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秩父札所三十四観音霊場 day1 札所1番四萬部寺から15番少林寺まで(3月1日)
去年行ったお遍路は本当に楽しくて、今年もまた行きたいと思いました。
しかし、些細なことが決められないで、どうしようかと考えているうち、結局春になってしまいました。
些細な事というのは、重ね印です。
お遍路に限らず、巡礼の二周目以降は同じ納経帳を使います。
重ね印というのは、すでに墨書きがしてあって納経印も押してある同じページに、また納経印を押すことです。
折角綺麗に押してある納経印が、ごちゃごちゃになっていき、最後にはページ全体が真っ赤になります。
車やバスで100回周って錦のお札を使いたい人なら、真っ赤になるのが最終形態ですから、それでいいでしょう。
しかし、歩き遍路の私はせいぜい年に一回です。
まばらに重ね印が押されている納経帳を見せてもらいましたが、なんだかもったいない気がしました。
それで初心者と思われてもいいから、次回も新しい納経帳で周ろうかなと、そんなことを考えているうちに、秋からの良いシーズンを逃してしまいました。
突然、そうだ今度は日本百観音を周ってみようと思いつきました。
発心とはそういうものかもしれません。
そういえば、四国88番札所大窪寺の公認民宿八十窪の大女将さんが、「私は若いときに四国も百観音も周った」と言っていたのを思い出しました。
百観音巡礼を調べてみると、東国と西国が33カ所、秩父が34カ所で合計100カ所の観音様のお参りをするようです。
さらに調べてみると、東国、西国はどちらも全長1000km以上ですが、秩父は全長100km、一週間ほどで歩けることがわかりました。
また秩父には四国の黄色い地図のような必携のガイドブックはありませんが、歩きで周る人向けに、各札所で地図をくれることがわかりました。
ここまで調べたところで、一度歩きに行ってみることにしました。
春先で天気が安定していないので、まずは日帰りで1番札所から行けるところまで行ってみます。
四国88カ所霊場はご本尊とお大師様の二ヵ所にお参りしますが、観音霊場はお堂が一つだけなので、お経を少し多めにしました。
開経偈から始め、三帰、三竟、十善戒、般若心経、十句観音経、本尊真言です。
十句観音経は四国ではお供えしなかった観音様用のお経です。
お線香お灯明は大変なので止めました。 服装は南無観世音菩薩のおいずるだけにしました。
金剛杖の代わりにトレッキングポールを持っていきました。
東京から秩父には西武鉄道で行きます。
終点の西武秩父から1番札所へ行くバスは1時間に一本で、このバスに接続する列車も一本だけです。
池袋0650発の始発特急に乗り、1番札所四萬部寺に到着したのが9時ちょっと前でした。
四国同様に、一番札所には巡礼用品の売店があります。
四国一番霊山寺の売店は鉄筋コンクリートの立派な建物です。
秩父一番はというと、木造の物置の様な売店でした。
しかし、品揃えはなかなかの物です。
白衣、菅笠、お杖、輪袈裟、お札、納経帳などの必需品から、ちょっとしたお土産物まで揃っていました。
そしてこの売店が納経所を兼ねています。
店に入ると、外で掃除をしていたお寺の方が戻ってこられて納経してくださいました。
ここで、観音霊場用のお札、ずっと探していた無地の輪袈裟と、道中お守りの牛王宝印を買いました。
牛王宝印は熊野大社の八咫烏をデザインしているそうで、なかなか霊験がありそうです。
お坊さんに歩き巡礼の道を尋ねると、B5サイズの手書きの案内図に鉛筆で書きこみながら教えてくれます。
四国の歩き遍路は遍路道を歩きます。
遍路道はお遍路さん以外には見つけにくい道ですが、歴史的な物や国土省が建てた遍路石、へんろみち保存協会が貼った遍路シールなど各種の歩き遍路用の道案内があり、歩き遍路をサポートしてくれます。
秩父でも徒歩巡礼者のためにいくつかの道案内が用意されています。
歴史があって多数残されているのが宝永年間(1700年ごろ)に”心求はま”によって建てられた道標石です。
丸っこい石に草書体で「右しまんぶ道」のように刻まれています。
未舗装の古道や旧国道を歩きたい場合、秩父市と札所連合会が建てた「江戸巡礼古道」という道しるべが役に立ちます。
また「巡礼道」と書かれた小さい札やシールも役に立ちました。
札所2番はここから約200mほど登った坂の上にあります。
車一台が通れる幅の舗装路ですが、路肩が弱い危険な箇所があるらしく、歩行者だけが通れる道です。
四国で何度も通った明治期の国道に似た道でした。
札所2番は無住のお寺です。
秩父には無住の札所が何か所かあります。 このような場合、山を下りた所に札所を管理するお寺があり、そちらで納経してくれます。
2番からの下り坂は、この日唯一の未舗装古道でした。
岩でごつごつしていた四国や熊野とは違い、はじめての秩父の古道は茶色い土の道でした。
この後は、ほぼ平坦な道になります。
市街の中心地に向かっていくのですが、旧道には、四国お遍路同様に食堂もコンビニもありません。
数少ない食堂や蕎麦屋さんを探して大きな通りに出ましたが、コロナのためか全部閉まっていました。
昼食難民になることも考え、ソフトチョコスティックパンとパックの牛乳、南部せんべいを持って来たのですが、これがお昼ごはんになりました。
この日は、札所15番まで歩きましたが、実は12番には行かずに通過しています。
11番のお坊さんが「12番の納経所は今閉まっている。いつ再開するかわからない」、と教えてくれたのです。
何やら内紛でもあったのかと、13番のお坊さんに聴くと、「このコロナのご時世だからいろんなことがあるんですよ」と言われました。
「ご本人が罹られたんじゃないのですが、やっぱりね~。もうすぐ再開されると思いますよ」、ということで、おぼうさんが濃厚接触されたそうです。
この日は秩父市の北側にある札所一番から、武甲山に向かって歩きました。
昔の人たちと同じように少しづつ大きくなっていく武甲山を見ながら歩くのは楽しかったです。
ほとんど未舗装の古道がなく、短い区間に札所が固まっているのは、四国88カ所のはじまりとよく似ている気がします。
最後に秩父神社によって、5日間の道中安全を祈願しました。
データ
2022年3月1日 23.1km 8hr09m
0916 札所一番 四萬部寺発
1630 札所十五番 少林寺着
緑色の地図で1日目のルートは水色で表示してあります
(画像はクリックでおおきくなります)
0650 池袋特急秩父3号
0814 西武秩父駅着
0820 西武観光バス [T3]札所一番経由 皆野駅行
西武秩父駅 2番のりば
PASMO支払い可
0850 札所一番バス停
1703 西武秩父駅着
1724 特急ちちぶ40号
1847 池袋着
スケジューリングで考えたこと
西武秩父駅から札所一番に行くバスの本数が少ないので、始発特急に乗らないと時間が無駄になります。
緑の地図ではわかりにくいのですが、札所10番から16番までは西武秩父駅と秩父駅から10分ほどの距離に固まっています。
納経所の営業時間は3月から夕方5時までになったので、4時台に10番~16番の適当なところで切り上げようと思っていました。
どこで切っても次回は札所25番でストップします。
しかし、些細なことが決められないで、どうしようかと考えているうち、結局春になってしまいました。
些細な事というのは、重ね印です。
お遍路に限らず、巡礼の二周目以降は同じ納経帳を使います。
重ね印というのは、すでに墨書きがしてあって納経印も押してある同じページに、また納経印を押すことです。
折角綺麗に押してある納経印が、ごちゃごちゃになっていき、最後にはページ全体が真っ赤になります。
車やバスで100回周って錦のお札を使いたい人なら、真っ赤になるのが最終形態ですから、それでいいでしょう。
しかし、歩き遍路の私はせいぜい年に一回です。
まばらに重ね印が押されている納経帳を見せてもらいましたが、なんだかもったいない気がしました。
それで初心者と思われてもいいから、次回も新しい納経帳で周ろうかなと、そんなことを考えているうちに、秋からの良いシーズンを逃してしまいました。
突然、そうだ今度は日本百観音を周ってみようと思いつきました。
発心とはそういうものかもしれません。
そういえば、四国88番札所大窪寺の公認民宿八十窪の大女将さんが、「私は若いときに四国も百観音も周った」と言っていたのを思い出しました。
百観音巡礼を調べてみると、東国と西国が33カ所、秩父が34カ所で合計100カ所の観音様のお参りをするようです。
さらに調べてみると、東国、西国はどちらも全長1000km以上ですが、秩父は全長100km、一週間ほどで歩けることがわかりました。
また秩父には四国の黄色い地図のような必携のガイドブックはありませんが、歩きで周る人向けに、各札所で地図をくれることがわかりました。
ここまで調べたところで、一度歩きに行ってみることにしました。
春先で天気が安定していないので、まずは日帰りで1番札所から行けるところまで行ってみます。
四国88カ所霊場はご本尊とお大師様の二ヵ所にお参りしますが、観音霊場はお堂が一つだけなので、お経を少し多めにしました。
開経偈から始め、三帰、三竟、十善戒、般若心経、十句観音経、本尊真言です。
十句観音経は四国ではお供えしなかった観音様用のお経です。
お線香お灯明は大変なので止めました。 服装は南無観世音菩薩のおいずるだけにしました。
金剛杖の代わりにトレッキングポールを持っていきました。
東京から秩父には西武鉄道で行きます。
終点の西武秩父から1番札所へ行くバスは1時間に一本で、このバスに接続する列車も一本だけです。
池袋0650発の始発特急に乗り、1番札所四萬部寺に到着したのが9時ちょっと前でした。
四国同様に、一番札所には巡礼用品の売店があります。
四国一番霊山寺の売店は鉄筋コンクリートの立派な建物です。
秩父一番はというと、木造の物置の様な売店でした。
しかし、品揃えはなかなかの物です。
白衣、菅笠、お杖、輪袈裟、お札、納経帳などの必需品から、ちょっとしたお土産物まで揃っていました。
そしてこの売店が納経所を兼ねています。
店に入ると、外で掃除をしていたお寺の方が戻ってこられて納経してくださいました。
ここで、観音霊場用のお札、ずっと探していた無地の輪袈裟と、道中お守りの牛王宝印を買いました。
牛王宝印は熊野大社の八咫烏をデザインしているそうで、なかなか霊験がありそうです。
お坊さんに歩き巡礼の道を尋ねると、B5サイズの手書きの案内図に鉛筆で書きこみながら教えてくれます。
四国の歩き遍路は遍路道を歩きます。
遍路道はお遍路さん以外には見つけにくい道ですが、歴史的な物や国土省が建てた遍路石、へんろみち保存協会が貼った遍路シールなど各種の歩き遍路用の道案内があり、歩き遍路をサポートしてくれます。
秩父でも徒歩巡礼者のためにいくつかの道案内が用意されています。
歴史があって多数残されているのが宝永年間(1700年ごろ)に”心求はま”によって建てられた道標石です。
丸っこい石に草書体で「右しまんぶ道」のように刻まれています。
未舗装の古道や旧国道を歩きたい場合、秩父市と札所連合会が建てた「江戸巡礼古道」という道しるべが役に立ちます。
また「巡礼道」と書かれた小さい札やシールも役に立ちました。
札所2番はここから約200mほど登った坂の上にあります。
車一台が通れる幅の舗装路ですが、路肩が弱い危険な箇所があるらしく、歩行者だけが通れる道です。
四国で何度も通った明治期の国道に似た道でした。
札所2番は無住のお寺です。
秩父には無住の札所が何か所かあります。 このような場合、山を下りた所に札所を管理するお寺があり、そちらで納経してくれます。
2番からの下り坂は、この日唯一の未舗装古道でした。
岩でごつごつしていた四国や熊野とは違い、はじめての秩父の古道は茶色い土の道でした。
この後は、ほぼ平坦な道になります。
市街の中心地に向かっていくのですが、旧道には、四国お遍路同様に食堂もコンビニもありません。
数少ない食堂や蕎麦屋さんを探して大きな通りに出ましたが、コロナのためか全部閉まっていました。
昼食難民になることも考え、ソフトチョコスティックパンとパックの牛乳、南部せんべいを持って来たのですが、これがお昼ごはんになりました。
この日は、札所15番まで歩きましたが、実は12番には行かずに通過しています。
11番のお坊さんが「12番の納経所は今閉まっている。いつ再開するかわからない」、と教えてくれたのです。
何やら内紛でもあったのかと、13番のお坊さんに聴くと、「このコロナのご時世だからいろんなことがあるんですよ」と言われました。
「ご本人が罹られたんじゃないのですが、やっぱりね~。もうすぐ再開されると思いますよ」、ということで、おぼうさんが濃厚接触されたそうです。
この日は秩父市の北側にある札所一番から、武甲山に向かって歩きました。
昔の人たちと同じように少しづつ大きくなっていく武甲山を見ながら歩くのは楽しかったです。
ほとんど未舗装の古道がなく、短い区間に札所が固まっているのは、四国88カ所のはじまりとよく似ている気がします。
最後に秩父神社によって、5日間の道中安全を祈願しました。
西武線特急 La View |
札所1番 四萬部寺山門 |
観音堂 |
旅籠1番 | 江戸時代創業 | ひだり2番 の標石 |
心求はまの 標石 |
2番に向かう 舗装の旧道 |
2番真福寺 無住です |
全てのお堂 に縁起の板絵 |
梅 | 2番の降り 未舗装の古道 |
巡礼路初の 未舗装古道 |
先日の雪が 残っています |
この道標も わかりやすい |
山の中の 道標 |
巡礼路上の 綺麗なトイレ |
この道標が 一番有用です |
5番語歌堂 無住です |
小川にかかる 歩行者用の橋 |
武甲山 |
6~9番札所 順番が難しい |
6番荻野堂 | 四国の道にも ありました |
7番法長寺 四国の志度寺と 縁があります |
武甲山山頂の 神社の里宮 |
6~9番は 判りにくい |
武甲山 | 10番大慈寺 | 街中に札所が 密集してます |
四国でも アニメで ・・・ |
町おこしを していました |
緑の表紙の 札所連合会 の案内図 |
各札所毎の 案内図 |
1番で買った 牛王宝印 |
秩父神社 |
欄間を修復 しています |
左甚五郎作の お猿もいます |
秩父ビールと 秩父餅 |
データ
2022年3月1日 23.1km 8hr09m
0916 札所一番 四萬部寺発
1630 札所十五番 少林寺着
緑色の地図で1日目のルートは水色で表示してあります
(画像はクリックでおおきくなります)
0650 池袋特急秩父3号
0814 西武秩父駅着
0820 西武観光バス [T3]札所一番経由 皆野駅行
西武秩父駅 2番のりば
PASMO支払い可
0850 札所一番バス停
1703 西武秩父駅着
1724 特急ちちぶ40号
1847 池袋着
スケジューリングで考えたこと
西武秩父駅から札所一番に行くバスの本数が少ないので、始発特急に乗らないと時間が無駄になります。
緑の地図ではわかりにくいのですが、札所10番から16番までは西武秩父駅と秩父駅から10分ほどの距離に固まっています。
納経所の営業時間は3月から夕方5時までになったので、4時台に10番~16番の適当なところで切り上げようと思っていました。
どこで切っても次回は札所25番でストップします。
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