耐震診断プログラム
プログラム評価実施要領
- 耐震診断プログラム評価の目的
戦後最大の被害をもたらした阪神・淡路大震災における多数の建築物の被害を契機に、建築物の耐震性の向上への関心は、建物所有者や建築関係技術者はもとより、広く国民一般にかつてない高まりを見せているところである。国においても「建築物の耐震改修の促進に関する法律」(平成7年法律第123号、改正平成17年法律第120号)が制定され、この法律の的確な運用を図ることにより既存建築物の耐震改修を適切に実施し、建築物の耐震性の向上を図ることについて、国、都道府県その他地方公共団体において積極的な取り組みが行われているところである。
このようなことから、現在、各方面において多くの建築物の耐震診断が実施されているところであり、この診断の計算には耐震診断プログラムが多く使用されている。
一方、耐震診断プログラムは、同じ診断基準・指針等に基づくものでも各種のものがあり、またその方法も異なっていることから、使用する場合の注意事項も含めてプログラムの評価を実施してほしいという要望がこれらのプログラムを利用する立場の人々から強く寄せられているところである。
このような状況から、(一財)日本建築防災協会は「耐震診断プログラム評価委員会」を設置し、本委員会において、耐震診断プログラムの評価を行うことにより、そのプログラムの位置付けと使用上の注意事項等を明らかにし、適切な耐震診断及び耐震判定の実施に資することとする。
- 評価対象プログラム
鉄骨造、鉄筋コンクリート造及び鉄骨鉄筋コンクリート造等の耐震診断プログラムで、「建築物の耐震改修の促進に関する法律」(平成7年法律第123号、改正平成17年法律第120号)により定められた耐震診断に関する指針及び関連通達に基づいて作成されたプログラムを対象とする。
- 評価の内容
評価申込のあった耐震診断プログラムが、「建築物の耐震改修の促進に関する法律」(平成7年法律第123号、改正平成17年法律第120号)により定められた耐震診断に関する指針及び関連通達に対して妥当なものであるか、また、利用者への手引等が完備されているかを評価する。
- 委員会
委員会には、必要により部会を設置できるものとし、委員会設置規程は別に定める。
- 評価手数料
(1) 評価手数料(別紙1による)
1案件につき、原則として申込料30万円(消費税別)、評価費用120万円(消費税別)とする。ただし、プログラムの内容等により特に作業を要する場合及び申込者の都合で審査回数が多くなる場合等にあっては、追加費用を請求することができるものとする。
(2) 評価手数料の請求と支払い
評価手数料は、評価受付後事務局から申込者宛に請求書を送付し、申込者は、銀行振込により所定の口座へ支払うこととする。評価手数料が支払われない場合、評価が完了しても評価書は発行しない。
- 評価申込
(1) 評価申込
評価申込書に必要書類等を添えて事務局((一財)日本建築防災協会)へ申込む。
(2) 必要書類等
- 評価申込書(様式1による。)
- 評価申込概要書(様式2による。)
- 評価資料(様式3による。)
- あらかじめ用意された建物の診断結果(例題1~4)
- 受付審査
受付審査は委員会において行う。
委員会は、評価概要申込書に基づく申込者からの説明を聴取した上で申込みの受理を判断する。受理できない場合にあっては、事務局からその旨申込者に連絡し、原則として申込料を請求するものとする。
- 審査
(1) 部会の開催
部会では、申込者出席の上、申込者の提出した評価資料に基づき、詳細に問題点の検討を行う。
申込者は、部会ごとに審議内容や指摘事項について議事要旨をまとめ、次の部会に提出する。提出資料は、必要によって適宜追加となる。
(2) 委員会報告
委員会では、部会報告を基に審議を行い、評価が妥当であるかを検討し、「評価報告書」を作成する。
(3) 委員会等の開催地
委員会等の開催地は原則として東京とする。
- 評価書
(一財)日本建築防災協会は、「評価報告書」に基づき「評価書」を作成する。
- 評価書及び評価報告書の発行
評価手数料の振込みの確認後、評価書及び評価報告書を申込者に発行する。なお、最終資料には、評価書及び評価報告書の写しを添付する。
- 最終資料の提出
申込者は、評価終了の連絡を受けた後、評価に要した資料全般を最終資料として、2部を合本製本の上作成し、事務局に提出することとする。最終資料のうち1部は、事務局にて捺印の上申込者保管用として申込者に返却する。残りの1部は事務局で保管する。
また、評価対象のプログラム一式を1部事務局で保管する。
- 評価の取り下げ等
申込者が、評価の審査途中において評価依頼を取り下げた場合又はプログラムの内容が本評価の対象と著しく異なっていることが明らかとなった場合等は、その時点で評価を中止するものとする。
評価を中止した場合は、中止時点までに要した経費を精算するものとする。ただし、申込者の都合で取り下げた場合は、原則として評価手数料は全額請求することとする。
- 評価書の有効期問
耐震診断プログラム評価書の有効期間は5年間とする。
- 評価の内容変更
(1) 評価書の交付を受けた者が、当該評価書に係るプログラムの内容その他を変更しようとする場合、速やかに事務局へ申込むものとする。
(2) 委員会は、申込者が提出した資料に基づき、変更の是非について審査を行う。なお、申込者が希望する場合、更新に関する審査も併せて行なう。
- 評価の更新
(1) 評価の更新を希望する者は、有効期限が切れる前に事務局へ申込むものとする。
(2) 委員会は、申込者が提出した資料に基づき、更新の是非について審査を行う。
(3) 評価書の更新を認められたプログラムについて、有効期問を5年とする評価書を作成し、申込者に交付する。
- 評価更新の経費
評価更新の経費は、別に定める。なお、経費は更新承認と同時に事務局に納入するものとする。
- 評価書の取り消し
評価書の交付を受けた者が次の各号のいずれかに該当する場合、(一財)日本建築防災協会は、委員会の審査結果に基づき、評価書の一部又は全部を取り消すことができる。
一 偽りその他不正の手段により評価書の交付を受けたことが判明したとき。
二 評価書の内容と異なるブログラムを、評価書を受けたものとして使用したことが判明したとき。
三 評価書の取消を申し出たとき。
- その他
この要領に定めていない事項については、(一財)日本建築防災協会が定める。