INTERVIEW |
アーティストのインタビュー企画第三弾。前回も書きましたが、基本的に直接いろいろお訊きしたいと思えるアーティストと出会えたらやる不定期企画なので、こうして月イチでコンスタントにやれるのは単純に嬉しいです。
今回インタビューさせていただいたのは、前回のannie the clumsyさんともお友達のシンガー・ソングライターmay.eさん。SoundCloud上でannie the clumsyさんの新曲をチェックしていた時にたまたま自動再生されて、普段ならこういう意図せず流れるようなものって反射的に停止ボタンを押してしまうのに、その時は彼女の透き通るような声に引き寄せられて、SoundCloud上にある音源を一気に全部DLして聴き漁ってしまったほど。
※彼女の楽曲のほとんどはフリーDL可能です
彼女の音楽性は実に幅広く、現在ネット上に発表されている楽曲だけではまだその才能の全貌は表出しきれていないと思います。アシッドフォーク調の弾き語りから、宅録ベッドルーム・ポップ、ドローン・サイケ、ユルめのフリースタイル・ラップなどスタイルは実に多種多様。さらに自身の音楽活動だけでなく、イベント「Friendly Echo」の主催や、ニコニコ動画などで出会ったという個性豊かなアーティストを取り上げるインタビューブログなども手掛けるマルチな才能の持ち主です。
※なお、当ブログの2013年上半期ベストアルバムで「Mattiola」が15位、上半期ベストトラックで「あなた」が9位に選出されています。
※インタビューを読みながらのBGMに一曲。6月に公開された弾き語り曲に埼玉出身のアーティスト、ビーフさん(beefdaisuki)がアレンジを加えたバージョン。
"自分で自分を促す歌。だからただ単にラブソング・アルバムというよりは、自分の書き溜めた日記が一冊終わった、という感じです"
―まずは5月にリリースされたアルバム「Mattiola」、本当に素晴らしかったです。ネット上に曲をアップし始めたのは一年ほど前からでしたけど、それ以前も作曲はされていたんですよね。音楽に目覚めるきっかけは何だったのでしょうか。
may.e)ありがとうございます。まさかこんなにたくさんの方に聴いていただけると思ってなかったのでとっても嬉しいです。
父方の家庭が音楽一家だったということもありますが、幼少の頃から音楽に触れる機会はたくさんあって。小学生の頃から作曲のようなものをしたり、小6のとき初めてバンドを組みました。それに母親が絵画をやる人だったので、わたしも絵画を習っていたり好きだったり。今までだったら音楽をする他にも絵画、自主映画だとか写真だとかいろいろやってはいたので、だから音楽が特別やりたくて始めた、きっかけがあったということはないです。ただ何かを表現することのひとつとして音楽を始めて、それが今は楽しくて長く続いているという感じです。特に音楽でないといけないということはないんだと思います。いつ曲ができなくなるかもわからないですし。
―「Mattiola」の歌詞カードに「わたしの日記」と書かれていますが、may.eさんにとってこの「日記」とは自分の中の思いや経験を人と共有するブログのようなもの?それとも自分の記録、もしくは気持ちを整理するためのプライベートな日記なのでしょうか。
may.e)「Mattiola」については、内容を多少大げさにしているところもありますが、自分の中で消化し切れないものを発散・排出していたという感じです。寝る前に日記を書く行為と同じように。
内容は極々私的なものです。結果的に公開していたのだから、ブログのようなものになってしまっているかもしれませんが。
―どうして今回アルバムの形で音源をまとめようと思ったのですか。
may.e)特に理由はありません。ただ自分の中でひと区切りつけたかったということはあります。音楽的なことではなく、気持ち的な問題で。
1曲目の「Mattiola」から始まって、アルバム最後の8曲目「Asunomy」の心境に至るまでの一定期間に、区切りを感じたんです。「Mattiola」はかなり落ち込んでいた時期から脱しようとしていた時のことを歌っているんです。だから「外の世界を見に行こう」と言っていて、「Mattiola」は本当(の綴り)は「Matthiola」なんですけど、あえて人名っぽく「h」を抜いたのは歌詞に出てくる「Mattiola」を花ではなく「自分自身」にしたからです。というのも「Matthiola」は5月6日の誕生花、わたしの誕生日で。自分で自分を促す歌。だからただ単にラブソング・アルバムというよりは、自分の書き溜めた日記が一冊終わった、という感じです。
―ネット上に音源をアップする以前の活動としては、ブログ「いきするひとたち」でインタビュアーとして活動していたり、イベント「Friendly Echo」を主催したりと、マルチだけどわりと裏方的なことをされてきましたよね。こういった活動をするきっかけというか、モチベーションの源は何だったのでしょう。
may.e)元々そういうことが好きなんです。単純に自分がいいと思ったものを人に知ってもらうというのは気持ちがいいことだと思いますし。
きっかけのきっかけは長いので割愛させてもらうとして…人と接して体感したり得たり交換したりできる価値観の重要性があると思って、自分からいろんな人に会うことにして。それだけではつまらないので、特に何かを発信している人や発信したい人、面白いと思った人を取り上げて公開しようと思ったんです。イベントを始めてみたのもその延長です。
―なるほど。ではそれらの活動は、自身の音楽に何らかの影響を及ぼしたと思いますか?
may.e)その辺はわからないです。インタビューやイベントの活動が影響を及ぼしているとすれば、それ以外の生活、日々全体が音楽には現れるんじゃないかと思います。実感はないです。
―「Mattiola」のアートワークは自身の手書きイラストですよね。CD版は歌詞カードやライナーノーツもハンドメイドで作ったDIY精神に溢れたものとなっていますが、自分で自分をトータルプロデュースするのが好きみたいなところがあるのでしょうか?
may.e)自分でやらないと納得しないということは結構あります。実際ジャケットのイラストや歌詞カードのデザインも、音源全体を含めて頭の中でトータルイメージがあったんですが、なんせイベントと時期がかぶっていて寝ずの日々を送っていたので、かなり理想とかけ離れているし大妥協している面があって…今度やるならもう少し余裕を持ってやりたいです。
▼自身の筆による「Mattiola」アートワーク
―SoundCloud上にアップされている曲を聴く限り、音楽性にかなり幅がありますよね。初期は宅録のベッドルーム・ポップみたいな感じでチルウェイヴ的な雰囲気があるし、「Mattiola」みたいなアコギ弾き語りの曲はわりとここ半年くらいの曲調ですよね。may.eさんとしては特定の音楽ジャンルに納まる必要はないと考えているのでしょうか。
may.e)納まる必要はないと思っています。といっても「わたしはいろんなことをしたいわ」という意識もなくて、ただ今だったらアコギの弾き語り系の曲ができるからつくっているという感じです。でもアコギの弾き語りは最近始めたということもなくて、ピアノでつくる時もありますしエレキの時もありますし色々です。
―技術的には曲に装飾を施すこともできたのに、敢えてシンプルなアコギ弾き語りにしたのには何か意図があったのでしょうか。
may.e)バンドサウンドの完成形で思いつくこともありますが、アルバムや今(ネット上に)上がっている弾き語りに関しては「敢えて」そうしているというより「納得している」からそうしているんです。バンドサウンドで思いついたとしても、あの完成形がまさに納得だからです。でもそのあとアレンジされたり、したりっていうことに拒否感はないです。自分が納得いくものをやるというのが大前提です。妥協も含め。
―過去の曲や最近の曲は日本語詞が多いですが、「Mattiola」は全編英語詞ですよね。これは何か明確なコンセプトの違いがあったからなのでしょうか?パーソナルな内容なので少しぼかすために英語にしたのかなとも思ったのですが。
may.e)英語の曲を作る前は、「日本語→英語→でたらめ語」でやってました。アルバムにライナーノーツや歌詞カードで語ってない意味やコンセプトはすごくあるんですが、ただそういう時期だったから英語で歌っただけです。ある程度統一感は持たせようと思って全部英語にはしましたが。
2曲目の「Love Beating」なんかは日本語訳を見るとかなりわかりやすい内容かなと思いますが、他の曲は比喩だとか自分でしか理解できないであろう表現をたくさん使っていて、それは最近の日本語の歌にも同じことが言えます。
―で、その日本語の歌についてなんですけれども。情景とか心情がすごく豊かな表現で書かれていて、それでいて溢れだす言葉をそのまま書き留めたかのように断片的だったり、文法的に繋がらないところがあったりして。歌詞はどういうプロセスで書いているのか気になりました。曲と詞、どちらが先なんでしょう?
may.e)曲と詞がほぼ同時です。あとで詞を直しはしますけど、基本的に同時です。その時の気持ちに任せて勢いで出る言葉ばっかりで、歌詞の内容が難解かもしれないと思いますがでたらめとかではないです。
日本語はそうで、英語の場合は頭の中で「こういうことを歌おう」と決めていて曲ができて、日本語から英語にしながら余分なものはそぎ落として作ります。
「Mattiola」につけた日本語訳や日本語の歌の歌詞を読んで、聴いてくださった人がどんなことを想像したのか、どう感じたのかは興味があります。わたしの中の価値を、そっくりそのまま聴いた人や恋人や友達が感じる必要ないと思っているので、そういう面でも難解さは面白みだと思うし、解釈してもらえるならそうしてほしいと思います。わたしにとっても面白いと思うから。
―わかりました。次にその他の曲についてですが、マイブラやピクシーズやザ・スミスをカバーしていますよね。音楽的な影響源としては80年代~90年代の洋楽オルタナティヴ・ロックが強いのでしょうか?
may.e)どれにどう影響を受けたかとかは全然わからないです。父が聴いていた洋楽の影響が強いかもしれないですね。趣味が合うので仲がいいですし。普段家にいるときは誰の影響でもなく、好きなものを聴いていますし本当に雑食です。特に何が好きかと聞かれたらちゃんと挙げられるんですけど…。父の影響で聴き始めたものも、わたしが自分で見つけて聴いているものも、全てから何かしらの影響は受けていると思います。落ち込んだときに限ってはB.J.Thomasの「雨に濡れても」をエンドレスで聴いてます。
SoundCloud上には他にもThe Ronettes、The Velvet Undergroundなどのカバーもあり
―「ピーターパンはいないの」や「はじまりの合図」はラップで歌ってますよね。自ら「息抜き」と表現していますが、とても息抜きとは思えないクオリティだし、may.eさんの個性とか奥深さが体現された曲だと思いました。そもそもなぜラップで歌おうと思ったのですか?
may.e)ラップしたくなったからです(笑)。
―衝動以上の理由はないということですね(笑)。個人的にはこれらのラップ曲やベッドルーム・ポップ曲をごちゃ混ぜにした、ある意味カオスな作品をまとめてほしいと思っています。今後「Mattiola」以外の曲をまとめてアルバム形式にする予定はありますか?
may.e)未定ですが、未公開のものも含めて日本語の曲を一回まとめたいとは思ってます。
―それは楽しみです!最後に、今後のライブやリリースなどの予定を教えてください。
may.e)ライブの予定もこれまで通り未定で、曲は今忙しくて録音できてない曲が5曲くらいあるので、それをどうまとめるか考えています■
▼may.eさんの音源や情報はこちらをチェック
may.e:Bandcamp(アルバムなどの音源がDLできます)
may.e:SoundCloud
may.e:Twitter
may.e:tumblr.
may.e:YouTube「areuera」
今回インタビューさせていただいたのは、前回のannie the clumsyさんともお友達のシンガー・ソングライターmay.eさん。SoundCloud上でannie the clumsyさんの新曲をチェックしていた時にたまたま自動再生されて、普段ならこういう意図せず流れるようなものって反射的に停止ボタンを押してしまうのに、その時は彼女の透き通るような声に引き寄せられて、SoundCloud上にある音源を一気に全部DLして聴き漁ってしまったほど。
※彼女の楽曲のほとんどはフリーDL可能です
彼女の音楽性は実に幅広く、現在ネット上に発表されている楽曲だけではまだその才能の全貌は表出しきれていないと思います。アシッドフォーク調の弾き語りから、宅録ベッドルーム・ポップ、ドローン・サイケ、ユルめのフリースタイル・ラップなどスタイルは実に多種多様。さらに自身の音楽活動だけでなく、イベント「Friendly Echo」の主催や、ニコニコ動画などで出会ったという個性豊かなアーティストを取り上げるインタビューブログなども手掛けるマルチな才能の持ち主です。
※なお、当ブログの2013年上半期ベストアルバムで「Mattiola」が15位、上半期ベストトラックで「あなた」が9位に選出されています。
※インタビューを読みながらのBGMに一曲。6月に公開された弾き語り曲に埼玉出身のアーティスト、ビーフさん(beefdaisuki)がアレンジを加えたバージョン。
"自分で自分を促す歌。だからただ単にラブソング・アルバムというよりは、自分の書き溜めた日記が一冊終わった、という感じです"
―まずは5月にリリースされたアルバム「Mattiola」、本当に素晴らしかったです。ネット上に曲をアップし始めたのは一年ほど前からでしたけど、それ以前も作曲はされていたんですよね。音楽に目覚めるきっかけは何だったのでしょうか。
may.e)ありがとうございます。まさかこんなにたくさんの方に聴いていただけると思ってなかったのでとっても嬉しいです。
父方の家庭が音楽一家だったということもありますが、幼少の頃から音楽に触れる機会はたくさんあって。小学生の頃から作曲のようなものをしたり、小6のとき初めてバンドを組みました。それに母親が絵画をやる人だったので、わたしも絵画を習っていたり好きだったり。今までだったら音楽をする他にも絵画、自主映画だとか写真だとかいろいろやってはいたので、だから音楽が特別やりたくて始めた、きっかけがあったということはないです。ただ何かを表現することのひとつとして音楽を始めて、それが今は楽しくて長く続いているという感じです。特に音楽でないといけないということはないんだと思います。いつ曲ができなくなるかもわからないですし。
―「Mattiola」の歌詞カードに「わたしの日記」と書かれていますが、may.eさんにとってこの「日記」とは自分の中の思いや経験を人と共有するブログのようなもの?それとも自分の記録、もしくは気持ちを整理するためのプライベートな日記なのでしょうか。
may.e)「Mattiola」については、内容を多少大げさにしているところもありますが、自分の中で消化し切れないものを発散・排出していたという感じです。寝る前に日記を書く行為と同じように。
内容は極々私的なものです。結果的に公開していたのだから、ブログのようなものになってしまっているかもしれませんが。
―どうして今回アルバムの形で音源をまとめようと思ったのですか。
may.e)特に理由はありません。ただ自分の中でひと区切りつけたかったということはあります。音楽的なことではなく、気持ち的な問題で。
1曲目の「Mattiola」から始まって、アルバム最後の8曲目「Asunomy」の心境に至るまでの一定期間に、区切りを感じたんです。「Mattiola」はかなり落ち込んでいた時期から脱しようとしていた時のことを歌っているんです。だから「外の世界を見に行こう」と言っていて、「Mattiola」は本当(の綴り)は「Matthiola」なんですけど、あえて人名っぽく「h」を抜いたのは歌詞に出てくる「Mattiola」を花ではなく「自分自身」にしたからです。というのも「Matthiola」は5月6日の誕生花、わたしの誕生日で。自分で自分を促す歌。だからただ単にラブソング・アルバムというよりは、自分の書き溜めた日記が一冊終わった、という感じです。
―ネット上に音源をアップする以前の活動としては、ブログ「いきするひとたち」でインタビュアーとして活動していたり、イベント「Friendly Echo」を主催したりと、マルチだけどわりと裏方的なことをされてきましたよね。こういった活動をするきっかけというか、モチベーションの源は何だったのでしょう。
may.e)元々そういうことが好きなんです。単純に自分がいいと思ったものを人に知ってもらうというのは気持ちがいいことだと思いますし。
きっかけのきっかけは長いので割愛させてもらうとして…人と接して体感したり得たり交換したりできる価値観の重要性があると思って、自分からいろんな人に会うことにして。それだけではつまらないので、特に何かを発信している人や発信したい人、面白いと思った人を取り上げて公開しようと思ったんです。イベントを始めてみたのもその延長です。
―なるほど。ではそれらの活動は、自身の音楽に何らかの影響を及ぼしたと思いますか?
may.e)その辺はわからないです。インタビューやイベントの活動が影響を及ぼしているとすれば、それ以外の生活、日々全体が音楽には現れるんじゃないかと思います。実感はないです。
―「Mattiola」のアートワークは自身の手書きイラストですよね。CD版は歌詞カードやライナーノーツもハンドメイドで作ったDIY精神に溢れたものとなっていますが、自分で自分をトータルプロデュースするのが好きみたいなところがあるのでしょうか?
may.e)自分でやらないと納得しないということは結構あります。実際ジャケットのイラストや歌詞カードのデザインも、音源全体を含めて頭の中でトータルイメージがあったんですが、なんせイベントと時期がかぶっていて寝ずの日々を送っていたので、かなり理想とかけ離れているし大妥協している面があって…今度やるならもう少し余裕を持ってやりたいです。
▼自身の筆による「Mattiola」アートワーク
―SoundCloud上にアップされている曲を聴く限り、音楽性にかなり幅がありますよね。初期は宅録のベッドルーム・ポップみたいな感じでチルウェイヴ的な雰囲気があるし、「Mattiola」みたいなアコギ弾き語りの曲はわりとここ半年くらいの曲調ですよね。may.eさんとしては特定の音楽ジャンルに納まる必要はないと考えているのでしょうか。
may.e)納まる必要はないと思っています。といっても「わたしはいろんなことをしたいわ」という意識もなくて、ただ今だったらアコギの弾き語り系の曲ができるからつくっているという感じです。でもアコギの弾き語りは最近始めたということもなくて、ピアノでつくる時もありますしエレキの時もありますし色々です。
―技術的には曲に装飾を施すこともできたのに、敢えてシンプルなアコギ弾き語りにしたのには何か意図があったのでしょうか。
may.e)バンドサウンドの完成形で思いつくこともありますが、アルバムや今(ネット上に)上がっている弾き語りに関しては「敢えて」そうしているというより「納得している」からそうしているんです。バンドサウンドで思いついたとしても、あの完成形がまさに納得だからです。でもそのあとアレンジされたり、したりっていうことに拒否感はないです。自分が納得いくものをやるというのが大前提です。妥協も含め。
―過去の曲や最近の曲は日本語詞が多いですが、「Mattiola」は全編英語詞ですよね。これは何か明確なコンセプトの違いがあったからなのでしょうか?パーソナルな内容なので少しぼかすために英語にしたのかなとも思ったのですが。
may.e)英語の曲を作る前は、「日本語→英語→でたらめ語」でやってました。アルバムにライナーノーツや歌詞カードで語ってない意味やコンセプトはすごくあるんですが、ただそういう時期だったから英語で歌っただけです。ある程度統一感は持たせようと思って全部英語にはしましたが。
2曲目の「Love Beating」なんかは日本語訳を見るとかなりわかりやすい内容かなと思いますが、他の曲は比喩だとか自分でしか理解できないであろう表現をたくさん使っていて、それは最近の日本語の歌にも同じことが言えます。
―で、その日本語の歌についてなんですけれども。情景とか心情がすごく豊かな表現で書かれていて、それでいて溢れだす言葉をそのまま書き留めたかのように断片的だったり、文法的に繋がらないところがあったりして。歌詞はどういうプロセスで書いているのか気になりました。曲と詞、どちらが先なんでしょう?
may.e)曲と詞がほぼ同時です。あとで詞を直しはしますけど、基本的に同時です。その時の気持ちに任せて勢いで出る言葉ばっかりで、歌詞の内容が難解かもしれないと思いますがでたらめとかではないです。
日本語はそうで、英語の場合は頭の中で「こういうことを歌おう」と決めていて曲ができて、日本語から英語にしながら余分なものはそぎ落として作ります。
「Mattiola」につけた日本語訳や日本語の歌の歌詞を読んで、聴いてくださった人がどんなことを想像したのか、どう感じたのかは興味があります。わたしの中の価値を、そっくりそのまま聴いた人や恋人や友達が感じる必要ないと思っているので、そういう面でも難解さは面白みだと思うし、解釈してもらえるならそうしてほしいと思います。わたしにとっても面白いと思うから。
―わかりました。次にその他の曲についてですが、マイブラやピクシーズやザ・スミスをカバーしていますよね。音楽的な影響源としては80年代~90年代の洋楽オルタナティヴ・ロックが強いのでしょうか?
may.e)どれにどう影響を受けたかとかは全然わからないです。父が聴いていた洋楽の影響が強いかもしれないですね。趣味が合うので仲がいいですし。普段家にいるときは誰の影響でもなく、好きなものを聴いていますし本当に雑食です。特に何が好きかと聞かれたらちゃんと挙げられるんですけど…。父の影響で聴き始めたものも、わたしが自分で見つけて聴いているものも、全てから何かしらの影響は受けていると思います。落ち込んだときに限ってはB.J.Thomasの「雨に濡れても」をエンドレスで聴いてます。
SoundCloud上には他にもThe Ronettes、The Velvet Undergroundなどのカバーもあり
―「ピーターパンはいないの」や「はじまりの合図」はラップで歌ってますよね。自ら「息抜き」と表現していますが、とても息抜きとは思えないクオリティだし、may.eさんの個性とか奥深さが体現された曲だと思いました。そもそもなぜラップで歌おうと思ったのですか?
may.e)ラップしたくなったからです(笑)。
―衝動以上の理由はないということですね(笑)。個人的にはこれらのラップ曲やベッドルーム・ポップ曲をごちゃ混ぜにした、ある意味カオスな作品をまとめてほしいと思っています。今後「Mattiola」以外の曲をまとめてアルバム形式にする予定はありますか?
may.e)未定ですが、未公開のものも含めて日本語の曲を一回まとめたいとは思ってます。
―それは楽しみです!最後に、今後のライブやリリースなどの予定を教えてください。
may.e)ライブの予定もこれまで通り未定で、曲は今忙しくて録音できてない曲が5曲くらいあるので、それをどうまとめるか考えています■
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- [INTERVIEW]#3:may.e 2013/07/20
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