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獣害対策/農閑期の到来は、獣類の繁忙期 | 鳥獣害対策の知恵袋

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獣害対策/農閑期の到来は、獣類の繁忙期

獣害対策/農閑期の到来は、獣類の繁忙期

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こんにちは、「鳥獣被害対策.com」の千々岩です。

今回の「鳥獣害対策の知恵袋」では、獣害対策の基本となる、被害を誘発する要因の除去、予防措置についてお話しします。

稲刈りが終わりを迎えた季節となりました。

冬に向かうこの季節からが要注意です。

写真は農繁期に張られたワイヤーメッシュの上部に張られたネットを取り外した様子です。

稲刈りが終わった田の多くは、冬季の作付け栽培は限られ、多くは農閑期を迎えます。

そして、ネットや電気柵などが取り除かれるとニホンジカやイノシシが田畑に侵入するようになります。

田畑は、作物と作るところ。

当然、日当たりの良い場所に整備されており、積雪の少ない地域では、晩秋から冬、春にかけて草花が伸び、ニホンジカやニホンザルを惹きつけます。

野菜がなくても、農地は

  • ニホンジカ
  • イノシシ
  • ニホンザル

に食べ物を提供する場所であり、農地に張っている物理柵を撤収することは、餌場を彼らに提供することになるのです。

水田であれば、稲刈り後の株に二番穂が実り、ニホンジカ、イノシシなどにとっては格別のレストランです。

早生品種を育てている地域ほど二番穂がよく実り注意が必要です。

開放された農地で容易に食べ物が手に入ることを覚えたニホンジカやイノシシたちは、生活圏にこれらの土地を取り込んでいきます。

そして、警戒心がなくなると執着心を持つようになります。

写真は、ニホンジカが二番穂を食べた田の様子です。

現在、森林地帯でのニホンジカが増加中です。

シカが過密になった森林は植物に乏しく、農地に比べて極端に食べ物がない状況となります。

獣害対策として、田畑を獣類のレストランにしないことが重要です。

その手段の一つが、冬季も農地を守り、侵入をさせないことです。

積雪が少ない地域であれば、お米の収穫後もネット柵や電気柵を継続設置することをお勧めします。

一方、積雪が多い地域では、雪圧による柵の破損が起きる可能性があります。

そこで、降雪、積雪の様子をみながら、柵の撤去時期を探ることになります。

積雪期間が長い地域ほど、獣類の農地への依存は低下しますので、各地域の状況にあわせて対応することになります。

また、電気柵の場合、降雪、積雪により漏電が発生し、侵入防止効果がなくなります。

さらに、この漏電により、電気柵の本器にも、故障する可能性などの影響が及ぶ可能性があります。

積雪期間が長い地域であれば、冬季間の草花の生育は極めて悪いので、獣類は農地に執着しません。

ネット柵や電気柵の場合は、雪圧による破損を避けるために、一回目の冠雪を迎える頃にネットや柵線を外すのが良いでしょう。

ちなみに、豪雪地帯ではニホンジカやイノシシの生息は限られ、山中の日当たりの良い斜面が獣類を惹きつけます。

その理由は融雪により草花が顔を出すからです。

農閑期にも設置継続されている電気柵とネット柵の様子

イノシシは冬季、草木の根茎や土壌中の生き物を主食とします。

そのため、土が肥えた農地を掘り起こします。

また、ニホンジカやニホンザルは、農地に生育する草花に依存し易い動物です。

ニホンジカやニホンザルが農地で食べている植物には、

  • スズメノテッポウ
  • シロツメクサ
  • レンゲソウ
  • カンサイタンポポ
  • タネツケバナ

などが挙げられます。

過去、積雪の少ない地域で、獣類を誘引する草花を増やさない圃場の管理方法を調査したことがあります。

その結果、稲刈り直後の耕起を行なわず、翌年の3月まで待つのが、1番草花の生育を抑えられることが分かりました。

そして、コンバインにより裁断した稲わらを田に散布(マルチング)したり、秋に一度火入れをすることなどが田畑の草花の生育を抑制してくれることが分かりました。

かつては、早めに耕起すると切り株が肥料になって良いと言われ、それに従う方が大半でした。

今は不耕起栽培の技術の見出され、農法の選択肢も増えました。

二つの視点から、いろいろ書きましたが、結局のところ、既に野生動物が農地に執着している地域では、ワイヤーメッシュ等による物理柵が最も効果的と言えます。

これを基本としながら、

  • 農地管理や作付け工夫
  • 不要果樹の伐採
  • 廃棄作物の適切な管理

などの誘因除去に努めることが肝心です。

まずは、すぐに着手できる物理柵の継続設置について、この秋から見直してみませんか。

お悩みがありましたら、お問い合わせ下さい。

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この記事を書いた人

千々岩 哲

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