2024/05/06 - 2024/05/09
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ユキゴローさん
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妻が亡くなって一年半が過ぎました。
妻が元気だったころ、2024年は結婚50周年の記念の年だから、新婚旅行の足跡を辿る旅をしようかと話しておりました。その夢は叶いませんでしたが、妻の遺影と共に二人旅をすることにいたしました。
50年前僕たち夫婦は横浜に住んでおり、新婚旅行はGWの真っ最中に羽田から北海道の釧路に飛び、一日目は摩周湖を見て網走湖畔に宿泊、二日目は層雲峡、三日目は阿寒湖畔に宿泊して帯広空港から帰郷した3泊4日の旅でした。
GW真っ最中と言っても現在ほどの旅行熱はなく、観光シーズン前の道東旅行なので宿も予約せず、成り行き任せの新婚旅行でした。
今回当時の写真をもとにして、全く同じコースの旅を計画したのですが、釧路行の飛行機出発が朝早いので一日目は東京に泊まることにしました。
せっかく東京に泊まるので、以前から見てみたいと思っていた国宝の赤坂離宮迎賓館を見学することにしました。
迎賓館は本館のみの見学は予約無しでOKなのですが、和風別館の見学は予約制になっています。
内部は撮影禁止で、外観しか撮れません。内部は絢爛豪華、国宝だけあって一度は見ておく価値があります。
写真は本館
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和風別館
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本館反対側の庭から
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見学を終えると正門から出ることになっています
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迎賓館の見学を終え、次にやって来たのはJR中野駅前にある中野サンプラザ。
中野サンプラザは昨年秋、50年の歴史を閉じて閉鎖され、今年秋から解体工事が始まります。
50年前、僕たちは中野サンプラザで結婚式を挙げたのです。 -
僕たち夫婦は手作りの人前結婚式を計画したのですが、プランを話すと、どの結婚式場も既成のコースしか受けられないということで5~6式場に断られてしまい、やっと受けてくれたのが中野サンプラザでした。
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今では当たり前になっているキャンドルサービスは、当時は消防法の関係ということで許可してくれる式場は全くありませんでした。中野サンプラザは開館して間もない式場だったので、当時の最新鋭消防設備を供えていた為OKだったのだと思います。
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釧路行の飛行機、当時は東亜国内航空という、今はJALに吸収合併された航空会社でした。
今回の出発便は珍しくボーディングブリッジではなく、バスに乗ってタラップからの搭乗でした。 -
釧路空港に降りてレンタカーを借り、最初に行ったのが空港近くにある丹頂鶴自然公園
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50年前は見学路の舗装がされていませんでした!
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現在の保護金網には撮影用の開閉式丸窓が設置されています
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孤高の勇姿
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車の温度計によると外気温2度!霧の摩周湖、何も見えません!
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50年前は中の島まで見ることができました
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次の美幌峠も当時は屈斜路湖がはっきりと見えたのですが、
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今回は摩周湖と同じく、この通り!
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この写真、美幌峠から網走に向かう途中で、妻が車内から撮った写真です。Y路と思われる交差点に石像が建っています。
この場所がどこなのか知りたくなり、グーグルのストリートビューで調べてみました。
信号のある市街地で、美幌峠から網走までの間にあるこのような場所は、美幌町内しかないことがわかり、Y路交差点をしらみつぶしに調べたのですが、この像がある交差点は見つかりませんでした。
調べている最中に北海道新聞の美幌支局があることがわかり、もしかしたらと思い、写真を添えてこの場所がどこかわからないかと問い合わせの手紙を出しました。
10日ほどたって支局から電話が入り、場所がわかったとのこと! -
それがこの場所で像は撤去されています。停車している白い車の左あたりに設置されていたとのこと。
当時は白セメント製の像で、現在はブロンズ像に作り変えられてJR美幌駅前に設置されているとのことでした。
北海道新聞の方、お忙しい中調べてくださってありがとうございました。 -
それがこの像です。「荒野」と名付けられたアイヌ酋長像だそうです。
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今夜の宿、網走観光ホテルです。当時と変わらぬ建物で営業しています。現在はBBHという大手ホテルチェーンの傘下に入り大衆路線で経営しており、とてもリーズナブルな価格で宿泊できます。
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50年前の部屋から撮った網走湖の風景。よく見ると石北本線の蒸気機関車が走っています。
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今回の部屋からの風景。木々が成長し、線路は全く見えません。
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夕食は「オホーツク膳」という当ホテル最高価格のコースにバイキングと飲み放題。¥14000!
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朝食
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2日目、最初にやって来たのが小清水原生花園。花の季節には早く、全く何も咲いていません。
当時、なぜここに来たのか考えると、妻は九州育ちで北海道に行ったことがなく、札幌や函館などの都会の風景よりも北海道らしいだだっ広い風景を見せたいとの思いがあったのではないかと推察しています。 -
同じ建物かどうかわかりませんが、当時もこのようなかわいらしい駅舎があったと記憶しています。
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当時はこのような設備はなく、何もない草原で
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牛がたくさん放牧されていました。ビジターセンターの方の話では、牛の放牧は20年前に展望台や遊歩道が整備された時に終ったとのことでした。
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今では遊歩道が整備されて歩きやすくなっていますが、
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当時はこんな感じでした
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原生花園から40分ほど走ったところにある能取岬灯台です。現在は無人ですが、
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当時は灯台守が常駐していたのでその宿舎などがありました。
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能取岬から層雲峡に行く途中にある水芭蕉の大群落地です。
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当時も現在も自然のままで、遊歩道などの施設は全くありません。
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水芭蕉はずいぶん大きく成長しています
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層雲峡手前にある石北峠
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当時は天気が良かったようですが
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今回は吹雪でした!
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層雲峡、銀河の滝です
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今も昔も変わらぬ姿です
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銀河の滝から歩いて数分の流星の滝。当時写真は撮らなかったようです。
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層雲峡は柱状節理の断崖絶壁が数キロにわたって続く渓谷ですが、落石が多く危険だということで入り口から銀河の滝までが廃道になりトンネルが作られました。
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そのため渓谷入り口から数百メートルのところにある錦糸の滝はもう見ることができません
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二日目の宿、銀泉閣です
50年前の旅行では宿を事前に予約せず、行き当たりばったりで決めました。GWの真っ最中で層雲峡では2件の宿で満室お断り!3件目がこのホテルで、トイレなしの6畳間なら空いているとのこと。寝るだけだからいいや!とここに泊まったのですが、現在もその部屋は最低料金のシングルベッド部屋として営業しているようです。今回は10畳の部屋を予約しました。
このホテルも網走と同様BBHの傘下に入り、大衆路線で営業しています。 -
ここでも夕食はこのホテル最高価格の「峡華御膳」にバイキングと飲み放題!
¥13300! -
3日目の朝食
黒岳~ハプニングの阿寒湖編につづく
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この旅行記へのコメント (4)
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- ねんきん老人さん 2024/07/28 09:05:50
- 50年・・・長いのか短いのか?
- ユキゴローさん、おはようございます。
朝から「熱中症警戒アラート」などという無線放送にうんざりしていましたが、すばらしいご旅行記に出遭い、体がシャキッとしました。
私も結婚45年で妻を亡くし、50周年には新婚旅行の足跡を訪ねようとしましたが、もし現地が見るかたもなく変貌していたらという不安があり、結局別の場所に行きました。
ユキゴローさんは忠実に足跡を辿り、ほとんどの地が昔のままであったこと、奥様もさぞかし喜んでいらっしゃるものと拝察しました。
それにしても、新婚旅行というのに宿も予約せず、トイレなし、6畳一間の部屋に泊られたとは! 今では四国の遍路宿でももう少し立派ですからね。
網走観光ホテル、銀泉閣とも50年前の建物で営業しているのですか!? 経営難で建て替えもままならないのかと思いますが、今回の旅の目的を考えると嬉しいことでしたね。 奥様がユキゴローさんの耳元で「あのときのまんま!」と歓声を上げていらっしゃったことでしょう。
その奥様は、ユキゴローさんが奥様が何気なく撮られた写真をもとに美幌町内の交差点まで調べてくれたことに目を丸くしていらっしゃるでしょう。 新聞社も粋な対応をしてくれたものですね。
なにからなにまで、夫婦というものの在り方を教示してくれるようなご旅行記でした。 私も、拝読しながら机上の妻の写真を何度見なおしたことでしょう。
フォートラという媒体があったおかげで、ユキゴローさんと奥様のことを何度も確認できています。 これからも妻ともども、「ユキゴロー夫妻像」を追いかけてゆこうと思います。
ねんきん老人
- ユキゴローさん からの返信 2024/07/28 21:01:54
- Re: 50年・・・長いのか短いのか?
- ねんきん老人さん こんばんは
いつも心のこもったメッセージをありがとうございます。
ねんきん老人さんがお住まいの地も猛暑が続いているんですね!
僕が住んでいる上田も同じで、毎日ヒーヒー言ってますが、ここ数年の暑さを考えると、だんだん地球が壊れて行っているようで、地球の悲鳴が聞こえているような気がします。
今回の旅行は僕にとって本当に心に残る記念旅行になりました。
50年前に写真を撮った場所に立つと当時の面影が蘇り、思わず妻の名を呼んだりしたものでした。
網走観光ホテル、銀泉閣、共に50年前と同じ建物で、もちろん部屋はリフォームされているのですが、懐かしさと侘しさと‥‥。
アイヌ酋長像の場所については、正直言って判るとは期待していなかったんです。ですから北海道新聞社から電話がかかってきたときは本当にビックリしました。
新聞社では美幌町にある博物館の資料を調べたそうです。博物館には美幌町内の美術工芸品の出所、経歴が記録されていて、問い合わせたアイヌ酋長像もいつだれが作ってどこに設置されたのか、いつどこに移転されたのかという経歴が全て残っていたそうです。
ねんきん老人さんもどこに行くにも奥様がご一緒のようにお見受けしていますが、長年連れ添った妻は何物にも代えがたい存在ですよね。僕も遺影をバッグに入れて、いつも一緒に行動しています。1年半たった今もお骨を埋葬する気持ちになれず、傍に置いて毎日おしゃべりをしています。
ユキゴロー
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- ねもさん 2024/06/24 20:10:19
- 旧婚旅行?
- ユキゴローさん 初めまして
何ともせつない、そして感動的な旅行記と拝見しました。新婚ほやほやのお二人の幸せそうな笑顔が印象的です。
信濃毎日新聞に掲載された投書も読みました。奥さまのお言葉は真実のお気持ちと思います。
他の旅行記も読ませてください。
高校生まで、この近くの北見市民でした。通っていた銭湯のタイル壁画は、美幌峠からの屈斜路湖(笑) 阿寒湖周辺は、小学校の修学旅行の目的地✌️
阿寒湖畔の宿の粋な計らい、元北海道民の一人としてうれしく思います👍
- ユキゴローさん からの返信 2024/06/25 10:54:16
- Re: 旧婚旅行?
- ねもさん こんにちは!
たくさんの「いいね」とメッセージありがとうございました。
妻と一緒に行きたかった「新婚旅行の足跡を辿る旅」なんですが、その夢叶わず遺影を携えての旅になりました。
阿寒湖の宿の粋な計らいで、この歳になって新たな素晴らしい思い出ができ、「人生捨てたもんじゃないな」と感動しております。
妻が亡くなって1年と8か月になりますが、未だに妻への思い断ちがたく、納骨もする気になれず、お骨とおしゃべりをして過ごす毎日です。
青年期まで北見市民だったとのこと、今回の旅行では能取岬から石北峠に行く途中、北見市内を通りました。
北海道の地方都市はどこもローカル色豊かで趣がありますよね。
ねもさんは私と同年代とお見受けしましたが、お互い健康に気をつけて残りの人生を楽しみましょう!
ユキゴロー
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