本日の閣議は、当省に関係するもので特にご報告することはありません。
1点報告します。トラック運送業では軽油高騰対策として、この春から燃料サーチャージ制の導入を進めていますが、その現状についてトラック協会が調査を行い、この度調査結果がまとまりました。これによりますと、荷主への価格転嫁は着実に進んでいますが、燃料サーチャージ制そのものの導入はまだまだ低いということです。ちなみに概略を申しますと、価格転嫁を出来た事業者の割合は、5月が44.3%でしたが6月には55.9%と過半数を超えるまでに至っていますが、燃料サーチャージ制導入率はまだ12%です。そういうことから、荷主に加えて、直接の価格交渉相手である荷主の系列の物流子会社の理解が必要など、導入に際しての課題も明らかになってきましたので、こうした関係者に対する協力要請や働きかけの強化等を盛り込んだ追加対策を実施することとしました。詳細についてはこの後、担当局から説明させますのでよろしくお願いします。
(問)今日、21年度予算の概算要求のシーリングの閣議決定がされますけれども、公共事業費5%削減ということへの大臣のご所見と、国土交通省としての対応を改めてお願いします。
(答)私はこれまで経済財政諮問会議の場等でも、公共事業関係予算のこれ以上の削減は厳しいということを再三申し上げてきたところです。具体的には、これまでの削減努力、あるいはデフレとは異なる物価動向、デフレどころか急激な価格高騰が短期間に行われています。そういうこととか、地域経済、地方の雇用の厳しい現況、さらには社会資本整備の課題等を考えますと、公共事業費関係予算の削減が限界に来ているとの考えに変わりはありません。これは昨日、一昨日の集中豪雨等を見ましても、未だかつてないようなことが起こる訳でして、そういうものに対する適用策を考えた時に、国民の安全・安心を担当する我々としては、そういう対策を削るということは非常に危険だとすら考えます。そういうことについて私の基本的な考え方は変わりありません。しかしながら、一方で政府の一員として、財政健全化に向けて真摯に取り組む必要があることもまた、十分に認識しているところであり、つとに、それは私が申し上げていることです。昨日、政府・与党間でも議論があったと承知していますが、平成21年度概算要求は、ムダゼロと政策の棚卸しによって、公共事業を含む裁量的経費から約2%の財源を捻出し、重要課題に振り向けるということで議論が進んでいると承知しています。したがって国土交通省としても、こうした枠組みを活用して成長力の強化、地域の自立活性化、安全・安心の確保という非常に重要な課題があるわけですから、そういうものをしっかりと財源を捻出された中から我々の重要課題というものに取り組みたいと考えているところです。
(問)昨日兵庫県の都賀川というところで、11人が流されて4人が死亡する事故がありました。この川ですが、二級河川ということで県が管理するということですが、水に親しむという意味で親水公園というようなところで子供が遊んでいて、増水で流されるという、そのあたりの公園の安全対策とかについて、国土交通省として何かできるようなことはないのでしょうか。
(答)私も兵庫ですので、都賀川はよく通ります。非常に綺麗な親水公園として整備されておりまして、子供達だけではなしに、大人や家族連れでも利用している素晴らしい川です。ところが、地理的に見て頂くとわかりますが、すぐ後ろに六甲連山が迫っておりまして、山の方まで都市化されております。土地の大部分が道路とかセメントで覆われたり、建物に覆われたりして、降った雨を土地が吸収することがなく川に流れ込んでいきます。昭和13年ですか、大変な大水害で土砂、土石流で神戸が壊滅するくらいの被害を受けて、そういうもので神戸は水害とか土石流については非常に神経過敏なほどに対策をとってきました。この川も写真を見て頂くとわかりますが、両岸は非常に高く頑丈に、そこから神戸市内に水が溢れ出るということにならないようになっていますので、特に川に入った雨水は急激に流下するという特性があると思います。従って、この件については、事故が起こったのは14時40分頃ですけれども、12時40分には大雨と落雷及び突風に関する兵庫県気象情報第一号が発令されておりまして、13時20分には大雨洪水雷注意報、13時55分には大雨洪水警報、雷注意報等が気象庁によって発表されている訳でして、そういう状況の中で平素から川は恐ろしいんだというPRを、あるいは教育機関においてもそういう認識を深めて頂くという以外に、急激に降った雨による事故というものを防ぐことができない。ちなみに、この時にこの都賀川の上流で10分間に21ミリ降っています。1時間に直せば、降り続くということは別ですけれども、100ミリを超えるような雨が降っている訳です。したがって、私が今言ったような特性がありまして、下に吸収される前にこの川へ一挙に流れ込んだというのが実態だと思います。私は亡くなられた方に対して心からご冥福をお祈りしたいと思うのですけれども、我々政策的に都市公園だからこういうものを防ぐ何か手だてを取るべきではないかという今のお話は全くそのとおりですけれども、政策的にするにはもう限界がある。むしろ、できればこういう事故を捉えてマスコミの皆さん方の協力を得て、川というものは本当に恐ろしいと、短時間でこういう急変が起こる可能性があるんだということをよく知らせて頂きたい。テレビ等の影響はものすごく大きい訳ですから、是非、水遊びや川遊びも上流で曇っている、あるいは、警報が出た時には、やはりそれは避けてほしいと心から思います。どうかよろしくお願いしたいと思います。
(問)関連してですが、仰るとおり自分たちの身は自分たちで守るしかない、守らなきゃいけないというところがあると思うのですが、そうは言ってもこういう特徴がある川に親水公園を造っている、急激に大雨が降れば増水するということが分かっている下流に親水公園を造っているわけです。にも関わらず浸水公園の安全対策は、例えば上流に大雨が降ったことを下流に知らせるシステムだったり、そういう対策は打たれてなかったと思うんですけれども、例えば国交省として今後こういう親水公園を造る際に設置基準だったり安全対策ですね、最低限そういうような特性があるような川に造る場合は、こういう安全対策を取りなさいというようなお考えというのはないんでしょうか。
(答)これを一つの警告といいますか、我々も安全に、例えば、気象庁からそのようなものが出た場合に危ない川について警報を流すようなことも考えなければならないと思います。ただ、この親水公園は非常に貴重な公園で、こういう事故が起こってしまいましたから、これはどうかということになりますが、ここは大臣表彰も受けた所だったと思います。非常にきれいで整備された所です。ところが、今私が言ったように、10分間で21ミリという未だかつてないような雨が源流に流れて、これが滝のように押し寄せたと、最初の10分が8ミリ、次の10分が17ミリ、17ミリでしたら1時間で100ミリ超える訳ですから、こういうことが、地球温暖化なのか分かりませんが、本当にあっちこっちで起こるのです。ですから、今までの公共事業の適応策では防ぐことが出来ないような災害が起こる可能性がある。今まで、100年に1回と思っていたのが30年に1回になる、そういうことがIPCCでも言っている訳で、我々はそのようなことも考えながら、この公共事業を進めていかなければならないのです。そういう意味からも先程の話に戻りますが、大変重要な安全・安心を確保するためには、必要な公共事業というものは益々増えていると感じています。今のお話は重く受け止めて、我々としてもそういう所では警報が行われるようなことが必要であろうと思います。
(問)こういった親水公園等の数や安全対策をどうしていくかと考えた場合、数の把握も国交省として出来ていないし、それぞれがどういう安全対策を執られているかということも何ら決められていないようですが、それについての実態調査や、今後、速やかに安全対策をどうしていくかということを検討されるおつもりはないですか。大臣が仰られるように、大雨等の今までの気象条件が大いに変わって、こういうことが全国各地で起きるおそれがあると思います。二度とこのようなことが起きないように、速やかに何かしらの対応を執って頂きたく思います。
(答)検討します。