空海を尊ぶ凡夫の巡礼記

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奈良の春日大社① 国譲りと太平の願い

「哀(あはれ)なる哉(かな)、武将に備て二十五年、向(むか)ふところは必ず順(まつら)ふといへども、無常(むじょう)の敵の来たるをば防ぐにその兵なし。悲しい哉、天下を治めて六十余州、命(めい)に随(したが)ふ者多しといへども、有為(うい)の境を辞するには伴(ともなう)て行く人もなし。身は忽(たちまち)に化して暮天数片(ぼてんすうへん)の煙と立ち上り、骨は空(むなし)く留(とどめ)て卵塔一掬(らんと...
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奈良の興福寺① バガボンド聖地巡り

宮本武蔵(みやもとむさし)を描いた漫画「バガボンド」、その聖地巡りをしてきました。まず立ち寄った二つの駅をご紹介します。こちらがJR奈良駅。大極殿内部を意識したような造りに見えます。木目が美しいですね。次は近鉄奈良駅です。こちらも木材の美を意識した素晴らしい造り。ほんとかわかりませんが吉野杉を用いたと聞きました。二つとも歴史的なモニュメントも添えられて雰囲気満点です。私の好きな駅舎です。今回まず向か...
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滋賀のグルメ① 歴史を変えた料理と言葉

(今回はあえて伝説・伝承に沿って書かせていただきます。史実でないという説もあるので、ご注意ください。)時は戦国時代末期。近江坂本に明智光秀を(後に丹波を加増)、長浜に羽柴秀吉を配し(後に播磨を加増)、自らは安土を本拠とした織田信長。信長は甲斐武田氏を滅ぼした後、共同で事に当たった徳川家康を安土城に招待します。その接待役に命じられたのは光秀でした。光秀が饗応(きょうおう)の席に出した料理に、鮒寿司(...
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滋賀の近江神宮① ヤマドリの意味

あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む(百人一首3 柿本人麻呂、万葉集11-2802異伝歌1 読人不知)多くの方が聞いたことがあろう百人一首の代表的な歌です。歌に出てくるヤマドリはキジ科の鳥で日本固有種。オスは長いもので1m近くの尾羽を持ち、それを広げて飛ぶ姿は漫画「火の鳥」のモデルになったとか。今となってはなかなかお目にかかれない幻の鳥です。あれはたしか小学校高学年の時だったでしょ...
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滋賀の石山寺② 創建への思い

前回語り尽くせなかった寺の魅力を付け足そうと思います。こちらの岩は石山寺硅灰石(けいかいせき)といって、国の天然記念物に指定されています。その巨大な岩の上を登っていきます。上から見下ろすとなんとも情緒あふれる眺望(ちょうぼう)が広がっていました。エアーズロックに登頂した気分と言ったら言い過ぎでしょうか。石山寺は文字通り、この巨大な岩盤の上に建てられています。だから境内の地面は、ご覧のように削られた...
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