INTERVIEW |
当ブログ初となる、アーティストのインタビュー企画!記念すべき第一弾はエレポップ/ニューウェーヴ/シューゲイザーからの影響を感じさせる栃木出身の男女デュオ、ザ・ヴァニティーズ(The Vanities)。今回が彼らの世界初インタビューとなります。元々この企画は、僕が彼らの音楽に興味を抱くうちにいろいろと聞きたいことが出てきたことから彼らにオファーをして実現したのですが、インタビューをする側もされる側も初めての経験という中で、彼らの歌詞やタイトルに込められた思いを知ることができただけでなく、文学や物理学、歴史など幅広い分野からインスピレーションを得ていることが窺える非常に興味深い内容となりました。それでは、ザ・ヴァニティーズの2万字(注:テキトーな数字です^^)インタビューをどうぞ。
The Vanities メンバー
写真上:Marina (Vo, G)
写真下:Kota (G, Vo)
(現在ライブにおいては、宇都宮を中心に活動中のインストバンド、FEEDのKato氏がベーシストとして参加。ちなみにドラマーは随時募集中とのこと)
※読みながらのBGMにどうぞ!
"大きな空洞(=The Vanities)の中でギターを投げたりして乱暴にノイズを研究している、みたいな構図ができあがってきました"(Marina)
―まずはお二人の出会いについて。二人とも栃木出身なのですか?
マリナ)共に栃木出身です。コウタが日光市、私が栃木市出身で、活動の拠点が間をとって宇都宮市です。出会いは2009年の2月ごろですね。
―結成のきっかけを教えてください。
マリナ)決め手になったのはウィリアム・ブレイク(William Blake)の詩を読んでいたということです。
コウタ)いや、そんなこといっても実際は全然ロマンチックじゃないんですよ。お互いの好きな音楽の話をしていて、結成の決め手になる「これだ!(このバンドが好きだ!)」っていうのが出てこなかったんです。
マリナ)それで「どんな本読むの?」って話になったのが結成のきっかけになりました。
―「Vanity」とは「虚栄心」「うぬぼれ」という意味ですよね。The Vanitiesという名前にしたのはどういう意図が?
マリナ)意味としては「空っぽ」というのがしっくりくるかもしれません。大きな球体の中がどどーんと空洞なイメージです。まさに「空洞です!」ですね(笑)。口頭で訊かれたときは、「空っぽなので特に意味はありません」といつも誤魔化しています。
コウタ)最初に考えたバンド名が無駄に長くて、お互い忘れてしまったんです。それで確かどちらが考えた名前にもVanityかVanishedが入っていたことは覚えてて。
マリナ)私がVanityという単語を選んだ理由は佐藤春夫が『田園の憂鬱』の中で「Vanity of vanity, all is vanity!」を「空なる空、空の空なる哉(かな)都(すべ)て空なり」と独自の言葉で翻訳しているのがとても気に入っていたからです。そのフェイバリット感を一言に集約するならThe Vanitiesかなあと思いました。『田園の憂鬱』は副題に「或いは病める薔薇(そうび)」と書いてあり、その由来はウィリアム・ブレイクの「The Sick Rose」からきていると知り、ここでもブレイクに繋がったので、「ああ、もうこれでいこう!」となりました。2009年の結成当時に検索かけたら引っ掛かってこなかったんですが、あとに英国の同名バンドの存在を知りました(笑)。
―70年代のUSパンク、80年代のポストパンク/ニューウェーヴ、90年代のシューゲイザーなどから影響を受けているように感じられたのですが、自分たちに影響を与えたものを教えてください。
コウタ)聴いてきたものがすべて何らかの形で出ていると思います。
マリナ)音楽的な好みでいうと私がUS寄りでKotaがUK寄りでしょうか。バンドだと、Kotaがスペースメン3、ジーザス・アンド・メリー・チェイン、私がピクシーズ、ソニック・ユースあたりです。その他はパンクやインディロックが唯一、二人の音楽性を繋ぐエッセンスでしたね。あとは全然詳しくなくて申し訳ないのですが、詩は英文学からの影響を受けています。
―ano(t)raksのコンピ「Soon V.A.」に提供した楽曲「Waniwanipanic」について。「ワニワニパニック」と言えば80年代末に登場したゲーセンのゲームですが、なぜこれをテーマにしたのでしょう?
コウタ)行間がぴったりワニワニパニック~でハマったので使用しました。さすがにタイトルにするのはどうかなって思って、最初はクロコダイルパニックって曲名だったりしました。
マリナ)「小山ゆうえんち」ってテーマパークで昔よく遊びました。あと普通にワニが好きです。この曲は「ワニワニパニック」のゲーム自体をテーマにしたのではなくて、ワイキキビーチで実際に私がクラゲに刺されて溺れて死にそうになった愉快で強烈な思い出を歌っています。
Soon V.A. (フリーDL可)8曲目に収録
―先ほどの「Waniwanipanic」もそうですが、Marinaさんの書く歌詞は非常にユニークですね。歌詞を書くとき、音の響き・比喩・視覚的なイメージなど、いつも重視していることはありますか?また、どんな世界を描きたいと思っていますか?
マリナ)気にしてるのは自分の考えをうやむやにしないということくらいです。でも結果としてうやむやな感じが出ると逆にうれしいです。歌詞の役割としてはノイズの尻尾を掴む道具と考えています。漠然としていますが、目に見えない物事を音や詩によって視覚化したいという思いがあります。それでどんな世界を描きたいか?というと難しいのですが、ノイズって目に見えないから、姿かたちがあったら面白いだろうなって考えています。ノイズを捕まえるっていう発想はニュートリノのことを本で読んだのがきっかけでした。日本で素粒子がどのように研究されているのかというと、その一つに大きな加速器で陽子を加速させ、高速で壁にぶつけて壊し、そこから素粒子を取り出して研究するという方法があるそうです。壁に物を投げつけるという発想がすごく気に入って、それを読んでいたら可笑しくてしょうがない気分になってきたんです。それで、大きな空洞(=The Vanities)の中でギターを投げたりして乱暴にノイズを研究している、みたいな構図ができあがってきました。
―なるほど、深い…。あと、歌詞では「1+1=26」が特に好きです。いろんな数字を足して、どれもが26になるという一見シュールなことが歌われていますが、この「26」という数字にはどんな意味やメッセージが込められているのでしょうか。レディオヘッドの「2+2=5」、もしくはSUPERCARの「Strobolights」がヒントになっているとか?
マリナ)作り終ってから、あっ!こういう曲ありましたねってなりました。レディオヘッドも高校生のときよく聴いていましたし、特にSUPERCARは本当に大好きです。影響はかなりあると思いますが、残念ながらどちらもこの曲のヒントではないんです。「1+1=26」の原型は大学院で出会った友人と授業で一緒に作りました。今歌っている歌詞とはかなり変わってしまったのですが、最初は彼女が歌詞を書いて、私が曲をつけて発表しました。彼女との創作活動は音楽活動に目覚めるきっかけになりました。いろんな意味が数の一つ一つに組み込まれているのですが、簡潔に言うと「26」とは羽が生えていて、いつでも飛んでいける妖精の数だってことを方程式にして歌っています。歌は冒頭から数え歌のように数が増えていき、途中に118という元素記号の(当時調べた際の)総数を表した数字が出てきます。なぜ元素記号に関する数を出したかというと26番目の原子記号はFeで鉄だったからです。まずFeというのがローマ字読みすると「フェ」でフランス語で妖精を表すFéeという言葉と同じ音になります。 さらに鉄に関しては人類で最も早い段階で優れた鉄器の技術を持ったのが紀元前500年ごろのケルト人でした。そのことを知って、これは妖精の数字だ!ということにしました(笑)。妖精(fairy)はもともとその鉄を制したケルト人の文化なんです。それで頭の中で勝手に26→Fe(鉄)→ケルト→妖精という流れになりました。
―「1+1=26 EP」収録の「x+y=26」は、「1+1=26」のインストの逆回転バージョンですよね。歌詞はないですが、タイトルからしてやはり「1+1=26」のアンサーソング的な役割を担っているのでしょうか。
コウタ)逆再生した時のサイケデリックな感じがとても好きなので、いつも曲ができたら逆再生したり、ピッチを落として聴いたりしています 。そこからまた別の曲のアイディアが浮かぶこともあったりします。
マリナ)「1+1=26」はヴォーカルを抜くと数える数字がないわけだから、タイトルは「x+y=26」で!って言ったんです。そうすれば歌わなくても、何を足しても26だなあというわけです。
―個人的には「Futarinotokei」が一番好きな曲です。この曲の歌詞は抽象的なイメージを並べながらも、都会で時間に追われるあまりすれ違いがちな人間関係を時計の針に例えているように感じました。やはりそういったことを歌ったのでしょうか?
マリナ)そうですね。この曲の舞台は千葉県市川市で、こういう風にどこか特定の場所を書くのは初めてでした。これは1+1=26を共に作った友人に宛てた曲で、彼女が住む市川を一緒に歩いた思い出を書いています。呼吸するみたいにこの街から人間が排出されているようでした。人ごみという砂漠に埋れて行く感覚と実際に砂に埋れるような感覚と、今度は砂浜がコンクリートで覆われて埋れて行く様子が頭で繋がりました。
―歌詞に登場する「クレビス」なんて言葉のチョイスも素晴らしいと思います。あと、「リラダン」とはフランスの作家オーギュスト・ヴィリエ・ド・リラダンのことなのでしょうか?
マリナ)恐縮です。市川をフィールドワークしていて実際にクレビスに出会いました。コンクリートの裂け目から砂地が見えるのが、海なし県に住む私には相当不思議な光景だったので、刺激的でした。最初はビート・ハプニングみたいなユルダルな曲をイメージして書いたのですが、結果的に全然違う感じになりました。「リラダン」ですが、まさにそのリラダンです。歌詞ではリラダンの文学のことには全く触れず、リラダンの本とのエピソードに触れています。私が鞄持ちをしていた学者の書斎にある齋藤磯雄訳のリラダンの本が逆さまに入ったまま忘れられてて、誰も気が付かないまま時間が過ぎていきました。その忘れられたリラダンの本を見ている時に、市川での思い出が繋がってしまったんです。
―ano(t)raksコンピ第二弾「Upwards And Onwards V.A.」に提供した「Gabriel's Blue Hat」について。「ガブリエルの青い帽子」とは、ゲーム、映画、小説などの特定のキャラをモチーフにしているのかなと思ったのですが、元ネタがあれば教えてください。
マリナ)実在の人物がヒントですね。実際に青い帽子をかぶって、どこかちょっと不思議な男の子がいました。その男の子が詩の中でデフォルメされていって、最終的に「くまのパディントン」みたいだなあって思ったりしました。なので、ガブリエルはパディントンがモチーフになっています(笑)。
Upwards And Onwards V.A. (フリーDL可)5曲目に収録
―The Vanitiesの楽曲は一つ一つの音作りが丁寧で、作品としてのクオリティが非常に高いと思います。ミックス作業はどのようなことに気を遣っていますか?また、音作りの手本にしているアーティストがいれば教えてください。
コウタ)ありがとうございます。個人的にはもうちょっとなんとかならないかな?といつも思ってますが(笑)。ミックスに関してはド素人なので、いろんなアーティスト、特にザ・レヴォネッツはよく参考にしています。それとあまり特定の音を強調したりせず、全体的にバランスが良ければいいかな、くらいの感じで作業しています。
―特にギターの音に関しては、マイブラやスロウダイヴ、ライド、ジザメリなど90年代シューゲイザーからの影響を強く感じさせます。Soundcloudのアイコンがラヴレス風なのですが、やはりケヴィン・シールズからの影響は大きいのでしょうか。
コウタ)実はあまりシューゲイザーは意識してないです。基本的にさっき挙げたザ・レヴォネッツやプライマル・スクリームみたいにガツンとやりたいってだけなんですよ、僕は。
マリナ)アイコンについては、写真を撮ってくださったのがマイブラのライブにもご一緒した栃木のすごいギタリストさんで、彼の「ラブレス愛」が自然と全面に出ている感じなりました。マイブラもアイルランド出身なので、ケルトの文化が色濃く残る妖精の国から生まれた音楽として意識しているところはあります。
―Soundcloud上では、マッドチェスター風ビートの「Emperor's River」や、浮遊感のあるサウンドとハンマービートの組み合わせがNeu!を連想させる「Mr. Wee Hours」などが公開されていますが、ビートに対するこだわりがかなり強いのではと思いました。
コウタ)こだわりはないです。逆になんでも試してみたい気持ちでいっぱいですよ(笑)。
マリナ)あれっ?!ハンマービート命なのかとばっかり思ってたよ。
―そういえば、「Emperor's River」についてナカコー氏が感想をツイートしていましたね。
マリナ)Gold Soundzさんに「Emperor's River」を取り上げていただいたあたりのタイミングでした。わたくしナカコーさんのことはもともと大好きで。もう今は神的存在でございます。ナカコーさんのいらっしゃるであろう方角に足を向けては眠れません(笑)。実際、ツイート後には再生回数が跳ね上がって、EPは一気にダウンロードされました。とても言葉では言い尽くせない感謝の気持ちでいっぱいです。
コウタ)正直に言うと僕はとんでもなく邦楽に疎くて、SUPERCARを聴いたことがなかったんです。でも僕らのやっているような音楽の日本の第一人者ということは理解しているつもりなので、そういう方に評価してもらえるのはとても嬉しいです。
二人)ナカコーさん、どうもありがとうございます!!!!
―憧れのミュージシャンにコメントしてもらえるってすごいですよね。そういえば、ano(t)raks代表の小笠原氏によればThe Vanitiesの楽曲は海外のラジオ局でオンエアされたりしているようですね。SoundcloudやYouTubeの再生データなどからすると、国内よりも海外からの方が多く聴かれている感じなのでしょうか?
マリナ)もう本当に!!!小笠原さんあってのThe Vanitiesなのです!!小笠原さんに発見してもらえなかったら栃木の日陰から出てこられませんでした。
コウタ)再生データを見ると海外からの方が多い時が結構ありますね。Hindsight on KDHXというラジオ局(?)が3回くらい「1+1=26」を紹介してくれたみたいです。
マリナ)海外からのレスポンスは目立っていますが、日本のラジオ局でも流してもらえたら最高にうれしいですね。
―僕自身がすごくファンなので、こうして取り上げることによって国内でもより多くの人に聴いてもらえたら僕としてもうれしいです。ところで、今後もしNMEやピッチフォークなどで取り上げられたらどうしますか?
マリナ)もし何かの間違いでNMEのような老舗音楽雑誌に取り上げられてしまったら、もう、はい。考えただけで陽気に浮かれ騒ぎます。その時は、「高校の物理の先生が、宝くじに当たる確率よりバンドで成功する確率の方が高いって言ってたのでバンド始めました」ってコメントをしたいです(笑)。みんな仕事の傍ら音楽をやっていると思うのですが、もしこういう日陰でほそぼそ活動している人たちの音楽が海外で大きく取り上げられたら、日本の音楽シーンにも少なからず変化が起きてくるのではないでしょうか、とちょっと知った風なコメントをしてみます。
―海外のこんなレーベルからリリースできたらうれしいなというのはありますか?
コウタ)Rocket Girl、Sonic Cathedral、Too Pure Singles Clubあたりが僕たちの音楽と相性がいいのではないかと勝手に思っています(笑)。
―今のところフィジカルリリースなしで、すべてネット上にアップしていますが、ゆくゆくはどのように楽曲を発表していこうと思っていますか?
コウタ)フィジカルでもウェブ上でもレーベルを通してリリースしたいですね。器用ではないので(笑)。今はとにかく皆さんに僕たちのことを知ってもらいたいと思ってできるだけオープンにしてあります。
マリナ)リリースのオファー、心よりお待ちしております!!
―最後に、今後のリリース予定やライブ予定を教えてください。
マリナ)ano(t)raks以外のリリース予定以外ですと、今ある海外レーベルと話をしていますが、なんとも言えない状態です。近々良い発表ができれば良いなあと思っています。ライブの予定は5月11日に宇都宮で市が主催するフリーのイベントに出ます。私の仕事の都合で夏の期間のライブ予定は現在未定です。今はオファーをいただけたら、いつでも飛んでいけるように準備を整えているという状態です■
[リンク]
The Vanities - "1+1=26 EP" (フリーDL可)
The Vanities [Soundcloud] (デモ音源などあり)
The Autochrome [Soundcloud] (Kotaによる別プロジェクト)
4月14日に恵比寿BATICAにて行われたイベント「風が吹いたらさようなら -Umez東京凱旋公演-」にThe Vanitiesが出演したので観に行ってきました。軽くライブレポートを。
赤いブラウスとエメラルドグリーンのラメジャケットに身を包んだMarinaは、赤く染めた髪の毛と、たくさんの蝶のイラスト(ひとつだけ幼虫のイラストも)が貼られたギターが印象的。KotaはスピリチュアライズドのTシャツを着用。ベースにKatoを加えた3人編成で、ドラム他打ち込みパートを流しながらのスタイル。ノイジーに歪んだギターサウンドにキュートなボーカルをのせた楽曲はどれもキャッチーで、「Mr. Wee Hours」他全7曲をプレイ。エッジィなサウンドとは対照的に、曲間のMarinaのMCは至って平熱というかホンワカとしていて場内を和ませていた。Kotaは写真からもわかるようにリズムにノリながらエフェクターを駆使して様々な音を奏でていたが、MCはほとんどなくクールな印象。
しかしラストに演奏された、彼らの中でも最もパンキッシュな曲「L.H.O.O.Q.」で雰囲気が一変し、いきなり凶暴化。Marinaはドライバーを弦に叩きつけて強烈なギターノイズを放ち、彼女がフェイバリットに挙げていたソニック・ユースのサーストン・ムーアを彷彿させたかと思えば、今度はKotaが狂ったようにギターをかきむしり、凄まじいフィードバックノイズまみれにした末にギターを放り投げた(今回のライブが初ギター投げだったらしい)!突然の豹変ぶりに観客も呆気にとられ、カオティックな状態の中でMarinaの「お疲れさまでした~」というなんともシラフな挨拶とともにライブは終了。その言葉に我に返った場内からは少し笑いも起きつつ、「今のすごいのは一体…!?」みたいな、何だか狐につままれたような気分にもさせられた。ファニーでキュートなポップ性とパンキッシュな攻撃性、その両面の魅力が浮き彫りとなったライブだった。
■2013/4/14 恵比寿BATICA Setlist
1. Mr. Wee Hours
2. Waniwanipanic
3. Gabriel's Blue Hat
4. 1+1=26
5. Futarinotokei
6. Emperor's River
7. L.H.O.O.Q.
The Vanities メンバー
写真上:Marina (Vo, G)
写真下:Kota (G, Vo)
(現在ライブにおいては、宇都宮を中心に活動中のインストバンド、FEEDのKato氏がベーシストとして参加。ちなみにドラマーは随時募集中とのこと)
※読みながらのBGMにどうぞ!
"大きな空洞(=The Vanities)の中でギターを投げたりして乱暴にノイズを研究している、みたいな構図ができあがってきました"(Marina)
―まずはお二人の出会いについて。二人とも栃木出身なのですか?
マリナ)共に栃木出身です。コウタが日光市、私が栃木市出身で、活動の拠点が間をとって宇都宮市です。出会いは2009年の2月ごろですね。
―結成のきっかけを教えてください。
マリナ)決め手になったのはウィリアム・ブレイク(William Blake)の詩を読んでいたということです。
コウタ)いや、そんなこといっても実際は全然ロマンチックじゃないんですよ。お互いの好きな音楽の話をしていて、結成の決め手になる「これだ!(このバンドが好きだ!)」っていうのが出てこなかったんです。
マリナ)それで「どんな本読むの?」って話になったのが結成のきっかけになりました。
―「Vanity」とは「虚栄心」「うぬぼれ」という意味ですよね。The Vanitiesという名前にしたのはどういう意図が?
マリナ)意味としては「空っぽ」というのがしっくりくるかもしれません。大きな球体の中がどどーんと空洞なイメージです。まさに「空洞です!」ですね(笑)。口頭で訊かれたときは、「空っぽなので特に意味はありません」といつも誤魔化しています。
コウタ)最初に考えたバンド名が無駄に長くて、お互い忘れてしまったんです。それで確かどちらが考えた名前にもVanityかVanishedが入っていたことは覚えてて。
マリナ)私がVanityという単語を選んだ理由は佐藤春夫が『田園の憂鬱』の中で「Vanity of vanity, all is vanity!」を「空なる空、空の空なる哉(かな)都(すべ)て空なり」と独自の言葉で翻訳しているのがとても気に入っていたからです。そのフェイバリット感を一言に集約するならThe Vanitiesかなあと思いました。『田園の憂鬱』は副題に「或いは病める薔薇(そうび)」と書いてあり、その由来はウィリアム・ブレイクの「The Sick Rose」からきていると知り、ここでもブレイクに繋がったので、「ああ、もうこれでいこう!」となりました。2009年の結成当時に検索かけたら引っ掛かってこなかったんですが、あとに英国の同名バンドの存在を知りました(笑)。
―70年代のUSパンク、80年代のポストパンク/ニューウェーヴ、90年代のシューゲイザーなどから影響を受けているように感じられたのですが、自分たちに影響を与えたものを教えてください。
コウタ)聴いてきたものがすべて何らかの形で出ていると思います。
マリナ)音楽的な好みでいうと私がUS寄りでKotaがUK寄りでしょうか。バンドだと、Kotaがスペースメン3、ジーザス・アンド・メリー・チェイン、私がピクシーズ、ソニック・ユースあたりです。その他はパンクやインディロックが唯一、二人の音楽性を繋ぐエッセンスでしたね。あとは全然詳しくなくて申し訳ないのですが、詩は英文学からの影響を受けています。
―ano(t)raksのコンピ「Soon V.A.」に提供した楽曲「Waniwanipanic」について。「ワニワニパニック」と言えば80年代末に登場したゲーセンのゲームですが、なぜこれをテーマにしたのでしょう?
コウタ)行間がぴったりワニワニパニック~でハマったので使用しました。さすがにタイトルにするのはどうかなって思って、最初はクロコダイルパニックって曲名だったりしました。
マリナ)「小山ゆうえんち」ってテーマパークで昔よく遊びました。あと普通にワニが好きです。この曲は「ワニワニパニック」のゲーム自体をテーマにしたのではなくて、ワイキキビーチで実際に私がクラゲに刺されて溺れて死にそうになった愉快で強烈な思い出を歌っています。
Soon V.A. (フリーDL可)8曲目に収録
―先ほどの「Waniwanipanic」もそうですが、Marinaさんの書く歌詞は非常にユニークですね。歌詞を書くとき、音の響き・比喩・視覚的なイメージなど、いつも重視していることはありますか?また、どんな世界を描きたいと思っていますか?
マリナ)気にしてるのは自分の考えをうやむやにしないということくらいです。でも結果としてうやむやな感じが出ると逆にうれしいです。歌詞の役割としてはノイズの尻尾を掴む道具と考えています。漠然としていますが、目に見えない物事を音や詩によって視覚化したいという思いがあります。それでどんな世界を描きたいか?というと難しいのですが、ノイズって目に見えないから、姿かたちがあったら面白いだろうなって考えています。ノイズを捕まえるっていう発想はニュートリノのことを本で読んだのがきっかけでした。日本で素粒子がどのように研究されているのかというと、その一つに大きな加速器で陽子を加速させ、高速で壁にぶつけて壊し、そこから素粒子を取り出して研究するという方法があるそうです。壁に物を投げつけるという発想がすごく気に入って、それを読んでいたら可笑しくてしょうがない気分になってきたんです。それで、大きな空洞(=The Vanities)の中でギターを投げたりして乱暴にノイズを研究している、みたいな構図ができあがってきました。
―なるほど、深い…。あと、歌詞では「1+1=26」が特に好きです。いろんな数字を足して、どれもが26になるという一見シュールなことが歌われていますが、この「26」という数字にはどんな意味やメッセージが込められているのでしょうか。レディオヘッドの「2+2=5」、もしくはSUPERCARの「Strobolights」がヒントになっているとか?
マリナ)作り終ってから、あっ!こういう曲ありましたねってなりました。レディオヘッドも高校生のときよく聴いていましたし、特にSUPERCARは本当に大好きです。影響はかなりあると思いますが、残念ながらどちらもこの曲のヒントではないんです。「1+1=26」の原型は大学院で出会った友人と授業で一緒に作りました。今歌っている歌詞とはかなり変わってしまったのですが、最初は彼女が歌詞を書いて、私が曲をつけて発表しました。彼女との創作活動は音楽活動に目覚めるきっかけになりました。いろんな意味が数の一つ一つに組み込まれているのですが、簡潔に言うと「26」とは羽が生えていて、いつでも飛んでいける妖精の数だってことを方程式にして歌っています。歌は冒頭から数え歌のように数が増えていき、途中に118という元素記号の(当時調べた際の)総数を表した数字が出てきます。なぜ元素記号に関する数を出したかというと26番目の原子記号はFeで鉄だったからです。まずFeというのがローマ字読みすると「フェ」でフランス語で妖精を表すFéeという言葉と同じ音になります。 さらに鉄に関しては人類で最も早い段階で優れた鉄器の技術を持ったのが紀元前500年ごろのケルト人でした。そのことを知って、これは妖精の数字だ!ということにしました(笑)。妖精(fairy)はもともとその鉄を制したケルト人の文化なんです。それで頭の中で勝手に26→Fe(鉄)→ケルト→妖精という流れになりました。
―「1+1=26 EP」収録の「x+y=26」は、「1+1=26」のインストの逆回転バージョンですよね。歌詞はないですが、タイトルからしてやはり「1+1=26」のアンサーソング的な役割を担っているのでしょうか。
コウタ)逆再生した時のサイケデリックな感じがとても好きなので、いつも曲ができたら逆再生したり、ピッチを落として聴いたりしています 。そこからまた別の曲のアイディアが浮かぶこともあったりします。
マリナ)「1+1=26」はヴォーカルを抜くと数える数字がないわけだから、タイトルは「x+y=26」で!って言ったんです。そうすれば歌わなくても、何を足しても26だなあというわけです。
―個人的には「Futarinotokei」が一番好きな曲です。この曲の歌詞は抽象的なイメージを並べながらも、都会で時間に追われるあまりすれ違いがちな人間関係を時計の針に例えているように感じました。やはりそういったことを歌ったのでしょうか?
マリナ)そうですね。この曲の舞台は千葉県市川市で、こういう風にどこか特定の場所を書くのは初めてでした。これは1+1=26を共に作った友人に宛てた曲で、彼女が住む市川を一緒に歩いた思い出を書いています。呼吸するみたいにこの街から人間が排出されているようでした。人ごみという砂漠に埋れて行く感覚と実際に砂に埋れるような感覚と、今度は砂浜がコンクリートで覆われて埋れて行く様子が頭で繋がりました。
―歌詞に登場する「クレビス」なんて言葉のチョイスも素晴らしいと思います。あと、「リラダン」とはフランスの作家オーギュスト・ヴィリエ・ド・リラダンのことなのでしょうか?
マリナ)恐縮です。市川をフィールドワークしていて実際にクレビスに出会いました。コンクリートの裂け目から砂地が見えるのが、海なし県に住む私には相当不思議な光景だったので、刺激的でした。最初はビート・ハプニングみたいなユルダルな曲をイメージして書いたのですが、結果的に全然違う感じになりました。「リラダン」ですが、まさにそのリラダンです。歌詞ではリラダンの文学のことには全く触れず、リラダンの本とのエピソードに触れています。私が鞄持ちをしていた学者の書斎にある齋藤磯雄訳のリラダンの本が逆さまに入ったまま忘れられてて、誰も気が付かないまま時間が過ぎていきました。その忘れられたリラダンの本を見ている時に、市川での思い出が繋がってしまったんです。
―ano(t)raksコンピ第二弾「Upwards And Onwards V.A.」に提供した「Gabriel's Blue Hat」について。「ガブリエルの青い帽子」とは、ゲーム、映画、小説などの特定のキャラをモチーフにしているのかなと思ったのですが、元ネタがあれば教えてください。
マリナ)実在の人物がヒントですね。実際に青い帽子をかぶって、どこかちょっと不思議な男の子がいました。その男の子が詩の中でデフォルメされていって、最終的に「くまのパディントン」みたいだなあって思ったりしました。なので、ガブリエルはパディントンがモチーフになっています(笑)。
Upwards And Onwards V.A. (フリーDL可)5曲目に収録
―The Vanitiesの楽曲は一つ一つの音作りが丁寧で、作品としてのクオリティが非常に高いと思います。ミックス作業はどのようなことに気を遣っていますか?また、音作りの手本にしているアーティストがいれば教えてください。
コウタ)ありがとうございます。個人的にはもうちょっとなんとかならないかな?といつも思ってますが(笑)。ミックスに関してはド素人なので、いろんなアーティスト、特にザ・レヴォネッツはよく参考にしています。それとあまり特定の音を強調したりせず、全体的にバランスが良ければいいかな、くらいの感じで作業しています。
―特にギターの音に関しては、マイブラやスロウダイヴ、ライド、ジザメリなど90年代シューゲイザーからの影響を強く感じさせます。Soundcloudのアイコンがラヴレス風なのですが、やはりケヴィン・シールズからの影響は大きいのでしょうか。
コウタ)実はあまりシューゲイザーは意識してないです。基本的にさっき挙げたザ・レヴォネッツやプライマル・スクリームみたいにガツンとやりたいってだけなんですよ、僕は。
マリナ)アイコンについては、写真を撮ってくださったのがマイブラのライブにもご一緒した栃木のすごいギタリストさんで、彼の「ラブレス愛」が自然と全面に出ている感じなりました。マイブラもアイルランド出身なので、ケルトの文化が色濃く残る妖精の国から生まれた音楽として意識しているところはあります。
―Soundcloud上では、マッドチェスター風ビートの「Emperor's River」や、浮遊感のあるサウンドとハンマービートの組み合わせがNeu!を連想させる「Mr. Wee Hours」などが公開されていますが、ビートに対するこだわりがかなり強いのではと思いました。
コウタ)こだわりはないです。逆になんでも試してみたい気持ちでいっぱいですよ(笑)。
マリナ)あれっ?!ハンマービート命なのかとばっかり思ってたよ。
―そういえば、「Emperor's River」についてナカコー氏が感想をツイートしていましたね。
マリナ)Gold Soundzさんに「Emperor's River」を取り上げていただいたあたりのタイミングでした。わたくしナカコーさんのことはもともと大好きで。もう今は神的存在でございます。ナカコーさんのいらっしゃるであろう方角に足を向けては眠れません(笑)。実際、ツイート後には再生回数が跳ね上がって、EPは一気にダウンロードされました。とても言葉では言い尽くせない感謝の気持ちでいっぱいです。
コウタ)正直に言うと僕はとんでもなく邦楽に疎くて、SUPERCARを聴いたことがなかったんです。でも僕らのやっているような音楽の日本の第一人者ということは理解しているつもりなので、そういう方に評価してもらえるのはとても嬉しいです。
二人)ナカコーさん、どうもありがとうございます!!!!
お!カッコいい曲。栃木のバンド!懐かしい感じもして。 好物でした。 “@yyyshida: ナカコーさん!知人のバンドの曲です。聴いてみてほしいです The Vanities – Emperor’s River gold-soundz.com/2013/02/listen…”
— Koji Nakamura ナカコーさん (@iLLTTER) 2013年2月11日
―憧れのミュージシャンにコメントしてもらえるってすごいですよね。そういえば、ano(t)raks代表の小笠原氏によればThe Vanitiesの楽曲は海外のラジオ局でオンエアされたりしているようですね。SoundcloudやYouTubeの再生データなどからすると、国内よりも海外からの方が多く聴かれている感じなのでしょうか?
マリナ)もう本当に!!!小笠原さんあってのThe Vanitiesなのです!!小笠原さんに発見してもらえなかったら栃木の日陰から出てこられませんでした。
コウタ)再生データを見ると海外からの方が多い時が結構ありますね。Hindsight on KDHXというラジオ局(?)が3回くらい「1+1=26」を紹介してくれたみたいです。
マリナ)海外からのレスポンスは目立っていますが、日本のラジオ局でも流してもらえたら最高にうれしいですね。
―僕自身がすごくファンなので、こうして取り上げることによって国内でもより多くの人に聴いてもらえたら僕としてもうれしいです。ところで、今後もしNMEやピッチフォークなどで取り上げられたらどうしますか?
マリナ)もし何かの間違いでNMEのような老舗音楽雑誌に取り上げられてしまったら、もう、はい。考えただけで陽気に浮かれ騒ぎます。その時は、「高校の物理の先生が、宝くじに当たる確率よりバンドで成功する確率の方が高いって言ってたのでバンド始めました」ってコメントをしたいです(笑)。みんな仕事の傍ら音楽をやっていると思うのですが、もしこういう日陰でほそぼそ活動している人たちの音楽が海外で大きく取り上げられたら、日本の音楽シーンにも少なからず変化が起きてくるのではないでしょうか、とちょっと知った風なコメントをしてみます。
―海外のこんなレーベルからリリースできたらうれしいなというのはありますか?
コウタ)Rocket Girl、Sonic Cathedral、Too Pure Singles Clubあたりが僕たちの音楽と相性がいいのではないかと勝手に思っています(笑)。
―今のところフィジカルリリースなしで、すべてネット上にアップしていますが、ゆくゆくはどのように楽曲を発表していこうと思っていますか?
コウタ)フィジカルでもウェブ上でもレーベルを通してリリースしたいですね。器用ではないので(笑)。今はとにかく皆さんに僕たちのことを知ってもらいたいと思ってできるだけオープンにしてあります。
マリナ)リリースのオファー、心よりお待ちしております!!
―最後に、今後のリリース予定やライブ予定を教えてください。
マリナ)ano(t)raks以外のリリース予定以外ですと、今ある海外レーベルと話をしていますが、なんとも言えない状態です。近々良い発表ができれば良いなあと思っています。ライブの予定は5月11日に宇都宮で市が主催するフリーのイベントに出ます。私の仕事の都合で夏の期間のライブ予定は現在未定です。今はオファーをいただけたら、いつでも飛んでいけるように準備を整えているという状態です■
[リンク]
The Vanities - "1+1=26 EP" (フリーDL可)
The Vanities [Soundcloud] (デモ音源などあり)
The Autochrome [Soundcloud] (Kotaによる別プロジェクト)
4月14日に恵比寿BATICAにて行われたイベント「風が吹いたらさようなら -Umez東京凱旋公演-」にThe Vanitiesが出演したので観に行ってきました。軽くライブレポートを。
赤いブラウスとエメラルドグリーンのラメジャケットに身を包んだMarinaは、赤く染めた髪の毛と、たくさんの蝶のイラスト(ひとつだけ幼虫のイラストも)が貼られたギターが印象的。KotaはスピリチュアライズドのTシャツを着用。ベースにKatoを加えた3人編成で、ドラム他打ち込みパートを流しながらのスタイル。ノイジーに歪んだギターサウンドにキュートなボーカルをのせた楽曲はどれもキャッチーで、「Mr. Wee Hours」他全7曲をプレイ。エッジィなサウンドとは対照的に、曲間のMarinaのMCは至って平熱というかホンワカとしていて場内を和ませていた。Kotaは写真からもわかるようにリズムにノリながらエフェクターを駆使して様々な音を奏でていたが、MCはほとんどなくクールな印象。
しかしラストに演奏された、彼らの中でも最もパンキッシュな曲「L.H.O.O.Q.」で雰囲気が一変し、いきなり凶暴化。Marinaはドライバーを弦に叩きつけて強烈なギターノイズを放ち、彼女がフェイバリットに挙げていたソニック・ユースのサーストン・ムーアを彷彿させたかと思えば、今度はKotaが狂ったようにギターをかきむしり、凄まじいフィードバックノイズまみれにした末にギターを放り投げた(今回のライブが初ギター投げだったらしい)!突然の豹変ぶりに観客も呆気にとられ、カオティックな状態の中でMarinaの「お疲れさまでした~」というなんともシラフな挨拶とともにライブは終了。その言葉に我に返った場内からは少し笑いも起きつつ、「今のすごいのは一体…!?」みたいな、何だか狐につままれたような気分にもさせられた。ファニーでキュートなポップ性とパンキッシュな攻撃性、その両面の魅力が浮き彫りとなったライブだった。
■2013/4/14 恵比寿BATICA Setlist
1. Mr. Wee Hours
2. Waniwanipanic
3. Gabriel's Blue Hat
4. 1+1=26
5. Futarinotokei
6. Emperor's River
7. L.H.O.O.Q.
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