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歩き遍路日記(ズルはせずに全部歩いています) 2024年11月08日
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2024-11

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板東三十三カ所 神奈川県 day6 小田急小田原線 座間駅から 第8番 妙法山 星谷寺経由  京浜急行 弘明寺駅

もう10月下旬だというのに暑い日が続いています。
数日前には史上もっとも遅い30度越えが観測されたそうです。
ようやく最高気温が25度で一日晴天という予報がでたので、秋のお遍路に出ました。

今日のコースは小田急座間駅からスタートし、すぐ近くにある第8番 妙法山 星谷寺(星の谷観音)から、横浜市戸塚区の弘明寺駅までの約28kmです。
弘明寺駅近くには第14番札所 瑞応山 弘明寺があります。
8番から14番まで札所番号が大きく飛びますが、ズルをするのではなく、当時も巡礼街道と呼ばれていた定番の巡礼コースです。

座間駅を出ると小雨が降っています。
駅から500mほどの場所にある8番札所に向かう間、ますます雨が強くなってきました。

今日は天気予報を信じて納経帳以外は薄手の上着、着替えしか持っていません。
この数日間で最高の天気を選んだつもりでしたが、雨が強くなるようなら、星谷寺をお参りして帰宅しようと思いました。

星谷寺は天平時代創立の歴史のあるお寺ですが、新しく改修されています。
敷地内に入ると、仁王門の代わりに一対のブロンズ製仁王像が露天に立っていました。
坂東8番の石柱や宝篋印塔、半鐘など歴史を感じさせる物もモダンな感じにアレンジしてありました。

星谷寺には七不思議があります。
どこが不思議なのかよくわからない、撞くところが一箇所しかない鐘からはじまり、一本の木に色違いの花が咲く椿の木など、いろいろな不思議があるのですが、ぜひみたいものがありました。
昼間でも覗き込むと星が見えるという星見の井戸です。
高野山の奥の院には顔が映らない人は三年以内に亡くなるという”姿見の井戸”がありました。
こちらは星が見えなくても問題ないようです。
昼間でも星が見えるとはどういうことでしょう。
夜のような真っ黒な水面なのでしょうか。

星見の井戸はとても深い井戸でしたが、太陽の光が届かないくらい深くはなく、はるか下の方に丸い鏡のような水面がみえます。
雨曇りの空を映した灰色の水面には雨の作る水紋が見えました。

雨が小降りになってきたので予定通り札所のある弘明寺駅に向かうことにしました。
ここからほぼ東南東に約25kmです。

星谷寺のすぐ東側に開発されなかった小さい丘を利用した座間谷戸山公園があります。
小さい丘と言っても、都心の公園とは違い30ヘクタール以上もある本物の丘陵です。
今歩いている道は、当時は巡礼街道と呼ばれていました。
巡礼街道は、"わかされ"と説明板のあった三叉路で、南から星谷寺に向かう道と合流します。
"わかされ"は分かれ道、という感じだったのでしょう。
説明には当時はここに"星谷道、巡礼街道"と書かれた道標があり、北に向かう道は星谷道といわれていたと書いてあります。
しかし、よく考えるとこの説明はおかしいのではと思いました。
当時の道標に書かれた、”何とか道”は、道の名前ではなくて、どこそこ方面、という意味です。
ここに立っていた道標には、左が星谷寺方面と書いてあったので、星谷道という名前の道ではなかったのではと思います。

しばらく東に向かうと、同じように開発されなかった丘と湿地からなる芹沢公園がありました。
丘の周囲は所々崖になっていて 、子供が近づかないように工事現場にあるオレンジ色の金網で隔離してあります。
工事の許可書のようなものが張ってあると思ったら、名所にある説明板でした。
説明によると、この丘の下には第二次世界大戦中に軍需工場だったトンネルが張り巡らされているそうです。
作られていたのは局地戦闘機、雷電です。
ここに海軍工廠が作られたのはアメリカ軍の東京空襲が始まった1943年だそうです。
厚木飛行場に隣接した工場でしたが、空襲が始まっていたので安全な洞窟の中で作っていたのですね。
公園を散歩している人たちには、特別珍しいものでもないようで、金網の向こう側に続くライトアップされたトンネルや雷電の模型をみて喜んでいるのは私だけでした。

さらに東に向かいます。
もうすぐ大和市という辺りに、また大きい公園がありました。
相模湾に面したの鵠沼に注ぐ二級河川、引地川の水源一帯を公園にした、泉の森です。
公園の一角に小さい民家園があり、この辺りにあった江戸時代の農家建築を展示しています。
養蚕農家の横には、桑の木が植えてあります。
縁側には季節限定でお月見の様子が再現してありました。
もう一軒は稲作農家で、生活の様子や農具を展示していました。

公園の中に馬頭観音を集めた一角があります。
この辺りは馬の産地だったのかもしれません。
日露戦争慰霊の横に、日独戦争慰霊もあります。
第一次世界大戦で中国青島に送られた馬もいたんですね。

泉の森の東のはずれに台湾亭という中華風の東屋があります。
戦争中、台湾人の学生さんがこの辺りで飛行機製造の実習生として働いていたそうです。
終戦後、国内情勢や生活が安定した頃、若い時に学んでいたこの辺りに記念の東屋を作りたいと、寄贈した建物だそうです。
留学生たちは何を考えてこの建物を建てたのでしょう。
6本の柱に書いてある詩をchatGPTで翻訳してみました。

會心堅實柏(柏の木のように、自分の信念を曲げない)
志節勵冰霜(氷霜にも負けず、志を持って生きる)
坐亭看煙雲(亭に座り、静かに雲が流れるのを見る)
高歌舒浩氣(心を解き放ち大胆な気持ちを持つ)
灣回得春先(先を見据えて、春の訪れを先取りする)
一高迎日早(高い志を持ち、誰よりも早く太陽の光を迎える)

新しい小さいお宮が不釣り合いな敷地に建っています。
鎌倉観音二十四番札所だった大石寺の跡に建てられた柳明神社です。
敷地内に立っている石造物には鎌倉観音二十四番札所大石権現、本尊十一面観世音などと彫られています。
調べてみると、江戸時代にあった鎌倉郡三十三箇所は現在11カ所しかなく、23カ所を加えて新しく、鎌倉三十三観音霊場を作ったそうです。
ここから東に2km行ったところにある崩れかけた庚申塔には、星の谷道、大石道と刻んであったそうです。

ここから南東に10km進み、新幹線、東海道線を横切り、戸塚の近くにある不動坂交差点で東海道国道1号線に合流しました。
不動坂交差点の横、ちょっと奥まった所に柏尾通り大山道の入り口があります。
付近にあった数本の大山道標を小さいお堂の周りに集めてありました。

不動坂という地名です。
お堂の中はお不動様でしょうか。
鍵の掛かった戸の隙間から中を覗いてみました。
お堂の中にあったのは、今回の板東巡礼の道中で数回見て来た、お不動様の乗った大山道標の石柱でした。
大山道の入り口を示す道標なので、お堂で囲ってしまっては意味がありません。
道標を奉納した人もさぞかし驚いていると思います。

説明によるとお堂の中の道標は1713年に建てられています。
300年以上前に建てられた道標ですが、風雪にさらされた期間が短いようで、いままで見て来た同じような、お不動様の載った道標よりも新しい感じです。
かなり早い時期に、お不動様の載った大山道標をお堂で囲い、道標ではなくてお不動様としてお祀りしたのかもしれません。

地図によると第14番札所 弘明寺は駅のすぐ近くです。
お参りは次回することにして、弘明寺駅から帰宅しました。

新宿 座間 駅
8時町田駅
今日は遅め
の出発です
座間駅に
到着
曇空に見え
ますが実際
は小雨です
星谷寺 古い 説明
板東8番
星谷寺に
すぐに到着
文字の消え
かかった
古い石柱
七不思議の
説明
仁王 謎の鐘 本堂
ブロンズ製
の仁王像
撞く場所が
一つだけ
の謎の鐘
第8番
星の谷観音
本堂
石造物 100観音 謎の木
綺麗に並べ
てある
供養塔など
百観音参拝
の記念供養
七不思議の
一つらしい
謎の枯れ木
説明 外 仲
七不思議の
一つ
星見の井戸
落下事故を
防ぐための
網がある
曇り空が
写って
見える
小田急 谷戸山公園入口 登り
札所の脇の
踏切の先に
谷戸山公園
丘に登り口
が見えます
丘の上には
三峰神社が
あるらしい
三峰神社 由来記 大神と山犬
座間星谷
三峰神社
があります
火災を防ぐ
ために秩父
から招いた
大神と山犬
の絵が奉納
されている
山道 庚申塔 星の谷道
地道を下り
県道の巡礼
路に合流
庚申塔の裏
に道標が
刻まれてる
巡礼街道と
星の谷道の
解説
わかされ 道 石造物t
巡礼街道と
星の谷道の
わかされ
実際の
わかされは
この三叉路
この辺りは
街道沿いで
道祖神多数
石造物群説明 道標 芹川星谷
上栗原石造
群の説明
道の反対側
に昭和十一
年造の道標
保存が悪いが
星谷、芹谷
などとある
芹沢公園 芹が谷公園 2
芹沢公園 大きな木が
沢山ある
おやつ 金網 説明
コンビニの
ピザ饅頭で
最初の休憩
工事現場の
金網の前に
説明板
近くに来て
みると軍需
工場の説明
フェンスの奥 雷電 別のトンネル
金網の奥に
さらに柵が
あります
灯のついた
トンネルに
雷電の模型
灯のついた
別の
トンネル
説明 辰海道入口 大和市
辰街道は
辰巳の方向
の直線道路
この交差点が
辰街道入口
国道246に
合流し大和
市に入る
bbq
泉の森の
入口
水源を保護
している
広大な公園
BBQ場
もあります
民家園 養蚕農家 桑
大和市
郷土民家園
江戸末期
養蚕農家の
旧北島家
裏庭には
桑の木が
植えてある
お月見 和菓子 小川家
縁側には
お月見の
様子が展示
合わせて
和菓子の
販売もあり
江戸中期
稲作農家の
旧小川家
内部 稲 桜
住宅内部の
展示は農機
具と日用品
外には稲と
農機具の
展示
桜が狂い
咲きして
いました
馬頭観音 日露戦争 日独戦争
江戸から
大正時代
の馬頭観音
日露戦争
明治三七年
日独戦争
大正三年
泉の森 源流 水辺
公園の中を
国道246
が通る
水源近くの
親水歩道
総面積42
ヘクタ-ル
です
2 タイワン停 柱
台湾人留学
生が寄贈
した台湾亭
説明 會心堅實柏
しせつ ざてい こうか
志節勵冰霜 坐亭看煙雲 高歌舒浩氣
わんふい
灣回得春先 一高迎日早 ピカピカの
ごみ処理場
桜が丘 谷戸頭・谷戸緑地 説明
小田急
桜ヶ丘駅を
通過します
住宅街の中
突然森の中
に出ました
市が賃貸の
谷戸頭
谷戸緑地
薬王院 石造物 66部
仏教音楽が
文化財の
小さいお寺
古いお寺で
境内に石像
があります
職業お遍路
の六部供養
塔です
境川 田んぼ 道祖伸
武蔵と相模
の境界二級
河川境川
こんな所に
水田が
ありました
巡礼路沿い
には道祖神
が多数あり
柳明神社 鎌倉24番札所 石堂寺
特別な物の
ない新しい
柳明神社
鎌倉三十三
観音二十四
札所の石碑
廃された
大石寺本尊
の石碑
説明 大山 庚申塔
大石寺と
柳明神社の
説明
振り向くと
大山が
見えました
道沿いに
庚申塔も
多数あり
ほしのやみちせつめい 庚申 あくわがわ
星谷、大石
の道標を兼
ねた庚申塔
青面金剛が
崩れて下に
置いてある
阿久和川
の親水公園
に架かる橋
三島神社 アクアランド 横須賀線
公園内に
移設した
三島神社
アクアラン
ドは阿久和
川の遊び場
横須賀線の
陸橋を渡る
不動前 お堂 1
国道一号線
不動坂
交差点
柏尾追分
不動尊
のお堂
明治五年
葛飾の
船大工建立
寛文 `庚申塔 説明板
寛文十年 庚申塔 近代になり
集められた
という説明
下 上 説明
中を覗いて
見ると石造
の道標です
お不動様が
載って
います
東海道沿い
の説明
1 大山道
*参考*
藤沢宿
四ツ谷不動
鯰料理付近
羽根尾通り
合流地点
国府津
羽根尾通り
大山道入口
大山道標 東海道 白旗
相模川を
渡った辺り
の大山道標
東海道に
入りました
義経を祀る
白旗神社が
あります
踏切 弘明寺 星谷
京急線の
長い踏切を
渡る
京浜急行
弘明寺駅
第8番
妙法山
星谷寺

データ
2024年10月20日(日)
27.2 km 7hr50min

0832 小田急 座間駅
0842 第8番 妙法山 星谷寺(星の谷観音)
0855 発
0909 星の谷三峰神社
0913 巡礼街道と星の谷道の碑(三峯台の庚申)
0924 わかされ
0937 上栗原道祖神
0947 ローソン座間栗原
0959 芹沢公園
1010 高座海軍工廠 中丸地下工場跡
1030 辰街道入口(ひばりが丘小学校前)
1055 泉の森ふれあいキャンプ場(泉の森)
1105 大和市郷土民家園
1120 泉の森出口
1137 台湾亭
1229 小田急線 桜ヶ丘駅
1240 谷戸頭・谷戸緑地
1250 発
1255 薬王院双盤念仏(六部供養塔)
1305 鎌倉三十三観音二十四番札所 大石寺跡(柳明神社)
1312 東海道新幹線越える
1324 ほしのや道、大石堂道道標
1358 阿久和川河川敷公園
1454 横須賀線越える
1506 柏尾追分不動尊
1623 京浜急行 弘明寺駅

0721 新宿発
小田急小田原線 快速急行 藤沢行き
0752 町田着

0805 町田発
小田急小田原線 各停 本厚木行き
0819 座間着


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テーマ:歴史・文化にふれる旅 - ジャンル:旅行

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プロフィール

38G

Author:38G
運動が少し好きな普通のおじさんの歩き遍路日記です。

お遍路をしようと思い、スケジュールを立てる際、ネットにアップされている先輩方のブログがとても参考になりました。

私も後から来る人のためにデータを残そうと思いブログを始めました。

「ズルはしていません」というのはバスや電車でワープはしていませんから、ポイント間の所要時間や一日の歩行距離は大体あてになりますよ、という意味です。

長い文章は、お遍路に行きたくても行けない母親のために書いています。

歩き遍路って、札所のない所は何をしているんだろうか、毎日歩いていて飽きないだろうか、など疑問に思った方も、本文を読んでいただけると、疑問の答えの一部が見つかるかもしれません。

 

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