先週のサンデーモーニングで出演者の青木理が「日本はアジアで最悪のコロナ感染」と発言しました。
しかしこれは完全な間違いです。
アジアで最大の死者を出したのはインドです。 そしてロシア、インドネシア始めアジアには日本より遥かに多くの死者を出した国は多数あります。
ロシアがアジア??
ええ、元来の「アジア」の定義では、アジアとはユーラシア大陸のヨーロッパ以外の地域と、その周辺の島嶼部ですから、ロシアもアジアなのです。
これは元々のアジアの定義が古代ギリシャにまでさかのぼります。
ヨーロッパの名前の由来がゼウスに愛された乙女エウローパ、彼女がゼウスが変身した雄牛の背に乗って渡った海峡が「雄牛が渡る」を意味する「ボスポラス」と名付けられて、この海峡がアジアとヨーロッパの境界とされました。
因みにこの時代、現在のトルコ共和国のあるアナトリア半島の地中海沿岸部はギリシャ世界です。 そして同じ地中海でも現在のフランスやスペイン沿岸などは、怪獣や魔物が住む未知の世界であり、同様アナトリア半島の内陸部や黒海沿岸部も多くは未知の世界でした。
ともあれこの時代に定義されたアジアとヨーロッパの境界が、今もそのまま正式にはアジアとヨーロッパの境界なのです。
要するにヨーロッパ人からみて「ユーラシア大陸でオレタチと違う世界は皆アジア」と言う事です。
随分いい加減な区分ですが、しかしその後を歴史経緯を見ると、ヨーロッパ人からみればこれ無問題だった事は頷けます。
だって古代ギリシャの時代からアナトリア半島はペルシャ帝国に支配されたの始め、その後の歴史でもヨーロッパ人から見れば価値観を異にする民族の支配下にあり、ヨーロッパ人から見れば「自分達とは全く違う世界」でしたから。
そしてヨーロッパ人から見れば、ヨーロッパ人との違いが第一で、中国とインドの違い、イスラム文化と儒教文化の違いなどは二の次なのです。
つまりアジアの定義は完全にヨーロッパ中心の世界観によって定められているのです。
尤も青木理のアジアだって似たような物で、青木理など日本の左翼にとってのアジアというのは結局中国・韓国・北朝鮮しか入っていません。 地理的に文化的にもコレラ国々同様に日本に近い台湾さへも排除しています。
これだとヨーロッパ人の定義よりひどくて、インドやインドネシアなど大人口を抱える国々の存在がアジアから消されているのです。
青木理など左翼が中国・韓国・北朝鮮の反日国家が大好きなのはわかります。 だからことあるごとにこれらの国々を持ち出して、日本が嫌われている、憎まれている、日本の政策に反対する国々があるという事を強調したいのはわかります。
でも左翼が多少なりとも他のアジア諸国への配慮するなら、これらの国々だけを持ち出してただ「アジア」とは言わず、せめて「東アジア」と言うべきじゃないですか?
しかしワタシは思うのです。
実は左翼には「東アジア」以外のアジアはそもそも存在しないのではないのか?と・・・・。
ついでに言えば、彼等には東アジア以外では、世界はヨーロッパとアメリカとオセアニアぐらいしか存在しないのではないのかと思います。
なぜなら例えば彼等は夫婦別姓とか多様性の尊重とかを世界の趨勢のように煽るのですが、そもそも夫婦別姓以前にアジアやアフリカには、姓そのものがない国、名前の構成が日本とも欧米とも全く違う国が多数あります。
トルコ共和国は共和国成立後にフランス民法を取り入れてその時「姓」も取り入れました。 しかしイスラム圏の多くの国々には現在も姓はなく、父親の名前を使ってオサマ・ビン・ラディン(ラディンの息子オサマ)などと名乗るのが普通です。
また有力な一族に属する人は、家族名や家門名などを積み重ねた長い名前を名乗るけれど、庶民は個人名だけと言う国も少なくありません。
そもそも姓と言うのの存在が世界標準ではないのです。
姓の存在が世界標準ではないのに、夫婦別姓が世界標準になるわけはありません。
また青木理のアジアでは古代から夫婦別姓です。 これは青木理のアジアがみな儒教国家であって、儒教では姓とは血統を表す物なのすが、結婚で血統が変わるわけではないので結婚しても姓が変わらないのです。
これだと結婚しても女性は本当の意味で婚家の一員として認められません。 実際韓国などでは妻は婚家の先祖供養の為の料理の支度など雑用の一切を課せられますが、しかし妻はその先祖供養に出席することはできないのです。 これは夫が死に、息子が当主になっても同じです。
だって結婚しても先祖は変わらないのですから、夫や息子の先祖供養に妻は絶対に参加できないのです。
少し脱線しますが、日韓併合時に日本が朝鮮半島に戸籍制度を持ち込んだ時、日本政府は妻が夫の戸籍に入る事を前提で、夫婦同姓を持ち込みました。 しかしそのまま夫婦同姓を強制したのではなく、朝鮮人が元々持っていた姓は夫婦共々そのまま記載し、それとは別に「氏」を作り、「氏」は夫婦同一にしたのです。 だから「創氏」なのです。
そして「氏」は姓と同一にしても良いし、また全く別な氏、例えば日本式の氏を名乗っても良い事になっていました。 しかし日本式の氏を名乗る人も多かったので「創氏改名」と言われたのです。
ともあれこうした歴史的経緯を見ても、東アジア儒教世界での夫婦別姓は、結婚では女性が家族の一員に入れない事を前提としたものであって、むしろ女性の地位の低さを象徴する物です。
それどころか妻の地位そのものが非常に不安定で、妾との立場の違いは僅少でした。
こういう歴史的現実を見れば「夫婦同姓を強制するから女性の地位が上がらない」と言うのは、これまた全くナンセンスです。
だから日本の左翼が夫婦別姓に執着するのを見れば、要するに彼等は欧米に追従したいだけの人間であることがわかります。
欧米に追従する人間からすれば、世界は欧米しかないのです。
今日本ではこういう欧米追従しか関心のない人達が、「多様性」「多様な価値観の尊重」と喚いています。
広い広い世界で欧米の価値観にしか関心のない人間が、何で「多様性な価値観の尊重」と喚くのでしょうか?
それは欧米諸国の自称知識人たちがそう喚いているからです。
だから欧米知識人の価値観しか尊重しない連中としては、一緒に喚かずにはいられないのです。
ホントに多様な価値観を尊重する人間なら、世界の国々には様々な伝統があり、姓のある国でもその意味は国や民族によって違う事を知ったうえで、それぞれの国の伝統を尊重するでしょう。
でも日本で「多様性」を振り回している連中は、欧米の価値観で世界を統一しようとしているわけで、実は多様性とは最も縁遠い連中なのです。
しかし左翼っていつもこうやって言葉を誤魔化して煽るのです。
これは「アジア」や「世界」だけの話ではありません。
例えば「非正規雇用」なんて典型です。
左翼によれば「非正規雇用で働くと言うのは悲惨な状況で、非正規雇用で働く人々は皆何とかして正規雇用になりたいと考えている」のだそうです。
そしてそれを前提に雇用が増えても「非正規雇用ばっかりだ」と政府を攻撃します。
また非正規雇用の賃金が正規雇用に比べて著しく低い事を攻撃します。
確かに非正規雇用の場合、身分は不安定だし、また年金や健康保険などの福利厚生でも不利益になります。
だから正規雇用の仕事がないので、非正規雇用で働いている人達にとっては不満はあるでしょう。
しかし実際には非正規雇用者の9割以上は、主婦のパート、高齢者の嘱託、学生のアルバイトなどです。
そしてこうした人々の場合、最初からフルタイムでは働けないし、年金や保険は配偶者や親のところに入っているので、自分で保険料を負担する意思はありません。
こうした現実を見れば「非正規雇用=正規雇用がなくて不幸」とは言えないのです。 不幸なのは正規雇用者として働きたいけれど、非正規雇用で働くしかない人々なのです。
因みにアベノミックスでは雇用者が非常に増えました。
左翼はこれを「増えたのは非正規ばかり」と言って攻撃しているのですが、実際には正規雇用も増えているのです。
だから新卒者の就職内定率がバブル期並みに良くなっているのです。
そして労働年齢人口の大多数は正規雇用者として定職を持っています。 その中で正規雇用が増える余地は限られているのです。
その為景気が良くなって増えるのは、主婦のパート、学生アルバイト、高齢者の嘱託などです。
こうした人々はフルタイムでは働けないので、それだけで賃金は非正規雇用者に比べたら非常に低くなります。
しかし左翼はこうした現実を無視して「非正規労働者の賃金は正規に比べて非常に低い、大問題だ。」と叫ぶのです。
彼等の脳内での非正規労働者と言うのは、正規雇用を探しても見つからず仕方なく非正規労働者と働く人々なのですが、しかし統計を見る時は主婦のパートや学生アルバイトや高齢者の嘱託など全ての非正規労働者を勘定に入れて「労働者の4割が非正規だ!!」「アベノミックスで増えたのは非正規ばかりだ!!」と喚くのです。
主婦のパートや学生アルバイト、高齢者の嘱託として働く人々は、普通に生活していれば誰でも否応なしに毎日見かけます。 飲食店やスーパーやコンビニの店員の多くがそういう人たちだし、彼等の職場の先輩には定年退職後に嘱託として働いている人も結構いるでしょう?
彼等との接触なしに暮らす事は不可能です。
そしてこうした人々の大多数はフルタイムで働く事は望んでおらず、正規雇用者になる気はない事もわかるでしょう?
しかし左翼が「非正規」と言う場合、こうした人々の存在は綺麗にネグレクトされるのです。
アジアは中国・韓国・北朝鮮だけ、世界は欧米だけ、そして主婦のパートや学生のアルバイトや高齢者の嘱託は非正規雇用者には入れない。
左翼ってこうやって世界をゆがめながら、プロパガンダに努めるんですよね。