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「打ち込みうどん」が楽しめる結願のお寺 香川県さぬき市「大窪寺」(その107) - ロードバイクとスーパーカブで巡る四国八十八霊場と別格二十霊場

ロードバイクとスーパーカブで巡る四国八十八霊場と別格二十霊場

ロードバイクとスーパーカブで巡った108の霊場を順次ご紹介します。ブログの前半は寺の歴史と堅い文章が続きますが、後半は寺の見どころやご利益、寺へのアクセスや雑感などを書いてみました。🚲🛵

「打ち込みうどん」が楽しめる結願のお寺 香川県さぬき市「大窪寺」(その107)

第八十八番札所 医王山  大窪寺

(いおうざん  おおくぼじ)

住所 さぬき市多和兼割96

電話 0879−56−2278

長尾寺から大窪寺まで

距離  15.1km 標高差  +521m  -119m

長尾寺から大窪寺まで

縁起によると、養老元年(717)に行基がこの地を訪れた際、霊夢を感得し草庵を建て修行をしたのが寺の創建とされる。弘仁六年(816)、唐から帰国した弘法大師が近くの胎蔵ヶ峰という岩窟で虚空蔵求聞持法を修法し、堂宇を建立。等身大の薬師如来坐像を彫造し、本尊とする。また、唐の恵果阿闍梨より授かった三国(印度、唐、日本)伝来の錫杖を堂宇に納め、結願の地と定める。寺名は窪地にあることにちなみ、大窪寺と称する。本堂西側にそそりたつ女体山には奥の院があり、本尊に水を捧げるために大師が独鈷で加持すると清水が湧き出たと伝わる。霊水は薬とともに服用すると霊験あらたかとされるが、本尊の薬師如来は薬壺を手にした通常の姿ではなく、法螺貝を持つ。人々の悩みや厄難諸病を吹き払うために持ち替えたとのこと。寺は女性の入山が早くから認められため、「女人高野」として栄える。一時は百以上の堂宇を誇るが、天正の兵火や明治三十三年の火災など幾度となく災禍に見舞われる。高松藩主の庇護や歴代住職の尽力、人々の支援により、都度困難を乗り越えて今に至る。本堂は礼堂、中殿、奥殿(多宝塔)からなり、奥殿には木製薬師如来坐像と三国伝来の鉄錫杖が安置されている。大師堂の地下には四国霊場八十八箇所の小さな本尊が祀られ、八十八箇所のお砂踏みが出来る道場がある。一周すればそれぞれ参拝したのと同じご利益が得られると言われ、他の寺にも同様のものを見かけるが、大窪寺は八十八番目の結願の寺。この道場にて、それぞれの寺を思い浮かべながら廻るのも感慨ひとしお、とガイドブックに書いてあった。「同行二人」を共にした金剛杖などは、大師堂脇の寶杖堂(ほうじょうどう)へと奉納するのがお遍路の慣わし。これらの品は毎年春分の日と八月二十日に「柴灯(さいとう)護摩供」の焚き上げで供養される。寺は徳島県の県境に近い矢筈山(782m)の東側中腹、標高450m辺りの大きな窪地の中にある。昔は深山幽谷、天狗が住む胎蔵ヶ峰が背後に屹立する神秘を極めた道場であった。結願のゆるみか行き倒れて死んでいく遍路も多く、付近の草むらには名も知れぬ遍路の墓が埋もれているという。屋島で敗戦した平家の落武者がこの窪を通る際に目印に銭を置いたといい、落武者を弔った塚もある。寺はこうした深山に囲まれるように立ち、境内は細長くやや狭さを感じるが、開放感は十分。結願の記念写真を撮るお遍路さんも多く見られ、笑い声が飛び交うのは結願の寺ならではのこと。秋には境内のカエデやイチョウが綺麗に色づき、賑やかさに彩りを添える。山門を下ると土産物屋軒食堂が軒を並べ、名物「打ち込みうどん」の香りが漂う。根菜類に油あげ、豚肉、ねぎと打ちたての麺を煮込んだ秘伝の味だそうで、土産用もある。昔はそば粉八割の打ち止め蕎麦が名物だったらしい。結願の寺での過ごし方は人それぞれ。山中故に日が暮れるのが早いが、思い残すことなく楽しむのがよい。

御詠歌 南無薬師諸病なかれと願いつつ 詣れる人は大窪の寺

御本尊 薬師如来

真言 おん  ころころ  せんだりまとうぎ  そわか