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東稜コースから念願の墓場尾根 - KAZASHI TREKKING CLUB

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四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

東稜コースから念願の墓場尾根

2023年10月20日 | 四国の山


先週、奥様たちはツアーで焼岳に登ってきて天気も良く満足して帰ってきたのに‥‥。

石鎚山の紅葉が見たい!』と宣う。『なんて欲張りなんだ・・・』と思いつつも、素

振りも見せずに『わかりました』と答えた。あっちゃんの『紅葉が見たい』というのは

弥山からの天狗の紅葉もだが、東稜コースから見上げる南尖峰の紅葉を見てみたいのだ

ろうと直ぐに勘ぐった。そして南尖峰からは絶対墓場尾根まで行くと言うだろうと、

これも直ぐに予想が付いた。

ただ私自身がまだ墓場尾根まで降りた事が無く、前回は大砲岩に行く途中で引き返した。

奥様を案内するには不安があったので、ここは石鎚山のスペシャリストのエントツ山さ

に助力を仰いだ。電話もせずに自宅に押し掛けて、『イアマイチ墓場尾根までのルー

トが分からないから教えてください』と玄関先で話をすると、わざわざ部屋にあげてく

れて、カレンダーの裏紙に手書きで絵を描きながら詳しく説明してくれた。2枚ほど絵

を書いてもらったらほぼそのルートが頭に入ったので、お礼を言ってお家を後にした。

すると丁寧に後から書き直してくれた絵をもう一枚送ってくれた。これで完璧!




そして『今週は石鎚山の墓場尾根に行ってきます!』と同級生のLINEグループのト

ークに書き込んだら、『一緒に行きたいと』神戸の同級生から連絡が入った。先週末に

大峰山系の小屋泊まり縦走から帰って来たばかりなのに、奥様たちといいみんな何かに

憑りつかれた様に山に出かけている。一番しょぼいのはヘッポコリーダーだった。


天気予報は今日まで晴れマーク。唯一の不安材料はこの季節によくあるガスがかかる事。

そう思いながら車を走らせると、高速を降りて西条市の途中から、朝陽に当たって霊峰

石鎚山がくっきりと見えた。『ヤッター!』

UFOラインは現在時間通行制限がかかっているので、工事が始まる前に通過。南に見

える高知の山々、自念子の頭瓶ケ森も申し分のない空の下で輝いていた。














前回にこのシーズンに来た時は平日にもかかわらず駐車場には停められず、石鎚スカイ

ラインを少し下った路肩に車を停めたが、今日はそれほどでもなくすんなりと停められ

た。先週がピークだった情報が色々と上がっていたので、すでにピークアウトしたと思

われているのかもしれない。駐車場からの南尖峰に向かって『待ってろよ!』と。







『やっぱり寒いね』と言いながら、上着を一枚羽織って歩き始める。そう言えばこの石

鎚山に初めて来たあっちゃんが、途中で木々の間から度々見える瓶ケ森を指さして『あ

の山は何て言う山?』と何度も聞いてきたのを思い出す。あれから数年、奥様たちとは

色々な山を歩いて来て、二人も数段レベルアップしてある程度の山座同定が出来る様に

なってきたので、瓶ケ森が見えても質問してこなくなった。











土小屋からの登山道は鶴ノ子ノ頭を過ぎるあたりまではなかなか陽が当たらず薄暗いが、

それがかえって優美な雰囲気を醸し出している。













鶴ノ子ノ頭を過ぎると登山道は稜線の南側になり、先ほどまでとは打って変わって明る

い日差しが降り注ぐ。第一ベンチで最初の休憩。水分補給と暑くなってきたので上着を

脱ぐ。ここから今日二回目の南尖峰。その南尖峰の左手に見えるニノ森を指して、奥様

たちに『さて問題です。あの山は?』と聞くとルリちゃんは『岩黒山』、あっちゃんは

『瓶ケ森』ととんでもない答えが返ってきた。先ほどの『格段に進歩しては』即撤回!











第一ベンチからは笹原の中に階段状の道が続いて行く。そして南尖峰がどんどん近づい

てくる。そして振り返るとピラミダルな形をした岩黒山。その奥に墨絵の様に峰々が続

き、雲海も見えている。南尖峰の岩稜からは錦秋の帯が斜面が走り、さらにその下の明

るい緑の笹と濃い緑のモミの木の斜面とのコントラストが素晴らしい!



















第二ベンチも過ぎ、いよいよ東稜基部の第三ベンチに。ここでルリちゃんに南尖峰の紅

葉の素晴らしさと今日の天気とのマッチングを説明して、何とか一緒に登ろうと説得す

るも、やはり南尖峰の直下の最後の岩が不安だということで、ここで別れてルリちゃん

一人で登山道を歩いて行くことになった。





それではと、南尖峰アタック隊?は通行禁止の道を進んで行く。以前に比べると踏み跡

がはっきり付いて迷わず進んで行けるようになったこの東稜コース。危険な箇所も殆ど

なく、もはやバリエーションルートでもなくなった。果たしてこの形骸化した通行禁止

の看板の意味があるのだろうか?出処はわからないがただの責任逃れの看板にも見える。

樹林帯の中をしばらく登って行くと目の前に仰向けになって寝ている老人が現れビック

リ!少し話を聞くと『ここまで登って来たが、バテたのでここから引き返す』と言う。

更に『前に歩いている三人組の人たちが、一緒に登ろうと言ってくれたが、待ってくれ

ていたらいけないので引き返すと伝えて』くれと伝言を頼まれた。







『わかりましたお伝えしますね』と言ってその老人の脇を抜け歩いて行く。樹林帯を抜

けると背丈ほどの笹が現れた。足元の踏み跡を確認しながら、平泳ぎの北島康介ばりに

両手を動かし、笹を掻き分け掻き分け進んで行く。

















途中でメタボ測定の2本の木がある。この木の間を真っすぐに通り抜けれれば異常なし。

身体を斜めにしなければ通り抜けられなければメタボと判定される。?

もちろん痩せのあっちゃんは問題なしと思いきや、『あれ、斜めにしている!』。

笹は益々濃くなっていく。踏み出し掻き分ける度に埃が舞い上がる。この辺りまで来る

笹滝矢筈岩が迫ってくる。











笹滝に入る手前で少し岩を登るヶ所があった。以前はなんでもなかった場所で、足がか

りが分からずに躊躇する。そして新たに分かった事は以前に比べると身体が固くなって

いる。大した高さでもないのに足が持ち上がらない。無理やり持ち上げようとすると攣

りそうになる。情けない・・・・。

笹滝の中央部には道とわかる踏み跡がくっきりと見える。その道を三人のグループが登

っているのが見えた。『さっきの老人に伝言を頼まれた人たちだ』。笹滝の左手は面河

に続く支尾根。この尾根も錦秋で彩られている。











笹滝の道は深く掘れていて何ヵ所か高い段差がある。両手で笹を握って太った重たい

身体を『ヨイショ!』と持ち上げる。笹滝を登りきると少し左に振って登って行くと、

左手に小さなコブのある鞍部に出た。ここで先ほど笹滝を登っているのが見えた三人が

一息入れていた。老人からの伝言を伝えると、その老人は60歳から山登りを始めて4

00名山を全て登って、今日の石鎚山を最後に今後は里山をのんびり歩くと言っていた

そうだ。小柄で太った老人が・・・・・人はほんと見かけによらないな~。

三人組の写真を撮ってあげて、反対にこちらも写真を撮ってもらう。














写真を撮ってもらった場所から後ろに見える岩尾根を右から巻いて登って行くと南沢

上部に出る。写真では緩やかに見える笹滝も反対側の支尾根を見ると結構な斜度だとい

うのが分る。











その南沢最上部から岩尾根を乗り越えると今度は西沢(中沢)の笹滝。もうここまで来る

と南尖峰がすぐ目の前だ。南尖峰のからの支尾根の途中には大砲岩墓場尾根が見える。

そしてよくよく見ると墓場尾根に登っている人の姿がある。














ここから笹滝に沿って登って行くとカニの横這い。もちろん三人ともに難なく通過!

南沢、西沢そして墓場尾根の下部から続く北沢と、南尖峰から東稜コースにかけて、

三つのバリエーションルートがあるらしい。そしてエントツ山さんは三つとも面河から

登り詰めているのには、ほとほと感心する。













カニの横這いを過ぎ更に登り詰めて行くと、少し高さのある岩場。ここでスリングを使

っている人を見かけるが、三人ともノーマルでスイスイ登れた。この岩場を登りきると

また絶景が広がっている。足元では支尾根の岩稜の紅葉の中、カニの横這いの手前で先

ほどの三人の姿が見える。瓶ケ森の奥には石鎚山系・赤石山系の山々。














そしていよいよ南尖峰直下の最後の岩場。エントツ山さんには目印の白骨樹の右斜め下

から取り付くと登りやすいと教えてもらったのだが、みて見るとどうも足がかりが見当

たらない。そこで白骨樹の真下から取り付いて見るが、神戸の山の会で最近ロッククラ

イミングの練習もしているという同級生のムラちゃんもうまく登れない。交代して私も

チャレンジするが右上に手掛かりがなくて足を上へと運べない。前回はスイスイと登っ

て上からロープを垂らしたのに・・・・・。(汗)

何度か交代しながら取り付き位置を変えながらチャレンジしたら、最後にムラちゃんが

登って行けた。早速ロープをダブルで木から垂らしてもらって、あっちゃんが続く。

最後に私が登って行きロープを回収する。それにしても歳はとりたくないもんだ。禁煙

してから体重が5kg増え、身体は益々固くなり筋力も衰えホント情けない限りだ。




















南尖峰からはエントツ山さんに書いてもらったルート図をイメージしながら降りて行く。

この間の下りは急ではあるけれど足がかりや掴む木や笹もあって比較的容易に下ってい

ける。左手に岩肌が現れ大砲岩が見え始めると左斜め下に今日の目的地の墓場尾根が見

える。柱状節理で角型の柱状になった岩が何本も空に向かって飛び出している。その手

前のドウダンツツジの赤がその岩をなお一層引き立てる。視線を墓場尾根から右にパー

ンすると、西ノ冠岳から二ノ森への稜線。樹種が違うのかこの辺りは色づきがさほでは

なかった。




















岩肌斜面の最下部まで下り、エントツ山さん教えてもらった通りに今度は岩肌の反対側を

折返して斜め右上に向かって登って行く。右手に大砲岩が迫ってくるが、さらにその上ま

で登ると大砲岩に向かって2・3枚のステップになる岩がある。その岩を渡ると大砲岩。

上を見ると南尖峰の先端。左を見ると西沢の左岸?の支尾根。













さらに左に樹林帯の中へと入って下って行くと三段ほどになった展望岩に出る。ここか

らは大砲岩と二ノ森への稜線が見渡せる。展望岩からは先に二人に墓場尾根へ降りても

らって写真を撮る。










あっちゃん念願の墓場尾根登頂成功!!あっちゃんと若干腰が引けているように見える

ムラちゃんも、神戸から来た甲斐があったというもの。














きれいに写真は撮れたがこの展望岩からだと墓場尾根の高さがイマイチだ。写真を撮る

なら大砲岩からがベストかもしれない。あっちゃんと交代して私のデジカメのボタンの

説明と操作の説明をして渡す。墓場尾根に立って展望岩のあっちゃんに声を掛けるが、

操作が分からないという。今さっき実際に操作しながら説明したのに。しまいには『削

除しますか?』と画面に表示されていると言う。いやいや今まで移してきた写真を全部

削除されたらたまったもんではない(冷や汗)。慌てて『もういいです!』と言った後

に自身のスマホで撮ってくれた写真がコレ!











三人ともに?写真が撮れれば、先に弥山の山荘にいるはずのルリちゃんが、時間を持て

し余して待っているはずなので、急いで引き返す。展望台から登って行くと下りでは気

づかなかった岩屋の中に銀マットが敷いてあった。誰が?何の為に?

大砲岩から岩肌斜面も快調に下って行く。この辺りの地層は溶結凝灰岩らしいが斜度が

ない場所では意外とフリクションがあって四つん這いだが歩いて行ける。














岩肌から南尖峰に向かって登り返す。結構下ってきたので当然結構な斜度を登って行く。

この辺りから私は完全にシャリバテになり、足がなかなか動かない。後ろから来ていた

二人に先に登って行ってもらう。登りきった南尖峰には天狗岳から次々と人が来ていた

ので、先へと急ぐ。







天狗岳の右手からガスが上がり始め、山頂では記念撮影をしている人の姿も見える。










南尖峰の岩肌のダケカンバももう終盤。ただ申し分ない天気に岩黒山を背にした土小屋

の建物まではっきりと見える。そして夜明かし峠から成就社への道の山肌の色付きは今

がピークかもしれない。赤にオレンジ、黄色の色が緑の中に浮かんでいる。














天狗岳では東稜コースで会った三人組さんが写真を撮っていた。ここでもお互いに交代

して写真を撮り合った。天狗岳から弥山へは天狗岳へと向かう人と離合するのに何度か

立ち止まる。それでもいつもと比べれば随分とマシな方だった。













それでも弥山では多くの登山者で賑わっていた。まずは石鎚神社にお参りをしていると

ルリちゃんがやってきた。山荘で何時間も待つのも何なので、西ノ冠山まで歩いてきた

そうだ。参拝の後は速攻でさおりんのいる山荘に駆け込む。カレーライス!











カレーライスを待つ間に三人はビールで乾杯。運転手の私はお預けでふくれっ面!

山荘で30分ほど過ごした後さおりんと記念撮影をした後下山開始。するとあっちゃん

がどうしても三ノ鎖を下りたいと言う。『どうぞどうぞ!』と言って三人は登山道へ。

直下のスチール階段を下りきり、三ノ鎖の足元まで来るとまだ下ってきている途中だっ

たので、しばらくの間鎖を下ってきているあっちゃんのお尻を眺めながら待つ事に。そ

して鎖を下りきった後あっちゃんに話を聞くと『もうあまり楽しくなかった』そうだ。

なんじゃそれ!




















三ノ鎖からの途中で前を歩く10人以上の列がゆっくりと下っていてこちらが詰まって

しまう。グループなのかバラバラなのか分からず後ろを付いていたが、このままでは土

小屋が何時になるか分からない。奥様たちもおしゃべりしながら後ろを付いて行ってい

る。時間が気になり始めたので少し広くなった場所で一気に追い抜くと、先頭のリーダ

ーらしき人が声を掛けている。グループならもっと早く後ろが詰まっているのに気づく

べきだと思いながら、UFOラインの時間制限の時間に間に合うように先を急ぐ。

ただ途中の北壁の下あたりの色付きも素晴らしく、度々立ち止まっては写真を撮ってい

るうちに、三人の姿は見えなくなってしまった。(何十枚もとったけれども北壁の影で

暗く写って綺麗に撮れていない)



















第三ベンチで待ってくれていた三人に何とか追いつくが腰の痛みが酷くなってきた。先

ほどまで両ひざが痛かったのが、腰が痛み始めると膝の痛みが不思議と無くなった。人

は二ヵ所も三ヵ所も同時に痛みを感じることは無いようだ!『神は二物を与えず』とい

うが、『神は二痛を与えず』なのだ。(本当かな)














登山靴の中に小石が入ったので道の脇で腰を降ろして登山靴を脱ごうと膝を曲げると、

太腿の内側が攣った。筋肉が大きいだけにその痛みは半端なく思わず悲鳴をあげた。

何も知らない三人はサッサと先を歩いて行く。結局痛みで足を曲げられず登山靴を脱ぐ

事も出来ずにそのまま足が攣ったまま小石が入ったまま歩き始める。道の脇のあちらこ

ちらで咲くリンドウだけが『がんばって!』と励ましてくれる。














第一ベンチから見る南尖峰にはすでにガスがかかっていた。ここまで来ればあと少し。

八方ブナを少し小ぶりにしたようなブナの黄葉ももう最後の様だ。










明日は天気予報では雨模様。その後はまた冷え込むようなので、石鎚の紅葉の見ごろも

今日が最後かもしれない。シコクシラベの林を抜け、モンベルの建屋が見えた時はいつ

になくホッとした。車まで戻り登山靴を脱ごうとベンチに腰掛けるとまたいっそう痛み

が酷くなった。幸い左足なので運転に支障はないだろう。







帰りの道のUFOラインの彩りもやはりピーク。この紅葉を見に来ているのだろうか、

登山者ではない普通のいで立ちをした人たちの車と何度もすれ違う。

暑い暑い夏がやっと終わったと思っていたら一気に冷え込みもうすぐ冬の気配がしてくる。

ただ四国の山の紅葉は石鎚山がスタート。まだまだこれから楽しみだ。














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