愛犬・愛猫の熱中症、油断しやすい5月6月が落とし穴!

5月も後半に入り、急に暑さが増してきたため、ニュースで熱中症の事故が取り上げられることも多くなりました。愛犬・愛猫にとっても、注意が必要といえます。熱中症を起こしやすい気象条件や熱中症にさせないためのポイントを知り、早めの対策を心がけましょう。

2013年5月20日RSSRSS

熱中症は真夏の病気?

熱中症は、高温・多湿・風通しの悪さなど、条件がそろってしまえば1年を通していつでも起こってしまう危険性があります
とはいえ、やはり気温が上がる夏場に起こることが多く、ペットウェルでも真夏に熱中症やそれに関連するページがよく見られています。昨年は、テレビで人気のタレント犬ZIPPEI兄弟が熱中症で命を落とすという事故が大きく取り上げられましたが、基本的には夏場は熱中症への関心も高く、多くの飼い主さんが何かしらの対策をしているため、事故は減ってきているという話もあります。
けれども、実際に熱中症の事故が増え始めるのは、夏というにはまだ早いGWの頃から。夏場と比べてこの時期には、愛犬・愛猫の異変を感じても、熱中症と結びつかないケースが多いようです。実際、ペットウェル病気辞典で5月6月の閲覧データを見てみると、「熱中症」を閲覧する方は、7月8月の合計閲覧数に比べて犬で約1/10、猫では約1/14となっています。また、熱中症が疑われる症状「息があらい」の項目から次に閲覧するページが、7-8月では熱中症が16.4%と1番多くなっていますが、5-6月ではその半数以下の6.6%と、熱中症への意識の違いがはっきりと見て取れます。

なぜ5月6月は危険?

人は汗をかくことで体温を調節することができますが、犬や猫には汗腺がほとんどないため、ハァハァという呼吸(パンティング運動)によって、呼気そのものや唾液などの水分を蒸発させることにより熱を逃がして体温を調節しています。けれども、湿度が高いと水分が蒸発せず、体温を逃がすことが難しくなってしまいます。
一般的に、犬は気温22度、湿度60%以上で熱中症を起こす危険性が出てくると言われています。気象庁の2012年のデータを見てみると、犬が熱中症にかかる危険性のある条件を満たす日は、5月で16日、6月で23日にものぼります。一方、飼い主さんの熱中症への意識は夏場に比べ低く、油断しがちなこの時期こそ愛犬・愛猫を熱中症から守るために注意が必要だとペットウェルでは考えます。

夏日(最高気温25度以上)の日数を見ると、4月では1日のみだったのが、5月になると12日となり、急激に暑さが増していることがわかります。

湿度が高いと呼吸による体温調整が難しくなります。月平均湿度が70%以上となる6月は、人にとってはそれほど気温が高いと感じない場合でも注意が必要です。

熱中症を防ぐには?

熱中症を予防するには、飼い主さんの注意と対策につきます。炎天下での散歩や激しい運動・高温多湿の室内や車内での留守番を避けることはもちろんのこと、気温が低めでも湿度の高い日には、愛犬・愛猫をよく観察することを心がけましょう。体温が上昇していないかを確認するために、こまめに体を触ることも大切です。愛犬・愛猫が興奮しやすい性格の場合、興奮による体温上昇にも気をつけてください。また、室内で一緒に過ごす際も、愛犬・愛猫が生活する位置での温度・湿度のチェックを心がけましょう。猫の場合、自由に動ければ、自分で過ごしやすい場所を見つけます。西日の差し込む部屋や空気がこもりやすい押し入れの中などに、うっかり閉じ込めてしまわないように注意してください。

熱中症になってしまったら

愛犬・愛猫がハァハァと息苦しそうに呼吸をしたり、よだれを大量に出すほか、悪心や嘔吐、下痢をしたり、一時的にふらついて倒れてしまうなどの熱中症の症状が見られた場合は、とにかく体を冷やすことが肝心です。風呂場や流し台で体全体に冷水をかけたり、冷水で濡らしたタオルで体を包むなどして、急いで体温を下げましょう。頸部、脇の下、内股のつけねなど、太い動脈が走る部分を重点的に冷やすと効果的です。
体温を下げて症状が落ち着いたように見えても、油断は禁物です。見た目は平常に戻っていても、体内の循環器や臓器がダメージを受けている可能性があるため、必ず動物病院で診察を受けるようにしましょう。
熱中症は愛犬・愛猫の命に関わる危険な病気ですが、飼い主さんの注意次第で確実に防げる病気です。早めの対策を心がけて、愛犬・愛猫を守りましょう。

関連リンク

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