かつて東北地区で開催された、某業界のセミナーに招かれたことがある。
場所は温泉地が選ばれた。
誰でも温泉は大好きなので、多くの参加者がありセミナーは盛会であった。
セミナー終了後、懇親会は大広間を借り切って開催された。
懇親会のセレモニー(主催者挨拶とか来賓挨拶とか)が終了後、
そこにドドドドドと美女の群れが・・・・
昔は芸者さん、今はコンパニオンである。
これが日本の伝統的な宴会。
まあ、男だけで飲むより、女性が居た方が和むというだけの話なのだ。妻よ許せ。
しかし、その日のコンパニオンは少し違っていた。
美しいのである。
柔和にして、凛として気高く、礼儀正しく、
仕事は丁寧で、かつ匂うがごとく色っぽい。
「ちょっと、おこずかい稼ぎに来たの」というギャルコンパニオンとはプロ意識が違うのである。
そこで色々聞いてみると、なんと全員が未婚の母だという。
このコンパニオン会社は託児所が完備されており、
未婚の母達が安心して働けるとのことである。
未婚の母はなぜ生まれる。
子供が出来て結婚するのが「出来ちゃった婚」である。これが増えており、2000年調査では長男・長女の出生数の約4分の1を占めている。
4人に1人は出来ちゃった婚で出来た子なのだ。
しかし、出来ちゃったけど結婚しない(出来ない)場合がある。その場合は堕胎するか、未婚の母になるかの選択肢しかない。
やはり多くは堕胎するだろう。
でも、胎児を殺したくないと思う人は、生んで未婚の母になる。
未婚の母になったら、自分で稼いで子供を育てねばならない。でも、その生活手段は極めて限られているのである。
この婚外子の問題は政府の「少子化社会白書」の平成16年版に取り上げられている。
その後は、この問題に対する分析を止めたようである。
以下は16年版からの引用だ。
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わが国では、出生のほとんどが戸籍法に基づき婚姻の届出をした夫婦によるものである。
厚生労働省「人口動態統計」によれば、
2003(平成15)年の出生数1,123,610人のうち、98.07%は嫡出子(法律上の婚姻をした夫婦間に出生した子)であり、
非嫡出子は21,634人と、全出生数の1.93%にすぎない。
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年間2万人の未婚の母の子が生まれているのである。(遊友・注記)
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これを欧米諸国と比較をすると、スペイン、イタリアといった南ヨーロッパでは低いものの、
いずれの国も日本よりもはるかに高い水準にある。スウェーデン56%、フランス44.3%、イギリス43.1%、アメリカ33.96%という状態である。
しかし、非嫡出子(いわゆる婚外子)が多いからといって、
男女関係が乱れているというわけではなく、
男女のカップルが結婚に至るまでに同棲という事実婚の状態を経ることが多いこと、
非嫡出子であっても法的に嫡出子とほぼ同じ権利を享受できること、
結婚形式の多様化に対する社会一般の受け入れなどが背景にあると考えられる。
なお、北欧諸国はスエーデンが56%、ノルウェーが50%と多いが、これは北欧独特の婚姻の形態があるからだ。すなわち、結婚する前に、相手と上手くいくかを試す、お試し同棲制度があるから、この期間に出来た子供の率が高くなる。
お試しして駄目なら、また別の人と試してみて、最後は結婚する。だから2番目、3番目の子供は結婚したカップルから生まれるのである。
スェーデンは性が解放されている国という宣伝がされているが、そうではない。生涯の伴侶を探すのに慎重ということだ。(遊友・注記)
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わが国では、婚外子(非嫡出子)の割合は極めて小さいものの、
最近では、妊娠してから結婚をするという形態(俗に「できちゃった婚」と呼ばれている)により子どもが生まれるというケースが増加している。
厚生労働省「人口動態特殊報告―出生に関する統計」(2001年)によれば、
結婚期間が妊娠期間より短い出生数は増加傾向にあり、
2000年では、嫡出第1子出生数の約4分の1を占めている。
これは20年前と比較をすると、約2倍の増加となっている。
母の年齢階級別にみると、10代後半では8割、20代前半では6割、20代後半では2割となっており、年齢層が若くなるほど多くなっている。
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平成16年度の白書に書かれていた、婚外子の問題を、その後は取り上げなくなったのは何故か?
この問題は「ジェンダーフリー」とは関係ない。
実際に起きている問題なのである。
婚外子をめぐる諸問題
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プロフィール
Author:友遊
団塊世代の中小零細企業の代表。現場と市場視察が大好き。政財官の鉄のトライアングル、中央集権、日本的経営を支持する守旧派。既得権益死守。相互扶助を基盤とする協同組合支持。実業の世界とは、金融経済に対する実体経済の世界を意味する。
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