解析雨量
解析雨量・速報版解析雨量とは
解析雨量と速報版解析雨量は、気象庁・国土交通省が保有する気象レーダーの観測データに加え、気象庁・国土交通省・地方自治体が保有する全国の雨量計のデータを組み合わせて、1時間の降水量分布を1km四方の細かさで解析したものです。解析雨量は30分ごとに、速報版解析雨量は10分ごとに作成されます。例えば、9時の解析雨量は8時~9時、9時10分の速報版解析雨量は8時10分~9時10分の1時間雨量となります。
解析雨量や速報版解析雨量を利用すると、雨量計の観測網にかからないような局所的な強雨も把握することができるので、的確な防災対応に役立ちます。
気象庁ホームページでは、今後の雨(降水短時間予報)のページからご利用になれます。時間を表すバーの灰色の時間帯が解析雨量の表示で、最新のデータのみ速報版解析雨量を表示しています。表示例は今後の雨(降水短時間予報)での表示例をご覧ください。
作成手法
雨量計は正確な雨量を観測しますが、雨量計による観測は面的には隙間があります。一方、レーダーでは、雨粒から返ってくる電波の強さにより、面的に隙間のない雨量が推定できますが、雨量計の観測に比べると精度が落ちます。解析雨量は両者の長所を活かし、レーダーによる観測をアメダスや他機関の雨量計による観測で補正して、面的に隙間のないより正確な雨量分布を得ています。速報版解析雨量では、10分前のレーダーと雨量計の関係をその時刻のレーダーと組み合わせることで、迅速に雨量分布を提供します。
解析雨量は、降水短時間予報の予測処理において、また、速報版解析雨量は速報版降水短時間予報の予測処理において、初期値の作成や雨域の移動に関する情報を求めるためにも利用されます。また、災害発生リスクの高まりを示す土壌雨量指数、表面雨量指数、流域雨量指数の算出や、これらを用いた大雨・洪水警報の危険度分布を求めるためにも利用されます。
利用上の留意点
- レーダーの運用休止に伴い、該当する地域の降水強度が表示されないか、弱めに表示されることがあります。
- レーダーの電波が雨雲以外のものから反射されることなどが原因で、実際の降水よりもはるかに強い降水が表示されることがあります。
- 災害発生の危険度が高まっている場所については、土砂キキクル(大雨警報(土砂災害)の危険度分布)、浸水キキクル(大雨警報(浸水害)の危険度分布)、洪水キキクル(洪水警報の危険度分布)で確認できますので、併せてご利用ください。