東京電力福島第一原子力発電所に対する取組 概要
特定原子力施設への指定
平成24年11月7日、原子力規制委員会は、東京電力株式会社福島第一原子力発電所に設置される全ての発電用原子炉施設を特別な管理を必要とする「特定原子力施設」に指定し、東京電力株式会社に当該発電用原子炉施設の保安及び特定核燃料物質の防護のために措置を講ずべき事項を示しました。
保安又は特定核燃料物質の防護のための措置を実施するための計画(実施計画)の審査及び検査
原子力規制委員会は、平成24年12月7日東京電力株式会社から「措置を講ずべき事項」に基づき策定した「福島第一原子力発電所 特定原子力施設に係る実施計画」を受理し、平成25年8月14日にこれを認可しました。
- 平成24年12月7日「東京電力株式会社特定原子力施設に関する保安又は特定核燃料物質の防護のための措置に係る実施計画を受領しましたので公表します」(国立国会図書館インターネット資料収集保存事業(Warp)へリンク)
- 平成25年8月14日「東京電力株式会社「福島第一原子力発電所 特定原子力施設に係る実施計画」を認可しました」(国立国会図書館インターネット資料収集保存事業(Warp)へリンク)
- 東京電力株式会社「福島第一原子力発電所 特定原子力施設に係る実施計画」
「福島第一原子力発電所 特定原子力施設に係る実施計画」の認可後に、東京電力株式会社福島第一原子力発電所発電用原子炉施設における保安措置等は当該実施計画に従って措置が講じられることになります。
また、原子力規制委員会は、東京電力株式会社が行う保安措置が実施計画に従っているかどうかについて実施計画検査実施要領に従って検査を行うこととなっています。
東京電力福島第一原子力発電所におけるリスク低減活動の監視・評価
原子力規制委員会は、東京電力株式会社福島第一原子力発電所に設置される全ての発電用原子炉施設における保安措置については、特定原子力施設監視・評価検討会を設置し、外部専門家も交えて監視・評価を行っています。
また、地中・海洋への汚染水の漏えい問題について、特定原子力施設監視・評価検討会の下に汚染水対策検討ワーキングループ等を設置して、汚染水の拡散範囲、拡散防止策を検討しています。
中期的リスクの低減目標マップの策定
原子力規制委員会は、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉作業に関する目標を示すことを目的として、平成27年2月に「東京電力福島第一原子力発電所の中期的リスクの低減目標マップ」を策定し、以降、廃炉作業の進捗等に応じて、適宜見直しを行ってきています。
2024年3月に改定した「東京電力福島第一原子力発電所の中期的リスクの低減目標マップ(2024年3月版)」は、事故後10年以上が経過し、短期的に対応すべきリスクが減少し、中長期的に取り組むべき課題が顕在化してきた現状を踏まえ、10年後までに実現すべき姿を分野別に示し、それに向けて達成すべき目標を設定しました。
特定原子力施設の実施計画の審査等に係る技術会合
原子力規制委員会は、令和4年10月12日に、東京電力福島第一原子力施設の廃炉作業等を着実に速やかに進めるため、既存の特定原子力施設監視・評価検討会に加えて、実施計画の審査・検査やトラブル事案等多岐に渡る課題を議論するため、特定原子力施設の実施計画の審査等に係る技術会合を設置しました。
以降、本会合においては、主要な技術的な課題に係るもの(申請された実施計画のうち施設・設備の基本設計ないし基本的設計方針の変更に係る案件や被ばくリスクが高い施設・設備の詳細設計に係る案件、その他規制要求等に係る技術的な課題を議論する必要がある案件など)について議論しています。
なお、2021年に設置した多核種除去設備等処理水(ALPS処理水)の処分に係る実施計画に関する審査会合は本会合に吸収しました。
ALPS処理水の処分に関する実施計画の審査
2021年4月13日に政府においてALPS処理水の処分に関する基本方針が決定されたことに伴い、東京電力ホールディングス株式会社から2021年12月21日に「ALPS処理水の海洋放出関連設備の設置等」に係る実施計画変更認可が申請されました。原子力規制委員会は公開の審査会合を開催して審査を行い、2022年5月18日に審査書案を取りまとめました。その後、審査書案についてパブリックコメントを実施し、7月22日に審査書を決定し、実施計画の変更を認可しました。
なお、2021年11月までに、「ALPS処理水放出にかかる組織変更」、「中低濃度タンク(G4北エリア、G5エリア)の設置」の2件の申請を認可しています。
2022年11月14日には東京電力ホールディングス株式会社から「ALPS処理水の海洋放出時の運用等」に係る実施計画変更認可が申請されました。原子力規制委員会は公開の特定原子力施設の実施計画の審査等に係る技術会合において、審査及び確認を行い、2023年2月22日に審査書案を取りまとめました。その後、審査書案についてパブリックコメントを実施し、5月10日に審査書を決定し、実施計画の変更を認可しました。
なお、2021年に設置した多核種除去設備等処理水(ALPS処理水)の処分に係る実施計画に関する審査会合は、特定原子力施設の実施計画の審査等に係る技術会合に吸収しました。
東京電力福島第一原子力発電所事故に係る調査・分析
原子力規制委員会では、東京電力福島第一原子力発電所事故の継続的な調査・分析を進めるため、事故調査・分析及び廃炉に係る作業の必要な調整・連携等を行う「東京電力福島第一原子力発電所廃炉及び事故分析に係る連絡・調整会議」及び事故調査・分析に関して検討を行う「東京電力福島第一原子力発電所における事故の分析に係る検討会」の開催に加えて、福島第一原子力発電所における現地調査等を行っています。
なお、これまでの事故調査・分析において得られた知見等については、2014年10月、2021年3月及び2023年3月にそれぞれ報告書をとりまとめています。
- 東京電力福島第一原子力発電所における事故の分析に係る検討会
- 福島第一原子力発電所廃炉・事故調査に係る連絡・調整会議
- 2014年10月08日 東京電力福島第一原子力発電所 事故の分析 中間報告書【PDF:11.9MB】
- 2021年03月05日 東京電力福島第一原子力発電所事故の調査・分析に係る中間取りまとめ【PDF:33.8MB】
- 2023年03月07日 東京電力福島第一原子力発電所事故の調査・分析に係る中間取りまとめ(2023年版)(1/2)【PDF:31MB】
- 2023年03月07日 東京電力福島第一原子力発電所事故の調査・分析に係る中間取りまとめ(2023年版)(2/2)【PDF:26MB】
- 福島第一原発事故分析の現地調査映像【NRAJapan#原子力規制委員会】
関連リンク
各項目に関して実施した被規制者との面談に係る議事概要及び資料等については、以下に掲載しています。
被規制者等及びノーリターンルール対象組織等との面談記録(原子力の規制) > 福島第一原発事故対策等に関するもの