2012. 息子とスイス ロートホルン鉄道

Bern

これは、16世紀から休むことなくベルンの時を刻んできた時計塔です。動力はゼンマイで、毎正時人形が踊ります。その道一筋50年の時計職人さんが管理人をしているそうです。
毎日時計台に上り、15分かけてゼンマイのネジを巻くのだそうです。帰ってからNHKで知りました。

でも最初そのことを知らず、
見た時あれっ？これだけ？
とつい言ってしまいました。後から人がゼンマイを巻いていると知って、だとすれば、なんてすごい時計だろうと思いました。

アインシュタインもその昔、この時計塔が見えるベルンの部屋に住んでいたそうです。

息子にスケボーをねだられて、買ってあげました。
きっとこの子に良い経験をもたらしてくれる予感がしました。

約束
いち、一生懸命マスターすること。
に、日本のお家まで自分が持って帰ること。
さん、三年間何も買わないこと。

ベルンでお兄さんたちが乗っているのを見て、かっこいいとずっと言っていました。

インターラーケンの地図です。

日本ーチューリッヒーバーゼル泊
バーゼルーパリ泊
パリーベルン泊
ベルンーインターラーケン泊
インターラーケンーチューリッヒー日本

インターラーケンは、ユングフラウ方面へ行く人の途中駅になる場所です。

この旅で、どこか一ヶ所アルペンムードのところにしたいと思っていました。
チューリッヒからどこかを回ってまたチューリッヒから帰るのであれば、これ以上ジュネーブ寄りは遠いなと思って、ベルンからインターラーケンにしました。

ここが最後の滞在地です。

インターラーケンにはオストとヴェストの二つの駅があります。オスト東は、主要駅を結ぶ列車が発着しユングフラウ方面への山岳鉄道も発着するため、交通の面ではオストがメインステーションです。

しかしホテルがたくさんあったり、アルペンムードが漂うのはヴェスト、西の方です。

私たちが滞在するホテルはちょうど中間、どちらも遠いようなどちらも近いような場所です。

でもずっとこんなにきれいな景色の中を歩けるのですから、わざわざでも歩きたいくらいです。

何もかもが素晴らしいところです、ここは、、！

私が手帳に貼ってきた、日本で思い描いた景色はここでした…！！

パラグライダーをやっていて、初めて見た息子がやりたいと言いました。日本に帰る前にしました。

空がこんなにきれいです。

チーズフォンデュを食べました。

駅の前に馬がいました。

ここはヴェスト

Hotel Tellに宿泊しています。

Sonneというホテルの後ろ、
月の下、雪をかぶった山が白く光って見えます.:*☆

ホテルの私たちの部屋からも、きれいな山が見えました。
気持ちの良い夜でした。。

今日はオストからブリエンツに行き、そこから登山鉄道でロートホルン山頂に行きます。

これに息子を乗せたくて、パーフェクトなプランを考えてきました。

これが予定です。

手帳の中の予定は、これが最後です。

行き、左側に座るようにと書いてあります。ブリエンツ湖が見えます。

ブリエンツを出発すると、山頂駅までの急勾配を蒸気機関車が客車を押上げながら、ゆっくりゆっくり、走ります。
約1時間の道のりです。

ブリエンツを出るとすぐに、勾配に差し掛ります。
しばらくこの林の中を行くと、進行方向左手にブリエンツ湖が眼下に広がります。
進行方向左に座りました。

今後ろを振り返ったところです。蒸気機関車が引っ張るのではなく、下から押し上げているのが見えます。

ロートホルンから降りてきた列車とすれ違います。
その姿はまるでトーマスです！

電車が大好きな息子に帰りも乗せてあげたいのですが、自分が乗っていると列車の姿が見られないので、帰りは頂上のロートホルンから途中駅のPlanalpまでハイキングで行こうと思っています。
本には2時間と書いてありました。
子供を連れているのでプラス1時間は考えようと思います。

ハイキングをしたら、途中で給水作業をする様子も見せてあげたいです.｡.:*

息子を抱っこしているこの手は、向いに座ったおじいさんの手です。気づいたらおじいさんの膝の上に座って、特等席で外を眺めていました。

おじいさんにずっと抱っこされて、気持ちの良い風を受けながら、

ブリエンツを出発して約一時間、ロートホルンの山頂に着きました。

山頂の駅から数分歩いたところには、レストランとブリエンツ展望台があります。

これからそこで、お昼を食べようと思います。

その後ハイキングを始めてからが試練の始まりでした。

歩き始めてすぐ雲行きが怪しくなりましたが、息子に電車を見せてあげたいという気持ちが判断を迷わせました。
今山頂に戻ったら最終の列車に間に合うのか、途中駅にこのまま向かう方が早いのか、
歩くごとに元いた山頂は遠くなり、不安が増しました。

その後土砂降りになり、道標が見えない道なのかも分からない道をひたすら歩きました。

息子を不安全に晒していることが怖くてたまらなかったです。
私の気持ちを知ってか知らずか、息子はずっと歌を歌ってくれました。

人には一人も会いませんでしたが牛はたくさんいました。私たち以外の生き物の存在がいて、それでも少し勇気付けられました。

途中の牛用の電線に触れて私が感電して一瞬倒れたのですが、牛飼いの人に助けられてまた歩き出し、目的の途中駅にはちゃんと辿り着きました。

寒くて息子を抱っこしてベンチで待っていると、また別の牛飼いの人が私たちを見つけてくれて車でブリエンツ駅まで送ってくれました。

車に乗った途端、さっきまで歌を歌っていた息子が、どっと疲れたのか、ころっと寝てしまいました。

やっぱり無理していたんだ…と思いました。

インターラーケンに着いた時の、息子の清々しいあの表情が、忘れられません。

そして今この時も、山の中のどこかで誰かが、孤独と不安と戦っているのだと思います。
心からご無事をお祈りします。