北海道は、全国の約4分の1の耕地面積(約114万ha)を有し、農業産出額が約1.3兆円、わが国の食料生産の約2割(カロリーベース)、食料自給率が約200%であるなど、わが国の食料供給基地としての重要な役割を果たしています。
北海道の1経営体当たりの経営耕地面積は、平均で34.0ha(令和5年)とEUに匹敵し、豊かな土地資源と高い主業農家率により、生産性の高い農業が実現されています。
「食料・農業・農村基本計画」や令和6年3月に閣議決定された「第9期北海道総合開発計画」等を踏まえ、北海道農業の食料供給力の強化に向けて、農地利用の効率化やほ場条件の改善等による生産性の向上、農産物の品質向上等のため、農業農村整備事業の推進を図っているところです。
主な事業の概要は以下のとおり。
[1]国営かんがい排水事業
農業生産の基礎となるダム、頭首工、用排水機場、幹線用排水路等の農業用用排水施設の整備を行い、農業用水の確保・安定供給と農地の排水改良を図ります。
【施工中の頭首工(かんがい排水事業)】
【施工中の用水路(かんがい排水事業)】
【農業用用排水施設の予防保全の推進(国営施設機能保全事業)】
[2]国営農地再編整備事業
広域的な農地の大区画化や排水改良を行い、農地集積・集約化を加速するとともに、耕作放棄地の解消・未然防止、生産コスト低減や高収益作物への転換等による産地収益力の向上を図ります。また、国産飼料生産基盤の強化のため、牧草・飼料作物の生産地帯を対象とした基盤整備の促進を図ります。
[3]国営総合農地防災事業
自然的・社会的な状況の変化に起因した農地・農業用用排水施設の機能低下や災害発生のおそれが生じている地域において、農業用用排水施設等を整備し、施設の機能回復や災害の未然防止を図ります。
[4]国営造成施設管理事業
国営土地改良事業により造成された農業用用排水施設のうち、特に大規模で高度な技術を要するものを対象に国が管理を行います。
【暗渠排水による効果〔左:未施工、右:施工済〕(国営農地再編整備事業)】
【水田の大区画化(国営農地再編整備事業)】
[1]農業競争力強化基盤整備事業
農業競争⼒強化を図るため、農地中間管理機構等とも連携し、農地の⼤区画化や汎⽤化、農業⽔利施設の更新・⻑寿命化等を⾏い、担い⼿への農地集積・集約化や農業の⾼付加価値化、⾼収益作物の導⼊、⽔利⽤の効率化・⽔管理の省⼒化等を推進します。
[2]土地改良施設維持管理適正化事業
農業水利施設の簡易な整備補修や防災減災等のための緊急性の高い施設整備を推進します。
[3]農村地域防災減災事業
地震・集中豪雨等による災害を防止し、農村地域の防災力の向上を図るための総合的な防災・減災対策を推進します。
北海道の農山漁村地域の活性化をめざして、多様な地域資源を活かした地域住民主体の地域づくり活動を支援するため平成13年に活動を開始。
「わが村は美しく-北海道」運動について〔北海道開発局ホームページ〕