パゾリーニ生誕100年「テオレマ 4Kスキャン」「王女メディア」公式サイト|3/4(金)2作同時ロードショー!

テオレマ 4Kスキャン版

王女メディア

3/4(金)より2作同時ロードショー!

予告編

テオレマ 4Kスキャン版

イタリアの異端児パゾリーニが描く“現代の寓話”

ピエル・パオロ・パゾリーニ生誕100年!
初公開から50年を経て甦る、真骨頂にして問題作!

第29回 ヴェネチア国際映画祭 最優秀女優賞
国際カトリック映画事務局賞受賞

1975年11月2日、ローマ郊外で非業の死を遂げて45年以上の時を経た今もなお、世界中のシネフィルに支持される異才ピエル・パオロ・パゾリーニ。生誕100年を迎える2022年3月、日本国内においては1970年の劇場初公開以来、映画祭以外では上映される機会のほとんどなかった代表作『テオレマ』が、2020年米クライテリオン社によってなされた、オリジナルネガからの4Kスキャンによる修復版で、スクリーンに甦ります。

イタリアの大都市、ミラノ郊外の大邸宅に暮らす裕福な一家の前に、ある日突然見知らぬ美しい青年が現れる。父親のパオロは多くの労働者を抱える大工場の持ち主。その夫に寄りそう美しい妻ルチアと、無邪気な息子ピエトロ、娘オデッタ、そして女中のエミリア。何の前触れもなく同居を始めたその青年は、それぞれを魅了し、関係を持つことで、ブルジョワの穏やかな日々をかき乱していく。青年の性的魅力と、神聖な不可解さに挑発され、狂わされた家族たちは、青年が去ると同時に崩壊の道を辿っていく…。

ヴェネチア国際映画祭で最優秀女優賞(ラウラ・ベッティ)と同時に国際カトリック映画事務局賞を受賞したことで、イタリア・カトリック界で物議を醸し、猥褻罪に問われて裁判に発展。その後パゾリーニは無罪となり、裁判沙汰も手伝って映画は大ヒット。パゾリーニ自身が“天使と悪魔の間にいる、あいまいな人物”と語る《訪問者》の解釈をめぐって大論争となりました。

の《訪問者》に扮したテレンス・スタンプの妖しい魅力に、日本初公開時は女性ファンが激増。60年に及ぶキャリアの中で、代表作の1本として数えられています。共演は、当時ジャン=リュック・ゴダールの妻でもあったアンヌ・ヴィアゼムスキー(『バルタザールどこへ行く』、『中国女』)、シルヴァーナ・マンガーノ(『家族の肖像』)他。音楽はイタリアが生んだ名作曲家、エンニオ・モリコーネが手掛けている。

CAST
STAFF

王女メディア

異彩の映像詩人パゾリーニが描く“女の復讐劇”

ピエル・パオロ・パゾリーニ生誕100年!
初公開から50年を経て甦る、奇跡のコラボレーション!

第29回 ヴェネチア国際映画祭 最優秀女優賞
国際カトリック映画事務局賞受賞

不世出のディーヴァ
マリア・カラス唯一の映画主演作
ふたたび劇場に舞い降りる

1975年11月2日、ローマ郊外で非業の死を遂げて45年以上の時を経た今もなお、世界中のシネフィルに支持される異才ピエル・パオロ・パゾリーニ。生誕100年を迎える2022年、世紀の歌姫マリア・カラスとの奇跡のコラボレーションによって生まれた復讐劇『王女メディア』が2Kレストアでスクリーンに甦ります。

イオルコス国王の遺児イアソンは、父の王位を奪った叔父ペリアスに王位返還を求める。叔父から未開の国コルキスにある〈金の羊皮〉を手に入れることを条件に出され旅に出たイアソンは、コルキス国王の娘メディアの心を射止めて奪還に成功。しかし祖国に戻ったイアソンは約束を反故にされ、メディアと共に隣国コリントスへ。そこで国王に見込まれたイアソンは、メディアを裏切って国王の娘と婚約してしまう。メディアは復讐を誓い…。

『アポロンの地獄』(67)で初めて古代ギリシャを題材にとったパゾリーニは、エウリピデスのギリシャ悲劇「メディア」を元に、再び神話世界の映像化を構想しました。この企画が本格的に動き出したのは、一切のオファーを断り続けていた歌姫マリア・カラスが、「この映画だけは断れない」とメディア役を承諾したため。当時カラスは、9年にわたり愛し続けた恋人に裏切られた時でした。失意の底で落胆していた彼女でしたが、ひとりの女性としてのメディアを描こうとするパゾリーニに応えるように、愛の苦悩を背負う壮絶なヒロイン像を演じ切りました。

特筆すべきはその劇伴で、イラン、チベット、インド等世界各国の民族音楽が使用され、中でも日本の地唄や箏曲そうきょくが印象的に使われています。主にロケの行われたトルコ・カッパドキア地区のギョレメの幻想的な岩窟群、ピエロ・トージによる美しい衣装の数々も大きな見どころ。様々な文化が入り混じった、パゾリーニにしか描けない唯一無二で独創的な神話世界をご堪能ください。

CAST
STAFF

ピエル・パオロ・パゾリーニ Pier Paolo Pasolini

1922年3月5日、ラヴェンナの伯爵家出身で陸軍将校の父カルロ・アルベルトと、フリウリ地方カザルサ生まれで教師の母スザンナ(コルッシ姓)の長男として、イタリアのボローニャに生まれる。父の転任に伴い幼少期は北イタリアを転々とする。母の影響で幼いころから詩を書き始める。39年、飛び級でボローニャ大学文学部に進学。ファシスト青年団GUFの映画上映会でルネ・クレールやルノワール、チャップリンに感銘を受ける。42年7月、20歳の時にフリウリ地方の方言(フリウリ語)で書かかれた処女詩集『カザルサ詩集』を自費出版。45年にパルチザンに参加していた弟グイードが殺され、大きなショックを受ける。47年、カザルサ近郊の中学校で教師として働き始めると同時に、共産党に入党するが、49年に未成年への猥褻行為で訴えられ(のちに無罪となるが)免職となり、党からも除名される。50年、母とローマの貧困地区に移り、詩や小説を書きながら、教職や新聞・雑誌への寄稿で生活費を捻出する。55年5月に長編小説『生命ある若者』を発表。パゾリーニの小説で初めて出版された作品となる。文学賞の候補作品に推薦されるなど大いに話題となるが、ローマ郊外のスラム街に住む若者たちを赤裸々に描いたことが物議を醸し、7月に発禁処分となる(翌年の裁判で発禁は解かれる)。マリオ・ソルダーティ監督作『河の女』(54)の脚本執筆を機に映画界へ進出、以降、フェデリコ・フェリーニ監督『カリビアの夜』(57)『甘い生活』(60)や、マウロ・ボロニーニ監督『狂った夜』(59)『汚れなき抱擁』(60)『狂った情事』(60)、ベルナルド・ベルトルッチ監督のデビュー作『殺し』(62)など数多くの脚本(共同脚本も含む)を執筆する。61年『アッカトーネ』で映画監督デビュー。翌年にはアンナ・マニャーニを主演に迎えた『マンマ・ローマ』を監督。「マタイによる福音書」を映画化した『奇跡の丘』はヴェネチア国際映画祭で審査員特別賞を受賞し、米アカデミー賞でも3部門ノミネートを果たす。その後『アポロンの地獄』や『テオレマ』、『豚小屋』といった衝撃作を放ち、マリア・カラスを主演に迎えた『王女メディア』を完成させる。続いて「生の三部作」と呼ばれる、『デカメロン』(71年ベルリン映画祭銀熊賞受賞)、『カンタベリー物語』(72年同映画祭金熊賞受賞)、『アラビアンナイト』(74年カンヌ映画祭審査員大賞受賞)で高い評価を得る。75年春にマルキ・ド・サドの『ソドムの百二十日』を映画化した『ソドムの市』を撮影。同年11月2日未明、ローマ郊外のオスティア海岸で他殺体となって発見される。享年53歳。殺害した犯人として17歳の少年が逮捕されたが、その死については諸説あり現在も謎に包まれている。『ソドムの市』は翌76年1月に劇場公開を迎える。死後、未発表の詩や原稿が続々と発見され、イタリアでは98年から2003年にかけてパゾリーニ全集が刊行された。

ピエル・パオロ・パゾリーニ
監督作品
1961アッカトーネAccattone
1962マンマ・ローマMamma Roma
1963ラ・リコッタLa ricotta ※『ロゴパグ』より
1964愛の集会Comizi d'amore
1964奇跡の丘Il Vangelo secondo Matteo
1965映画『奇跡の丘』のためのパレスチナ訪問
Sopralluoghi in Palestina per il vangelo secondo Matteo
1966大きな鳥と小さな鳥Uccellacci e uccellini
1967アポロンの地獄Edipo Re
1967月から見た地球La terra vista dalla luna 
※『華やかな魔女たち』より
1968テオレマTeorema
1968雲とはどういうものなのか?Che cosa sono le nuvole?
※「Capriccio all'italiana」より
1969豚小屋Porcile
1969王女メディアMedea
1969造花の情景La sequenza del fiore di carta 
※『愛と怒り』より
1970アフリカのオレステイアのための覚書Appunti per un'Orestiade african
1970ゴミの物語のための覚書Appunti per un romanzo dell'immondezza
1971デカメロンIl Decameron
197212月12日12 dicembre
1972カンタベリー物語I racconti di Canterbury
1974アラビアンナイトIl fiore delle mille e una notte
1975ソドムの市Salò o le 120 giornate di Sodoma
コメント※敬称略・順不同
上映劇場

都市劇場名TELテオレマ王女メディア

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