初聴きディスクレポート |
2014年8月に初聴きした音源の感想まとめです。
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★★★★★ 年間ベストアルバム20位以内クラス*
★★★★☆ すばらしい
★★★☆☆ 標準レベルの良作
★★☆☆☆ 若干気になる部分あり・もっと聴きこみ必要
★☆☆☆☆ 期待ハズレ
☆☆☆☆☆ 全然ダメでした
*今年リリースではない場合、旧譜のみから選ぶ年間ベストアルバムの20位以内クラス
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では8月のALBUM OF THE MONTHからいきます。
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★★★★★ 年間ベストアルバム20位以内クラス*
★★★★☆ すばらしい
★★★☆☆ 標準レベルの良作
★★☆☆☆ 若干気になる部分あり・もっと聴きこみ必要
★☆☆☆☆ 期待ハズレ
☆☆☆☆☆ 全然ダメでした
*今年リリースではない場合、旧譜のみから選ぶ年間ベストアルバムの20位以内クラス
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では8月のALBUM OF THE MONTHからいきます。
■ALBUM OF THE MONTH■
Charisma.com / DIStopping (2014)
★★★★★
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「現役OLラップ・ユニット」としてデビューしたCharisma.comの1stフルアルバム。昨http://admin.blog.fc2.com/control.php?mode=editor&process=load&eno=498#年のミニアルバム「アイ アイ シンドローム」の時はそこまでハマらなかったけど、本作ではラップスキルもポップセンスも楽曲の多彩さも格段にアップしていて驚かされた。キャッチーなフックがふんだんに散りばめられた各楽曲はそれぞれEDMを軸としながらも、M.I.A.のような先鋭的トライバル・ビートの「Looker」、ブロステップっぽいスネアの「スーパーガール」、90年代R&Bっぽい「Mr. Beer」の他、バイレ・ファンキやヒップホップなどをごちゃ混ぜにした感じがとてもかっこいい。一方でボーカル/ラップはフロウ満載でキレのあるライムがありつつ、HALCALIみたいなユルいJラップ感もあり、そのバランスが絶妙。
また、8月6日に配信限定でリリースされたTEMPURA KIDZとのコラボシングル「ミイラキラー」もiTunesにて購入済み。こちらも最高のポップチューンで、おそらく8月で最も再生した曲。Spincoasterでも記事書いてます。
Charisma.com - "チャンコイ"
Biffy Clyro / Opposites (2013)
★★★★★
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フジロックで初めてライブを観てめちゃくちゃ気に入ったので直近のアルバム3枚をゲット。その中でも最新作である本作は、他2枚と比べてもソングライティング力が格段にアップ。とにかくキャッチーで覚えやすい・歌いやすいポップな曲ばかり。惜しむらくは、ライブのダイナミックさが音源だと減退してしまっていること。こういうスタジアム映えするビッグなロックサウンドなら、ブッチ・ヴィグやリック・ルービン、ブレンダン・オブライエン、リッチ・コスティあたりが手掛けたらもっと素晴らしいものになったはず。
Biffy Clyro - "Sounds Like Balloons"
Johnny Foreigner / You Can Do Better (2014)
★★★★☆
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キュートかつ疾走感溢れるギターロック3人組に新たなメンバーが加わっての5作目。2008年の『Waited Up 'til It Was Light』で彼らのことを知ったけど、アルバムをちゃんと聴くのは今回初めて。パンキッシュでヤンチャな曲一辺倒かと思いきや、グッとテンポを抑えた「Riff Glitchard」「Wifi Beach」「Devastator」なんかは初期のThe Get Up KidsやJimmy Eat Worldに通じる90'sエモっぽさがあって好き。が、何よりもまずミキシングが最高。ギターやドラムの音がとてもかっこよかった。
Sigur Rós / Von (1997, re-issue 2014)
★★★★☆
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彼らの中で唯一持っていなかったアルバム。97年リリースのデビューアルバムの国内盤再発。これまで本作について、以降の作品よりも実験的でノイジーというイメージを勝手に抱いていたのだけど全然印象が違った。確かにワールドワイドに成功を収めた99年作『Ágætis byrjun』と比べるとサウンドは大きく異なり、彼らのトレードマークとも言えるストリングスやピアノも控えめだし、ヨンシーのボーカルですらほとんど楽器のように扱われている。
でも、かといって本作が「ポップでない」「難解」かと言われれば全くそんなことはなく、自らのバンド名を冠したオープニング曲こそドローン・アンビエントであるものの、「Hún Jörð」は2013年作『Kveikur』に収録されていそうなノイジーかつパンキッシュでかっこいいし、「Myrkur」はRideやChapterhouseのような90'sシューゲイザー、もしくは近年のThe Horrorsのようなムードに満ちている。彼らはこの後『Ágætis byrjun』でアイデンティティを見出したが、この『Von』ですでにその片鱗が現れていると思った。
Alvvays / Alvvays (2014)
★★★★☆
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いわゆるBest Coast的な、ノスタルジックなサーフ・ギター・ポップはとっくに食傷気味になっていたのだけど、「Archie, Marry Me」をはじめとした極上のメロディにはどうしても抗えない。ただ純粋に、ひたすらソングライティングが素晴らしい。一聴するとベタなコード進行にも思えるものの、「Adult Diversion」のサビにおけるJポップ的な節回し、「Party Police」における歌謡曲的哀愁メロディーなんかは日本人の琴線を揺さぶるものがある。
First Aid Kit / Stay Gold (2014)
★★★★☆
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以前試聴した際には「いいんだけど、買うほどではないかな」程度だったスウェーデンの姉妹フォーク・デュオ。フジロックでのパフォーマンスを見てベタ惚れし即購入。レイドバックしたフォーク/カントリー・サウンドに、姉妹ならではの絶妙なハーモニーが美しい。特にクララの可憐な声質や凛とした歌い方は曲の雰囲気にもピッタリ。
Biffy Clyro / Only Revolutions (2009)
★★★★☆
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前述の最新作『Opposites』の前作にあたるアルバム。本作も、ライブで一回聴いただけでメロディが耳に強く残っている「The Captain」や「Whorses」、「Mountains」などキャッチーな曲揃い。一見してストーム・トーガソンとわかるアートワークも良い。
For Tracy Hyde / in fear of love e.p. (2014)
★★★★☆
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ラブリーサマーちゃんがボーカルとして加入しての4曲入りEP。M1「First Regrets」はキラキラした甘酸っぱいギターポップに仕上がっていて、ラブリーサマーちゃんの舌っ足らずでキュートなボーカルとせつない歌詞が絶妙にマッチしていて素晴らしい。せつないのにそこにネガティブさはなく、非常にポジティブさを感じさせる(ジュディマリでいうところの「アネモネの恋」的な)ところもポイント高い。M2「笑い話」ではアンニュイさも加わり、インストのM3「さらばアトランティス鉄道」ではダンサブルに、センチメンタルに振り切れている。ラストのトロピカルでリズミカルな「SnoWish; Lemonade」の頃には、もっと彼らの楽曲を聴きたいと思えてくる。早くフルアルバムが聴きたいという期待を込めて星4つに留めておきたい。
For Tracy Hyde / in fear of love e.p. はこちらのBandcampからName Your PriceでDL可
Bleachers / Strange Desire (2014)
★★★★☆
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Fun.のギタリストJack Antonoffによるソロ・プロジェクト。爽快なエレクトロ・ポップで、雰囲気としてはFun.よりもFoster the PeopleやYoungblood Hawke辺りの方が近い。トロピカルでダンサブルな「Shadow」、キラーチューン「Rollercoaster」(Spincoasterで紹介記事書きました)など佳曲がたくさん。Grimesが参加した「Take Me Away」やオノヨーコが参加した「I'm Ready to Move On」など、ゲストのチョイスも面白い。
De La Soul / AOI: Bionix (2001)
★★★★☆
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前作にあたる『Art Official Intelligence: Mosaic Thump』はあまり好きではなかったので、その翌年リリースでタイトル的にも姉妹作っぽい本作にはあまり期待をしていなかったんだけど、これはかなり良い。サンプリングネタもビートもかっこいいし、ベースラインを引き立たせることでメロディラインもしっかりしていて全体的にキャッチー。ただ、喘ぎ声をフィーチャーした露骨なセックス描写「Pawn Star」や陳腐なドラッグ寸劇スキット「Reverend Do Good #3」はいただけない。
Mumm-Ra / Back To The Shore (2014)
★★★★☆
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2007年にデビューアルバム『These Things Move in Threes』をリリースし、「(500)日のサマー」でも使われた名曲「She's Got You High」を残すも翌年には解散してしまったイギリスの5人組。本作は再結成後にリリースされたEPにボーナストラックを加えた日本限定アルバム。元々メロディセンスに定評があった彼らだけど、これまで以上にソングライティング能力が磨かれた美メロ曲が並んでいるし、透明感のある歌声も相変わらず。「Ho Hey!」はどことなくThe Libertines、というよりはDirty Pretty Thingsを連想させた。
New Order / Lost Sirens (2013)
★★★★☆
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2005年リリースの「Waiting for the Sirens Call」のアウトテイク集。正直あのアルバムはあまりいい曲がないのでほとんど聴いていないのだけど、こちらはいかにもNew Order的な美メロ哀愁ナンバー尽くし。なぜこれらの楽曲がボツになったのか謎すぎる。
The National / Trouble Will Find Me (2013)
★★★☆☆
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今年2月のHostess Club Weekenderではヘッドライナーも務めた、呑んだくれ率いる5人組の6作目。前作以上にメロディアスな曲ばかりだけど、アレンジが「High Violet」の頃よりもシンプルでドラマティックさがなく、少し味気ない印象。即効性は弱いものの、じっくりと聴き込むことで良さがにじみ出てきそうな気もする。
The Pogues / If I Should Fall from Grace with God
(1988)
★★★☆☆
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結成から34年、今年のフジロックのクロージングアクトだった彼ら。これまでベスト盤しか聴いたことがなかったので、(おそらく代表作である)本作を借りてみた。代表曲「Fairytale of New York」、「Fiesta」が収録されているだけでなく、フジロックをついつい思い出してしまう哀愁トラッド・パンクとシェインのやさぐれたボーカルがたっぷり堪能できる。
THE NOVEMBERS / zeitgeist (2013)
★★★☆☆
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ダークでゴシックな世界観を纏った4人組バンドの最新作。フジロックでのライブでも見られたように、ニューウェーヴ感とハードコア感のバランスがとてもよい。リズムの構築の仕方がRadioheadっぽさも感じる「zeitgeist」、アンニュイなヴァースから爆音&金切りシャウトへと切り替わる瞬間がかっこいい「Wire (Fahrenheit 154)」、去年聴いてTHE NOVEMBERSに興味を抱くきっかけとなったヘヴィかつメタリックな「鉄の夢」など聴きどころ満載。ただ、ドリーミーでサイケな「Flower of Life」でシメる終わり方はあまり好きではなかった。
Biffy Clyro / Puzzle (2007)
★★★☆☆
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『Opposites』『Only Revolutions』と比べると曲の良さは劣る。Foo Fightersのような曲もあるけど、どうしても音がイギリスっぽくなってしまっているのが物足りなさを感じてしまった。
印象派 / Nietzsche (2013)
★★★☆☆
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大阪発の女性二人組。「OL兼ツイン・ヴォーカル・デュオ」らしく、Charisma.comと同様にこちらもOLなんだけどOL流行っているのだろうか…?ポストパンクなビートにハードエッジなギター、一風変わったメロディ展開、不思議な歌詞、サイケデリックなアレンジなど、ちょっと気を衒い過ぎなところもあるけど至ってポップ。ひねくれすぎたチャットモンチー?シンセやドラムはかっこいいのだけど本人たちの演奏ではないらしいのが残念。
Tommy february6 / Tommy february6 (2002)
★★★☆☆
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the brilliant greenの川瀬智子によるソロ・プロジェクトのデビュー作。早すぎた80'sリバイバル。80'sユーロを聴いて育ったのでとても懐かしく思える音だし、New Orderにファンクを注入したような「Hey Bad Boy」や、今ならアイドルが有名トラックメイカーと組んでやりそうな「Where Are You? "My Hero"」など純粋にかっこいい。ただ、「トミーフェブラッテ、マカロン。」は唐突に挟み込まれるジングル、「オーエーオエー」のコーラス、最後の拍手など、随所でダサいのが残念。あと全体的に、英語ではなく日本語で歌った方が良かったと思う。
失敗しない生き方 / 常夜灯 (2014)
★★★☆☆
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東京発の6人組バンド。ジャズ、ファンク・ポップ、AORなどが融合したサウンドに、コケティッシュな女性ボーカルと淡々とした男性ボーカルが絡む楽曲は洗練された雰囲気が漂い、夜の都会がよく似合う。その中でも、混沌とした展開を見せるパンクナンバー「煙たい部屋で」と、ノイズだらけのフリージャズ「常夜灯」がひときわ異彩を放っている。
Charisma.com / DIStopping (2014)
★★★★★
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「現役OLラップ・ユニット」としてデビューしたCharisma.comの1stフルアルバム。昨http://admin.blog.fc2.com/control.php?mode=editor&process=load&eno=498#年のミニアルバム「アイ アイ シンドローム」の時はそこまでハマらなかったけど、本作ではラップスキルもポップセンスも楽曲の多彩さも格段にアップしていて驚かされた。キャッチーなフックがふんだんに散りばめられた各楽曲はそれぞれEDMを軸としながらも、M.I.A.のような先鋭的トライバル・ビートの「Looker」、ブロステップっぽいスネアの「スーパーガール」、90年代R&Bっぽい「Mr. Beer」の他、バイレ・ファンキやヒップホップなどをごちゃ混ぜにした感じがとてもかっこいい。一方でボーカル/ラップはフロウ満載でキレのあるライムがありつつ、HALCALIみたいなユルいJラップ感もあり、そのバランスが絶妙。
また、8月6日に配信限定でリリースされたTEMPURA KIDZとのコラボシングル「ミイラキラー」もiTunesにて購入済み。こちらも最高のポップチューンで、おそらく8月で最も再生した曲。Spincoasterでも記事書いてます。
Charisma.com - "チャンコイ"
Biffy Clyro / Opposites (2013)
★★★★★
フジロックで初めてライブを観てめちゃくちゃ気に入ったので直近のアルバム3枚をゲット。その中でも最新作である本作は、他2枚と比べてもソングライティング力が格段にアップ。とにかくキャッチーで覚えやすい・歌いやすいポップな曲ばかり。惜しむらくは、ライブのダイナミックさが音源だと減退してしまっていること。こういうスタジアム映えするビッグなロックサウンドなら、ブッチ・ヴィグやリック・ルービン、ブレンダン・オブライエン、リッチ・コスティあたりが手掛けたらもっと素晴らしいものになったはず。
Biffy Clyro - "Sounds Like Balloons"
Johnny Foreigner / You Can Do Better (2014)
★★★★☆
キュートかつ疾走感溢れるギターロック3人組に新たなメンバーが加わっての5作目。2008年の『Waited Up 'til It Was Light』で彼らのことを知ったけど、アルバムをちゃんと聴くのは今回初めて。パンキッシュでヤンチャな曲一辺倒かと思いきや、グッとテンポを抑えた「Riff Glitchard」「Wifi Beach」「Devastator」なんかは初期のThe Get Up KidsやJimmy Eat Worldに通じる90'sエモっぽさがあって好き。が、何よりもまずミキシングが最高。ギターやドラムの音がとてもかっこよかった。
Sigur Rós / Von (1997, re-issue 2014)
★★★★☆
彼らの中で唯一持っていなかったアルバム。97年リリースのデビューアルバムの国内盤再発。これまで本作について、以降の作品よりも実験的でノイジーというイメージを勝手に抱いていたのだけど全然印象が違った。確かにワールドワイドに成功を収めた99年作『Ágætis byrjun』と比べるとサウンドは大きく異なり、彼らのトレードマークとも言えるストリングスやピアノも控えめだし、ヨンシーのボーカルですらほとんど楽器のように扱われている。
でも、かといって本作が「ポップでない」「難解」かと言われれば全くそんなことはなく、自らのバンド名を冠したオープニング曲こそドローン・アンビエントであるものの、「Hún Jörð」は2013年作『Kveikur』に収録されていそうなノイジーかつパンキッシュでかっこいいし、「Myrkur」はRideやChapterhouseのような90'sシューゲイザー、もしくは近年のThe Horrorsのようなムードに満ちている。彼らはこの後『Ágætis byrjun』でアイデンティティを見出したが、この『Von』ですでにその片鱗が現れていると思った。
Alvvays / Alvvays (2014)
★★★★☆
いわゆるBest Coast的な、ノスタルジックなサーフ・ギター・ポップはとっくに食傷気味になっていたのだけど、「Archie, Marry Me」をはじめとした極上のメロディにはどうしても抗えない。ただ純粋に、ひたすらソングライティングが素晴らしい。一聴するとベタなコード進行にも思えるものの、「Adult Diversion」のサビにおけるJポップ的な節回し、「Party Police」における歌謡曲的哀愁メロディーなんかは日本人の琴線を揺さぶるものがある。
First Aid Kit / Stay Gold (2014)
★★★★☆
以前試聴した際には「いいんだけど、買うほどではないかな」程度だったスウェーデンの姉妹フォーク・デュオ。フジロックでのパフォーマンスを見てベタ惚れし即購入。レイドバックしたフォーク/カントリー・サウンドに、姉妹ならではの絶妙なハーモニーが美しい。特にクララの可憐な声質や凛とした歌い方は曲の雰囲気にもピッタリ。
Biffy Clyro / Only Revolutions (2009)
★★★★☆
前述の最新作『Opposites』の前作にあたるアルバム。本作も、ライブで一回聴いただけでメロディが耳に強く残っている「The Captain」や「Whorses」、「Mountains」などキャッチーな曲揃い。一見してストーム・トーガソンとわかるアートワークも良い。
For Tracy Hyde / in fear of love e.p. (2014)
★★★★☆
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ラブリーサマーちゃんがボーカルとして加入しての4曲入りEP。M1「First Regrets」はキラキラした甘酸っぱいギターポップに仕上がっていて、ラブリーサマーちゃんの舌っ足らずでキュートなボーカルとせつない歌詞が絶妙にマッチしていて素晴らしい。せつないのにそこにネガティブさはなく、非常にポジティブさを感じさせる(ジュディマリでいうところの「アネモネの恋」的な)ところもポイント高い。M2「笑い話」ではアンニュイさも加わり、インストのM3「さらばアトランティス鉄道」ではダンサブルに、センチメンタルに振り切れている。ラストのトロピカルでリズミカルな「SnoWish; Lemonade」の頃には、もっと彼らの楽曲を聴きたいと思えてくる。早くフルアルバムが聴きたいという期待を込めて星4つに留めておきたい。
For Tracy Hyde / in fear of love e.p. はこちらのBandcampからName Your PriceでDL可
Bleachers / Strange Desire (2014)
★★★★☆
Fun.のギタリストJack Antonoffによるソロ・プロジェクト。爽快なエレクトロ・ポップで、雰囲気としてはFun.よりもFoster the PeopleやYoungblood Hawke辺りの方が近い。トロピカルでダンサブルな「Shadow」、キラーチューン「Rollercoaster」(Spincoasterで紹介記事書きました)など佳曲がたくさん。Grimesが参加した「Take Me Away」やオノヨーコが参加した「I'm Ready to Move On」など、ゲストのチョイスも面白い。
De La Soul / AOI: Bionix (2001)
★★★★☆
前作にあたる『Art Official Intelligence: Mosaic Thump』はあまり好きではなかったので、その翌年リリースでタイトル的にも姉妹作っぽい本作にはあまり期待をしていなかったんだけど、これはかなり良い。サンプリングネタもビートもかっこいいし、ベースラインを引き立たせることでメロディラインもしっかりしていて全体的にキャッチー。ただ、喘ぎ声をフィーチャーした露骨なセックス描写「Pawn Star」や陳腐なドラッグ寸劇スキット「Reverend Do Good #3」はいただけない。
Mumm-Ra / Back To The Shore (2014)
★★★★☆
2007年にデビューアルバム『These Things Move in Threes』をリリースし、「(500)日のサマー」でも使われた名曲「She's Got You High」を残すも翌年には解散してしまったイギリスの5人組。本作は再結成後にリリースされたEPにボーナストラックを加えた日本限定アルバム。元々メロディセンスに定評があった彼らだけど、これまで以上にソングライティング能力が磨かれた美メロ曲が並んでいるし、透明感のある歌声も相変わらず。「Ho Hey!」はどことなくThe Libertines、というよりはDirty Pretty Thingsを連想させた。
New Order / Lost Sirens (2013)
★★★★☆
2005年リリースの「Waiting for the Sirens Call」のアウトテイク集。正直あのアルバムはあまりいい曲がないのでほとんど聴いていないのだけど、こちらはいかにもNew Order的な美メロ哀愁ナンバー尽くし。なぜこれらの楽曲がボツになったのか謎すぎる。
The National / Trouble Will Find Me (2013)
★★★☆☆
今年2月のHostess Club Weekenderではヘッドライナーも務めた、呑んだくれ率いる5人組の6作目。前作以上にメロディアスな曲ばかりだけど、アレンジが「High Violet」の頃よりもシンプルでドラマティックさがなく、少し味気ない印象。即効性は弱いものの、じっくりと聴き込むことで良さがにじみ出てきそうな気もする。
The Pogues / If I Should Fall from Grace with God
(1988)
★★★☆☆
結成から34年、今年のフジロックのクロージングアクトだった彼ら。これまでベスト盤しか聴いたことがなかったので、(おそらく代表作である)本作を借りてみた。代表曲「Fairytale of New York」、「Fiesta」が収録されているだけでなく、フジロックをついつい思い出してしまう哀愁トラッド・パンクとシェインのやさぐれたボーカルがたっぷり堪能できる。
THE NOVEMBERS / zeitgeist (2013)
★★★☆☆
ダークでゴシックな世界観を纏った4人組バンドの最新作。フジロックでのライブでも見られたように、ニューウェーヴ感とハードコア感のバランスがとてもよい。リズムの構築の仕方がRadioheadっぽさも感じる「zeitgeist」、アンニュイなヴァースから爆音&金切りシャウトへと切り替わる瞬間がかっこいい「Wire (Fahrenheit 154)」、去年聴いてTHE NOVEMBERSに興味を抱くきっかけとなったヘヴィかつメタリックな「鉄の夢」など聴きどころ満載。ただ、ドリーミーでサイケな「Flower of Life」でシメる終わり方はあまり好きではなかった。
Biffy Clyro / Puzzle (2007)
★★★☆☆
『Opposites』『Only Revolutions』と比べると曲の良さは劣る。Foo Fightersのような曲もあるけど、どうしても音がイギリスっぽくなってしまっているのが物足りなさを感じてしまった。
印象派 / Nietzsche (2013)
★★★☆☆
大阪発の女性二人組。「OL兼ツイン・ヴォーカル・デュオ」らしく、Charisma.comと同様にこちらもOLなんだけどOL流行っているのだろうか…?ポストパンクなビートにハードエッジなギター、一風変わったメロディ展開、不思議な歌詞、サイケデリックなアレンジなど、ちょっと気を衒い過ぎなところもあるけど至ってポップ。ひねくれすぎたチャットモンチー?シンセやドラムはかっこいいのだけど本人たちの演奏ではないらしいのが残念。
Tommy february6 / Tommy february6 (2002)
★★★☆☆
the brilliant greenの川瀬智子によるソロ・プロジェクトのデビュー作。早すぎた80'sリバイバル。80'sユーロを聴いて育ったのでとても懐かしく思える音だし、New Orderにファンクを注入したような「Hey Bad Boy」や、今ならアイドルが有名トラックメイカーと組んでやりそうな「Where Are You? "My Hero"」など純粋にかっこいい。ただ、「トミーフェブラッテ、マカロン。」は唐突に挟み込まれるジングル、「オーエーオエー」のコーラス、最後の拍手など、随所でダサいのが残念。あと全体的に、英語ではなく日本語で歌った方が良かったと思う。
失敗しない生き方 / 常夜灯 (2014)
★★★☆☆
東京発の6人組バンド。ジャズ、ファンク・ポップ、AORなどが融合したサウンドに、コケティッシュな女性ボーカルと淡々とした男性ボーカルが絡む楽曲は洗練された雰囲気が漂い、夜の都会がよく似合う。その中でも、混沌とした展開を見せるパンクナンバー「煙たい部屋で」と、ノイズだらけのフリージャズ「常夜灯」がひときわ異彩を放っている。
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