Albums of the Month |
今月は何と言っても、映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』の公開があったので触れておきたい。自分が今こうして音楽ブログをやっているのはもちろん音楽が好きだからだが、音楽好きになったきっかけはTM NETWORKであり、その出会いが1988年に公開された『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(主題歌はTM NETWORK「BEYOND THE TIME (メビウスの宇宙を越えて)」)だからだ。『閃光のハサウェイ』は、『逆襲のシャア』の続編的な立ち位置の内容になっていて、まさに自分の原体験と今を"刻をこえて"繋ぐ作品となっている。
公式には「コロナの影響で三度の延期」をしたことになっているが、2018年11月に最初のトレーラーが公開されたときは「Next Winter」、つまり2019年11月~2020年3月頃の公開目途だったので、それも含めれば実は四度目の延期だったりするわけで、延期のたびに悶々とした気持ちが募っていたけど、ようやく公開された本作は想像以上の出来映えだった。
自分はここ5年ほどで公開されたガンダム映画は、NTもGレコもTHE ORIGINもBANDIT FLOWERもすべて劇場で観ているけど、今回は3DCGやカメラマップの大幅導入により、それら直近のガンダム映画と比べても段違いのクオリティ。セリフに頼らないキャラクターの心情表現、フィリピンのリゾート地ダバオの美しさ、戦闘シーンの迫力など、音響・作画・演出含めてとても楽しめた。1回目は2Dで、2回目は4DXで観たのだが、特に4DXでの戦闘シーンの臨場感は「自分が戦場にいる恐怖」を感じさせるほど。第二部、第三部の公開時期は未定ながら非常に楽しみ。もちろん来月公開のGレコ第三部「宇宙からの遺産」も楽しみにしている。
というわけで、6月に初聴きした音源まとめ。
Weezer |
Weezerは自分にとって特別な思い入れのあるバンドだ。10代の頃から好きで、出会って以降アルバムがリリースされるたびにリアルタイムで追い続けているアーティストは洋楽・邦楽合わせてもWeezerとRadioheadとBjörkの3組しかいない。同じく10代の頃から好きだったFoo FightersもPrimal ScreamもAshも、いつの間にか新作をスルーするようになってしまった。でもWeezerは、たまに微妙な出来のアルバムがリリースされようと、追いかけたいという気持ちはずっと変わらない。
そんなWeezerが今年2枚のアルバムをリリースした。一つはピアノやストリングスを主体とした『OK Human』で、もう一つは80年代のHR/HMのオマージュが込められた『Van Weezer』である。もともと『Van Weezer』は2020年にリリース予定だったのが新型コロナウィルスの影響で延期されたためとはいえ、30年近いキャリア(※1992年結成)を持つバンドが全く方向性の異なるアルバムを3ヶ月弱のインターバルで立て続けにリリースするというのは、クリエイティヴィティの面において結構凄いことだと思う。しかも次は四季をコンセプトにした4枚のアルバムを計画しているというのだから驚きだ。かつては「泣き虫パワー・ポップ」として、比類なきソングライティング・センスとパワフルなギター・サウンドを武器に活動してきたバンドも、湧き上がる奔放なアイデアを創作の原動力としさまざまなスタイルに順応していくクレバーなバンドになったということだ。
最新作『Van Weezer』はオリジナル14作目にあたる。彼らより1年早くデビュー・アルバムをリリースしたRadioheadは現時点でアルバム9枚だから、Weezerは比較的多作な部類に入ると思う。それだけの作品をリリースしているにも関わらず、ベスト・アルバムを一度もリリースしたことがないというのも珍しい。確かに、各作品から満遍なく選曲して15曲くらいに絞るのは至難の業だろう。
そんなWeezerだが、先日Varietyというサイトでこれまでのアルバムの格付けが発表されていた。結果は以下の通り。
【リンク】Weezer’s Albums Ranked, From ‘Blue’ to ‘Van Weezer’
15. Raditude (2009)
14. Weezer ('The Teal Album') (2019)
13. Weezer ('The Black Album') (2019)
12. Weezer ('The Red Album') (2008)
11. Make Believe (2005)
10. Van Weezer (2021)
9. Pacific Daydream (2017)
8. Hurley (2010)
7. OK Human (2021)
6. Weezer ('The White Album') (2016)
5. Everything Will Be Alright in the End (2014)
4. Maladroit (2002)
3. Weezer ('The Green Album') (2001)
2. Weezer ('The Blue Album') (1994)
1. Pinkerton (1996)
この記事に触発され、自分だったらどうなるかなと思い、コンピレーション『Death to False Metal』も加えた全16作品をコメントとともに並べてみた。愛着のある分、ネガティヴなコメントが多いのはご容赦を。
※正式タイトルが『Weezer』のものは、コメント内では便宜的に『Blue Album』などの通称で表記しています
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