本日は、大阪に行っておりますタイ君のオーナー様U氏より写メが届きましたので紹介します。
先ずは、メッセージからご覧ください!
こんにちは大阪のUです。
我が家のタイは本日で8ヶ月となりました。
毎月、2キロペースで増えていた体重も少し落ち着き、1キロ増えて20キロとなりました。
夏バテなのか食欲があまりないです。
山歩きは毎週行っていますが、熊にファイトしたり、猪にひと鳴きしてやめて違う所へ行ったり、鳴かずに鹿を追いかけたり、小動物(何かは不明)を噛み口の周りを血まみれにして帰ってきたり、大きなトンボにひたすら鳴いたりと上手くいかない事が続いております、
本人は楽しいのか1時間以上帰ってはきません、1キロ位離れた所まで行けているのでそこは成長したかなと思っております。
ご質問なのですが薩摩ビーグルは雨の日は匂いをとるのは苦手でしょうか?
薩摩に限らず猟犬全般、苦手なのでしょうか?
はたまた我が家のタイだけなのでしょうか…。
雨の日は必ず、全然ダメです。
ちなみに散歩などは雨でも喜んで出ていきます。よろしくお願いいたします。
まだまだ暑い日が続きますのでお身体お気をつけください。
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タイ君も8ヶ月になったのですね!。体重も20kgと順調に成長している様で何よりです。
さて、『サツマは雨の日は臭いを取るのが苦手なんでしょうか?』との質問について、分かる範囲でお答えします。
結論から申し上げますと、成犬の場合は山入の際に小雨や小雪が降っていても問題なく仕事(起こし、追跡)はします。
また、追跡中に雨が降って来ても問題なく追跡します。
お尋ねのタイ君の場合ですが、未だ生後8ヵ月になったばかりの幼犬ですので、多くを期待することは如何なものでしょうか。
尚、我家では猟期中でも雨が降っている時は滑落等の危険性が考えられますので、山入は一切致しません。
・・ので、お答えは出来兼ねます・・。
それでは、ご主人様の私見(サツマ限定)を申し上げます。
尚、話しは少し長くなりますので夏山訓練に興味が無い方はスルーして頂いて結構です。
先ず、雨が降っている時の猟犬の仕事ですが、季節と雨量にもよると思います。
今の梅雨時期、猟場は蒸し暑く、成犬でも動きが悪くなるのが一般的です。
この様な過酷な猟場で、僅か生後8ヵ月になったばかりの幼犬だとなお更です。
サツマは水を極端に嫌う犬も少なくなく、この様な犬は山入時に可成りの雨が降っていますと山入を嫌います。
今は静岡に行っています名シカ猟犬で追跡の名手「ハチ」は、極端に水を嫌い雨が降っていますと濡れるのを嫌がって輸送箱からは絶対に出ませんでした。
また、追跡中でも雨が沢山降って来ますとサッサと追うのを止め、車の下に帰って来ましたので、とても使いやすかったです。
考えても見てください・・、早く一人前の猟犬にしたいのは誰も同じと思いますが、暑い日や雨の日は返って山入しても何のメリットも無くガッカリして帰宅するのは極当たり前と考えます。また、ガッカリするのは訓練犬とて同じです。
訓練者は、訓練犬にはあれこれと要求しますが、一度自ら蒸し暑い雨の日の猟場で何時間も歩いて見てください・・もうヘトヘトになり二度と猟場には行きたくないと思うはずです。
先ず、若犬(又は幼犬)の夏山訓練は、環境を十分考慮し、ベストなコンディションで山入させてやることが良い結果に繋がります。
因みに、我家では7月~9月中旬までと雨の日は原則山入はしません・・。
悪条件の中で無理をしても、返って逆効果になる場合が少なくないからです。
我家で若犬の夏山訓練する場合は、標高が700m級の高地に早朝6時迄には猟場に到着し、涼しい内に約1時間余り林道を遊ばせる気持で山入を行います。そして、訓練犬の尻尾に注目し、尻尾が垂れ口を大きく開け息をする様になれば訓練を中止し、帰宅する様にしています。
尚、車内に輸送箱を入れず荷台に乗せて帰宅(移動)する場合は、箱内温度も上昇し熱射病になり帰るとぐったりし動物病院のお世話になることも少なくありません。
我々猟犬は、基本的に山入は大好きですが、人間様の様に汗腺が有りませんので汗をかいて体温を下げることは出来ませんので、口を大きく開け、呼吸を早くするしか方法が無いのです。
ですので、猟欲が出たばかりの訓練犬を夏山訓練する場合には訓練者がよくよく注意を払って行わなければなりません。
猟欲が先に立って無理をしがちですので、むしろ山入を中止することも訓練者の心得と思います。
我家の山入訓練は、訓練犬の自主性に任せ、訓練犬の立場になって考動することを第一義としています。
我家の訓練三則『 焦らず 急がず 騒がず 』・・これは訓練者(ご主人様)への戒めしとして肝に銘じ山入しています。
我々サツマビーグルは、もともと藪入り(捜索)が良いので、早朝に林道で遊ばせていれば自然と野生動物の臭いを拾い林道から離れ起こしに繋がり「初鳴き」となります。
初鳴きをしますと、間隔を開けずに山入してやれば自然と長く追えるようになります。
猟付きが早い犬は、山入訓練を始めた時から初鳴きする場合も稀にありますが、初鳴きが早いからと言って名犬になるとは限りません!。
我々サツマの山入訓練は、訓練犬を信じ遊びの中で学習させることで訓練者とのコミュニケーションもとれ、使いやすい頼れる狩猟犬になるケースが多いのも事実です。
ので、括りワナに掛かったシカやイノシシに当てる訓練は、我々サツマには逆効果になることが多いので絶対にしないでください。
理由は、サツマは利口で賢い犬種ですので「イノシシは攻撃をしても止まってくれる」と思い込み(学習し)、実猟で思わぬ負傷することも少なくありません。サツマ保存会員様で、過去に負傷した傷が悪化し死亡したケースも有りました。
下は添付されていましたタイ君の写真です。
因みに、タイ君の血統構成は、父:ダイ×母:マリーです( 京都K氏の作出犬です )
中々、素晴らしい体躯のサツマビーグルで将来は狩猟犬としてだけでなく種牡としても活躍して欲しいと願っています。
最後に・・・
タイ君の兄妹は4頭いますが、訓練で分からないことがあれば、何時でも何なりとご主人様の携帯電話まで連絡を頂きますと、出来る限り分かりやすくご指導させて頂きます。
尚、上記しました様に夏山訓練は時間と場所を選んで行わないと、返って逆効果になり兼ねません。
ので、9月中旬の朝夕が涼しくなった時から訓練を始めても決して遅くはありません。
また、夏山訓練は訓練犬も訓練者も水分補強が十分でないと熱射病になり兼ねませんし、訓練者はマダニ感染症、訓練犬はレプトスピラ症を発症する危険性も伴いますので十分な注意が必要です。
尚、訓練犬がレプトスピラ症に罹りますと先ず助かる見込みは有りませんし、仮に命を取り留めても猟犬として活躍することは難しいと考えます。我家も過去にアメビーを5頭殺し、回復した犬も生きているのがやっとで、ましてやノウサギ猟犬しての復活は皆無に等しい状態でした。
では、本日はこの辺で失礼します・・(@^^)/~~~
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本日も最後までお付き合い下さり、ありがとうございました!
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