたようなので、覚えている人もいるかな。 -
「吊るされたウサギと仮面が描かれた壁」
ポンペイ 紀元前40~30年
いよいよポンペイのフレスコ画がたくさん展示されている部屋にやって来た。 -
「イアソンとペリアス」
ポンペイ 西暦20~25年
ギリシア神話に基づいたフレスコ画だ。
ペリアスはテッサリア・イオルコスの王様、イアソンは前王の息子。ペリアスはサンダルを履いていないイアソンを見て、神託のとおり、彼が王位を奪いに来たことに気づく。 -
「テレンティウス・ネオとその妻」
ポンペイ 西暦55~79年
パン職人夫婦の肖像画。この絵は本か何かで見た覚えがあるので、有名な作品だろう。
無名の市民の肖像は珍しいと思う。自然なポーズと優しい表情が良い感じ。 -
「若い女性の肖像」
スタビアエ 西暦55~79年
スタビアエもポンペイ近郊で、ヴェスヴィオ噴火で埋まった町だ。 -
博物館の休憩コーナーでひと休み。
まだまだ展示は続く。さすがに充実のコレクションだ。 -
「豹」
ポンペイ 西暦1~37年
小さな絵だが、しなやかな感じがネコ族らしい。 -
「骨壺」
ポッツオーリ 1~2世紀
吹きガラス製
今から2000年位前に、こんな大きいガラス製の壺を作れるなんて、驚きの技術だ。もっと驚いたのはこれが骨壺だってこと。墓に埋めるなんてもったいないよ。
ポッツオーリはナポリの隣町 -
ここから3体の彫刻は、エルコラーノの「Villa dei papiri(ヴィラ・デ・パピリ)」で発見されたものだ。この別荘は大量の炭化したパピルス文書が見つかったので、こう呼ばれている。エルコラーノもヴェスヴィオ噴火で埋まったポンペイ近郊の町だ。
「アテナ」
タブリヌムから発見
タブリヌムとは建物の主人の事務室・応接室 -
「アスリート」
方形のペリスタイルから発見
ペリスタイルとは柱廊のことで、ローマ時代はペリスタイルで中庭を囲んでいた。
これはブロンズ像なので、大理石像とは全く感じが違う。 -
「子鹿」
これも方形のペリスタイルから発見された。 -
「鎖で繋がれた犬」
ポンペイ 1世紀前半
玄関床に描かれたモザイク画、「猛犬注意」と言われるやつだね。
ポンペイの現地にも別のがあったので、よく描かれたテーマなのだろう。 -
「海洋生物」
ポンペイ 紀元前1世紀前半
イカ、タコ、エビに鯛やスズキの魚類、楽しいモザイクだ。 -
「猫とカモ」
ポンペイ 紀元前1世紀前半
ネコが可愛い。カモや魚介類はよく食べていたのかな。
このモザイクと二つ前の犬のモザイクも、数年前日本に来たようだ。 -
「アウグストゥス像」
エルコラーノのアウグステウム
1世紀前半
アウグステウムはローマ時代の皇帝崇拝の場
頭部と腕は後世に付け加えたもの、顔はどうもナポレオンにしたみたい。 -
「ファルネーゼのヘラクレス」
休息するヘラクレスの姿だ。紀元前4世紀に作られたリュシッポスのブロンズ像のコピーだと言われている。
この作品の方は大理石製で、2世紀後半~3世紀初頭の作。アテネの彫刻家グリコンの署名がある。
名前の通り、有名なファルネーゼ・コレクションの一つだ。 -
「アントニヌス・ピウスの肖像」
大理石製 西暦138~161年 胸の部分は18世紀のもの。
暫く「五賢帝」という言葉を忘れていたが、今回の旅では、結構あちこちで五賢帝にお目にかかった。ネルヴァ、トラヤヌス、ハドリアヌス……と呪文のように覚えた名前を、久しぶりに唱えたよ。
これもファルネーゼ・コレクション -
「ブロンズ製の馬の頭部」
エルコラーノ 1世紀後半
相方のお気に入り -
こちらはもっと後世の馬の頭部。博物館の入口に置いてある。
これは、元々、ドナテッロが1456年にアラゴン王アルフォンソ5世の依頼で、ヌオーヴォ城に設置する予定で作り始めた騎馬像の一部だ。いろいろあって結局騎馬像製作は中止。1471年に、ロレンツォ・イル・マニフィーコがこの馬の頭部だけナポリ王の側近、ディオメーデ・カラファに贈った。その後、1806年にカラファ家から博物館に寄贈されるまでに、本当の来歴は忘れ去られ、古代の伝説的な馬の頭部とされてきたようだ。
確かに力強い馬の頭部で、迫力満点、何やら伝説も生まれそうだ。 -
考古学博物館の見学は14時30分頃に終了し、地下鉄でダンテ駅にやって来た。
ダンテ駅を降りて地上に出るとダンテ広場だ。ダンテ広場 広場・公園
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ダンテ広場からナポリの下町、スパッカナポリの一角に入って行く。
このあたりは街路樹があったりして、比較的きれいなので、スパッカナポリの真ん中ではないかもね。
こうした路地を歩いていると、カトマンズのタメル地区を思い出す。どちらも日の当たらない路地に、真上から強烈な太陽が差し込み、光と影をくっきり浮かび上がらせる。ゴチャゴチャの街並みが良いね。スパッカ ナポリ 旧市街・古い町並み
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観光客と地元の人でゴチャゴチャ混んだ狭い道を15分位歩いて、3時頃サンタ・キアーラ教会の修道院に到着した。
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喧騒のスパッカナポリの中に静寂の修道院の回廊がある。
嘘みたいな場所だ。陶板タイルで装飾された柱が美しい。サンタ キアーラ教会 寺院・教会
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タイルの絵には可愛い猫もいるよ。
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フムフム、修道女の人たちが猫を保護しているのかな。
ところで、ベンチには座れません。 -
修道院の回廊を回っていくのは、とても気持ち良い。
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第2次世界大戦の時、ナポリは空襲に遭った。
その時、サンタ・キアーラ教会や修道院は大きな被害を受けたようだ。従って、今の建物は再建されたものだ。
ちょっと感じたのだが、ドイツの場合、空襲被害やその復興が結構あちこちで取り上げられていた。それに比べると、イタリアの場合、そこまで取り上げている印象はなかった。実際の被害がそれほどでもなかったのか、イタリア人とドイツ人の考え方の違いなのかよく分からないが、興味深かった。 -
修道院の裏にはローマ時代の浴場跡もある。
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またまた大天使ミカエルだ。
こちらのミカエルはなかなか可愛い。 -
教会の裏側が見える。
教会はちょうど閉まっている時間だったので、入場できなかった。
修道院の回廊ではノンビリとひと時を過ごして、考古学博物館で疲れた頭を冷やしたよ。 -
こちらは鐘楼かな。
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4時頃サンタ・キアーラ教会・修道院を出て、ベネディット・クローチェ通りをサン・ドメニコ・マッジョーレ広場に向かって歩いて行く。
ちょっとお腹が空いたね。「レオポルド」というカフェに入った。若い女性が楽しそうにお茶していたからだ。サン ドメニコ マッジョーレ広場 広場・公園
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私は杏のタルトと紅茶、相方はレモンシャーベットとバニラアイス。
美味しくいただいて、お腹が落ち着いた。
この後は、スパッカナポリを抜けて、Universita(大学)駅前も通り抜けて、ホテルまで歩いて帰った。
明日はケーブルカーに乗って丘の上に行くよ。天気が良いことを願うね。
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