今回は過去に紹介した安宿近くを旅行した時の話を。
先日紹介した宿、「ニュー松竹梅ホテル」に泊まったついでに、名古屋にほど近いJR恵那駅~明智駅を結ぶ明知鉄道の沿線を観光してみた。
(行ったのは2017年3月)
安宿旅行記・愛知・名古屋「ニュー松竹梅ホテル」(1泊2550円~)
http://yasuitabi.blog.jp/archives/1065327727.html
※大正ロマン・大正村が有名な明智駅。
なぜか「バザールでござーる」の広告が貼られたレトロな車両も走っていた。
明知鉄道のことは結構以前からローカル線の1つとして名前くらいは聞いていたものの、見どころが他に行きたい場所と比較して微妙に負けていて、ついつい行くのが後回しになっていた。
ところが、2月中旬から「おひな様巡り特別企画1日フリー乗車券」というかなりお得な切符が発売されてることを知り、それならばと行ってみた次第。
(名所・グルメは魅力的だが安さも魅力…我ながら現金なもの)
このフリー乗車券は1380円。
明知鉄道が1日乗り放題となるのに加え、沿線の岩村駅城下町で商品と交換できるクーポン券(200円×3枚)が付いてる上、日本大正村や花白温泉などの施設が入場料100円引きになるサービス付き。
(恵那駅~明智駅の片道運賃は690円なので往復だけで元が取れ、かなりの大盤振る舞い・好コスパの切符なのがわかる)
おひな様巡り特別企画1日フリー乗車券 - 明知鉄道
http://www.aketetsu.co.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=279
●名古屋07:38→08:49恵那
この日は1日乗車券を使うということで早く行った方が切符をたっぷり使える…ということで朝7時過ぎに名古屋を出る。
(駅構内にあった大河ドラマ「おんな城主 直虎」関連の展示物。朝早いためシートを被ってる物もあった)
この時間の名古屋発の列車ということで乗客は少なめ。
(ロングシートだと車窓が見づらいのは少し残念だが、座れるのはありがたい)
早春ののんびりした車窓を見ながら、ガラガラの電車で恵那駅を目指す。
●恵那09:06→9:57明智
恵那駅でJRの改札を出て、隣にある明知鉄道の恵那駅へ。
窓口で1日フリー乗車券を買い、1両のワンマン列車に乗り込む。
(「合格」ヘッドマークが付いてるのが3月らしい。平日のこの時間でも電車本数が少ないせいか席が7割方埋まる程度の混み具合だった)
明知鉄道の名物の1つが路線の急勾配と急カーブ。
そんなわけで道中はアップダウンや急カーブが多く、古めかしい車両がえっちらおっちらと登っていく様子には思わず「頑張れ…」と心の中で言いたくなるほど。
(頼むから車両よ壊れずに無事着いて…と祈る気持ちもあったかもしれないが…)
車両の前方は乗客が多かったので、後方の席に陣取り、たまに車両後方の窓から迫力の車窓を楽しみつつ(上のような撮影もしつつ)終点までのんびり乗車した。
●日本大正村
明知鉄道の終点・明智駅周辺に広がる大正時代風のレトロな町並み。
有料・無料の資料館や洋館などスポットが多く、持ち時間に合わせてちょっとでもじっくりでも当時の風情を感じながら散策を楽しめる。
(大正時代の建物の他、江戸時代頃の農家や昭和風の商店街などもあるのが面白い。
上の写真は駅近くにある施設。「第三代村長 竹下景子」というと「三択の女王」を思い出す(当時はあまりに子供で答えが分からなかったが、「ごきげんテレビ」の前なのでなんとなく見ていた「クイズダービー」))
日本大正村街歩き・村内マップ | 公益財団法人日本大正村
http://nihon-taishomura.or.jp/course
まずは屋敷に挟まれた狭い石畳の道を抜けて大正村の北へ。
駅周辺には商店街・横丁・路地裏・自然な山並みと変化に富んだ風景が広がる。
●日本大正村役場
石畳の道を進むとさっそく見えてくるのがこちらの役場。(明智駅から歩いて10分ほど)
明治時代に建てられた明智町の町役場で、大正村の歴史を示す展示物(歴代の村長の写真や当時の物品など)があったり、畳で座って休める休憩所があり無料でくつろげるのが嬉しい。
(「本日は大正106年」と、ここではまだ大正時代は終わってない模様)
なお、「明智」にちなんで明智光秀の紹介本などもあった。
(歴史の授業で「本能寺の変」だけ見てると「三日天下」の悪者と見られがちだが、地元ではヒーロー?)
●龍護寺
村役場から少し坂を登った先にあるお寺。
龍護寺ホームページ
http://www.h4.dion.ne.jp/~ryougoji/
先ほど触れた明智光秀公の御霊廟(と書いて「おはか」と読むらしい)、さらに光秀公が含まれる地元の名家・明智遠山家の墓所もある。
(あの有名時代劇ドラマ「遠山の金さん」のモデルである遠山景元も入っていて、歴史好きにはたまらない感じ。そういやこれも土曜夜の定番ドラマだったなと昔をしみじみ思い出す)
●旧三宅家
龍護寺から東へ進み、大正ロマン館(時間がないため省略)の裏手にある古民家。
江戸時代の農家のたたずまいを残していて、土間や囲炉裏、床の間や農機具・家具などを無料で自由に見ることができ、「日本むかしばなし」的な気分を満喫できる。
(地元の方であろう、年配のスタッフの方が囲炉裏に火を焚いていて、パチパチと炎が揺らめく横で世間話などしつつ登り坂で疲れた足を休めてちょっと休憩)
●逓信資料館
大正ロマン館や旧三宅家などのある高台から降り、古い街並みの商店街の中にある。
明治時代に建てられた「明智郵便局」の建物を使った資料館で、青っぽいレトロなたたずまいが見事。
こちらも無料で見ることができ、当時のポストの模型や郵便配達員の制服、さらに、電信業務室にもなっていたということで、昔の電話機や電話交換機などが展示されていて、なかなかの見ごたえ。
(人力で電話をつないでいた頃の物であろう電話交換機。右上、インカムを付けた当時の交換手の写真が時代を感じる。白黒写真といい、着物姿といい、文金高島田っぽい髪型といい…)
●明智駅へ戻る
そんなわけで、結構急ぎ足だったが次の電車の時間が迫っていたのでここで駅へ戻る。
(電車が1時間に1本程度なので、乗り遅れると結構辛い…特に食事時は)
この時ホームにいたのが明知鉄道名物「じねんじょ列車」。
じねんじょ列車 - 明知鉄道株式会社
http://www.aketetsu.co.jp/modules/event/index.php?content_id=18
(ヘッドマークをよく見ると、大正美人風のマスコットキャラが白いネバネバの摩り下ろしたヤマノイモを持っているシュールな絵面)
車内でこのヤマノイモ料理を食べながら電車旅を楽しめるのが魅力なのだが、こちらの予約はしてないので、後ろに繋がってるもう1両の普通車両へ。
(「急行・大正ロマン号」という扱い)
ところが、この普通車両も只者ではなかった。
「ひがし美濃号」と札の付いたこの列車、なんと昔ながらのレールバス車両で、短い時間の乗車でもこちらはこちらで貴重な時間を過ごせてかなり楽しめた。
(折りたたみ式のドア、車両上部に横長に付いた窓がいかにもバスっぽい感じ。ローカル線のこういうサービス精神は実にありがたい)
いかにもバスらしい冷房装置の下の窓には、昔懐かしいNEC「バザールでござーる」の広告が。
この車両がバリバリ現役だった頃から貼られたままの物だろうか…(かれこれ30年近く前?)。
※なお、このレールバス車両だが、残念ながら2017/03/31で引退とのこと。
アケチ6号さようなら走行のお知らせ - 明知鉄道株式会社
http://www.aketetsu.co.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=276
最後に乗れて良かったというべきか、こんな一期一会もローカル線鉄道旅のいいところ。
(時代の流れで、別れの回数の方が多くなってるのは寂しい感じもするが…)
まだ先は長いので、後編へ続く。
先日紹介した宿、「ニュー松竹梅ホテル」に泊まったついでに、名古屋にほど近いJR恵那駅~明智駅を結ぶ明知鉄道の沿線を観光してみた。
(行ったのは2017年3月)
安宿旅行記・愛知・名古屋「ニュー松竹梅ホテル」(1泊2550円~)
http://yasuitabi.blog.jp/archives/1065327727.html
※大正ロマン・大正村が有名な明智駅。
なぜか「バザールでござーる」の広告が貼られたレトロな車両も走っていた。
明知鉄道のことは結構以前からローカル線の1つとして名前くらいは聞いていたものの、見どころが他に行きたい場所と比較して微妙に負けていて、ついつい行くのが後回しになっていた。
ところが、2月中旬から「おひな様巡り特別企画1日フリー乗車券」というかなりお得な切符が発売されてることを知り、それならばと行ってみた次第。
(名所・グルメは魅力的だが安さも魅力…我ながら現金なもの)
このフリー乗車券は1380円。
明知鉄道が1日乗り放題となるのに加え、沿線の岩村駅城下町で商品と交換できるクーポン券(200円×3枚)が付いてる上、日本大正村や花白温泉などの施設が入場料100円引きになるサービス付き。
(恵那駅~明智駅の片道運賃は690円なので往復だけで元が取れ、かなりの大盤振る舞い・好コスパの切符なのがわかる)
おひな様巡り特別企画1日フリー乗車券 - 明知鉄道
http://www.aketetsu.co.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=279
●名古屋07:38→08:49恵那
この日は1日乗車券を使うということで早く行った方が切符をたっぷり使える…ということで朝7時過ぎに名古屋を出る。
(駅構内にあった大河ドラマ「おんな城主 直虎」関連の展示物。朝早いためシートを被ってる物もあった)
おんな城主 直虎 完全版 第弐集【Blu-ray】 [ 柴咲コウ ] |
この時間の名古屋発の列車ということで乗客は少なめ。
(ロングシートだと車窓が見づらいのは少し残念だが、座れるのはありがたい)
早春ののんびりした車窓を見ながら、ガラガラの電車で恵那駅を目指す。
●恵那09:06→9:57明智
恵那駅でJRの改札を出て、隣にある明知鉄道の恵那駅へ。
窓口で1日フリー乗車券を買い、1両のワンマン列車に乗り込む。
(「合格」ヘッドマークが付いてるのが3月らしい。平日のこの時間でも電車本数が少ないせいか席が7割方埋まる程度の混み具合だった)
明知鉄道の名物の1つが路線の急勾配と急カーブ。
そんなわけで道中はアップダウンや急カーブが多く、古めかしい車両がえっちらおっちらと登っていく様子には思わず「頑張れ…」と心の中で言いたくなるほど。
(頼むから車両よ壊れずに無事着いて…と祈る気持ちもあったかもしれないが…)
車両の前方は乗客が多かったので、後方の席に陣取り、たまに車両後方の窓から迫力の車窓を楽しみつつ(上のような撮影もしつつ)終点までのんびり乗車した。
●日本大正村
明知鉄道の終点・明智駅周辺に広がる大正時代風のレトロな町並み。
有料・無料の資料館や洋館などスポットが多く、持ち時間に合わせてちょっとでもじっくりでも当時の風情を感じながら散策を楽しめる。
(大正時代の建物の他、江戸時代頃の農家や昭和風の商店街などもあるのが面白い。
上の写真は駅近くにある施設。「第三代村長 竹下景子」というと「三択の女王」を思い出す(当時はあまりに子供で答えが分からなかったが、「ごきげんテレビ」の前なのでなんとなく見ていた「クイズダービー」))
日本大正村街歩き・村内マップ | 公益財団法人日本大正村
http://nihon-taishomura.or.jp/course
まずは屋敷に挟まれた狭い石畳の道を抜けて大正村の北へ。
駅周辺には商店街・横丁・路地裏・自然な山並みと変化に富んだ風景が広がる。
●日本大正村役場
石畳の道を進むとさっそく見えてくるのがこちらの役場。(明智駅から歩いて10分ほど)
明治時代に建てられた明智町の町役場で、大正村の歴史を示す展示物(歴代の村長の写真や当時の物品など)があったり、畳で座って休める休憩所があり無料でくつろげるのが嬉しい。
(「本日は大正106年」と、ここではまだ大正時代は終わってない模様)
なお、「明智」にちなんで明智光秀の紹介本などもあった。
(歴史の授業で「本能寺の変」だけ見てると「三日天下」の悪者と見られがちだが、地元ではヒーロー?)
明智光秀~神に愛されなかった男~/唐沢寿明 柳葉敏郎 長澤まさみ【中古】 |
●龍護寺
村役場から少し坂を登った先にあるお寺。
龍護寺ホームページ
http://www.h4.dion.ne.jp/~ryougoji/
先ほど触れた明智光秀公の御霊廟(と書いて「おはか」と読むらしい)、さらに光秀公が含まれる地元の名家・明智遠山家の墓所もある。
(あの有名時代劇ドラマ「遠山の金さん」のモデルである遠山景元も入っていて、歴史好きにはたまらない感じ。そういやこれも土曜夜の定番ドラマだったなと昔をしみじみ思い出す)
●旧三宅家
龍護寺から東へ進み、大正ロマン館(時間がないため省略)の裏手にある古民家。
江戸時代の農家のたたずまいを残していて、土間や囲炉裏、床の間や農機具・家具などを無料で自由に見ることができ、「日本むかしばなし」的な気分を満喫できる。
(地元の方であろう、年配のスタッフの方が囲炉裏に火を焚いていて、パチパチと炎が揺らめく横で世間話などしつつ登り坂で疲れた足を休めてちょっと休憩)
●逓信資料館
大正ロマン館や旧三宅家などのある高台から降り、古い街並みの商店街の中にある。
明治時代に建てられた「明智郵便局」の建物を使った資料館で、青っぽいレトロなたたずまいが見事。
こちらも無料で見ることができ、当時のポストの模型や郵便配達員の制服、さらに、電信業務室にもなっていたということで、昔の電話機や電話交換機などが展示されていて、なかなかの見ごたえ。
(人力で電話をつないでいた頃の物であろう電話交換機。右上、インカムを付けた当時の交換手の写真が時代を感じる。白黒写真といい、着物姿といい、文金高島田っぽい髪型といい…)
●明智駅へ戻る
そんなわけで、結構急ぎ足だったが次の電車の時間が迫っていたのでここで駅へ戻る。
(電車が1時間に1本程度なので、乗り遅れると結構辛い…特に食事時は)
この時ホームにいたのが明知鉄道名物「じねんじょ列車」。
じねんじょ列車 - 明知鉄道株式会社
http://www.aketetsu.co.jp/modules/event/index.php?content_id=18
(ヘッドマークをよく見ると、大正美人風のマスコットキャラが白いネバネバの摩り下ろしたヤマノイモを持っているシュールな絵面)
車内でこのヤマノイモ料理を食べながら電車旅を楽しめるのが魅力なのだが、こちらの予約はしてないので、後ろに繋がってるもう1両の普通車両へ。
(「急行・大正ロマン号」という扱い)
ところが、この普通車両も只者ではなかった。
「ひがし美濃号」と札の付いたこの列車、なんと昔ながらのレールバス車両で、短い時間の乗車でもこちらはこちらで貴重な時間を過ごせてかなり楽しめた。
(折りたたみ式のドア、車両上部に横長に付いた窓がいかにもバスっぽい感じ。ローカル線のこういうサービス精神は実にありがたい)
いかにもバスらしい冷房装置の下の窓には、昔懐かしいNEC「バザールでござーる」の広告が。
この車両がバリバリ現役だった頃から貼られたままの物だろうか…(かれこれ30年近く前?)。
※なお、このレールバス車両だが、残念ながら2017/03/31で引退とのこと。
アケチ6号さようなら走行のお知らせ - 明知鉄道株式会社
http://www.aketetsu.co.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=276
最後に乗れて良かったというべきか、こんな一期一会もローカル線鉄道旅のいいところ。
(時代の流れで、別れの回数の方が多くなってるのは寂しい感じもするが…)
【中古】明知鉄道開業記念乗車券 昭和60年11月16日 |
まだ先は長いので、後編へ続く。
大正ロマンと城下町と寒天と…岐阜県・明知鉄道沿線の旅(後編)