ドイツ　Bachfest Leipzig 2019（ライプツィヒ・バッハ音楽祭）

今回、念願だったライプツィヒのBachfest（バッハ音楽祭）に行ってきました。

2019年Bachfestは、6/14 - 6/23の10日間。

初日と最終日のコンサートに行くため、デュッセルドルフとライプツィヒを2往復しました。往路はFlixbus、復路は鉄道を使い片道7時間半、計30時間以上の移動になりました。

Bachfest Leipzig（バッハ音楽祭）は、バッハが晩年の28年間を過ごし、終焉の地となったライプツィヒで1904年より開催されている音楽フェスティバル。

世界屈指のバッハ研究機関であるバッハ・アルヒーフ・ライプツィヒ（行政法人バッハ史料館）が主催し、毎年キリスト昇天祭当日に開幕します。

今年のテーマは「HOF - Compositeur / 宮廷作曲家バッハ」で、ヴァイマール時代のカンタータや、ケーテン時代の器楽曲などを中心にプログラムが組まれています。

ここでしか味わえない感動を求め、世界各国からバッハファンのみならずクラシック音楽ファンが集まってきます。今年は、44ヵ国以上から73,000人が訪れたそうです。

※チケットは公式サイトから購入しました
（言うまでもなく、初日と最終日のトーマス教会でのコンサートチケットは早く完売します。と言いつつ、私も何とかチケットは手に入れたものの、出遅れて席を選べませんでした…。）

Bachfest専用アプリ。

全公演の内容が見られ、自分が行く予定のコンサートにアラートをかけることができます。

■Freitag, 14. Juni 2019（Bachfest・初日）

待ちに待ったBachfest初日。17時からトーマス教会でのオープニングコンサートに行きます。

Leipzig Hbf.（ライプツィヒ中央駅）に到着すると、バッハがお出迎え！

駅の中はバッハ一色です。
ちなみに、これらの装飾は後半の日程では一部撤去されていました。

駅の中のバッハ像。ライプツィヒの小学生たちがデザインしたバッハのようです。

駅の中のBachfestインフォメーションです。当日のチケット販売は、別の場所に仮設テントがあります。

◆ Bach Im Bahnhof ◆（駅中のコンサート会場・フリー）

Bachfest期間中は、フリーのコンサート会場も設けられているので、街歩きをすれば至る所で素晴らしい演奏に出会うことが出来ます。まさに音楽の街ライプツィヒ。

Leipzig Hbf.（ライプツィヒ中央駅）

駅舎の両脇にも大きなバッハの垂れ幕。

街中のバッハ。

実は…初日のFlixbusが、予期せぬ渋滞で2時間遅れ…。

17時からの「Eröffnungskonzert（オープニングコンサート）」の20分前にライプツィヒに到着。（途中で一応正装に着替え）猛ダッシュでトーマス教会へ走りました。3度目の訪問なので土地勘があったのが救いです…。

※正装といっても、ジャケットを羽織る程度で問題ないです。教会等のコンサートはドレスコードといったものは無く、しっかりと着飾った人もいれば、Tシャツの人もいます。

インフォメーション兼チケット販売テント。

マルクト広場からトーマス教会に向かう途中に設置されています。

Markt.（マルクト広場）

マルクト広場では、初日から3日間のみ特設ステージが設置され野外コンサートが開催されます。

◆ Bach Stage ◆（野外ステージ・フリー）

初日なのでまだ準備中。後ほど戻ってくることにします。

◆ Thomaskirche ◆（トーマス教会）

バッハが眠る教会。ここは何度でも訪れたい場所（聖地）のひとつです。

♪No.1 Eröffnungskonzert（オープニングコンサート）♪

Freitag, 14, Juni / 17:00 Uhr
Thomaskirche

- J. S. Bach: Fantasie G-Dur, BWV 572
- M. A. Charpentier: Te Deum D-Dur, H. 146
- J. S. Bach: Ouvertüre D-Dur, BWV 1068
- J. S. Bach: Unser Mund sei voll Lachens, BWV 110

★Ticket : Seitenschiff（サイド通路） EUR 50.00

初日公演と最終公演は満席でした。
オープニングコンサートは、毎年恒例オルガンの演奏で始まります。

やはり、このトーマス教会での響きはいつ聴いても鳥肌が立ちます。再びここに来られたことに感謝です。オープニングコンサートの模様は、こちらのニュースでも取り上げられていました。

・聖トーマス教会合唱団
・フライブルク・バロック管弦楽団
・ゴットホルト・シュヴァルツ （トーマスカントル・指揮）

トーマス教会内入口にあるバッハに関する展示室。

古楽器や楽譜等が展示されています。

Alte Thomasschule.（旧 トーマス学校）

トーマス教会に隣接して建っている旧トーマス学校の壁には、バッハと2番目の妻アンナ・マグダレーナ・バッハがここに住んでいたというプレートが埋め込まれています。

Bach-Museum.（バッハ博物館）

＜開館時間＞
火 - 日曜 10:00 - 18:00（月曜休館）
※毎月第1火曜は無料開館
※2019年6月時点

Altes Bachdenkmal（旧バッハ像）

Altes Rathaus（旧市庁舎）

オープニングコンサートを終え、野外コンサートを聴くためにマルクトに戻ってきました。

♪No.3 BachStage（野外コンサート）♪

Freitag, 14, Juni / 19:30 Uhr
Markt

- J. S. Bach: Marche D-Dur, aus: Auf, schmetternde Töne der muntern Trompeten, BWV 207a
- J. S. Bach: Tönet, ihr Pauken! Erschallet, Trompeten, BWV 214
und weitere Werke

★Ticket : Free

■Samstag, 15. Juni 2019（Bachfest・2日目）

今日は朝からレフォルミエルテ教会の朝の祈りに参加し、その後空き時間で市内散策、そして午後はトーマス教会でモテットを聴き、一旦デュッセルドルフに戻ります。

基本的に、礼拝は無料です。開始の30分前くらいから並びました。

◆ Evangelisch Reformierte Kirche ◆（レフォルミエルテ教会）

♪No.6 Mette（朝の祈り）♪

Samstag, 15, Juni / 9:30 Uhr
Evangelisch Reformierte Kirche

- J. F. Doles: Ich komme vor dein Angesicht
- V. Bräutigam: Gott ist unsre Zuversicht
- J. S. Bach: Fürchte dich nicht, BWV 228
- J. S. Bach: Falsche Welt, dir trau ich nicht, BWV 52

★Ticket : Free

◆ Thomaskirche ◆（トーマス教会）

♪No.15 Motette（モテット）♪

Samstag, 15, Juni / 15:00 Uhr
Thomaskirche

- M. Duruflé: Prélude, aus: Suite, op. 5
- A. Copland: In the Beginning
- J. S. Bach: Du Friedefürst, Herr Jesu Christ, BWV 116

★Ticket : Free

■Samstag, 22. Juni 2019（Bachfest・9日目）

再びデュッセルドルフからライプツィヒ入りしました。今回はほぼ定刻運行。20時からニコライ教会でのカンタータを聴きます。

◆ Nikolaikirche ◆（ニコライ教会）

トーマス教会のバッハ像とニコライ教会のバッハ胸像は、必ず！もはや挨拶のように毎回カメラに収めています。

♪No.144 Weimarer Kantaten III（カンタータ）♪

Samstag, 22, Juni / 20:00 Uhr
Nikolaikirche
Bach und Weimar

- J. S. Bach: Herz und Mund und Tat und Leben, BWV 147a
- J. S. Bach: Nun komm, der Heiden Heiland, BWV 61
- J. S. Bach: Wachet! betet! betet! wachet!, BWV 70a
- J. S. Bach: Christen, ätzet diesen Tag, BWV 63

＜Encore＞
- J. S. Bach: Jesus bleibet meine Freude, BWV 147a

★Ticket : 1.Empore（2階席） EUR 50.00

・RIAS室内合唱団
・ベルリン古楽アカデミー
・リナルド・アレッサンドリーニ（指揮）

この演奏は素晴らしかった！ニコライ教会の音響も初めて聴いたのですが良かったです。

そして、アンコールでは「Jesus bleibet meine Freude（主よ人の望みの喜びよ）」を演奏してくれました。本当に感動！

座席の見え方ですが、（S席意外だと）高確率でこの太い立派な柱が視界に入ります。なので、ニコライ教会でのコンサートは、よく言えば全神経を音楽に集中することが出来ます（笑）。

■Sonntag, 23. Juni 2019（Bachfest・最終日）

いよいよBachfest最終日です。今日は朝からトーマス教会で朝の礼拝に参加し、その後、閉幕となるトーマス教会でのエンディングコンサートに行きます。

◆ Thomaskirche ◆（トーマス教会）

Bachfestの最終日にあたる日曜朝に行われるトーマス教会での礼拝は、特別にバッハが生きていた時代の式次第に従って行われるため、地元の人だけでなく、各国からの観光客も多く参加していました。

普段礼拝に慣れていない人だと、起立する部分、全員で歌う部分等があるので最初は戸惑うかもしれませんが、右に倣えで問題ありません。また同様に「聖餐式（基本は信者のみが並ぶ）」は、並ばなくても問題はありません。

♪No.146 Gottesdienst in der Ordnung der Bachzeit（礼拝）♪

Sonntag, 23, Juni / 9:30 Uhr
Thomaskirche

- J. S. Bach: Präludium C-Dur, BWV 547/1
- H. Schütz: Der Herr ist mein Hirt, SWV 33
- D. Buxtehude: Kyrie
- J. S. Bach: Gott lebet noch, BWV 461
- A. Hammerschmidt: Der Herr ist mein Hirt
- J. S. Bach: O Ewigkeit, du Donnerwort, BWV 20
- J. S. Bach: Fuge C-Dur, BWV 547/2
und weitere Werke

★Ticket : Free

トーマス教会近くの広場。Bachfest期間中に、ここでアイスを4回食べました。

◆ Thomaskirche ◆（トーマス教会）

2019年Bachfest最終公演です。

♪No.158 Abschlusskonzert（エンディングコンサート）♪

Sonntag, 23, Juni / 18:00 Uhr
Thomaskirche
Bach und Dresden

- J. S. Bach: Messe in h-Moll, BWV 232

★Ticket : Hinterschiff（後部席） EUR 20.00

最終日は、夕刻にトーマス教会でバッハ畢生の傑作「ロ短調ミサ」が上演されるのが恒例です。

・テルツ少年合唱団

・オペラ・フオーコ
・デイヴィッド・スターン（指揮）

会場が一体となり、感動の渦に包まれました。鳴りやまない拍手。

演奏ももちろんですが、観客一人ひとりの表情にも一層の感動を覚えました。このバッハが眠るトーマス教会で、この瞬間、バッハを愛する人たちと同じ感動を共有出来ていることに喜びを感じます。

コンサート終了後のトーマス教会前。

余韻に浸りつつ、この光景も忘れない瞬間だと思います。

数年前まで行きたい気持ちはあっても、英語もろくに話せないのにライプツィヒに一人で行くことなんで出来ないと思っていました。そして、ツアーはそれなりに高くつくのでなかなか即決出来ず…。でも、今こうして、しっかりと自分でチケットを取って来ることが出来ました！

各プログラムは、会場で3ユーロ程度で販売されます。そして、来年のBachfestの案内ももらえます。

Thomas shop.（トーマス・ショップ）

以前は、トマーナーのマネキンはいなかった…。

旧市庁舎のアーケード内にあるMeissen（マイセン）。

ここにはバッハデザインの陶器やメダルが販売されています。数年前にこのマイセンのバッハメダルを知ったのですが、お店が見つからず…3度目の正直で見つけました！

Bach-Medaille Archiv.（バッハメダル・アルヒーフデザイン）

アルヒーフデザインの他にも、トーマス教会、ニコライ教会デザインがありました。お値段は、15ユーロとマイセンにしては良心的な価格です。

日本に帰国した際には、ケーテンで購入したバッハメダルと並べて飾りたいと思います。

私の中では既に鉄板のお土産エコバッグ。トーマス・ショップで購入。

今回のBachfestを通じて…

小学生の時にバッハのインベンションとシンフォニアを弾き（右手と左手で追いかけっこをするような楽曲形式に）興味を抱き、高校生の時にマタイ受難曲に出会い、もっとバッハの音楽や神髄を学びたくバッハ研究専門の教授がいる音大に行き、大学の卒論は「マタイ受難曲（J.S.バッハ）」に関して書きました。

そして社会人になってバッハの足跡を辿りたくドイツ語を始め、一念発起で渡独、そして今に至ります。私の中でバッハだけはブレない存在です。

好き勝手やっている人生ですが、「やらないで後悔するより、やって後悔した方が良い」そして、人生は一生勉強だと思うようになりました。

バッハのお墓を目の前にすると感慨深い気持ちになります。