2020年06月 - 健康オタクの目移り
FC2ブログ

簡単にできそうな「無農薬・無施肥栽培」

現在の日本の農業は、いろいろな面で曲がり角に来ていると思います。種苗法、輸入の農産物・畜産物・海産物の安全性、国内の農薬や除草剤による健康リスク問題などです。

厄介なのは、その背景や実態が分かりにくいことです。例えば「種苗法」は、国内で開発した新種の作物が保護され、当面は良いことのような説明がなされていますが、長期的には特定の種子・農薬企業の収益に結びつく魂胆が隠されていて、農民の費用負担が増し、農作物の消費者には農薬などによる健康被害が拡大する恐れがあります。また、消費者は輸入品の安全性データも知らされずに買わされています。

昔の日本人は、子孫の健康被害が予想されれば、採算を度外視してでも考えうる望ましい善行を心がけました。いつから自分だけ良ければという経済第一主義に変ったのでしょうか。近江上人の心得の「買い手よし、売り手よし、世間よし」の精神は、日本人から消え去ったのでしょうか。

特に、子供の人体や精神へ農薬や除草剤の影響を防ぐことは、最重要課題であると思いますが、我が国では一向に改善対策が具体化せず、むしろ後退しているのが現状であると思われます。

資料によると、発達障害児の数は現在9万人を超え、この20年で7倍に増加しているという話があります。また、文部科学省が2012年に行った統計調査でも小中学生の6.5%に相応する約60万人以上40人のクラスでは、1クラスの2~3名が発達障害の可能性があるというデータを出しています。
農薬や殺虫剤、除草剤など化学物質を使って栽培された食品を子供を産む母親が多く摂取することにより,それが、胎児の脳の発達に影響を与え、発達障害の原因となっているのではという見解もあります。特に、有機リン系農薬やPCB(ポリ塩化ビニフェル)などは、脳にとって有害な物質であることが分かっています。

発達障害児が増えてきている実態を肌で知っている教員・教育委員会の関係者の勉強不足、事なかれ主義、無責任には呆れるばかりです。少しは海外での対策の実情を勉強してほしいです。

そのような背景から、無農薬・無施肥栽培には、健康と経済性の両面から理想的であると、私はあこがれていました。経済性は農薬と肥料が不要になるためと、オーガニック野菜として売値が上がることによる農家の収入増加および消費者の健康増進(具体例は後述)による医療費の削減が期待されます。

なお、yuko matsuoka氏によると、アメリカでは一般のスーパーなどでも、ほとんどの種類の食品でオーガニックが入手可能で、しかも特に高額というわけでなく、ほとんどが1ドルぐらい(約120円)かそれ以下の差で、ほんの少し高めな程度です。日本でも早く、このようになってほしいものです。

これからが本題です。
世界で初めて無農薬・無施肥のリンゴの栽培に成功した木村秋則氏の本「奇跡のリンゴ 「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録」や、高野誠鮮氏の講演や本「ローマ法王に米を食べさせた男」に感銘を受け、我が国も無農薬無施肥農業が普及してくれないかと願っていました。

自然栽培3冊

しかし、無農薬・無施肥栽培は、簡単には実現しにくく、土作りに数年を要することを知り、指導者のいない素人の私は取り組む意欲が失せました。

最近、吉田俊道氏(菌ちゃんふぁーむ代表)が、素人でも簡単にできる無農薬・無施肥栽培の『元気野菜作り』を提案されていることを知りました。早速、同氏のDVD「超簡単菌ちゃん野菜作り 」を購入して、具体的な作業方法を確認しました。このDVDはマンションのベランダ栽培を前提にしたものでしたが、菜園や畑でも基本的な手法は同じと考えられます。

DVDから知った具体的な無農薬・無施肥栽培法を簡単に紹介します。
最初に肥料のない土をプランターに8分目くらい入れて、その上に枯らした雑草を詰め込んで、その上から土をかぶせ、さらに水を撒いてから黒いビニールで覆って3ヶ月置きます。この土に牡蠣殻粉を蒔いてかき混ぜてから、野菜の種を蒔くか苗を植えるという方法です。これを雑草農法と呼んでいます。
枯れ草の代わりに、生ゴミに乳酸菌ボカシと腐敗防止用の塩を振りまいて2ヶ月間密閉して発酵させたものを土と混合してもよいです。その後、黒いビニールで覆って1ヶ月以上置いてから、種まきをします。これを漬物農法と呼んでいます。

元気野菜づくり6連結_数字入

3ヶ月で土壌中の細菌が増えて、枯れ草も分解されて形がほぼ無くなります。それに貝殻分を混ぜて野菜の種を植えると、2ヶ月で立派な野菜が育ちます。

土壌中の菌がファイトケミカル(主に抗酸化物質)を作り、野菜に吸収されます。ファイトケミカルは虫には消化できないので、野菜に虫が付きません。動くことができない植物は、このようにして虫から自分を守っています。しかし、今の農地にはファイトケミカル源が少ないことが問題なのです。

ファイトケミカル連結

なお、ファイトケミカルは、野菜や果物の色素や香り、辛味、苦味などに含まれる機能性成分のことです。機能性成分は生きるために必須なものではありませんが、免疫力向上、老化抑制、肥満予防といった、健康に生きる手助けをしてくれます。抗酸化作用で有名なポリフェノールもこの一種です。

購入したDVDで出来上がった野菜を見ると、普通の土で育てた場合より、大きく育ち、虫にも食われていません。

できた野菜とDVD

私立保育園「マミー」で、この方法で野菜を栽培し、その野菜を使った給食を始めたところ、園児の年間平均の病欠日数が6日であったのが、3年目から0.6日になり、その後も続いているそうです。驚くべき健康増進効果です。

園児の病欠減少

私もこの方法で、無農薬・無施肥栽培に挑戦しようと準備を進めています。
大隅河川国道事務所が川の堤防の刈り草を無償提供するとホームページに書いてあったので、電話で依頼したら、後日、持ち運びやすいように布団のように梱包した枯れ草をいただけることになりました。栽培の結果は後日報告します。

河川土手の刈草