パートナーシップ協定の締結
2024年10月16日、福島県立あさか開成高校にて、特定非営利活動法人しんせい(以下、NPO法人しんせい)、福島県立あさか開成高等学校(以下、あさか開成高校)、国立環境研究所の三者は、災害に強く持続可能な地域共生社会の実現に向けたパートナーシップ協定を締結しました。
この協定により、震災を経験した「福島ならでは」の探求的な学びを実践し、地域の人々を支える担い手の育成に向けて、連携・協力していきます。
本記事では、協定の内容や、協定締結に至るまでの歩みをご紹介します。
連携・協力内容
協定に基づき、三者は主に以下の事項について連携・協力していきます。
- NPO法人しんせいが運営する、山の農園を中心に展開する研修事業『山の学校』に関すること
- あさか開成高校における『総合的な探究の時間』に関すること
- 国立環境研究所における『地域と協働した災害環境研究の推進』に関すること
- 災害に強靭で持続可能な地域共生社会の構築とその担い手育成の実践及び調査研究に関すること
国立環境研究所は、各活動の企画や実践における助言や指導を行うとともに、災害環境研究の観点から各活動の成果を分析、評価する役割を果たしていきます。
これまでの歩み
NPO法人しんせいとの出会い
NPO法人しんせいは、2011年の東日本大震災後、避難生活が始まった障がい者の支援を目的に設立されました(当時の団体名はJDF被災地障がい者支援センターふくしま)。
2019年には郡山市に農園を開設し、障がい者が再び農業を行える場を提供しています。
当時、原発事故から8年が経過していましたが、放射能への不安は根強くありました。
そこで、農園の環境調査を通じて、国立環境研究所との連携が始まりました。
あさか開成高校との出会い
NPO法人しんせいと国立環境研究所の取り組みが始まった頃、新型コロナウイルスが急速に広がり、生活スタイルは大きく変わりました。
2020年には、あさか開成高校もコロナ禍における活動自粛が求められるなかで「地域に目を向けた学び」を目指し、NPO法人しんせいとの取り組みに参加しました。
山の学校のはじまり
2021年の春、三者は協力して農園での環境調査活動をスタートさせました。
その輪にNTT労働組合も加わり、研究者、学生、企業人、障がい者という、立場や所属が異なる相手の話に耳を傾け気づきを得る、学びと対話の場が生まれました。
私たちは、この学びの場に「山の学校」と名付け、「この学校は、誰もが先生であり、誰もが生徒である」ことをモットーとしました。
山の学校の活動レポートはこちら
FRECC+ 山の学校 記事一覧
さいごに
今後も、障がい者、高校生、研究者が力を合わせ、災害時にも孤立せず、共に支え合う社会の仕組みづくりを進めていきます。
大きな自然災害が繰り返される今、この協働が次の災害復興へのヒントとなることを願っています。
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パートナーシップ協定締結式 概要
- 日時
- 令和6年10月16日(水) 午前11時~
- 会場
- 福島県立あさか開成高等学校
- 式次第
- 開会
- 出席者紹介、協定概要説明
- 挨拶 NPO法人しんせい 理事長 富永 美保
- 挨拶 あさか開成高校 校長 軽部 英敏
- 挨拶 国立環境研究所 拠点長 根木 桂三
- 記念撮影
- 閉会