2016/08/23 - 2016/08/31
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Taddyさん
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2016年日本とブータンは国交樹立30周年を迎えた。ブータン政府はこれを記念し、2016年6月1日から同年8月31日までの2か月間に限り、日本国籍所有者に対して「1泊250USドル」の最低公定料金を撤廃することにした。
「最低公定料金」とは、ブータン政府が、高額の旅行費を設定し、国外からの旅行者の受け入れを制限し、独自の文化の保護に努めるための政策。
ブータン旅行は、すべて国営の旅行会社経由での取り扱いとなり、高額の一律料金が設定されるほか、最低でも入出国のいずれかに必ず航空機を使用しなければいけない。またツアー形式で、ホテル、ガイド、クルマ、全食事、すべて含めての、250USドルという金額となる。
2011年のブータン国王夫妻来日をきっかけに「幸せの国」として知られ、マスメディアにも頻繁に取り上げられるようになった。そのため、安価でブータン旅行ができるこの最低公定料金撤廃期間中には多くの日本人が殺到し、航空機の座席確保も難しいことから自分の希望日に旅行期間を当てはめるのがなかなか難しい。これで断念した方も多かったのではないでしょうか。
私の場合も、広告を見たH社、J社など5社ほどにオファーを出しても、自分の希望の日程に沿うことができずブータン行きを諦めかけた時、たまたま中堅某社のブータン旅行の広告に目が留まった。しかも団体ツアー形式ではなく、個人手配旅行扱い、専属のガイドと運転手が付き、好みにアレンジ可能であるうえに、とにかく安い。今までの見積もりは何だったのだろう。そう思いながら、申し込みをする。
【2016ブータン】最低公定料金撤廃・駆け込みの旅 2
http://4travel.jp/travelogue/11169250
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.0
- ショッピング
- 4.5
- 交通
- 3.0
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
今回のブータン旅行のきっかけは、2016年5月21日から7月18日まで上野の森美術館で開催されていた“ブータン展”。日本・ブータン国交樹立30周年を記念しての催しだ。
今まで行きたくても行けなかったブータン行きを阻んできたのは「1泊250USドル」の公定料金と高額な航空機利用の強制。これが国交樹立30周年記念にあわせ、2016年8月末までの期間限定だが日本国籍保持者に限って撤廃されていることを知った。大急ぎで何社かオファーを出したが希望の日程が合わない。最後にたまたま日程が合致した某社を選択することになったが、これが大当たりであった。 -
ブータン展では、パロの国立博物館や王立織物博物館の所蔵品や国王・王妃の衣装が展示されていた。
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いよいよ、ブータンへの出発の日。
日本からブータンへは直行便が就航していないので、バンコクやカトマンズ、ダッカやインドの諸都市で乗り換える必要がある。日本からの旅行者にとって一般的なルートはバンコク経由。
ということで、先ずはタイ航空でバンコクへ向かう。 -
搭乗待ちー。
タイ航空の成田―バンコク線には今でもジャンボ機が使用されている。ちなみに日系の航空会社はすでにジャンボ機は全廃している。 -
タイ航空の2階客室内。優雅な紫を基調としたコーポレートカラーの配色に癒される。まるでファーストクラスに乗ったような気分…。だが、言うまでもなく、エコノミークラスである。
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欧米系航空会社では有料化が進むアルコール類。アジア系ではまだまだ無料が一般的。
いつも機内では赤ワインを頼んでしまう。ワインもうれしいが、おつまみに出されたブルボンの「味ごのみ」が妙にうまかった。 -
日本で作られた機内食は冷たい蕎麦がついていることが多い。でもタイ航空なのでタイ料理(チキン)もちゃんと付いている。左下は抹茶ケーキ。この他、食後にグリコの抹茶アイスが供された。タイでの抹茶ブームを実感させられる機内食である。
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何度か旋回してようやくバンコク・スワンナプーム空港への着陸体制に入る。アナウンスによると到着便が集中しているとか。
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到着後、タイへの入国審査に向かう。
すぐにブータン(パロ)行きに乗り継いだような構成になっているが、実はバンコクには3泊している。とはいえ、あくまでもバンコクはトランジットなので、バンコクの記事は省略します。 -
バンコク・スワンナプーム空港出発ロビーのシンボルの巨大な鬼。
バンコク到着から4日後、重い腰を上げバンコク・スクンヴィットのホテルをチェックアウト。再びスワンナプーム空港へと向かう。ようやくブータン(パロ)に出発だ。 -
いざ、ブータンへ!
ボーディング・ブリッジではなく、タラップを登り、ブータン国営のドゥルックエア機に搭乗。 -
ミャンマーやインド・アッサム州などの上空を飛行したのだろうが、雲に覆われて何も見えなかった。
ところが、国土の大半が2000メートルの山岳地帯であるブータン上空に達すると、雲が晴れて山ばかりの国土を見下ろすことができるようになる。
着陸態勢に入った機上から望むパロ空港。
山岳地帯の国土ゆえに、国際空港といえども谷間に設けざるを得なかったというのがよくわかる。 -
谷間に沿って高度を下げてゆく。眼下に素朴な暮らしが広がる。
これから出会う、幸せの民がのどかに生活しているのであろう。 -
機内に目を移すと、パロ空港に到着し降機を待つ乗客たちが降機の準備を始めている。ダントツ日本人が多いようで、秘境の国にたどり着いた感が全くない。
国交30周年を記念した日本国籍限定の最低公定料金を撤廃と、ブータン国王来日をきっかけにしたブータンブームの影響であろう。パロ空港 (PBH) 空港
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青空のもと無事着陸したドゥルックエア機。
タラップを降りた日本人観光客が写真を撮りまくる。自分も撮りまくる。
狭い谷間に位置する空港だが、解放感溢れる光景。パロ空港 (PBH) 空港
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新しいパロの空港ターミナルも伝統建築様式。
ブータンでは、すべての建物に、伝統様式を取り入れなければいけないと本に書いてあった。パロ空港 (PBH) 空港
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空港ターミナルを出ると、専属のガイドとドライバーが待ち受けてくれていた。4日間このガイドとドライバー、このクルマでブータンを観光するのだ。
クルマはヒュンダイだが、新車なので、そう悪くはない。
ブータンでの観光は、基本的にツアースタイルになるが、今回は団体ツアーではなく個人手配型なので比較的自由な行動も可能である。
初日はティンプー、2、3日はパロに宿泊する。パロ空港 (PBH) 空港
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空港からティンプーまでの車窓風景。
多くの家は伝統様式で建てられ、ダルシンというチベット仏教の祈祷旗がはためく。 -
パロの空港から、最初の目的地・首都ティンプー市内に向かう。所要1時間ほど。
ブータンでは、主な街の入り口にはきまってこのような門が設けられている。
ティンプー市内への入り口の門。さっきまで晴れていたのだが、急に雨が降ってきた。 -
新しい観光名所になる建設中の巨大大仏。シンガポールの華人が寄贈したという。
ここは、市内を望むビューポイントとしても知られている。ブッダ ポイント (クェンセル ポダン) 寺院・教会
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大仏の丘から望むティンプーの街。人口8万人の小さな首都である。
ブッダ ポイント (クェンセル ポダン) 寺院・教会
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青空に映える伝統様式の建築。
ティンプーのメインストリート。交通整理の交差点 散歩・街歩き
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ここはブータン唯一の手信号交差点。
この国で最も交通量が多い交差点でもある。
手信号による、見事な交通誘導をしばし見学する。交通整理の交差点 散歩・街歩き
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この交差点、過去に一度電気信号機が設置されたものの、「この国には馴染まない」という理由で撤去されたとか。
交通整理の交差点 散歩・街歩き
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民族衣装の着用が義務付けられている。高校の制服もこの通り。
男性用衣装は「ゴ」と呼ばれる。 -
民族衣装が行きかう街並み。ティンプー中心部。
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女子学生の制服。女性用腰巻「キラ」に「テュゴ」という上衣を合わせる。胸に国王夫妻のバッジが見える。
ティンプー中心部にて。 -
小学生も「キラ」&「テュゴ」の制服。
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民芸品屋さん。
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ティンプーの伝統建築の商店。
飲料水やジュース類、コカ・コーラ、ビール程度のものはブータン国内で製造されているが、工業製品の多くはインドからの輸入に頼っている。チベットが中国共産党に侵略されて以来、チベット側国境が閉ざされているのでMADE IN CHINAの製品はほとんど入ってこないのも特徴。 -
民族衣装でバスケットボール!
チャンリミタン競技場 スタジアム・スポーツ観戦
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メモリアル・チョルテン。
3代国王ジグミ・ドルジ・ワンチュクを記念したチベット式仏塔。ここでは、マニ車を手にしたティンプー市民が塔の周りを時計回りに歩く“コルラ”するところを見ることができる。ナショナル メモリアル チョルテン 寺院・教会
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メモリアル・チョルテンの参拝者。
ナショナル メモリアル チョルテン 寺院・教会
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マニ車を手に「コルラ」する人たち。
ナショナル メモリアル チョルテン 寺院・教会
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ブータンでは、犬もコルラする。
ナショナル メモリアル チョルテン 寺院・教会
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今日のランチの一品、チベット餃子・モモ。
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ブータン最大規模の市場。「王制百周年記念市場」という。
市場をめぐればその国の食生活が見えてくる。場内をまわってみよう。サブジ バザール 市場
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ブータン最大規模の市場。「王制百周年記念市場」という。
市場をめぐればその国の食生活が見えてくる。場内をまわってみよう。
ブータンの野菜は、種類は多くない。ナス、エンドウ豆、大根、ニンジン、玉ねぎ、ジャガイモ、トマト、キャベツ、ブロッコリー、キノコ類、そしてトウガラシ!そう、トウガラシはあくまでも野菜として扱われます。 -
ブータンの食生活には欠かせないのが唐辛子。売り場面積の多くを占める。いちばんポピュラーなブータン料理は“エマダツィ”(トウガラシのチーズ煮込み)。
サブジ バザール 市場
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ジュマという血の腸詰や蹄、卵を売る店。肉料理は乾燥肉を使用することが多い。
サブジ バザール 市場
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松茸はブータンの名産品。日本にも輸入されているという。
サブジ バザール 市場
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タシチョゾン。ブータンの政治の中枢であり王宮でもある城。中央政庁、国王執務室、国会議事堂、チベット仏教ドルク派の総本山や僧院も入居する。ブータンはチベット仏教を国教に定める政教一致国家である。
観光客は、タシチョゾンには官庁の業務が終了する夕方以降にしか入ることができない。タシチョ ゾン 寺院・教会
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タシチョゾン内。
タシチョ ゾン 寺院・教会
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城内の国会議事堂。
タシチョ ゾン 寺院・教会
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ホテルでの夕食後、ひとりで夜の街に繰り出し、偶然見つけたティンプーのナイトクラブに入ってみる。ここでは100ヌルタム(約180円)を払うと、キラ&テュゴの衣装を身に着けたお姉さんが音楽に合わせステージで踊ってくれる。キャバクラのような店。
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翌日、ガイドにこの店のことを話すと、この手の店はパロにもあるというので、明後日のブータン最後の夜に一緒に行くことになった。またひとつ、楽しみが増えた。
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ブータンのビールを買ってみた。
左端のRED PANDA(レッサーパンダ)は、白ビールのような味わい。どうやら、そば粉を使ったビールらしい。地元民もおすすめする。 -
ほろ酔い加減でホテルに帰る途中、夜の街に野良犬が多数…。
普通ならこんな路地、避けて通るべきだが、この国では、まったく恐怖を感じない。
人々は輪廻転生を信じ、法律でも殺生が禁じられているので、殺処分などありえない。それどころか野良犬を可愛がり、いじめるようなことはしないし、餌も与えるので、犬も人を襲うことはない。 -
ティンプーのホテルは、街の中心部に位置し、wifiも利用でき普通に快適。
以前のブータンは鎖国していたといわれるが、鎖国していた訳ではなく、観光客を受け入れるようなホテルが極めて少なかっただけだという。今は、このような受け入れに充分な快適なホテルが増加している。 -
ティンプーの小学生。
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ティンプーを発ち、次の目的地プナカに向かう。山道を3時間ほど走るが、この時に必ず通る標高3150mのドチュラ峠。ここは見晴らしがよく、ヒマラヤの山々を望むことができる。峠には寺院が建てられている。
ここで個人手配旅行の効率の良さを見せつけられた。ドチュラ峠への山道で、日本人団体観光客を詰め込んだマイクロバスを何台も追い越したのっだった。日本の大手N社やJ社の団体ツアーだ。N社もJ社も自分も見積もりを取ったので、自分が選んだ今回の個人手配の旅行よりも高額なのは知っている。
ちなみに、今回自分が選んだ個人手配旅行は3泊4日(バンコク泊や機内泊を除く)。これがもし3泊4日の団体ツアーとなると、普通ティンプーとパロのみで、プナカは含まれない。プナカも周ろうとすると4泊5日のツアーに参加しなければいけないわけだが、一日当たり250ドルの最低公定料金が厳格に適用されてしまうとなるとこの違いは大きい。ドチュラ峠 山・渓谷
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ドチュラ峠は標高3150メートル。7千メートル級のヒマラヤ山脈を望むことができる。山の向こうはチベット。
ドチュラ峠 山・渓谷
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プナカの街を望む。
旧首都プナカに到着。ここは標高1300メートルなので、ドチュラ峠から2000メートルほど下ってきたことになる。プナカ ゾン 寺院・教会
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プナカゾンは、ブータンでちばん美しいゾン(城塞)といわれている。
この城塞は、ティンプーに遷都される前の国家の中枢機能を果たしていた。今もプナカ県の県庁や寺院、僧院などが入居している。プナカ ゾン 寺院・教会
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プナカゾンの入り口にある仏画とマニ車。
プナカ ゾン 寺院・教会
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プナカゾンの講堂
プナカ ゾン 寺院・教会
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プナカゾン中庭の菩提樹の木。
プナカ ゾン 寺院・教会
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チミラカンという寺院を訪れる前に、近くのレストランで食事する。
写真は“エマダツィ”。生のトウガラシをチーズで煮込んだもので、ブータン料理の代表格。唐辛子を香辛料としてではなく、あくまでも野菜として使うので、「ブータン料理は世界一辛い料理」などと言われている。 -
チミラカンは風光明媚な田園風景に囲まれた寺院。ブータンでは子宝の寺院として有名だが、これはドゥクパ・クンレという、好色の僧侶に由来する。
チミラカンに至るあぜ道をハイキングのように歩いてゆくのだが、これが妙に心地よい。チミ ラカン 寺院・教会
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ふもとの村には、無数の男根の絵が見られるが、これは魔除けと子孫繁栄を祈願するもの。途中のお土産屋では子供たちが男根のオブジェなどを売っている。これらはすべて、好色の僧侶ドゥクパ・クンレにちなむもの。
チミ ラカン 寺院・教会
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屋外でシャンプー。
チミラカンのふもとの村で。チミ ラカン 寺院・教会
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チミラカンの少年僧。
チミ ラカン 寺院・教会
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チミラカンに掲げられた国王一家の写真。
現国王夫妻は、チミラカンを何度か訪れているが、2015年には現国王夫妻に世継ぎの王子が誕生している。ここでお祓いを受けると子を授かったという無数の逸話があるらしい。
プナカをあとに、パロに向かう。
【2016ブータン】最低公定料金撤廃・駆け込みの旅 2 につづく
http://4travel.jp/travelogue/11169250チミ ラカン 寺院・教会
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この旅行記へのコメント (1)
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- 関西男さん 2016/10/01 16:41:25
- 感服します。
- Taddyさんの後で同じ国を旅すると、同じように満喫するのが難しいというのがすぐにわかります。私はその国に行った!でなんとなく満足して終わってしまう事がたびたびです。Taddyさんの旅行記をよく見ればすぐわかるように、旅のポイントを押さえておられて、うらやましくもあり、すごいなあと思います。ブータンも是非行ってみたいですね。
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