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「月光条例」すごい演出!それ以上に精神的ダメージがヤバイ
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2013年03月14日
「月光条例」、第24条「かぐや姫」38物語の死
やられた!
もはや散々ツイッター上で話題となっていますが、今週のサンデー(15号)の「月光条例」の演出にはやられたと思うほかありません。たまに「漫画」ならではの表現というものに舌を巻く事がしばしばありますが、今回の「月光条例」はまさにそんな感じ。
僕は詳しく知らないけど一般的に石ノ森章太郎先生が現在の漫画のコマ割りを開拓したと言われている(見開き1ページのコマ割り等)。特に「ジュン(AA)」では台詞一切無しの心象風景を描き、かの手塚治虫先生が「こんなの漫画じゃない」と酷評し、実は嫉妬で本人に謝りに行ったという美談が有名です。
そんなわけで、漫画ではこんな表現あるのかよって驚く事がある。
最近では「ハンター×ハンター」の蟻編のラストのメルエムとコムギのやり取りなんて鳥肌ものでした。
鳥肌モノ
真っ暗なベタに延々と台詞のみ!
「ハンター×ハンター」の作者・冨樫先生は"下描きの冨樫"の二つ名を持つ程、手抜きと未完成の原稿に定評がありました。ですので、最初に318話「遺言」を読んで、また手抜きかと思ったものです。
しかし、メルエムとコムギの最後のやり取りは、視力を失ったメルエムを表現しており、9ページに及ぶ真っ黒と台詞だけがあったからこそ見開きのメルエムを抱き上げるコムギに号泣してしまったのである。まさに「究極の手抜き」と「至高の表現」が合わさった漫画ならでは秀逸な表現でした。
このように漫画でしか出来ない表現方法ってあるのです。
有名なのは見開きドーンですね。よく車田漫画の必殺を放つシーンで見ますね。しかし車田先生は見開きドーンをさらに進化させたのだ。特に僕の心に強烈に残っているのは神に最も近い男・乙女座のシャカの死ですね。シャカが死んだ時、おそらく漫画史で初めて車田先生は見開き真っ白という究極の手抜きをやってのけたのである。
今でも語り注がれる伝説の真っ白事件である。
後に、「シャーマンキング」でも炸裂したものです。
で、そんな「見開き真っ白」が「月光条例」でも炸裂したのです!
見開き真っ白
まっしろしろすけ出ておいでー!
ただただ見開きの真っ白である。
でもね、ここに至る過程が凄かったのよ。
そも「月光条例」はおかしくなってしまった「おとぎばなし」を正すべく月光が戦う物語である。そしてオオイミ王が出した命令…それはこの世界の物語を消滅させるというもの。これがインパクト絶大であった。
冒頭の、冒険物語作品の敵味方惨殺、ギャルゲ風の作品の顔面ぶった斬り…と、どんどんこの世界の物語がメチャクチャにされていく。まあ、ここまでは「ふーん」という感じで見ていた。
そして続けざまにリアル作品である。
ぶっちゃけ藤田和日郎作品最高傑作である「うしおととら」が消滅させられてしまった。しかもだ、「行こうぜ、とら」という超名シーンを使ってだ。
「うしおととら」消滅
あばばばばば…!!
号泣必至の「うしとら」最終回が惨殺され消滅し、ウェルフィンの風貌は、一瞬にして百余年が過ぎたかごとく変わり果てた。
なんだよこれ!
いまさら潮がとらの盾になるってレベルじゃねーぞ。2人とも八つ裂だよ!精神的ダメージが凄まじい。「うしおととら」好きなら、もはや直視できませんよ。なんつー事してくれんだよ。心を抉られるとはまさにこのことです。
そして「うしおととら」だけじゃありません。
なんと「からくりサーカス」まで消滅してしまうという。
「からくりサーカス」消滅
凄い演出だ…。
ぶっちゃけ「うしおととら」ほど大ダメージを受けなかったけど、仮にフランシーヌ人形が赤ん坊のエレオノールに「いないいないばあ」をするシーンが八つ裂きに消滅させられていたら、僕は本気で立ち直れなかっただろう。
「おとぎばなし」だけでなく世界中の「物語」を抹殺させ、週刊少年サンデー上の物語が消滅させるという演出をする事で見開き真っ白を使ったのである。この表現方法には舌を巻くし、藤田先生の巻末コメント「シュウウ…今ボクのコメントも消えちゃってマス…(笑)」も感服ものです。しかし、それ以上に「うしおととら」の抹殺シーンが衝撃すぎる。