こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
今回はSOUNDPEATSの集大成「Air4 Pro」をレビューします
8480円という価格でありつつ、ノイズキャンセリングや外音取り込みだけではなく、マルチポイントや低遅延モード、さらにaptX Losslessまで対応した性能だけで言えばコスパ化け物級のワイヤレスイヤホンです。
なかなかスペックがすごいよね。
今回はAir 4 Proをメーカーさんに提供していただいたので、Air 4やAir4 Liteとの比較もしつつ、Capsule3 Proも購入してきたので音質の差などを検証したいと思います。
▼動画版はこちら▼
Air4 Pro、AIr4、Air4 Liteと比較すると
1万円以下と考えれば恐ろしい性能の高さですね。
マルチポイント対応だけでもすごいのに、aptX Lossless対応、自動装着検出、アダプティブノイズキャンセリング機能など、細かな機能まで全て搭載。
唯一搭載していないのはワイヤレス充電くらいでしょうか。結構使う機能なのでココは残念。
Capsule3 ProはコーデックがLDAC対応、マルチポイント非対応、自動装着検出非対応なので、音質面ではLDACの方が良いという方もいますが、機能性はAir4 Proが全体的に上です。
スペックや性能面だけで見れば、コスパ最強の名にふさわしい実力です。
AIr4 Pro 外観・付属品
それではAIr4 Proの外観や付属品をチェックしていきましょう。
パッケージ
パッケージはいつものSOUNDPEATSらしいデザイン。
開封するとこんな感じ。
付属品
- イヤーピース(シリコン製)3ペア
- USB Type Cケーブル
- マニュアル
充電ケース・本体
AIr4 Proの充電ケースはSOUNDPEATSらしいデザインではありますが、ワンポイントの装飾に高級感がありますね。
筐体も薄いので胸ポケットにも収まるサイズ。
Air4 Pro、Air4、Air4 Lite、Capsule 3 Proを比較するとこんな感じ。
充電端子はUSB Type Cに対応。
充電ケースを開けるとこんな感じ。
デザインは今までのものとあまり変わらないですね。
ケースへの取り出しやすさも問題なし。
本体はスティック型を採用で、前作のAir3 Proとほとんど違いはないですね。
Air4 Pro、Air4、Air4 Liteと比べるとこんな感じ。
ノズルはやや楕円形。
最後に重さですが、総重量は41.1g、本体片耳の重量は4.6gです。
多機能なワイヤレスイヤホンとしては、かなり軽め。
AIr4 Pro レビュー
音質|バランスの整った音作り
AIr4 Proの音質はSOUNDPEATSらしいバランスの整った音作りです。
機能性の高さを考えれば、音質はかなりのレベルですね。
今回はXperia 5Ⅳを使ってaptX Losslessで検証しました。
このaptX Losslessというのが、ほぼ無圧縮で44kHz / 16bitで再生できるコーデックのことですが、Bluetoothなのにほぼ有線のような情報量で聴けるということです。
このaptX Losslessを聴くのはがSnapdragon 8 gen 1を搭載していて、なおかつaptX Losslessに対応したスマホが必要になります。なかなか対応機種は少なめです。
AIr4 Proの音の特長は次のとおりです。
4.0
高音
4.0
中音
4.0
低音
さすがaptX Lossless。Bluetoothで聴いている時のザラ付きのようなものがなく、有線で聴いているかのような緻密な情報量で再生できます。
音の傾向はやや柔わかめで、ほんの少しドンシャリという感じでしょうか。
前作のAIr3 Proよりもメリハリ感のある音になって、かなり良くなりましたね。
音のバランスが良く、解像度もそれなりに高く、ポップス全般にも合わせやすい音作りです。
極端に低音が多かったり少なかったりもしないので、万人受けもしやすい音ですね。
同価格帯の音質特化系のイヤホンや、1万円クラスには叶わない音質ではありますが、1万円以下で機能性の高さを保ちつつ、この音質と考えればかなりの実力かと。
ちなみにiPhoneでも聴いてみましたが、こちらでも同じ傾向でありつつ普通に音質は良いですね。
コーデック関係なく、機能性重視の1万円以下のワイヤレスイヤホンとしては十分な実力です。
Air4、Air4 Lite、Capsule 3 Proと比較すると
Air4 Proを、Air4、Air4 Liteと比べると、インナーイヤー型とカナル型との違いもあって、聴こえ方は異なります。
AIr4やAir4 Liteの方が抜け感が良くて自然な音ですね。Air4 Proの方がもう少しエネルギッシュな感じです。
ただ、Air4は外の音がガンガン聞こえてきてしまうので、電車の中で集中して音楽を聴くならAir4 Proがおすすめかと。
Capsule 3 Proはもう少し硬質で、煌びやかさのある音でしたが、AIr4 Proは柔らかめでバランスの良い音という感じでしょうか。
実力的には同じくらいで、LDACとaptX Adaptiveどちらの環境を用意できるか次第でおすすめは変わるかもといったところですね。
アダプティブイコライザーで自分にピッタリの音にできる
アプリでアダプティブイコライザーという機能があるのですが、これがなかなか優秀。
こちらでは各帯域に対して聴力検査を複数回行って、自分にぴったりのイコライザーを自動で決めてくれる機能です。
実際に完成したイコライザーがこんな感じ。
低域とボーカルライン、そして超高域が強調された波形になりましたが、メリハリ感の効く音になってとても好みの音になりました。
他の製品でアダプティブイコライザーをしたときはそこまで良い結果にならなかったのですが、今回はいい感じにしてくれましたね。
装着感|スティック型採用で圧迫感は少なめ
AIr4 Proの装着感はスティック型を採用していることもあって、圧迫感がなくて快適ですね。
実際に装着してみるとこんな感じ。
前から見ても飛び出しが少なめ。
長時間装着しても耳が痛くなりにくいですね。
スポーツ用途だとちょっと安定しにくいですが、通勤通学くらいであれば不満なく使えます。
耳栓タイプが苦手という方は
装着感 | (4.5) |
ノイズキャンセリング|風切り音がちょっと気になる
SOUNDPEATS Air4 Proのノイズキャンセリング機能ですが、価格に対しての遮音性はそれなりに高めのように感じました。
人の声や空調音などを抑え、オフィスやカフェでも周りの音をかき消し、集中して作業に没頭できるようになりますね。
カナル型を採用していることもあって、インナーイヤー型でノイズキャンセリングを搭載したAir 4よりもやはり優秀ですね。
ただ、気になるのが風切り音。駅のホームやビルの密集地など風が強い場所で使うと「ボォォォ」といった風切り音が強めに入ってしまいます。
スペック上では風ノイズ対策はできているとのことでしたが、僕はけっこう気になりましたね。
風の強い場所ではノーマルモードで使った方がストレスは少ないと思います。
ノイズキャンセリング | (3.8) |
こちらも参考にしてくださいね
【最強はこれ!】ノイズキャンセリング対応完全ワイヤレスイヤホンおすすめランキングTOP10
自宅でBGM感覚で聴くのに最適な外音取り込み
SOUNDPEATS Air3 Proの外音取り込み性能は、価格に対して取り込み量がそれなりに高く、イヤホンを装着した状態でも会話がわりとしやすい印象です。
自宅でBGM感覚でYouTubeを見たり、BGM感覚で音楽を聴くのに最適ですね。
ただし、こちらも風切り音が大きめなので、屋外でBGM感覚で聴いたりジョギング時に周りの音を聴きながら走る際にはおすすめできません。
ノイズキャンセリングと同じく屋内用として割り切った方がストレスなく使えると思います。
外音取り込み | (4.0) |
こちらも参考にしてくださいね
タッチパネルの感度がやや悪め
SOUNDPEATS Air3 Proの操作はタッチパネルで行います。
項目 | 操作方法(デフォルト) |
---|---|
再生/停止 | L or R側を2回タップ |
曲送り | R側を長押し |
曲戻し | 対応していない |
音量を上げる | R側を1回タップ |
音量を下げる | L側を1回タップ |
電話を受ける | 着信中にL or R側を2回タップ |
着信拒否 | 着信中にL or R側を長押し |
通話終了 | 通話中にL or R側を2回タップ |
外音モードの切り替え | L側を長押し |
音声アシスタント | R側を3回タップ |
低遅延モード | L側を3回タップ |
ペアリングモードへの移行 | 充電ケース裏側のボタンを3秒間長押し |
音量操作や選曲、再生/停止など、あらゆる操作は行えます。ただ、曲戻しはできません。
また、1回タップで音量操作がされてしまうのですが、これが個人的には慣れなくて操作を間違えてしまうことが多かったですね。
感度も少し高いので、触ってしまったタイミングで音量がアップダウンされてしまい、ストレスが溜まることが多かったです。
アプリで操作のカスタマイズはできないのも残念です。
ただ、低遅延モードを本体操作のみでONにできるのは強いですね。
ノーマルモードを挟んでしまう
ノイズキャンセリングと外音取り込みモードの切り替え時に、必ずノーマルモードを挟んでしまうこと。ここが個人的に気になる部分なんですよね。
ノイズキャンセリングイヤホンは、基本「ノイズキャンセリング」か「外音取り込み」しか使わないのに、ノーマルモードを挟むことによって「外音取り込み」から「ノイズキャンセリング」に移行するために2回の操作が必要になってしまうんですよ。
これがわずらわしい。
メーカーによっては「ノーマルモード」をオフにすることもできますが、SOUNDPEATSは対応できていないようです。
これが一番気になるのでSOUNDPEATSさん、早くなんとかしてください。
マルチポイントの挙動について
マルチポイントの挙動はかなり良いですね!
電源をONにした瞬間にあらかじめ接続しておいたXperia 5ⅣとiPhone 15 Proに繋がりましたね。2台目への接続がめちゃめちゃ早いです。
挙動としては後から再生した方が優先されるようですね。
3台目のデバイスには繋がりませんが、あらかじめペアリングさえしておけば、Bluetoothリストからタップしただけで再接続されます。
Bluetoothの接続切り替え周りは、最近使ってきたどのイヤホンよりも優秀ですね!複数デバイスを使う人には良いと思います。
通話品質|ノイズに強い
マイク音声も実際に録音してみました。以下の音声をよければチェックしてみてください。
音声は少しガサつきますが、バックのノイズはかなり消えています。
ある程度騒がしい環境でも、問題なく通話ができそうなレベルですね。
ただ、こちらも風ノイズに少し弱い
通話品質 | (4.0) |
ゲームも普通にプレイできる
Air4 Proは低遅延モード(L側を3回タップ)を搭載しており、スマホゲームをする時も遅延がほぼなくプレイできます。
音ゲーをしてみましたが意外とタップのタイミングが合う印象で、高スコアを狙わなければ十分なほど。FPSも問題なくプレイできますね。
また、低遅延モードにしなくても動画鑑賞であればほぼ遅延がないため、YouTubeやアニメを見ても違和感なく見ることができますね。
AIr4 Pro まとめ
AIr4 Proをまとめると以下のとおりです。
総合評価
4.5/5
Air4 Pro
- 機能性と価格を考えれば音質はとても良い
- aptX Losslessで有線クオリティの音で聴ける
- マルチポイントの切り替えが早い
- ゲームモード搭載
- ワイヤレス充電非対応
- 風切り音が大きい
- 操作のカスタマイズができない
- 外音モード切り替え時にノーマルモードを挟む
4.0
高音
4.0
中音
4.0
低音
4.5
装着感
3.8
ノイズキャンセリング
3.8
外音取り込み
4.0
マイク性能
4.3
利便性
Bluetooth | 5.3 | 最大再生時間 ※ANC ON時 | 本体6.5時間/ ケース込み26時間 |
コーデック | SBC,AAC,aptX aptX Adaptive aptX Lossless | 充電時間 | ケース:約1.5時間 本体:約2時間 |
ドライバー | 13mm ダイナミック型 | 充電端子 | Type C |
専用アプリ | ◯ | 防水 | IPX4 |
ノイズキャンセリング | ◯ | 質量 ※片耳/ケース込 | 3g/36g |
外音取り込み | ◯ | ゲームモード | ◯ |
自動装着検出 | ◯ | 保証 | 1年 |
マルチポイント | ◯ | 公式サイト | こちら |
AIr4 Proはこんな人におすすめ
- 1万円以下で音質を重視しつつ、機能性にもある程度こだわりたい
- aptX Adaptive、Losslessに対応したAndroidを所持している
- 複数のデバイスを使い分けることが多い
- ワイヤレスイヤホンゲームをすることが多い
Capsule3 Proはマルチポイント非対応だったのでスルーしていましたが、今回からマルチポイントに対応したのでめちゃめちゃ利便性が良くなりました。
あとは操作面と風切り音をなんとかして、さらにワイヤレス充電までつけば1万円以下最強クラスです。
こういうハイコスパ系のイヤホンの中でも、SOUNDPEATSは特に音質が良いので、機能性も大事だけどやはり音質は一番重視したいって方におすすめしたいイヤホンです。
以上! AIr4 Proのレビューをお送りしました。
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