つれづれ写真コラム

再生二期作

2024年11月15日
立冬が過ぎたこの時期、いつもの散歩コース周辺の田圃は、すべてで稲刈りが終わっています。
残った切り株から、稲が再び芽を出して緑色になった田圃を、羊田(ひつじだ)と呼びます。
広辞苑によれば、正しくは 「穭田」 と書くようです。
一面緑色に広がった羊田では、株が30cmほどに伸び、コメが結実して、穂が垂れています。

羊田は一面が緑に、そして稲穂が・・・
羊田_DSC0025

羊田_DSC0023
数年前から、 「このコメは食べられないのだろうか?」
「農家の人が放っておくのだから商品価値はないのだろうか?」 と思っていました。

ところが最近、 「再生二期作」 と言う言葉を知りました。
1回目の稲刈りのあと、しばらく経ってから羊田で実ったコメを、再び収穫する研究が始まった
ようです。

日本でコメの二期作を行っている地域は限られていますが、この場合 「早植え」 と「遅植え」 で
田植えを2回、稲刈りも2回行います。

ところが 「再生二期作」 は、1回の田植えで、2回の稲刈りができます。
地球温暖化が進むと、イネの成長が加速され、再生二期作の注目度は上がります。
地球環境の変化を逆手に取った方策です。

そもそもイネは多年性植物なので、一度刈り取っても、また生えてきます。
あとは労力と商品価値の、コストパフォーマンスです。
独立行政法人 農研機構によれば、1回収穫の場合は、稲刈りのタイミングを遅くした方が、
収量が増えるとの事です。
では、2回収穫の場合はどうでしょうか?
1回目の稲刈りのタイミングを早め、収量が減っても、2回目と合わせると、総収量は増える結果となりました。

農研機構のリポートでは、味についての記述がありませんでした。
散歩の途中、朝の光と冷気の中に首(こうべ)を垂れる稲穂を見ながら、どんな味が
するのだろうか、気になっています。

つい先だって、「令和のコメ騒動」 で大騒ぎをしました。
再生二期作」 が、コメ不足の救世主になるのでしょうか。

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紅葉前線

紅葉前線は、北から南へ、そして標高の高い所から低い所へと移動しています。
10月中旬は信州の標高2000m級の高原で、10月下旬には標高1500mあたりで
撮影しました。
福島県南部の、標高600m位のあたりでは、今がちょうど見頃です。
撮影:2024年11月10日 福島県西郷村下郷町
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tag : 紅葉西郷村下郷町阿武隈川渓谷

コンポラ写真

自宅の物置に眠る不要物を減らそうと、古い荷物を引っ張り出した。
段ボール箱から、1972年頃の写真雑誌がごっそりと出てきた。
写真を始めて間もない、高校2年生の頃に読んだ本だ。
捨てるつもりで、一旦は紐で縛ったが、ゴミの収集日になって急に愛着を感じて、手元に残した。
紐を解いてパラパラとめくってみたら結構、目に止まるページがあった。
断捨離失敗である。

誌には、月例写真コンテストの入選作品や、写真家が寄稿した写真論などが掲載されている。
写真論のテーマは、「リアリズム写真とは」、「写真表現の個性」、「写真は真実を写すか?」、
「暗室技術のチェックポイント」など、多岐に渡る。
画面をどう分割して主題をどこに配置するのか、など構図の決め方をアドバイスする記事もある。

シャッターボタンを押すだけで、綺麗な写真が撮れる時代ではなかった。
綺麗な写真を撮るには一定の技術が必要で、シャッター速度と絞り値の関係や、印画紙の
焼き方、微粒子仕上げのテクニックなどを勉強していた。

そんな中、写真技術や構図のセオリーなどを無視した表現が流行った。
ブレ・ボケも、素粒子も、斜め構図もOKだった。 「コンテンポラリー フォト」 とか 「コンポラ写真」
とか呼ばれた。作者の意図がよく分からず、哲学的な印象を受けた。
昔を懐かしんで、コンポラ写真を撮ってみよう。

今さら、フィルム現像をするのは大変なので、デジタル撮影になってしまうが、せめてレンズは
昔の物を使おう。
28mmレンズ1本だけを持って、夜の西新宿を歩いた。
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使用カメラ:SONY α7
使用レンズ:MC W.ROKKOR-SG 1:3.5 f=28mm

半世紀以上前に生産されたレンズなので、昨今のレンズと比べると、暗くて、ゴーストがたくさん
発生する。しかし、そのゴーストも、今となっては写真の 「味」 の一つだ。

一方、当時流行った素粒子画面を作るには、通常20℃で使う現像液を24℃位で処理したり、
わざと露光不足で撮影して、現像時間を長くしたりする方法がある。
印画紙用の現像液で、フィルムを現像した事もあった。
素粒子の質感も、また写真の 「味」 になっていた。
デジタルでは表現できない 「写真の味」 だった。

ゴースト=画面に光源が入ると、レンズ内で反射した光が悪戯をして、おばけの様に写り込み
       ます。最近写真を始めた人は、「ゴーストって何?」 と思うでしょうが、昔のレンズ
       では平気で出ていました。今は、コーティング技術の向上で、ほとんど消されています。


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tag : コンポラ新宿写真

秩父鉄道 2016~17年

秩父鉄道は、埼玉県北部を東西に横断する路線だ。
羽生―熊谷―武川―寄居―秩父―影森―三峰口を結ぶ本線の他、武甲山から産出される
石灰石を輸送する貨物専用線が二つある。沿線にはセメント工場が多数ある。

<本線>
石灰石輸送の貨物列車が、1日に十数往復走っている。
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大野原にあるセメント工場には、貨物列車の留置線がある。
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<三ノ輪鉱山>
影森駅から、武甲山山麓にある三ノ輪鉱山まで、貨物専用線が枝分かれしている。
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影森駅を出て、三ノ輪鉱山に向かう貨物列車  画面左の線路が本線

三ノ輪鉱山   ここで石灰石を積み込む
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三ノ輪鉱山から、本線に合流するポイント
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<三ケ尻線>
武川から分岐し、三ケ尻のセメント工場を経て、JR熊谷貨物ターミナルまで延びるのが、
三ヶ尻線。
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JR線から、三ヶ尻線、本線を経由して、東武鉄道と接続する羽生まで、東武鉄道車両の甲種輸送が行われていた。
※甲種輸送=電車などの動力車を、自走しないで貨物扱いで回送する輸送 
         機関車が牽引して、納品先に届ける
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三ヶ尻線の一部、熊谷貨物ターミナル~三ヶ尻 間が、2020年に廃止されて、JR線との接続が
不可能になったので、東武車両の甲種輸送は、栗橋駅で行われるようになった。

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tag : 秩父鉄道貨物列車石灰石

秋日和

前回の続きです。
群馬県みなかみ町から、林道で片品村に入り、観光道路で栃木県日光市に抜けました。
撮影:2024年10月31日
<群馬県みなかみ町
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<群馬県片品村
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<栃木県日光市
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tag : みなかみ町片品村日光市照葉峡中禅寺湖

秋の流れ

利根川源流域に照葉峡(てりはきょう)と言う渓谷があります。
約5Kmの区間に渡って大小、幾つもの滝が流れ落ちる絶景が続きます。
紅葉と渓流を絡めて撮影しました。
撮影:2024年10月31日  群馬県みなかみ町
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知る人ぞ知る紅葉の名所です。
車のナンバープレートで確認する限りでは、地元群馬の他、埼玉、千葉あたりの近県からの
来訪者がほとんどで、遠方から訪れる人は少ないようです。
外国人観光客も無く、渓流の音を聞きながら、静かに紅葉を鑑賞できました。

今回の撮影行は、みなかみ、片品、日光と、山の中を抜けました。
渓流以外の写真は、次回に掲載します。

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tag : 照葉峡みなかみ町利根川紅葉

渓谷に秋を求めて

信州の山奥にある渓谷、2カ所を訪れました。
撮影:2024年10月25日

横谷渓谷>  長野県茅野市
八ヶ岳連峰の西側に、避暑地として有名な蓼科高原があります。
別荘地の近くを 「渋川」 が流れ、横谷渓谷と呼ばれています。
色付いた木々に囲まれて 「王滝」 が流れ落ちていました。
横谷渓谷022A0132

横谷渓谷022A0135

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<古谷渓谷>  長野県佐久穂町
長野・群馬県境の十国峠を起点に、 「抜井(ぬくい)川」 が、うっそうとした森の中を流れます。
下流の古谷ダムまでの区間は、古谷渓谷と呼ばれています。
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清流が巨岩を挟んで、ふた筋に分かれて流れ落ちるのが、 「乙女滝」 です。
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tag : 横谷渓谷渓谷紅葉佐久穂町

紅葉と白樺美林

長野県の八千穂高原紅葉を撮影しました。
撮影:2024年10月25日 長野県佐久穂町

標高1500m程の高原一帯には、50万本と言われるシラカバが群生しています。
佐久穂町は、 「日本一の白樺群生林」 としていますが、「日本一」 を謳う白樺は他にも何カ所か
あり、何をもって日本一なのか、裏取りができていません。
でも、綺麗です。
訪れた時、八ヶ岳連峰北麓にある高原は雲の中にありました。
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八千穂高原022A0048

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tag : 八千穂高原白樺群生地シラカバ紅葉

落語 と AI音声

2024年10月21日
先日の午後、久し振りにラジオを聞いていた。始まった番組は演芸番組で、落語家が登場した。
演目はこの時期に合わせて 「目黒のサンマ」 だった。
尾頭付きの鯛(タイ)ばかりを食べている大名が、家来と共に目黒に外出し、農家の庭先で
秋刀魚(サンマ)を食べる、というのが話の流れだ。
映像が無いので、聞き手の想像力が問われる。
演じる落語家は、大名と家来の声色を微妙に変え、会話の 「間」 の取り方で話しを盛り上げる。
大名からの予期せぬ質問を受けた家来の喋り出しは、 「間」 が微妙に長い。この 「間」 のおかげで家来の表情が想像できる。一方で家来が大名を制する場面では 「間」 がほとんど無い。
聞き手が笑い出すポイントでも 「間」 が計算されている。
落語家は、笑いが収まるまで待っている。さすがにプロの噺家だと感じる一席だった。

次の番組は、27日投開票の衆議院選挙の政見放送だった。立候補者の経歴が、AIの自動音声で次々に読み上げられた。抑揚の無い、のっぺりした読みだった。
放送する経歴の原稿は、立候補者が自ら、選挙管理委員会に提出し、原稿を受け取ったテレビ局が録音する。自身の経験から述べるが、届け出原稿は字数制限があって、マス目の中に書いて
ゆく。漢字でも平仮名でも、1文字は1文字なので、立候補者は多くの情報を盛り込もうと、
独特の表現や、略し方をして来る。
この日のある立候補者は、早稲田大学法学部の卒業だった。この場合、原稿には 「早大法卒」 と書いてある。原稿を見たアナウンサーとディレクターは、意味を確認して 「早大、法、卒。」 と
3分割して読む。 「間」 が大切なのだ。これで意味が視聴者に伝わる。
しかし最近登場したAIは、これが出来ていない。棒読みだった。
別の候補者は、商業高校出身だった。AIは取得資格について 「〇〇簿記」 と読んでいた。
簿記資格の種類を知らない私には、〇〇の部分が何なのか理解できなかった。
略して漢字2文字にしているのだろう事は想像できたが、漢字が思い浮かばない。

AI音声の技術は未完成なので、放送局としては、色々な場面で実験したいのだろうが、
これでは政権放送になっていない。

AIの普及で失業者が出る事を懸念する人もいるが、話術を磨いている落語家も、
ベテランのアナウンサーも、今の段階ではAIに取って代る事は無いだろう。
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tag : AI音声政権放送落語

八幡平の紅葉

地球の気候はもともと、暖かかったり寒かったりと、 “ゆらぎ” の中で変化しています。
定常状態はありません。全球凍結の時代も、すべての氷が解けてしまった時代もあります。
海水面も、数十メートルの単位で上下しています。だから海水面が数センチメートル上昇したからと言っても、びっくりはしません。
“気候変動” や “温暖化” 、 “異常気象” の一言で済ませるつもりはありませんが、
どうもここ数年、きれいに色付いた葉っぱの写真が撮れていません。
暑い日が続いて、ようやく寒くなったと思ったら、葉っぱが茶色く縮れて、おしまいです。

20年前に撮影した田・岩手県境にある 八幡平紅葉です。
八幡平は、100万年前に噴出した複数の火山で構成します。
山頂部が侵食でなだらかになったので “平” の文字が名称にはいります。
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tag : 八幡平紅葉写真

プロフィール

乙山 真

Author:乙山 真
埼玉県出身
中学生のころ写真を始める
民放のテレビ局でディレクター、記者、ニュースデスク、プロデューサーなどを経験
退職後は写真三昧の生活

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