Albums of the Month (2024年2月) | PUBLIC IMAGE REPUBLIC
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Albums of the Month

Albums of the Month (2024年2月)

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フジロックとサマソニの第一弾ラインナップが発表されて、いよいよ2024年が来たなーという感じ。まずフジロックの方は今年も早割チケットが取れず。でも1次先行で予約したので、今年も3日間行くことは確定。ただ今のところ半分くらいしか知ってるアーティストがいない。Angie McMahonとThe Last Dinner Partyはぜひ観たいかな。


サマソニも第一弾ラインナップが発表されて、こちらは比較的好きなアーティストや知ってるアーティストが多め。行くかどうかは未定だけど、K-POPアーティストが複数出演する日があったら1日だけ行ってみようかなという感じ。去年のNewJeans枠で、今年はLE SSERAFIMとかありそう。


そんな感じでぬるっと、2月に初聴きした音源まとめ。





The Last Dinner Party / Prelude to Ecstasy (2024)
★★★★☆
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まずは洋楽。フジロック出演も決定したイギリスの5人組インディー・ロック・バンドのデビューアルバム。ヴィジュアル面へのこだわり、つまり「様式美」が感じられるバンドというのはどうしても惹かれてしまうし、1曲目が大仰なオーケストラで始まるところも素敵。そこからの2曲目「Burn Alive」は出だしから重さと陰鬱さを感じさせ(初期Warpaintを連想させるような音だ)、そのムードはアルバム全体を覆っているが、そういった中にも随所にポップさが垣間見えるところが良かった。Kate Bushとかも好きそうだな。

The Last Dinner Party - "Caesar on a TV Screen"




BIN / Melt (2024)
★★★★★
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続いて邦楽。先月ソロでもアルバムをリリースしたばかりの山上がヴォーカルを務めるバンドの2ndアルバム。サウンド的にyamaとは全く異なるせいでヴォーカルスタイルもかなり違って聞こえる。楽曲の幅も広く、また一曲の中でも様々な要素が含まれており、一概に「〇〇系」などと括れないユニークさがある。ポップ過ぎずロック過ぎず、オシャレ過ぎず難しすぎず軽すぎず。その辺もちょうど良い塩梅だと思う。

BIN - "ハイウェイローナー"




柴田聡子 / Your Favorite Things (2024)
★★★★★
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2022年の前作『ぼちぼち銀河』がとても良かった柴田聡子(年間ベストでは19位)。が、それはただの通過点でしかなかった。完全に新しいスタイルを提示してみせた7thアルバム。


まずジャケット・デザインからしてオシャレで洗練されており、かつて自分の顔のどアップをジャケットに起用していた頃とは真逆の印象を受ける。その時点で、これまでの作品とは違った雰囲気になるんだろうなと思わせていたけど、まさかここまで進化してしまうとは。柴田聡子の楽曲に対してD'Angeloを引き合いに出したくなる日が来るなんて思いもしなかったぜ。


その「進化」を支えた立役者は間違いなく岡田拓郎だろう。もう「ex.森は生きている」という肩書は要らないもんなあ。本作ではアレンジ、レコーディング・エンジニア、ミキシング・エンジニアのほか、ギターやシンセサイザーなど多数の楽器を担い、その手腕を発揮している。

柴田聡子 - "Side Step"




小田奈都美 / 陽光 (2024)
★★★★☆
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福岡出身のSSWによるデビュー・ミニアルバム。ソロ初ライブである「30曲ワンマンライブ」を根性で乗り切ったというエピソードが面白い。カネコアヤノにも通じる、古き良き日本を感じさせる懐かしいメロディ。アコギによるフォーキーなサウンド。その中に白昼夢的サイケデリアをしのばせつつ、透明感のある歌声がすっと馴染んでいる。惜しむらくは、紙ジャケットがペラペラの薄い紙だったこと。

小田奈都美 - "幻"




LE SSERAFIM / EASY (2024)
★★★★★
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最後はK-POP、まずは「推しのいるグループ」LE SSERAFIMの待望の3rdミニアルバム。3形態あるコンセプト・ヴィジュアルのうち、SHEER MYRRH盤を購入。ティザーの時点で何だこのハードロックは!と思ったけど本当にそれが1曲目に来るとは。タイトル曲「EASY」は最小限のウワモノとビートで構成されたヒップホップ・トラックでめちゃくちゃかっこいいし、哀愁感のあるギターと90年代ヒップホップ・ビートで構成された「Swan Song」も好き。

余談ながら、2月16日放送(韓国では2月2日)のKBS World番組「ミュージックバンク」でウンチェの代打MCを務めたユンジン、めちゃくちゃ良かったです。

LE SSERAFIM - "EASY"




NIMIXX / Fe3O4: Break (2024)
★★★★★
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シングル「Party O'Clock / Roller Coaster」を経ての待望の2ndミニアルバム。タイトル曲「DASH」はオールドスクールなヒップホップ、と思いきや後半に"Change Up"してからは秒刻みでヘヴィー・ロック、そしてドラムンベースへと変貌するアレンジが面白い。サブ・タイトル曲の「Soñar (Breaker)」も目まぐるしく変わるビートがかっこいいけど、本作の素晴らしいのは全7曲ともに粒ぞろいなところ。後半でBPMが変わる「BOOM」やメロディアスなエレクトロ・ポップ「Break The Wall」も推したいところだけど、個人的に最も素晴らしいと思ったのは「Passionfruit」で、NewJeans「OMG」~PinkPantheress & Ice Spice「Boy's a liar Pt. 2」の流れを汲む洗練されたダンス・トラック。

NMIXX - "DASH"







■今月行ったライブ
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1月はライブに行かなかったのだけど、2月は3つのライブに参加。まず2024年初ライブ参加となったのは2月2日にZepp Shinjukuで行われたなとりの記念すべきファースト・ライブ。昨年12月にリリースされたデビュー・アルバム『劇場』の購入者だけが抽選に応募でき、その当選者が参加できる貴重なシークレット・ライブだ。アルバム自体は5,500円とややお高めだったが、パッケージも豪華な装丁だったしライブも観れたのだからかなりお得だったと思う。


普段は顔を隠して活動するなとりにとって今回は始めて公の場に素顔を晒したことになるが、そういった緊張感を微塵も感じさせなかったし、初ライブとは思えないほど堂々としたものだった。お客さんがノリノリだったのも良かったし、会場にはさまざまな展示もされていて楽しめた。

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その2日後、2月4日には韓国の8人組ボーイズ・グループ、ATEEZのワールドツアーのさいたまスーパーアリーナ公演に行ってきた。公式ファンクラブ「ATINY」に入会して会員先行で申し込み、無事当選したのだ。昨年12月の「Music Bank Global Festival 2023」でも彼らのパフォーマンスは観ているが、複数アーティストが出演するイベントと単独公演ではやはり演出からスケールから何から全然別モノ。個人的にも初めてのK-POPアーティストの単独公演だったわけで、そんな記念すべき機会に相応しい、見応えのある素晴らしいコンサートだった。

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※撮影許可時に撮影したものです


翌週2月10日にはL'Arc~en~Cielの国立代々木競技場第一体育館での公演。ラルクのライブは2021年以来ご無沙汰していたのだけど(だって毎回やる曲ほとんど変わらないんだもん…)、今回はレア曲中心にやるというコンセプトのツアーだったので参加。いくつか申し込んだ中でたまたまこの日だけ当選したんだけど、いやあ本当にこの日行けてよかったわあ…まだツアー中なので詳細は書けないけど、俺得すぎるセトリだったし、翌日の公演ではあの曲やらなかったし…。

[過去記事]L'Arc~en~Cielのベスト・ソング50 ('92~'12年編)

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■久しぶりにドラム叩いた話
ワケあって昨年末あたりから久しぶりにドラムが叩きたくなり、先日リハーサルスタジオの個人連に入った。練習といっても、曲構成やフィルのパターンをあらかじめがっつり覚えてではなく、音源を流しながら適当に合わせてみようという気軽な感じだったのだけど、いざスタジオで叩き始めると思うように手足が動かない。ドラム筋が完全に失われていて、頭の中でイメージしているリズムに手足が追いつかないのだ。ドラム演奏は実に8年ぶりで、その8年前というのも3年ぶりくらいに一度だけスタジオでセッションしたので、ほぼ10年以上ぶりということになる。8年前の時はまだそれなりに叩けたのだけど…。


曲は昔やっていたバンドのオリジナル曲に、OasisやWeezerといった曲構成やフィルが頭に入っている曲、レッチリなどかつてコピバンでかなり練習した曲、そして最近叩いてみたかったBUCK-TICKの曲をプレイリストに集めてそれをスタジオで流しつつやってみたけど、BPMがちょっとでも早いとハイハットの8ビートも刻めないしキックのタイミングも合わず、簡単だと思っていた四つ打ちキック+裏ハットすらもなんだかぎこちないという有り様。でもせっかく10代20代で培った数少ない特技の一つなのだから、このまま全く演奏できなくなるのはイヤだなーと思った。今後は定期的にスタジオに入って叩いてみようかと思う。






■メタリックルージュ
先月のAlbums of the Monthで「最近観ているアニメ」として紹介した、ボンズ制作のテック・ノワールSFアニメ『メタリックルージュ』。第七幕「正しい歯車」ではこれまで謎だった舞台背景が明らかになり、新たなキャラの相関関係も見えてきたりと大きく展開して、

い よ い よ ワ ケ が 分 か ら な く な っ て き た !

(=面白くなってきた)。そう、SFモノはやはりこのワケのわからなさ、フィクションがゆえの時代背景の見えづらさ、架空の技術による専門用語が説明なしにバンバン飛び交う感じが実に醍醐味だと思うのだ。


第六幕「名前がない客」は宇宙船連続殺人というサスペンス要素がありながら「同じ体重の乗客を集めて端から一発ずつ殴っていき、それに耐えられた奴が犯人」というシュールな脳筋展開がとても面白かったが、この手のアニメは最後まで評価に油断ができない。最終的に全ての謎が解き明かされ、これまでのキャラの行動理由に整合性が取れていないと、突っ込みどころ満載のツメが甘い駄作となってしまう可能性もあるからだ。そんなわけでこの作品の評価は今は保留しておく。まあいずれにしても、OP曲の由薫「Rouge」とED曲のダズビー「Scarlet」は今のところ今年の年間ベストソング暫定1位と2位の曲なので、その2曲が聴けるだけでもこのアニメは観る価値が大アリだと思う。


ちょっと前まではルジュとナオミの妙にユル~い掛け合い(普通なら「お前、何者だ!」とか「誰だ!」みたいに言うシーンで間の抜けた調子で「…誰さん?」と言ったりする)がいちいち面白かったのだが、状況は回を追うごとに変化しており、今後の展開も目が離せない。

TVアニメ「メタリックルージュ」ノンクレジットOPムービー/由薫「Rouge」


TVアニメ「メタリックルージュ」ノンクレジットEDムービー/ダズビー「Scarlet」







■関ジャム
テレビ朝日系「関ジャム 完全燃SHOW」3月3日の放送は「今、改めて知りたいBUCK-TICK特集」らしい。タイミングについてはファンの間でも様々な意見があるだろうけど、私はとにかく昨年末の日本武道館公演「バクチク現象-2023-」で今井さんが、「(あっちゃんが)生きていたということを、存在していたということを大事にしてください」と言っていたのだから、この企画がファンにとっても、そしてこれからファンになるかもしれない人にとってもそこに繋がればよいなと思っている。


もっと言えば、この放送はプロ・アマ問わず全てのバンドマンに観てほしい。というのも個人的に、理想的なかっこいいバンドの在り方とは「コンスタントに活動(ライブ&新曲リリース)すること」「リリースごとに音楽的な進化が見られること」「フロントマンはもちろんのこと、フロントマン以外も常にヴィジュアル意識が高いこと」「メンバー脱退や、解散したり再結成したりがないこと」そして「一曲でも大ヒットさせること」だと思っていて、それらの条件が全て揃っているのは日本にはBUCK-TICKしか存在しないからだ。全てのバンドマンが憧れ、道標にすべき存在だと思う。


当日は西川貴教や綾小路翔など、BUCK-TICKをこよなく愛するミュージシャンも出演予定とのことで、まあその辺は「久しぶりにドラム叩いたらてんでダメだった元バンドマンの端くれ」たる私が力説せずとも、ゲストたちが大いにBUCK-TICKの魅力を語ってくれることだろう。
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