(前回からの続き)
シヴァが悪魔退治に乗り出す
スラパドマの豹変は、やがて最高神シヴァの知るところとなりました。
そして遂にシヴァは、神々から三界を奪った悪魔、スラパドマの退治に乗り出しました。
その第一歩は、悪魔を退治する力を持つ、自分の息子を生み出すことでした。
不死身となったスラパドマを殺せるのは、唯一シヴァの息子だけだからです。
第3の目から6本の鋭い光を放つ
そこでシヴァは、額の真ん中にある第3の目から、6本の鋭い光を放ちました。
その光は、ヒマラヤの南側を流れるガンジス川を経て、サルヴァナ・ポイガイ湖に達しました。
そしてこの湖で、6つの光線から6人の赤ちゃんが誕生したのです。
ムルガンの誕生
シヴァとその妻である女神パールヴァティは、早速、その湖に駆け付けました。
愛くるしい姿を目の前にした女神は、6人の赤ちゃんたちを一度に抱き上げました。
そして、溢(あふ)れ出る母性愛から、女神は赤ちゃんたちを強く強く抱きしめました。
ところが、その愛情があまりにも強かったため、6人の体は1つになってしまいました。
こうして、6つの顔と12の腕を持つ赤ちゃん、ムルガンが誕生しました。
ムルガンにも色々ある?
ところが、実際にムルガンの像や画を見ると、顔は1つで腕も2本、という場合が少なくありません。
さらに、まだ幼く可愛い顔のムルガンもおられ、こちらは "child-God" の名で親しまれています。
なおこのムルガンは、スカンダと同一の神です。
南インドのタミル人の間では、スカンダよりもムルガンと呼ぶ方が一般的です。
*** (次回に続く) ***
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