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「深い関係性(リレイショナル・デプス)」がなぜ人を癒すのか
パーソン・センタード・セラピーの力
デイブ・メアンズ 著 / ミック・クーパー 著 / 中田 行重 訳 / 斧原 藍 訳
内容紹介
PCT固有の関係性と癒しの内実に迫る書
異彩を放つ対話系パーソン・センタード・セラピー(PCT)の関係性。臨床現場の息づかいが聞こえる赤裸々な事例と研究データに基づき、古典的クライエント中心療法を越える関係性に世界的臨床家メアンズと論客クーパーが熱く迫る。Rogersが本書を読んでいたら彼の理論は違っていたかもしれない。Rogersこそ本書を読みたかっただろう。クライエントとの関係性を本気で考えるための革新の書。村山正治による解題収録。もっと見る
目次
目次
訳者序文
第2版への序文
初版への序文
第1章 関係性セラピーの基盤
哲学と心理学における間主観性への転換:関係の中の存在
社会的神経科学:関係と脳
発達心理学:関わりを求める生来の願望と能力
心理療法の研究
関係性セラピーの発展
次章のテーマは?
第2章 心理的苦悩:関係性の観点から
繋がりへの欲求
幸福
孤独
うつ
不安
精神病
対人関係の葛藤
身体的健康
隔絶の進行
自己に対する深い関係性
考察
第3章 セラピーにおける深い関係性Relational depthとはどういうものか? なぜ癒しになるのか?
一つの「条件」
真実性
共感
積極的承認(Affirmation)
プレゼンス
クライエントのオープンネス
コ・プレゼンス
言葉のない出会い
相互性
深い関係性relational depthの出会いの治療的意義
第4章 持続する深い関係性:「部分partにまで触れることで……」
持続的な関係として体験される深い関係性
治療的な文脈
表面的レベルでの人との関わり
実存的な問いのレベルでの関わり
変移と心的外傷の実存的な影響
第5章 Dominicとのセラピー:酔いどれは彼の半分
Dominic
パートA(第3セッション開始)
パートB(第3セッション後半)
パートC(第4セッション)
パートD(第4セッション後半)
考察
第6章 心的外傷を負ったクライエントRickからセラピーをする権利をもらうまで
Rickとの確かな関係を結ぶまでのあがき
最初の出会い
出会いと侵入
クライエントから反応がもらえなくても、何とか自分を支える
話したことを話す
本が飛んできた
Rickが泣いた日
第25セッション
Daveが泣いた日
第27セッション
始まりの終わりか? それとも終わりの始まりか?
第7章 深い関係性の出会いを促す
クライエントの表現を促すこと
セラピストの感受を促すこと
セラピストの表現を促すこと
クライエントの感受を促すこと
まとめ
第8章 セラピストの成長課題
自分の存在の感覚に気づく
自己受容の成長
成長課題への取り組みを深める環境
第9章 革命に向けて
文献
索引
本書を読んで考えたこと 村山正治もっと見る
著者紹介
※著者紹介は書籍刊行時のものです。[著]デイブ・メアンズ(メアンズ,デイブ)
デイブ・メアンズ(Dave Mearns)
元ストラスクライド大学(グラスゴー)教授。英国そして西欧のパーソン・センタード・セラピーをリードしてきた世界的重鎮。ロジャーズ派の中でも古典的クライエント中心療法を超えた対話/関係系のセラピーの扉を開いた。著書に、バイブルとまで言われた『Person-Centred Counselling in Action』(Brian Thorneとの共著)のほか、『Person-Centred Counselling Training』『Person-Centred Therapy Today: New Frontiers in Theory and Practice』(いずれも共著)などがある。[著]ミック・クーパー(クーパー,ミック)
ミック・クーパー(Mick Cooper)
ローハンプトン大学(ロンドン)教授。パーソン・センタード・セラピーのほか実存主義的セラピーや心理療法のリサーチの研究など幅広い関心をもち、現在は多元的心理療法を展開するに至る。本書はこれら彼の関心領域のいずれにも触れながら「深い関係性(リレイショナル・デプス)」にアプローチしている。著書に『The Handbook of Person-Centred Psychotherapy and Counselling』(共編)、『Essential Research Findings in Counselling and Psychotherapy: The Facts are Friendly』『Existential Psychotherapy and Counselling』『Integrating Counselling & Psychotherapy: Directionality, Synergy and Social Change』(いずれも単著)などがある。[訳]中田 行重(ナカタ ユキシゲ)
中田行重(なかた・ゆきしげ)
関西大学心理学研究科教授。桂メンタルクリニック(京都)カウンセラー。臨床心理士。公認心理師。PCA-Kansai代表。フォーカシング、エンカウンター・グループの研究から現在のパーソン・センタード・セラピーの研究に至る。著書に『地域実践心理学――支えあいの臨床心理学へ向けて』(共著、ナカニシヤ出版、2005)、『問題意識性を目標とするファシリテーション――研修型エンカウンター・グループの視点』(単著、関西大学出版部、2006)などがある。[訳]斧原 藍(オノハラ アイ)
斧原藍(おのはら・あい)
臨床心理士。公認心理師。PCA-Kansaiコアメンバー。パーソン・センタード・セラピーのうち関係性について特に関心をもつ。研究論文に「多元性に着目したPerson-Centered self理論の新たな展開:Configurationとは何か」(関西大学心理臨床センター紀要(9),pp. 95-102,2018)、「Person-Centered Therapyにおける心理的接触のあり方:Relational depthでの出会いとは」(関西大学心理臨床センター紀要(10),pp. 41-51,2019)などがある。もっと見る
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