不正行為の原因論と機会論~割れ窓理論(Broken Windows Theory)の引用可能版
「日本の個人情報保護と米国のプライバシー尊重の違い」で「割れ窓理論」について触れ、機会があれば具体的な内容を紹介することにしていましたので、今回は、それについて紹介します。
※本稿の読み上げをYouTube(15分間)で聴いていただくこともできます。
組織におけるガバナンス構築の基礎となるのは、定められたルールを全員が順守する意識を持っていることですが、全員に順守の意識があっても、ルールへの違反は実際には起こり得ます。その要因には、「善意による違反」などいくつかありますが、そのうちのひとつに「違反障壁の低下」というものがあります。これは「割れ窓理論(Broken Windows Theory)」と言われています
「割れ窓」は、ジェームス・ウィルソン(James Q. Wilson)とジョージ・ケリング(George L. Kelling)が、米国の月刊誌Atlantic Monthlyに、街の治安維持と警察の役割について1982年に寄稿した論説文の表題にしたことで広く知られるようになりました。Atlantic誌には、その後も近年まで、たびたび割れ窓理論に関する寄稿がありますが、今回は、周知の発端となった1982年3月号に掲載された「割れ窓~警察と近隣の安全(Broken Windows – The police and neighborhood safety)」の内容について紹介し、それを組織におけるガバナンスに役立てるための考察を紹介します。
最近のコメント