タシガンは東ブータンの中心
タシガン県の県庁(ゾン)があるタシガン町は、東ブータンの中心です。
しかし人口はさほど多くなく、2017年の調査では約3,000人でした。
このタシガンを中心に住む人々は、ツァンラ(Tshangla)、または、シャチョップ(Sharchop)と呼ばれています。
彼らは元々は、ミャンマー・アッサム(インド)地方の出である、と伝えられています。
チベット人がブータンに住みはじめる前から、この地に住んでいる人たちで、今でも、古いブータンの伝統を色濃く残しています。
タシガン・ゾンは1659年、チベットのブータン侵攻に備えて建てられた城塞(じょうさい)です。
あまりにも高い所にあるため、これを見たチベット軍は、「あのゾンは、地上ではなく大空にあるに違いない」と、驚いたそうです。
しかし、今では、基礎が沈み、壁が崩れるなどで、倒壊寸前とも言われています。
それでも、最近までツェチュ祭の会場として使われたそうです。
交通の要所タシガン
かつてのタシガンは、南のアッサム(インド)と北のチベットを結ぶ、重要な交易ルート上の町として栄えました。
現在は、ブータンで最も重要な幹線道路(横断道路)の東端の町として、重要な地位を占めています。
また、南に伸びる国道3号線は、タシガンとインド国境の町サムドゥプ・ジョンカを結んでいます。
サムドゥプ・ジョンカは、ブータン・インド国境には2つしかない、外国人が通れるポイントの1つです。
さらに、郊外にはヨンプラ空港があり、パロ国際空港と結ばれています。
しかし、残念ながら、こちらは現在使われていないようです。