元夫は無口で、思っている事を言葉にすることが、とても苦手なひとでした。
年が離れていたこともあり、若い頃は私がギャーギャー怒っても、相手にしてくれず、喧嘩にもなりません。
それを器の大きい包容力のある人だと思ってしまった、若き日の私。
そのうち、大事な話をしないといけない時でも、話にならない事に気づくのです。
肝心なところではダンマリを決め込み、いつも何かを決断するのは、私の役割となりました。
離婚原因は色々ありますが、離婚するに至ってすら、私たちは、喧嘩することもなく、腹を割って話し合うこともなく、元夫の本音や気持ちは知ることのないまま、時間だけがかかったあげく、ようやく私のごり押しで離婚が成立しました。
そんな結婚生活の終わりだったので、彼が、いつでもちゃんと私に向き合ってくれることにとても感謝しています。
言い方を変えれば、彼はとてもめんどくさい人です。頑固だし、自分が正しいと思った事は絶対に曲げません。けんかもたくさんします。
でも、彼は、私が、ちょっとでも不満や不安を口にすると、自分の気持ちや考えを、とても誠実に話してくれます。
そうすると、彼の行動の理由が分かって、誤解だったり、自分本位だったことや、彼の気持ちや思いやりにも気づく事が出来ます。
以前、お互いがよかれと思ってやった行動が、うまく噛み合わず、待ち合わせしていた時間に落ち合えないという事がありました。
もうその日は気分も落ちたし、彼も機嫌が悪いし、そのまま会わずに帰ろうかと思って、電話をしました。
私は、〇〇がとても嫌だった。なんでその気持ちを分かってくれないの?って。
彼は、私がそんな風に思ってたなんて全く思ってなかったし、彼は彼なりに、少しでも早く私に会えるようにと動いてくれたのに、私は彼のその気持ちをスルーしてしまっていました。
話すことって本当に大事。
そのあと、お互いにごめんなさいの気持ちで、会うことが出来ました。
時々、自分本位でしかモノが見れなくて、わがままにもなる、まだまだ未熟なおじさんとおばさんだけど、こういう事の繰り返しで、信頼関係って築かれて行くんだなって思いました。
いつも、ちゃんと正面から誠実に向き合ってくれる彼に感謝です。
そして、皮肉なことに、彼との関係でそういう事を学べば学ぶほど、元夫に対して不満しかなかった自分を反省するのです。
私が傲慢だったんじゃないかとか、
仕事がうまく行かない元夫を責めることもしなかったけど、元夫の本当の辛さを理解しようともしなかったんじゃないかとか、
私がもっと違う対応を出来ていたら、夫婦として壊れることもなかったのかも…と。
もちろん、未練なんて全くないけど、自分自身を振り返った時、反省だけは残ります。