2015年02月07日 - 退職教師の日本史授業
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退職教師の日本史授業

パワーポイントを用いて作った教材(主に日本史)を紹介します。その他、退職後の生活あれこれも。

租借 

 日清戦争によって清の弱体ぶりを知った欧米列強は、あいついで清に勢力範囲を設定していきます。中国分割です。1898年にドイツが山東半島の膠州湾(こうしゅうわん)を、ついでロシアが遼東半島の旅順(りょじゅん)・大連(だいれん)を、イギリスは九龍半島(きゅうりゅうはんとう)・威海衛(いかいえい)を、翌年はフランスが広州湾(こうしゅうわん)を租借(そしゃく)します。アメリカは中国分割には直接的には加わりません。しかし、国務長官ジョン=ヘイが門戸解放・機会均等を提案し、各国の勢力範囲内での通商を自由にしました。

 租借という言葉を御存じでしょうか。租借とは、ある国が特別の合意のうえ他国の領土の一部を一定の期間を限って借りることを言います。租借期間中は、貸した国には潜在的な主権が存在しますが、実質的な統治権は借りた国が持つようになります。立法・行政・司法権は借りた国に移るわけです。中国の租借地は租借期限が99年というものが多いのですが、これは99年の99という数字が中国語の久久(=永久)と同音であることから、これらの租借は永久租借すなわち事実上の割譲を意味していたという説もあるようです。租借、要するに植民地にするのと同じことですね。

 イギリスの1997年の香港返還はそういうことなのですが、まあ、これは1898年から99年後というだけの単純な問題ではないのですが…


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