Hanadaプラスに和田政宗議員の記事が載っていました。
川口市のクルド人問題について、この人の言動に不審を持つ人が多いすが、Hanadaプラスが彼の意見をきちんと掲載したのは良い事だと思います。
しかしワタシはこの記事を読んで「ヤッパリ怪しい」と思いました。
改正入管法で、不法滞在者を大幅に減らす!|和田政宗 2024年4月10日 Hanadaプラス
長文なので全部はコピペしませんが、一応記事の内容を大まかに紹介すると、記事の前半は2023年6月の入管難民法改正で今後不法滞在者が大幅に減る事が期待できる事、また今年の秋からはESTA、iAPIと言った国際間のテロリスト情報共有システムが導入されて、テロリストの入国を阻止できると言う話です。
これは大変良い事です。
しかしこれは法改正など和田政宗議員個人ではなく、自民党の政策です。
但し和田政宗議員は自身でトルコとのビザ免除協定廃止の為に活動していると言っています。 これも良い事です。 ワタシも早くビザ免除協定を廃止するべきだと思います。
しかし怪しいのがこの後なのです。
和田政宗議員はしきりにエルドアン政権を非難するのです。
ええ、ワタシもエルドアンは曲者で独裁者だと思いますよ。
エルドアンはハマスやヒズボラをテロ組織指定せず、それどころかトルコ国内で飼っています。
ハマスの幹部やガザではなく、今もカタールやトルコの高級ホテルで優雅な生活をしているのです。 そういう事ができるのは、エルドアンがコイツラをかくまっているからです。
これは飯山陽博士も前々から指摘していました。
しかし和田議員が奇妙なのは、PKKについては問題しないのです。
PKKはハマスやヒズボラよりも老舗のテロ組織で、イスラム原理主義ではなく旧ソ連のバックアップを受けた左翼組織です。
そして川口市のクルド人の中には、多数のPKK支援者がいると考えられるのです。 そしてトルコ政府は川口市のクルド人の中で「ボス」と言われてきたワッカス・チョーラク氏を含むその周辺の6人と関係する2団体をPKK関係者として資産凍結措置にしました。
トルコ政府が彼等をPKK関係者に指定したのは、昨年彼等がトルコ地震に義援金を出した時の記者会見場にPKKの旗や現在投獄中のPKKの指導者の肖像が飾られていたからでしょう。
この記者会見場はワッカス・チョーラク氏の主催するクルド文化協会の本部だったのですが、部屋一杯にPKKグッズが飾られていたのです。
こんなところに大勢の記者を読んで堂々と記者会見をやるって、トルコ政府から見たら「どんだけ舐めてるんだ?」と言う事になりますよね?
このクルド文化協会は埼玉県内の公園で、毎年クルド人の新年の祝い「ネウロズ」と言うをやっていたのですが、この「ネウロズ」でもPKKや関連団体の旗が大量に飾られていました。
また「トルコ兵を殺して嬉しい」と言う内容の歌を演奏して踊っていました。
こうなるとクルド人の民族行事と言うより、PKKの党大会じゃないですか?
日本で言えば赤旗祭みたいな物でしょう?
これに毎年、埼玉のクルド人1000人程が参加していました。
但し日本の警察はこの6人も2団体も摘発していません。
これは当然でしょう。 彼等は白昼堂々とPKK支持を表明しているのですが、しかし日本ではテロ組織を支持しただけでは摘発はされません。
日本では現実にテロの被害、それも殺人など深刻な被害が出て、その証拠が明確でないかぎりテロリストとして摘発される事はないのですから。
だから日本人拉致を続けた朝鮮総連は今も活動しているし、オウム真理教も長い間テロの疑いをもたれていたのに長野サリン事件では摘発されず、地下鉄サリン事件を起こして初めて摘発されたのですから。
しかし現実にテロの被害が深刻な国ではそういう訳に行かないでしょう?
PKKはこれまでトルコ国内で37000人を殺害しています。 オウム真理教なんかとは3桁違うのです。
またトルコから分離独立を目標にしています。
このような状況では、テロリスト摘発要件も厳しくならざるを得ません。
これは人権とか独裁とか言う問題ではありません。
IRAとイギリス政府を思い出せばわかります。
70~80年代、イギリスではIRAのテロが吹き荒れました。 そしてそれに対する弾圧も極めて苛烈でした。
IRAはイギリス領北アイルランドのイギリスからの分離、アイルランド編入を目的に武装闘争を続けたのです。
歴史を学べばイギリスのアイルランド支配は極めて過酷でした。
「過酷な植民地支配」とはこの事かと思える支配でした。
19世紀半ばのジャガイモ飢饉では、アイルランド人の3分の1が餓死したり海外に移住したりしたと言われます。 この飢饉はジャガイモの伝染病が原因でした。 アイルランドの主要農作物である大麦やカラスムギは平年作だったのです。
イギリスの植民地化でアイルランドの農地の殆んどがイギリス人地主の物になりました。 アイルランド人は小作人としてこれらの作物の殆んどを地主に献納しなければなりませんでした。 それで小作人たちは菜園でできたジャガイモで命を繋ぐしかなかったのです。
そのジャガイモが伝染病でダメになり、小作農が餓死したのです。 因みにイギリスに送られた大麦やカラスムギは馬の飼料になりました。 アイルランド人小作農の命より馬を優先したのです。
第二次世界大戦後、アイルランドは過酷な植民地支配から独立しました。 しかし北アイルランドだけはイギリス側に残されたのです。
そしてアイルランド独立後も「白いニグロ」と言われるアイルランド人差別は続きました。
北アイルランドではこの民族対立が続きました。 その中でIRAが生まれ武装闘争を始めたのです。
最終的にはイギリスとアイルランド側が和解する事で、このテロは終わったのですが、しかしIRAへのイギリス政府の対応を思い返せば、人権国家・民主主義国家でも武装闘争による国家からの分離独立なんか絶対に許さないのです。
それを思い返せば、PKKに対するエルドアン政権の対応が格別独裁的とか反人権とは思えません。
国土の分離独立は国家の存亡に係るのです。
国家が崩壊すれば人権擁護も民主主義も意味がありません。
そもそもPKKをテロ組織としてしたのは、エルドアンが権力の座に就く前々からの話だし、アメリカ等など民主主義国家の殆んどがPKKをテロ組織と指定しています。 エルドアン政権だけの問題ではないのです。
だから和田政宗議員の記事は大変奇妙です。
「ハマスもヒズボラもPKKも皆テロ組織で、日本にテロリストは入る事が問題」と言うならわかります。
しかし和田議員の記事は、エルドアンが恣意的にPKKをテロ組織認定しているかのように読めてしまいます。
そしてトルコがテロ組織関連とした6人と2団体は、エルドアン独裁の被害者だと読めてしまうのです。
これはオカシイです。
この2団体と6人は、日本での逮捕摘発要件は満たさないけれど、明らかにPKKの支持者です。
37000人を殺害した団体を支持する人々が1000人も日本に在住していると言うのは、非常に恐ろしい事ではありませんか?
勿論、今直ぐ摘発できないのはわかりますが、あたかも彼等は完全に無害で、エルドアンこそが悪いと言う論調は「怪しい」まれて当然でしょう?
さらに違和感があるのは、和田議員がジャーナリスト石井孝明氏を「トルコのスパイ」呼ばわりしたり、飯山陽博士を「訴訟」で脅した事です。
トルコ政府がPKKなど反トルコ活動の監視の為に、海外にスパイを送っているのはその通りでしょう?
だからと言って国会議員が一民間人を「他国のスパイ」呼ばわりして良いのでしょうか?
しかも石井さん自身はジャーナリストとして、川口市で起きている問題を紹介しているだけなのです。
それで何で「スパイ」?
飯山陽博士告訴は「名誉棄損だ!! 告訴する」と散々脅しながら、しかし飯山陽博士のどのような発言が名誉棄損に当たるかも言えないままです。
飯山博士は現在、日本保守党の立候補者ですが、この和田議員の告訴騒動の頃は純然たる民間人でしたから、悪質な脅迫です。
逆に言うと和田議員は何でここまでやるんでしょうね?
二人とも川口市クルド人の行状を問題にしてきただけです。
飯山博士に至ってはエルドアンがハマスを匿っている件など前々から指摘していたのです。
それなのに国家議員の身で民間人を誹謗したり告訴すると脅したり、これだと和田議員はクルド側の利益代表だと思うしかないではありませんか?
因みに和田議員は外国人犯罪の起訴率について国会質問をしています。 この記事でもそのことに触れています。 ワタシもこの国会質問の動画は見ました。
これによると外国人犯罪の起訴率は38.5%、日本人は36.2%とのことです。
また言葉の問題で外国人犯罪が起訴されない事はないとの事でした。
なるほどだったら昨年7月の川口医療センターでの乱闘事件とそれに先立つ殺人未遂事件で全員不起訴になったのはなぜですか?
あの事件は最初の殺人未遂事件の現場に救急隊員が駆けつけており、更にその救急車を追ってクルド人百人余りが川口医療センターの患者搬入口付近で乱闘し、病院内に入り込んだクルド人もいたのです。
そして機動隊が駆けつけて、漸く事態を収拾しました。
これなら犯人の証言なんかなくても、有罪にできる程の証人や証拠があるんじゃないですか?
日本人がこんなことをしたら集まった百人全部が威力業務妨害や、公務執行妨害で逮捕されて起訴されて実刑を食らうんじゃないですか?
そう言えば石井孝明氏に殺害予告をしたクルド人も不起訴でした。
警察は石井さんに「引っ越した方が良い」と電話したそうですから、このクルド人は明らかに石井さんに害意があり、石井さんの命が危ないとわかっていたのにです。
そもそも和田議員は昨年7月の川口医療センターでの乱闘事件直後に「クルド友好議員連盟での集会を検討する」とツィートしていました。
ワタシはだからこの集会が開催されて、和田議員等が対応策を議論した物と思っていました。
ところがその後、この件はなしのつぶてです。
そして何でこの超悪質な乱闘事件の逮捕者が全員不起訴になったのかについての追求もありませんでした。
ワタシはこれは国会議員の誰かが追及してくれると思ったのですが。
こういう状況では外国人犯罪の起訴率が日本人より2.3%高いだけで、外国人犯罪が公正に取り締まられているとは思えないのです。
外国人犯罪の起訴率が日本人より2.3%だけ高いのは、外国人犯罪は在留資格に関わる為、とりあえず起訴する、或いは中国人のスパイ活動調査の為に微罪を起訴している為で、実際には悪質な刑事犯でも起訴されない例が多々あるのでは?と思ってしまいます。
最後に和田議員は今になって「クルド友好議員連盟はイラクのクルド人との友好を目的としており、トルコのクルド人は関係ない」と言い出しました。
実際、クルド友好議員連盟のHPではイラクのクルド人についてしか言及されておらず、トルコのクルド人については何も書かれていません。
イラクのクルド人との友好については石油利権説があります。 イラクの油断地帯キルクークはクルド人の居住地です。 それでサダム・フセイン政権時代、油田を狙ってクルド人虐殺が行われました。
しかしクルド人は「一つの民族」説によるなら、トルコもイラクも関係ないはずです。
理由はともかく、クルド友好議員連盟には新藤義孝議員始め、保守系議員がずらりと名前を連ねていました。
ところが川口のクルド人の問題が出てきてからは、この保守系議員全員が理由も告げずに脱会し、その後は全員クルド問題に知らん顔なのです。
特に新藤義孝衆議院議員は川口市選出で、しかも川口市議会は自民党が中心になってクルド問題について異例の声明までだしたのにです。
これだとクルド人問題は自民党保守派の命取りになるんじゃないですか?