TVアニメ「グラスリップ」…Arika
2014/09/30 (Tue)
グラスリップ (2) [Blu-ray] (2014/11/05) 深川芹亜、早見沙織 他 商品詳細を見る |
最速放送日 2014年7月3日(木)22:30~(TOKYO MX)
■キャスト
深水透子…深川芹亜
高山やなぎ…早見沙織
永宮幸…種田梨沙
沖倉駆…逢坂良太
井美雪哉…島﨑信長
白崎祐…山下大輝
深水陽菜…東山奈央
白崎百…茅野愛衣
■スタッフ…監督:西村純二、副監督:安斎剛文、シリーズ構成:佐藤梨香/西村ジュンジ、キャラクターデザイン・総作画監督:竹下美紀、美術監督:本田敏恵、撮影監督:並木智、3D監督:春田幸祐、色彩設計:中野尚美、編集:高橋歩、音響監督:辻谷耕史、音楽:松田彬人、音楽制作:ランティス、プロデュース:インフィニット
■原作/原案…原作:カゼミチ
■制作会社・・・ピーエーワークス
■あらすじ
ガラス工房を営む一家の娘・深水透子は、友人の家にあるカフェ「カゼミチ」を友人たちとの憩いの場所にしている。高校3年の夏休み、彼女たちの前に現れた転校生の少年・沖倉 駆は、透子に、自分には未来の声が聴こえると語りかける。もし、あらかじめ未来を知ることができるのなら、自分は何を望むのだろう? 感じたことのない動揺を覚えながらも、透子は胸の中に、放っておけない感情が生まれていることに気が付く...。
2014年7月3日~2014年9月25日
ひとこと感想。
ガラスを透かして見た世界の向こうは、
あやふやな十代らしい透明の世界でした。
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■評価:★★★☆…3・2
物語:2.5 作画:3.7 声優:3.3 音楽:3.4 キャラ:3.1
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まずOPが素晴らしいんです。
本編では描かれていない数年前の主人公達を描いたであろう(本編のドロドロぶりとは違う)爽やかな映像。
舞台となる福井県坂井市三国町の美しい風景とリズミカルなアコギの優しい音色とクリアな歌声。
未来予知に近い超能力、「未来の欠片」を観ることが出来る透子。
年頃ながら親の再婚がキッカケで同居しているやなぎと雪哉。
病弱薄幸な幸と彼女に好意を寄せているのがバレバレな祐。
仲睦まじい5人の同級生にとって高校生活最後の夏休み。 しかし透子と同じ「未来の欠片」を見ることができるという転校生の駆が現れたことで、5人の関係にも少しずつ変化が起きていく・・・序盤から露骨に“恋愛モノですよ”ってことをアピールしておきながらも爽やかな青春ストーリーとは違い「三角関係」「 近親恋愛」「バイセクシャル」などなど複雑な恋模様を比較的柔らかなタッチで描くものの1~2話毎に『修羅場』が待ち構えているという・・・いわゆる所謂“メロドラマ”でむず痒い感覚の残る作品でした(笑)。
でも悪い作品かというと個人的にはそう思いません。見ている間は色んなことが頭の中に浮か んでは消え、浮かんでは消え・・・意味は全て理解できなくとも心を満たしてくれたし、こういう作品なので、毎回、足りない頭を絞って少し考え、視察しながら見ていました。
毎回見ながら、この監督が最も見せたかった部分はどこだろうか考えていました。どうしても、”主人公の眞一郎はどのヒロインとくっ付くのか?”、という恋愛部分に目がいきがちだけど、でも監督の最も見せたかった部分はそこではないんじゃないかという結論に達しました。
肝心なのは、”眞一郎が誰と付き合うかではなくこの先どう生きていくか・・・。”の部分で、恋愛の中で彼の選び取った未来、その結果として誰がパートナーとしてふさわしいか、そんなストーリーじゃなかったかと思うのです。ですから、おそらく「グラスリップ」のテーマ自体は一貫して『未来』だったと思うのです。それを裏付けるのは、告白シーンの淡泊さと、その後の経過のあっさりさを推測すると「恋愛アニメ」として期待して見るべきではないと解釈しました。
主軸となるのは十代らしいテーマ「なんだか分からない、不確定なもの」で、これは前述の「未来」であったり、はたまた自身の「居場所」であったりなのですが、それぞれが分からないなりに求めているものを見つけていく物語じゃないかと…。思春期の不安を目に見える形で表した心象風景として‘未来が読める=超能力者’や‘光の欠片=ファンタジー要素’言うやつであると思います。
駆くんが三人に分裂するのも、実際に彼が特殊な能力を有しているとかではなく彼の中で意思が分裂しているだけ、いわば「現在・過去・未来」だったりみたいな?、そこが視聴者に伝わらないには、明らかに制作者の力量不足ということでしょうね。
未来が見えている駆が求めているのは居場所で、居場所のある透子は未来を見たがっています。
透子が11話「ピアノ」で駆に向かって「ここがきっと私の場所なの」と呟いたのは美術準備室でした。
準備室というのは、その意味の通り不確定なものを表していると分かります。
六人の中で透子と駆だけが異質なのはEDの映像からも明らかで、駆を除いた五人は一緒に居て透子だけが駆のことを気に掛けている。これは、やなぎ・幸・雪哉・祐の四人が見据えているのは今(現在)で、駆と透子だけが未来を見たがっているということでしょう。
私がイチバン気になったのは作画的です。風景描写以外の点では画面のクオリティはもう一歩欲しいというかバランスが悪すぎる。花火とかの背景すげぇん素晴らしいのですが、そこでもう制作者側が全力尽きて、肝心のドラマの心情が失速して疲れきっているという印象。
でも、こうやって評価してる私自身、正直ちゃんと理解はしてません(笑)。細かい所でいえば、例えば幸ちゃんの読んでる書物の意味とかまでカバーしきれていませんし、12話での冬景色もイマイチ分からないですしあと、やなぎ達は哲学者が由来の鶏、透子は冒険者を由来とした鶏(ジョナサン)、翔はどうやら鷹?鳶?がそれぞれ比喩的に用いられているようです。が、それらの表す真意は果たして・・・など全然、推測すら達していません。だから、そこら辺はアニメに詳しい賢い方にお任せします(笑)
ぶっちゃけると最後までスッキリしないお話でしたが、でも、こうやって「グラスリップ」について考えて想いを馳せて視察している時間がとても楽しかったです。
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