2022.06.16 Thu
おしゃれを食べに。
コロナ禍から、いやその前からうっすらとヒタヒタとその予感はあったのだが、たいそう我が店が暇なのであった。
そりゃあ誰だってどうせ行くなら新しかったり話題だったり素敵なものやおいしいものがいっぱいあるお店に行きたいのは当然で、そりゃそうだよな、そうなるよね、といじけ心ではなく普通にそう思う。
うちなんかはただひたすら長くやっているだけが取り柄の店なので、そのうち淘汰されるだろうけど今がその時なのか。
ただわかっているのはその時に確実に近づいているということで。いつまで続けられるのかなあと思いながら営業し続けるというのはなかなかのストレスで、うまいこと発散しておかないと大変なことになってしまう。
ま、わたしの場合、わっちゃんとうだうだして、YouTubeで藤井風のビミョーにダサいダンスを完コピしたりしてればいいんだけど、上手に発散できなさそうな姉が心配。
という前置きのもと、おいしいものを食べに行った。
名古屋市中川区にあるバーミキュラヴィレッジ。
レストランとベーカリーとカフェとショップがある。
知ってます?バーミキュラ。
簡単に言ってしまえば鋳物の鍋です。ただしそのへんの鋳物とはワケが違う。手作業で作られていてすっごくいい鋳物の鍋です。どういいかはそれぞれでググってください。とにかく無水調理で旨味も栄養も逃しまへんえ、という鍋。
いっときは何ヶ月待ちとかになってたかと思う。今はそんなこともなさそう。
で、その直営店が何年か前にできてて、ものすっごく混んでるという噂は聞いていた。でもそろそろ空いてるだろうし、行ってみよか、と思ったのですよ。
というか、急に思い出した。
そうだ、バーミキュラに行こう。
でまあ無計画に行ったもんだから、ランチの時間が二部制になってることを知らず、隣のベーカリーカフェで時間をつぶすことに。ま、どうせコーヒーも飲みたかったからいいのさ!
コーヒーの手前になんだかサクサクしてるものが写ってるけど気のせいです。
時間になったので、レストランに移動。
まあおしゃれ。お店のおねえさんたちもかわいいしやさしい。
反省すべき点はここだろうか、という考えがよぎる。
お2Fに案内されました。
ひー、おしゃれ。
おもてに見えるは中川運河。ここから見ると中川運河もおしゃれ。セーヌ川に見える(見えない)。
棚にならんでる白いのと黒いのがバーミキュラのお鍋たちです。
鋳物の鍋があんなに乗ってるということはあの棚の耐荷重は何キロなんだろう。きっと壁もずいぶんとしっかりしているの違いない。
おかしい、こんなおしゃれなとこに来てるのになぜ建物の躯体のことを考えているんだろう。
「バーミキュラで無水調理したジャガイモの冷たいスープでございます」
ランチには3種類くらいあったんだけど、せっかくだからコースにしました。
いつも思うけど、この『せっかくだから』って貧乏性のヒトじゃないと言わない気がする。わたくしはキングオブ貧乏性なので、しょっちゅう言ってる。せっかくだから。好きな言葉「せっかくだから」。
反省すべきはこういうとこだろうか。
「バーミキュラで無水調理したズッキーニと夏野菜のサラダでございます。グリンピースとバジルのソースとからりと揚げたキヌアと一緒にお召し上がりください」
おしゃれすぎてなにがなんだかわからない。きゅうりがスライサーでものすごく長くしゅーーーーっとされている。きっとものすごく長いきゅうりなのだろう。グリンピースとバジルのソースはとてもおいしかったけど、キヌアはカリカリでよくわかんなかった。うそ、おいしかったです!
「バーミキュラのライスポットでおいしいごはんが炊き上がりましたのでごらんください」
満を持してという感じでおねえさんがうやうやしく蓋をあけるとボワッと湯気が。なんとなく(シャッターチャンスよ!)と言われている気がしてあわてて撮ったからブレてる。
顔見せが終わったライスポットにまた蓋がされて、お隣のテーブルに移動するおねえさん。
「ライスポットでおいしいごはんが……」
「ライスポットでおいしいごはんが…」
それぞれのテーブルで言ってまわるなんて大変だなあ。そのうち湯気も出なくなるだろうし。
「バーミキュラで30分ほど無水調理した牛ハラミとバーミキュラフライパンで調理したマッシュルームとインカのめざめでございます」
うちも今度から「普通のテフロンフライパンで調理した青椒肉絲でございます」って言ったろうかしら。
牛ハラミ、わりとレアな感じだったのでムムッと思ったんだけどとてもおいしかった。レアっぽく見えてもさすがバーミキュラで30分ほど無水調理されただけあってきちんと火が通ってておいしい。インカのめざめもすごくおいしかった。なんならインカのめざめがいちばんおいしかった。言わなかったけど。
ごはんきた。
おいしいね。かまどで炊いたごはんみたい。
「マンゴーとパッションフルーツのソースのココナッツプリンでございます」
わたくしは何を隠そう隠してないけど、ナッツ系のものが苦手で。味もなんだけどそれよりもいつまでも口の中につぶつぶというかカケラが残るのが苦手なのだった。チョコレートに入ってるアーモンドとかチョコがなくなっても口の中に残るでしょう。あれが嫌。
その理論のヒトなので、パッションフルーツの種が。
ココナッツプリンとマンゴーのソースはなめらかにのどに落ちていくのに、パッションフルーツの種が。
カチカチと口の中にいつまでも残って一つずつプチっと噛んでいたら疲れてしまった。
くそ、種め。
なんとか食べ終わってなにげなくこの直径10センチたらずの小さなバーミキュラを持ってみた。
重っ。
重いっつーの。
下げに来たおねえさんに「これってなんグラムくらいですかね?500グラムくらい?」と軽く聞いてみたら、どうやら知らなかったらしくちょっとバタついていた。
「よかったらこちらご覧になってお待ちください」
と手渡されたカタログを見てみると他のサイズは重量まで載っていても、この一番小さなサイズは通販されてないらしく載っていなかった。
ってゆーか、さっきおねえさんが各テーブル持って回ってたライスポットって4.9キロあるの?
それに米が入ってるわけで。
大変だわ……。
「お待たせしました。503グラムでございます」
ニアピン賞なわたくし。
この小ささで500グラムもあるって、わー重いよねーおねえさん大変だねー、と言ったら「はい、重いんですよ」と笑っていたが、すごいよおねえさん。若いうちしかできないよ。
ちなみにお飲み物はほうじ茶を選びました。
なにこのおしゃれなポット。
会計待ちの間じゃまにならないようにお写真を撮らせていただく。
まーーーおしゃれ。
おしゃれねえー。
はーおしゃれ。
どこを見てもおしゃれが渋滞している。
すごいね。我ながら語彙力のなさにほれぼれするわ。
ちょっと贅沢して非日常な感じを味わって、それを日々のことにフィードバックできればいいんだろうけども、どうかな。でもまあめったにこういうとこには来ないのでたまにはいい。でも2年に一回くらいでいい。
さてこれで少しは気晴らしになったんだろうか。
なってればいいんだけど。
「ここがわたしのアナザースカイ、バーミキュラヴィレッジです!」
こんなことできるうちは大丈夫な気がするよ。
- 関連記事
-
- 味噌と寺とわたし〜寺編〜 (2022/09/25)
- 味噌と寺とわたし〜味噌編〜 (2022/09/14)
- おしゃれを食べに。 (2022/06/16)
- ちょぼっと乙姫。 (2022/06/10)
- ざっくりしすぎのわたしの興正寺。 (2022/05/24)
| パラダイス | 16:06 | comments:1 | trackbacks(-) | TOP↑
へー、バーミキュラのレストランがあるんだ!一度は行ってみたいかも😄
ただ、さっぱり系?のオシャレ店より賑やかわいいのお店が好きー♪
重さの話は 家のネコ砂基準で想像しました(笑)
ニアピン賞、サスガ料理人ですね😄👏👏👏
| あげ玉子 | 2022/06/16 22:05 | URL | ≫ EDIT