鳥類標識調査は、野生の鳥に個体識別のための足環などを装着して放鳥し、再捕獲や観察によって情報を収集、解析することによって、鳥類の渡りの実態や様々な生態を明らかにし、鳥類の保全施策やそのための国際協力の推進に役立てる調査です。
わが国では、1924年に農商務省によって初めて行われて以来約90年にわたって続けられており、現在は環境省が(公財)山階鳥類研究所への委託事業として実施しています。
全国各地での標識調査を実際に担っているのは、鳥類の識別について十分な知識を持ち、野鳥を安全に捕獲して放鳥する技術を身につけていることを認定された鳥類標識調査員(バンダー)です。全国で約450名のバンダーがボランティアとして活躍しています。
1961年以降に標識放鳥された鳥の数は2011年に500万羽を超え、調査を通じてさまざまなことが明らかになっています。