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昨日のロシア・ウクライナに続き、本日は中国の対ウクライナ・モルドバ貿易動向のグラフをお目にかける。ロシアの支配を脱しEU加盟を目指す両国だが、貿易パートナーとしては中国に期待する部分が小さくない。しかし、肝心の対中貿易パフォーマンスは、思うようには発展していない。
まず、中国の対ウクライナ輸出入動向が上図のとおり。ウクライナは中国にとって飼料用トウモロコシと鉄鉱石の供給国としてそれなりに重要だったのだが、開戦後のロシア軍による黒海封鎖で輸送路が閉ざされ、2023年終盤からはウクライナが独自に開設した航路を通じた輸出が復活はしているものの、貿易水準は戦前から大きく落ち込んだままである。
次に、中国の対モルドバ輸出入動向が、下図のとおり。2024年には、輸出入とも順調に伸び、過去最高を記録した。ただ、モルドバにとってみれば、中国市場への販売拡大、それを通じた対中貿易赤字の解消が目標であり、その問題は未解決のままである。実はモルドバはそうした目標を念頭に中国とFTA交渉を進めてきたのだが、現政権が従来以上にEUに傾斜しているので、モルドバの交渉熱意は低下している印象である。
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